2017年2月14日火曜日

【WSJ社説】アジア外交で勝利するトランプ氏―【私の論評】日本のリベラル・左派、左翼の本来の使命は「政権・権力と戦うこと」とではない(゚д゚)!



 ドナルド・トランプ米大統領はここ数日、アジア諸国との外交活動に忙しかった。9日には中国の習近平国家主席と就任後初の電話会談。翌10日に安倍晋三首相とホワイトハウスで日米首脳会談を行い、続く週末には首相と27ホールのゴルフに興じた。北朝鮮の弾道ミサイル発射実験を受けて11日には共同記者会見も行った。これまで一部の外国首脳を相手に示してきた態度とは異なり、トランプ氏は堅実かつ慎重に練られた対応ぶりを見せ、同盟諸国に敬意を払っている。

 習氏との電話会談の注目点は、台湾に関して中国が掲げる「一つの中国」政策を長年尊重してきた米国の姿勢をトランプ氏が確認したことだ。トランプ氏は以前、この原則について貿易問題などと同様に「交渉対象」になると述べていた。この変わり身について、トランプ氏が「張り子の虎」である証しだと指摘するメディアもある。中国政府関係者の話として、習氏はトランプ氏がスタンスを軟化させるまで対話を拒否していたと報道は伝えている。ただ、こうしたトランプ氏の変わり身の中身は驚くべきことでも、劇的なことでもない。

 これは台湾が中国の一部であるとする「一つの中国原則」をトランプ氏が受け入れたということではない。台湾の国際的な立場を巡り中台が反目状況にあることを認識するという米国の政策を確認しただけであり、この問題に対する米国の判断を留保したうえで、台湾の人々の同意による平和的な解決を求めているのだ。過去数十年間においてそうであったように、これは中台の反目を認識した以上のことを意味するわけではない。ましてや、独立国家としての台湾を正式に認めること以外で続けてきた台湾への支援を中止するわけでもない。

 昨年12月にトランプ氏が電話会談を行った台湾の蔡英文総統との関係を前進させ、経済・外交・軍事的つながりの強化を図ることを止めることでもない。そうではなく、台湾の独立国家としての地位というデリケートな問題を巡って中国と衝突し、地域を不安定化するようなリスクは冒さないというメッセージを送っている。そうすることによってトランプ氏は、慎重さが要求され、しかも依然として影響力の大きい台湾問題に関して、台湾や日本をはじめとする友好国・地域のリーダーからより多くの支援が確実に得られる状況を作ってみせたのだ。

 そこに驚くほど友好的な日米首脳会談が行われた。中国はアジアの覇者を狙う野望に対する反対勢力の急先鋒が安倍首相だととらえている。その認識は正しく、今回の日米首脳会談の意味を中国の指導部が理解しているのは間違いない。「われわれの間にはとても良好な絆がある。非常にうまが合う」。共同記者会見でトランプ氏はそう熱く語り、こう続けた。「車のところで彼(安倍首相)を出迎えた際、握手したが、彼を引き寄せ肩を抱いた。そうしたいと感じたからだ」。これが、日本はただ乗りの同盟国だと選挙期間中に批判していたトランプ氏の身の変わりようだ。

 「われわれは日本の安全保障に関与する」。トランプ氏はそう宣言した。尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲内だとするジム・マティス国防長官の発言と同じ認識を表明した。たとえ関係が最良の状況下にあってもトランプ氏との間では泣き所になりかねない貿易面では、マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理・財務相をトップとする経済協議の枠組みを設けることで合意した。

 新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」を日本海へ向けて11日に発射した北朝鮮も、日米間の連携強化の重要性を示すことに一役買うことになった。北朝鮮がミサイルの発射実験を行ったのはトランプ氏の就任後では初めてだ。今回の発射は北朝鮮が開発を進めている大陸間弾道ミサイルではなかったものの、同国の核開発が多面的に前進しつつあることをあらためて知らしめた。トランプ氏は「米国は素晴らしい同盟国である日本を100%支持する」と述べた。まったく同感だ。

【私の論評】日本のリベラル・左派、左翼の本来の使命は「政権・権力と戦うこと」ではない(゚д゚)!

ブログ冒頭の、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事いたってまともです。

このブログでは、以前から米国のメディアは90%がリベラル・左派占められていて、特に大手新聞ではリベラル・左派が100%であり、日本にたとえると産経新聞が存在していないような状況にあることを掲載してきました。

そのためか、米国のメディアで報道される内容は非常に偏りがあって、人口でいえばおそらく半分くらいは存在するであろう、保守層の声がほとんどかき消されていて、私たちは米国の半分を知らない状況にあるといってさえ良い状況にあります。

そうして、このウォール・ストリート・ジャーナル紙も無論のこと、リベラル・左派の新聞です。

しかし、日米首脳会談に対する極めて的確な報道をブログ冒頭のWSJの社説は果たしています。日本のテレビや新聞などの偏った解説とは異なります。

日本のリベラル・左派のマスメディアや、有識者などもこの態度は見習うべきでしょう。

日本ではマスメディアも酷いですが、いわゆる有識者などと言われている人たちも酷いものです。

政治学者の山口二郎氏は13日、朝日新聞の神田大介テヘラン支局長が安倍晋三首相を中傷するような投稿を行い、インターネットで批判を受けて削除したことについて、「最高権力者をおちょくることに、何の遠慮が必要か」と自身のツイッターに書き込みました。

山口二郎氏

神田支局長は、日本時間11日未明に米ワシントンで行われた安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談を伝える映像を引用し、「安倍首相、大丈夫かな…またおなか痛くなっちゃうのでは」と自らのツイッターに書き込みました。

この投稿にネット上で批判が相次ぎ、神田支局長は投稿を削除し、「このツイートは不適切だったので削除しました。安倍首相をはじめ、病気を揶揄するつもりはなかったんですが、そのように受け取られて当然のひどいツイートでした。お詫びし、撤回します。申し訳ありませんでした」と釈明しました。

朝日新聞の神田大介テヘラン支局長
さらに神田支局長は「自分の考えの至らなさ、まったくお恥ずかしい限りです。以後、このようなことがないよう注意いたします。重ねて安倍首相をはじめ、みなさまにお詫びします」「本当に、トランプ氏の登場による首相への重圧を心配してツイートしたんですが、そのように伝わらなくて当然だったと思います」「意図が伝わらないようなツイートをしてしまったこと、記者として恥ずかしく思います」などと連続して投稿していました。

このような出来事から、やはり日本のリベラル・左派、左翼といわれる人々の中には、山口二郎氏のように、多くのリベラル・左派、左翼のマスコミや識者は「政権や権力と戦うのが使命」であり、その使命を貫徹するためには安倍総理に対する個人攻撃をすることも当然と思っているようです。

しかし、私は政権と戦うのがリベラル・左派、左翼の使命であるなどとは絶対に言えないと思います。そんなことをしていたら、リベラル・左派はいつも政権反対の立場に縛られてしまうことになります。

自民党が政権をとったら自民党反対で、民主党政権になれば民主党反対ということになってしまいます。そうではなく、リベラル・左派、左翼は政権がどうであろうと自分自身が自由に考え、意見を述べるべきです。リベラル・左派、左翼が単なる政権の逆反射に陥れば、自由に考えているのは政権の側で、リベラル・左派、左翼は思考停止になってしまうことになります。

まさに、今回の日米首脳会談ではこのことが鮮明になったと思います。日本のリベラル・左派の方々も、ウォール・ストリート紙をみならって、まともな考え方をすべきです。この新聞は、「政権や権力と戦うのが使命」などとは思っていないからこそ、自由な発想と情報源から上記のような記事が書けるのです。

そうでないと、いつも反政権の立場に縛られて、まともなことが言えなくなってしまいます。その顕著な例が、いわゆるリフレ派の政策に対するリベラル・左派の人々の考え方です。

このリフレ派という言葉は、私はあまり好きではありません。そもそも、リフレ派による積極的な金融政策を中心にデフレから脱却することを重要課題とする主張は、他の先進国では当たり前の政策であり、この政策を主張する人々を他の先進国ではわざわざリフレ派と読んで区別することもありません。

リフレ派という言葉、日本独自のものと考えても良いです。そうして、このリフレ派の主張は欧米では雇用を改善して労働者にとって良い政策であるということから、リベラル・左派、左翼、労働組合などが賛同する政策でもあります。まさに、安倍政権はアベノミクスという名称で、世界的な見地からすれば、リベラル・左派的な政策を実行しているわけです。

しかし、日本ではリベラル・左派も左翼の方々も、「政権や権力と戦うのが使命」という古いイデオロギーにしがみついているせいか、金融政策の有効性を認めません。特に、金融政策が雇用と不可分に結びついているということを絶対に認めません。

このような頑な態度をとっていれば、やがてリベラル・左派の中でも分裂が起こるのではないでしょうか。実際、その兆候は見られています。

広葉樹の移植のための畑を耕す「化学総連」の皆さん
クリ・コナラなど塩に強い品種の広葉樹も
実験的に植えるのだそうです
化学大手の労働組合でつくる全国化学労働組合総連合(化学総連)が昨年連合から離脱しました。

化学総連は昨年5月末、春闘などで連合との窓口になっていた「日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)」との協力関係を解消しました。事実上の連合離脱であり、産別(産業別労組)が抜けるのは、平成元年の連合発足後、初めての事態です。

この動きの根底には、リベラル・左派、左翼は「政権や権力と戦うのが使命」であるとの考え方に対する反発があるのは明らかです。

私自身は、自分はどちらかというと保守派だと思っていますが、リフレ派的な考えは正しいものであり、それは統計上も十分に証明されているものと思いますから、自分が保守であろうがなかろうが、リフレ派の主張には賛同しています。

リベラル・左派、左翼の方々も、「政権や権力と戦うのが使命」という呪縛から逃れて自由な発想をすべき時にきているのではないでしょうか。

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2017年2月13日月曜日

沖縄の地元紙さえ懐疑的な翁長知事の訪米 成果皆無も「手応えは今回が最高」と妄言も連発―【私の論評】沖縄県民、日本国民を愚弄しまくる翁長に明日はない(゚д゚)!

沖縄の地元紙さえ懐疑的な翁長知事の訪米 成果皆無も「手応えは今回が最高」と妄言も連発



【那覇市支局長の沖縄オフレコ放談】

沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事が迷走している。米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設を阻止する決意を伝えるため、マティス米国防長官と入れ違いで訪米し、成果は皆無にも関わらず、「(3回目の訪米で)手応えは今回が最高」などと妄言も連発。帰国すると間髪入れず辺野古沖で海上工事が始まり、移設阻止で共闘関係にある地元紙や反対派と隙間風が吹いている。

写真のはブログ管理人挿入 以下同じ
■辺野古唯一に「失礼だ」
 翁長氏は1月31日から2月4日までワシントンに滞在し、下院議員12人と面談した。政府当局者との面談は課長級のヤング国務省日本部長ら2人だけだった。

「(議員と)実のある議論ができた」

「多くの方から『沖縄の事情が理解できた』という話を聞いた」

記者団に成果をアピールしたが、地元紙ですら懐疑的だ。沖縄タイムスは、面談した下院議員らが辺野古移設阻止に向けて「何か具体的行動を取る説得力のある議論ができたのだろうか」と指摘した。

訪米中、安倍晋三首相と訪日したマティス氏が辺野古移設を「唯一の解決策」と確認すると、翁長氏は「県民に失礼なやり方ではないか」と批判。県民という言葉を添えているとはいえ、メンツを潰されたという腹立ちをにじませた。

人生を米国の安全保障にささげてきた「戦う修道士」のマティス氏の言動が見識と経験に基づいているのに対し、翁長氏の言動はプロパガンダ(政治宣伝)しかない。

■記念撮影でお上りさん

訪米中にはこんな場面もあった。

トランプ大統領を含む各国の政治家ら数千人が出席したホテルでの朝食会。翁長氏はティラーソン国務長官と握手をする機会に恵まれた。

「日本の沖縄県から来た翁長です」と自己紹介したが、短時間のため基地問題を話す時間はなかった。

その際、撮影された写真が地元紙の琉球新報に関係者提供として掲載された。テーブルの向こう側を歩くティラーソン氏をバックに、テーブルの手前にいた翁長氏はカメラ目線で笑みを浮かべている。

その構図は、ディナーショーで歌手がテーブルに近づくと、自分と歌手を一緒にフレームに収めてもらう写真と同じだ。琉球新報によると、翁長氏は「(ティラーソン氏に)声掛けできて、ある意味でラッキーだった」と語ったという。

県幹部は「お上りさんですね」と漏らす。

この朝食会で撮影された写真がもう1枚ある。翁長氏と民進党の藤田幸久参院議員が挟み、軍人が真ん中に収まった写真だ。

藤田氏は軍人が「ポール・セルバ統合副参謀長(空軍大将)」で、翁長氏を含め3人とも朝食会のテーブルが同じだったと明らかにしている。

■懇親会で踊りに興じ

翁長氏がセルバ氏と公式に面談しようとしても拒否されるのは自明だ。今回、翁長氏はプリーバス大統領首席補佐官との面談を求めたが、袖にされてもいる。

朝食会という非公式な場ではあるが、翁長氏はセルバ氏に持論の辺野古移設阻止や在沖縄海兵隊の抑止力に対する疑問を主張する絶好の機会を得た形だ。

ただ、写真に映る翁長氏は微笑し、3人の表情からは和やかな雰囲気が伝わってくる。翁長氏がセルバ氏に持論を訴えたとアピールした形跡もないため、辺野古移設阻止を口にすることもなかったのだろう。

翁長氏を支持してきた移設反対派にとって訪米中の振る舞いは移設阻止の本気度に疑念を抱かせる。
訪米中に踊りに興じる翁長氏
ネットには訪米中に踊りに興じる翁長氏の写真も流れている。県は「沖縄出身者との懇親会で撮影されたもの」と説明するが、この写真も辺野古で座り込みを続ける反対派を「何を悠長に」といらだたせているはずだ。

【私の論評】沖縄県民、日本国民を愚弄しまくる翁長に明日はない(゚д゚)!

安倍総理の今回の訪米、そうしてトランプ新大統領との会談は、大成功だったことは疑いないです。これに対して、民進党の野田幹事長は"安倍晋三首相は「ドラえもん」のスネ夫になった!"など頓珍漢な談話を発表しています。予期せぬあまりの大成功に、戸惑いを隠せないようです。
トランプ大統領が、安倍総理に安全保証や貿易などに関して必ず厳しいことを言うはずだと予想し、そうなったら徹底的に安倍総理を批判してやろうと、待ち構えていたところ、すっかりあてが外れて、このような発言になったのでしょう。
それにしても、今回の翁長訪米には、このような悔し紛れの発言も何もなかったようです。
翁長氏そもそも、最初からほとんど成果の期待できない訪米をこの時期にするという事自体が大きな間違いです。そもそも、日本から沖縄県知事が訪米したとして、一体何の外交的成果があるというのでしょうか。
立場を逆にして考えてみれば、そのようなことは誰にでも理解できるものと思います。たとえば、旧民主党政権から自民党政権に政権交代があったときに、カリフォルニア州知事あたりが、訪日して、自民党の政治家に会ったとして、会う議員などもいるかもしれませんが、それで日米関係が変わるなどということがあり得るでしょうか。
そんなことは、あり得ないです。最初から成果の期待できない、訪米は、その性質から言って、都民を愚弄し怒りをかった、舛添元東京都知事の標榜していた都市間外交と何ら変わりないものです。
韓国朴槿恵大統領と会談した舛添都知事
翁長知事も舛添知事と同じく、沖縄県民を愚弄しているとしか思えないです。県民や国民を愚弄しているのは今回の一件だけではありません。
就任してすでに2年を超えた翁長知事ですが、いくら公約だからといって「辺野古移設絶対阻止」だけに力を注ぐのは、知事という職務に臨む姿勢として明らかにバランスを欠いています。

所得格差、貧困、教育現場の混乱、防災、過疎、DVの横行や青少年の非行に対する対応など、やるべきことはいくらでもあります。基地問題は沖縄県の課題の一つに過ぎないもです。

そんなことは気にもとめず、翁長知事は就任後の1年間で8回も外遊していました。外遊それ自体がいけないとは言いませんが、就任1年目に「外遊が多すぎる」とメディアから厳しく批判された舛添要一東京都知事も、その回数は6回です。

沖縄県は「アジアと日本の架け橋になる」というスローガンを掲げていますから、「アジア各地を廻ることも仕事のうち」と言うかもしれないが、他方で翁長知事は「日本はろくでもない国だ」とあちこち吹聴して歩いています。そんな知事が、架け橋になるとはとても思えません。

一昨年9月末、八重山地方に台風21号が襲来して、与那国島で最大瞬間風速81・1メートルを記録したことは記憶に新しいです。与那国島では大きな被害が出ましたが。被災の2日後に副知事を派遣したのですが、翁長知事はその後一度も与那国を視察していません。

仲井眞知事時代は、台風で離島に被害が出たら、知事自身が視察していました。翁長知事の対応は、県民、とくに与那国の人たちを愚弄するものです。人口1600人程度の与那国はたいした「票田」ではないから行かなかったのでしょうか。「票にならないことはしない」という翁長知事一流の政治的計算が働いたのかもしれません。

さらに決定的なのは、あれだけ「辺野古、辺野古」と言い続けている翁長知事なのですが、知事になってからの翁長氏は一度も辺野古を訪れていません。翁長氏が辺野古に足を運んだのは、知事選前の2014年9月20日と選挙直後の11月19日の2回だけです。

選挙も終わったから、辺野古で座り込むような泥臭いパフォーマンスより、ジュネーブで英語スピーチするカッコいいパフォーマンスを選んだのでしょうか。おそらくここでも、翁長知事の政治的計算が働いています。翁長知事は夫人を座り込みに行かせたのですが、どう考えても知事本人が現場で激励するのが筋です。

「翁長知事、頑張れ!」と唱えながら辺野古ゲート前で、体をはって日夜座り込んでいる高齢の活動家に対してもあまりに無礼ではないでしょうか。辺野古の現場の人々も、よく黙っているものだと思います。私自身は、このような活動には反対ではありますが、それは別にして、現場で頑張っている人たちをないがしろにする翁長知事のやり方は、どうみてもまともには見えません。
今月6日辺野古ゲート前
今月6日ゲート前には、辺野古への移設阻止を訴えるため、翁長雄志(おなが・たけし)知事と訪米し、帰国したばかりの稲嶺進・名護市長も駆けつけました。


しかし、翁長知事の姿は、相変わらずありませんでした。翁長知事は本当にこれらの人を愚弄し続けています。

そうして、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、国が埋め立ての承認を取り消した沖縄県の翁長雄志知事を訴えた裁判においては、昨年12月20日の判決で、最高裁判所第2小法廷の鬼丸かおる裁判長は、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判断を示しました。

これによって県の敗訴が確定し、中断していた普天間基地の移設工事が再開される見通しとなりました。翁長知事は、敗訴が確定したとしても、知事が持つあらゆる権限を使って移設計画を阻止する考えを示しています。

そうして、移設計画の阻止の一環として、行われたのが今回の無意味な訪米です。これだけ県民や国民や沖縄の活動家を愚弄してして、しまくって平気な知事も珍しいのですが、翁長氏の政治手法からは、容易に想像できる姿勢でもあります。今回の訪米で、完璧に化けの皮が剥がれたようです。
これだけまともに仕事をしない沖縄県は、翁長知事を弾劾すべきと思います。
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2017年2月12日日曜日

日米首脳 北朝鮮を非難 トランプ大統領“100%日本とともに”―【私の論評】北ミサイル発射は、日本の拉致被害者問題とも無縁ではない(゚д゚)!

日米首脳 北朝鮮を非難 トランプ大統領“100%日本とともに”



安倍総理大臣は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けてアメリカのトランプ大統領と共同で声明を発表し、断じて容認できないと非難するとともに、日米両国が緊密に連携し、対応を強化していくことで一致したことを明らかにしました。また、トランプ大統領は「すべての人は、アメリカが、日本と100%ともにあることを知るべきだ」と述べました。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受けて、安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領は、夕食会のあと、日本時間の午後0時半すぎ、滞在先のフロリダ州の大統領の別荘で共同で声明を発表しました。

この中で、安倍総理大臣は「北朝鮮のミサイル発射は断じて容認できない。北朝鮮は、国連決議を完全に順守すべきだ。先ほど、トランプ大統領との首脳会談で米国は常に100%、日本とともにあると明言した。トランプ大統領はその意思を示すために私の隣に立っている」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「私とトランプ大統領は日米同盟をさらに緊密化し、強化していくことで完全に一致した」と述べました。

また、トランプ大統領は「すべての人は、アメリカが偉大な同盟国、日本と100%ともにあることを知るべきだ」と述べ、日本と緊密に連携して北朝鮮に対処していく考えを強調しました。

トランプ大統領は前日の記者会見で、「北朝鮮の核やミサイルの脅威からの防衛は極めて高い優先事項だ」と述べ、北朝鮮の核やミサイルの開発への対応に優先的に取り組んでいく考えを明らかにしていました。

【私の論評】北ミサイル発射は、日本の拉致被害者問題とも無縁ではない(゚д゚)!

韓国軍合同参謀本部などによると、北朝鮮は日本時間の12日午前7時55分ごろ、北西部の平安北道・亀城から弾道ミサイル1発を発射しました。ミサイルは最高高度約550キロに達し、約500キロ飛行して日本海に落下。日本の防衛省関係者は、射程約1300キロの「ノドン」との見方を示し、高い高度に打ち上げて迎撃を難しくする「ロフテッド軌道」がとられた可能性もあると指摘しました。一方、韓国軍は「ムスダン」(射程2500~4000キロ)改良型の可能性が高いと発表しました。

北朝鮮の中距離弾道弾ノドン
トランプ政権の発足後、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは初めてです。日米首脳会談に合わせ、弾道ミサイルの能力を誇示し、日米をけん制する狙いがあるもようです。16日に故金正日総書記の誕生日を控え、国威発揚を図る意図もあったとみられます。

米戦略軍も北朝鮮による「中距離ないし準中距離」の弾道ミサイル発射を確認したと発表。声明で「米戦略軍と北方軍・北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)、太平洋軍は引き続き北朝鮮による挑発を警戒し、安全確保に向け日韓両国と緊密に連携していく」と表明しました。

菅義偉官房長官は12日午前、臨時に記者会見し、「日米首脳会談直後だったことを考えても、わが国や地域への明らかな挑発行為だ」と強調。北朝鮮に厳重に抗議したことを明らかにしました。船舶や航空機への被害は確認されていません。
安倍首相は関係省庁に対し、情報収集・分析に全力を挙げ、不測の事態に備えて万全の態勢を取るよう指示した。

さて、ここで日本ではなせが分析も報道もほとんどされないのですが、なぜ北朝鮮はあのようにミサイルを連発し、そうして本日このタイミングでミサイルを発射したのでしょうか。


それは、まずは北朝鮮が米国と本気で戦争をしようなどとは思っていないということを理解しなければなりません。

上の北朝鮮弾道見入るの推定射程を見ると、今のところ北朝鮮からは米国全土を射程に収めてはいません。これに対して米国の弾道ミサイルは全世界を射程に納めています。無論、北朝鮮も米国本土から攻撃可能です。それも、40年前のICBMで十分に可能です。さらに、北朝鮮にはこれを防ぐ手立てはありません。

また、米軍はSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)でも、北朝鮮をいつでも攻撃可能です。そうして、北朝鮮にはこれを防ぐ手立てはありません。

なのになぜミサイルを連発するのでしょうか。それを解き明かすには、北朝鮮とイランの関係を思い起こす必要があります。イランは、以前から北朝鮮から核に関する技術を導入していた形跡があります。それに関しては、本日は本題ではないのでここで詳細は説明しません。

北朝鮮は意味もなく、ミサイルを連発しているわけではありません。良い悪いは別にして、彼らは彼らの思惑と戦略にもとづいてそれを実行しているのです。

そうして、彼らの思惑や、戦略の究極の目的は、何とかして米国に自分たちに振り向かせ、支那、ロシア、日本を抜きにして、直接対話をして、北朝鮮にとって有利な状況を創りだすことです。

そのための外交カード、交渉条件を北朝鮮にとって有利になるように核開発をし、弾道弾の開発もしているのです。

そうして、米国がいつまでも、北朝鮮と直接対話しなければ、北朝鮮としては各技術をイラクなどにビジネスとして販売してしまうかもしれないということを米国に見つけているのです。

北朝鮮の核やミサイルの技術は、米国に比較すると格段に劣りますが、それでもイランにこれらを提供すれば、イランからは米国全土が北朝鮮製の核ミサイルが射程距離内に収まってしまいます。

北朝鮮としては、米国が直接対話をしないならば、いずれはこれをイランに売りさばくということを外交カードとするため、盛んにミサイルを連発しているというわけです。

それと、日米首脳会談のまっただ中に北朝鮮がミサイルを発射したことには、これだけではなく、別の意味もありそうです。

それは、現在米国人が一人北朝鮮に拉致されていることがわかっています。韓国の拉致被害者家族でつくる「戦後拉北者被害家族連合会」の崔成龍理事長は今月7日、2004年に中国で失踪し、北朝鮮に拉致された疑いが指摘されている米国人男性デービッド・スネドン氏について、トランプ米政権が韓国で情報収集をしていると明らかにしました。

デービッド・スネドン氏
米国ではオバマ政権も情報を集めていたのですが表立った動きはしませんでした。北朝鮮はスネドン氏の拉致疑惑を全面的に否定しています。

スネドン氏については、中国雲南省から国境を接するミャンマーに拉致されて平壌に移送され、その後現地の女性と結婚し「ユン・ボンス」と名乗っているとの情報を、昨年8月に崔氏が北朝鮮内の消息筋から得たと明らかにしていました。

北朝鮮としては、米国人さらに日本の拉致被害者などの情報を明らかにすること、さらにいずれ解放し、日米返還することも取引条件の一つとすることの意味もこめて、今回のミサイル発射を実施した可能性があります。

トランプ次期大統領は5月17日に英ロイター通信とのインタビューで「金正恩と北朝鮮核問題について対話することに何ら問題はない」と金正恩委員長との首脳会談に意欲を示す発言を行っていました。

対立候補のヒラリー・クリントン氏から「加虐的独裁者を擁護するのか」と噛みつかれても、翌6月のアトランタでの遊説で「金正恩氏と会うため自分が訪朝することはない」と釘を刺しながらも「話し合うのがなぜだめなのか」と前言を撤回しませんでした。さらに「金正恩氏が米国に来るのなら会う。会議テーブルに腰掛けてハンバーガーを食べながら、もっといい核交渉を行う」と言い切りました。

実際、トランプ、金正恩会談が実現したとすれば、当然のことながら、デービッド・スネドン氏に関する話し合いもなされることになると思います。その時に、日本や韓国の拉致被害者に関する話し合いも当然行われることになるでしょう。

そうなると、拉致被害者問題解決の端緒になる可能性もあります。ただし、これはいまのところ、憶測に過ぎません。オバマ政権の末期には、韓国に金正恩斬首舞台を設置しています。今後この方面からもトランプ大統領の動静を見極めていく必要があります。



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2017年2月11日土曜日

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論―【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論

理化学研究所の小保方晴子元研究員らによるSTAP細胞の論文不正問題を特集した「NHKスペシャル」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は2017年2月10日、「名誉棄損の人権侵害が認められる」として再発防止に努めるようNHKに勧告した。NHK側は異例の反論コメントを発表した。

番組は2014年7月27日に放送された「調査報告 STAP細胞 不正の深層」。英科学誌「ネイチャー」に掲載された小保方氏らによるSTAP細胞論文を検証したものだ。

NHK放送センター

 
BPO「真実性・相当性が認められない」

放送後、小保方氏は「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと主張し、申立書を提出。

これに対し、NHKは「『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと反論していた。

15年8月から審理していた放送人権委員会は、17年2月10日に「委員会決定」を公表。同番組で、小保方氏がES細胞を不正行為によって入手・混入し、STAP細胞を作成疑惑があると摘示したことについて「真実性・相当性が認められず、名誉毀損の人権侵害が認められる」と結論付けた。

また、番組放送直前にNHKがホテルのロビーで行った執拗な取材方法についても「放送倫理上の問題があった」と指摘し、
「本決定を真摯に受け止めた上で、本決定の主旨を放送するとともに、過熱した報道がなされている事例における取材・報道のあり方について局内で検討し、再発防止に努めるよう勧告する」
とした。

 NHK「客観的事実を積み上げ、表現にも配慮」

これを受け、NHK広報局は、
「BPOの決定を真摯に受け止めますが、番組は、関係者への取材を尽くし、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したもので、人権を侵害したものではないと考えます」
とのコメントを発表し、小保方氏に対する人権侵害を否定。その上で、
「今後、決定内容を精査した上で、BPOにもNHKの見解を伝え、意見交換をしていきます。また、放送倫理上の問題を指摘された取材の方法については、再発防止を徹底していきます」
とした。

【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

小保方晴子氏
ブログ冒頭の記事には掲載されていませんでしたが、小保方氏は「正当な認定で感謝している」と代理人の三木秀夫弁護士通じてコメントしています。

放送倫理・番組向上機構(BPO)が「NHKスペシャル」の人権侵害を認めたのを受け、小保方晴子氏は10日、代理人の三木秀夫弁護士を通じ、「放送が私の人生に及ぼした影響は一生消えるものではありません」とのコメントを出しました。

小保方氏はコメントで「人権侵害や放送倫理上の問題点を正当に認定してもらい感謝している」とし、「国を代表する放送機関であるNHKから人権侵害にあたる番組を放送され、このような申し立てが必要となったことは非常に残念なことだった」と振り返えりました。

三木弁護士によると、小保方氏は現在も療養中で、BPO側からNHKに対する勧告について直接説明受けました。

"NHKスペシャル"「調査報告 STAP細胞 不正の深層」の動画、Youtubeに掲載されていますので、以下に掲載します。


この動画は元のNHKの番組を四分割しています。上の動画の続きのリンクを以下に掲載します。
https://www.youtube.com/watch?v=gq334DlC7mo
https://www.youtube.com/watch?v=mv5uv3p5JKU
https://www.youtube.com/watch?v=86tuZiM6-Xo

私が、この番組で一番問題であると思ったのは、やはり小保方氏が「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと思わせるるような内容であったことです。

番組内で、若山研にいた留学生と名乗る人物(後に、Chong Li博士と判明)が登場し、小保方氏の研究室にあったサンプルボックスについて次のように証言していた。

「びっくりしました。保存しているのは全部ES細胞ですので、なぜかSTAP細胞に関係があるところに見つかったのは本当にびっくりしましたね。(小保方氏に)それを直接私が渡したことはないです」(Li博士)

この発言を受けて、番組では次のようなナレーションを流していました。

「なぜこのES細胞が小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか、私たちは小保方氏にこうした疑問に答えてほしいと考えている」

Li博士に対しては石川氏も取材したといい、Li博士は「(若山研では、続きの実験が計画されていたので、実験を)山梨大で続けるつもりだったが、ES細胞を紛失したことで、それを断念した」と語ったと証言しています(「フライデー」<講談社/15年2月6日号>より)。

そもそもLi博士のES細胞は、STAP研究とはまったく関係のない種類のES細胞であることは、石川氏の告発状が出される時点で判明していました。それにもかかわらず、『NHKスペシャル』と同様に石川氏は、あたかもLi博士のES細胞がSTAP研究に混入されたとされるES細胞と同一であるかのような告発状を作成し、マスコミに配布していました。石川氏の告発内容がのちに虚偽であったことが判明したのですが、マスコミはその告発状の論旨をベースに国民をミスリードさせていきました。

また、若山研ではES細胞を紛失したため実験が続けられなくなったと報道されたにもかかわらず、若山研から理研に対し紛失届が出されていませんでした。本当に必要なサンプルだったのならば、実験を断念せず、理研に紛失届を出すのが自然です。それを出さずにマスコミに「盗まれたかもしれない」とリークする目的はなんだったのでしょうか。NHKや毎日新聞がそうであったように、石川氏も若山研を情報源とするものが多いのですが、何か理由があるのでしょうか。

同番組放送後、世間は一気に「小保方氏犯人説」に傾いていきました。その影響は今なお色濃く残っています。NHKは十分な取材をしたと主張していますが、なぜMTAを確認するという基本的な裏取りをせずに、このようないい加減な放送をしたのかはなはだ疑問です。

昨年婦人公論に掲載された小保方さんの写真

小保方氏が理化学研究所(神戸市)の研究室から胚性幹細胞(ES細胞)を盗んだ疑いがあるとして告発され、兵庫県警が容疑者を特定せず捜査結果を書類送付した事件について、神戸地検は昨年5月18日、嫌疑不十分で不起訴処分としました。「事件の発生自体が疑わしい」と判断しました。

不起訴処分を受け、小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士は取材に「当然の結論だ。若山氏の研究室の引っ越しで残されていたものの中にES細胞があっただけで、刑事告発したこと自体がおかしい」と話しました。

この事件に関しては、このブログでも何度か掲載してきました。それらの中でも強調してきたのですが、仮に小保方氏が大悪党だったにしても、それでもなおこの事件には疑問が残るし、それに小保方氏一人だけを悪者にしてそれですべてが一件落着というわけではないと思います。

理研の上層部や、その監督省庁である文部省では誰も責任を追求されることもないし、笹井氏の自殺という残念な結果を招いたのにもかかわらず、危機管理上の改善などがされたという話は聴いたことがありません。

私は過去にこのブログで、このままでは、また同じようなことが起こるという懸念は払拭されないことを強調しました。その考えは、今でも変わりありません。多くの人が忘れたころに類似の事件が理研でまた発生することでしょう。

この事件は、もう小保方氏一人が大悪党で、その大悪党が処分を受けたので、大方の人はもう忘れてしまい、今回のこのニュースもほとんど取り上げられず、闇に葬られそうです。

これでは、何の解決にもなりません。悪い体質が温存されるだけです。BPOの今回の勧告がきっかけとなり、こちらのほうにも目が向けられと良いのですが、どうもそうはならないようです。このようにして、日本の悪い部分はいつまでも温存されて、あるとき限界を超えてさらにとんでもない事態を招いてしまい、そのときにはじめて改善・改革が行われるのだと思います。

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2017年2月10日金曜日

【米中戦争】米軍と人民解放軍どちらが強いのか 米国の軍事費は中国の3倍、カギになる「紛争地域までの距離」―【私の論評】旧ソ連のはまった罠、軍拡と宇宙開発、支那も(゚д゚)!

【米中戦争】米軍と人民解放軍どちらが強いのか 米国の軍事費は中国の3倍、カギになる「紛争地域までの距離」

1996年3月、台湾海峡に出動した空母インディペンデンスとCVW-5 出典: US Navy Photo Archive(NS091919901)
 米中戦争(紛争)を考えた場合、米軍と人民解放軍の実力差が気になる。

 人民解放軍の転換点は、1996年の台湾海峡危機だ。この年の台湾総統選において、独立派の李登輝氏の勝利に反対する中国は、台湾近海にミサイルを撃ち込むなど、露骨な軍事的圧力をかけた。

 だが、米軍の空母2隻が現れると、戦わずして屈服してしまった。この屈辱を契機に、人民解放軍の大軍拡が始まり、20年の短期間で軍事大国に成長した。

 単純に軍事費で比較すると、米国は中国の約3倍だ。軍事の総合力で、米国は圧倒的に第1位で、中国はロシアに次いで第3位という評価である。中国がロシアを追い越すのは時間の問題だろうが、「米軍に追いつくのは難しい」とみる識者(=元米国防次官補でハーバード大のジョセフ・ナイ教授など)が多い。

 米中紛争を考える際に、軍事の総合力の比較は参考にはなるが、より大切な要素は、紛争地域における相対戦闘力や紛争地域までの距離である。

 ランド研究所が2015年秋に発表した論文「米中軍事スコアカード」は、米中紛争の結果をシミュレーションした必読の文書である。

 米中紛争のシナリオとして「台湾シナリオ」と「南沙諸島シナリオ」を列挙し分析しているが、その結論部分を以下に紹介する。
 (1)人民解放軍は1996年以降、長足の進歩を果たしているが2017年の時点では米国の軍事力には追いつかない。

 (2)人民解放軍は、紛争の初期において、一時的・局所的な航空優勢と海上優勢を確立する能力を有する。

 (3)サイバー空間での戦い(サイバー戦)や宇宙空間での戦い(宇宙戦)においては、人民解放軍の先制攻撃が予想されるので注意が必要だ。

 (4)戦場までの距離は双方の作戦に重大な影響を及ぼす。一般的に、中国本土に近いほど米軍にとっては不利で、人民解放軍に有利だ。中国本土に近い「台湾紛争シナリオ」では両軍の実力が伯仲する。中国本土から遠い「南沙諸島シナリオ」では米軍が有利である。

 (5)人民解放軍が保有する1400発の短距離弾道ミサイルと、空軍力による台湾の航空基地に対する攻撃能力は高い。

 (6)米艦艇が中国本土から数千キロ離れた場所であっても、リスクなく自由に活動することが困難になっている。

 (7)米国にとって、同盟国や友好国の基地の提供は重要で、在日米軍基地は重要だ。

 米中紛争におけるいずれのシナリオでも、在日米軍基地に対する人民解放軍の攻撃が予想され、日本が米中紛争に巻き込まれる可能性は高い。詳しくは、拙著『米中戦争 そのとき日本は』(講談社現代新書)を読んでもらいたい。

 渡部悦和(わたなべ・よしかず)

【私の論評】旧ソ連のはまった罠、軍拡と宇宙開発、支那も(゚д゚)!

渡部悦和氏
ブログ冒頭の渡部悦和氏の分析の他にも、支那の軍事力などについては抑えて置かなければならないことがあります。

まずは、軍拡にはかなりの投資が必要であるという現実があります。これは、支那にとってはかなりの負担です。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
2012年7月22日、ロシア・テレビ局「ロシア・トゥデイ」は記事「米国のミサイル防衛システムが中国という経済の虎を封じ込める」を掲載した。 
今年3月、米国防総省はアジア及び中東におけるミサイル防衛システムの構成について公開した。中国を包囲するミサイル防衛システムに対抗するため、中国は自らの核兵器システムの近代化を迫られている。中国の軍事関係者も「近代化しなければ、核の抑止力を保つことができない」と認めている。 
旧ソ連はその末期に米国に対抗するため多額の予算を軍事費に注ぎ込んだ。今の中国も同様の状況にある。中国経済は今、繁栄しているかに見えるが、しかし格差は広がり、いまだ2億5000万人が貧困層として残っている。こうした問題を解決できないまま、中国政府は巨額の資金を軍事費に注ぎ込むことを余儀なくされている。 
冷戦を想起させる展開となっているが、中国は果たして政治と社会の安定を損なうことなく、軍事力を強化できるのか。その将来に注目が集まっている。
この記事では、ミサイル防衛システムを例に出しています。冷戦期、米国とソ連の軍事力は世界最先端で拮抗(きっこう)していましたが、両国には大きな違いがありました。それは、米国は世界一の経済力も誇っていたのですが、ソ連は発展途上国並みの経済力しかなかったということです。

それを見抜いていたのが、当時のロナルド・レーガン米大統領でした。レーガン大統領はソ連を「悪の帝国」と名指し、国防予算を大増額して「スターウォーズ計画」(戦略防衛構想)を推進しました。

これは、有事の際、アメリカ本土へ向けて飛来する仮想敵国の弾道ミサイルを、ミサイルやレールガン、レーザーなどを搭載した人工衛星(攻撃衛星)の攻撃によって迎撃・破壊することを目的としていました。

「スターウォーズ計画」の名は、当時、大ヒットした同名のSF映画から付けられた通称です。

この構想の下、いくつかの兵器が試作されましたが、技術的にも予算的にも現実的ではなく、最終的には実用化されないまま沙汰止みとなりました。

これは当時、大軍拡を進めていたソ連への対抗上なされたプロパガンダであったとも、あるいは国内の景気対策や技術振興のためのテコ入れ策であったとも言われています。

事実、当時のアメリカはベトナム戦争の敗北によってもたらされた軍事的・経済的打撃からの回復途上にあり、レーガン政権は「強いアメリカ」を政策目標としていました。

しかし、ソ連はこれに追いつこうと無理をしたため、もともと脆弱な経済がさらに立ちゆかなくなり、国家財政が破綻して崩壊しまいました。

まさに、支那も、旧ソ連と同じワナにはまっています。軍事費を毎年増加させています。軍拡に関しては、支那は旧ソ連よりもさらに厳しい状況にあります。

当時のソ連は戦後にドイツの技術者を大量にソ連に連行して、ソ連で様々な開発に従事させました。そのため、軍事技術に関してはそれなりに世界水準のものを維持することができました。

しかし、支那の場合は、そのような基礎がないため、ロシア、米国、日本などの他の先進国から盗むか、購入することが多いのです。これにも、かなり費用がかかります。

しかし、軍事技術の核心的な部分は、どの国も機密あつかいであり、それを支那に明かすことはありません。そのためでしょうか、支那空軍では慢性的な部品不足に見舞われていて、航空機の稼働率がかなり低い状況になっています。

そのせいで、支那のパイロットの年間飛行時間は、自衛隊のパイロットの1/10程度とされています。航空機の稼働率があまりのに低いので、パイロットの訓練が犠牲にされているのです。

そうして、支那はソ連から技術を導入して、宇宙開発にも熱心です。これもかなり費用がかかります。

これについても、その実体をこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
支那は、2011年に打ち上げた宇宙ステーション(軌道上実験モジュール)「天宮1号」が制御不能になったことを正式に発表した。―【私の論評】宇宙開発、軍拡は支那を滅ぼす(゚д゚)!
組立中の天空1号
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に結論部分のみ掲載します。
支那では戦闘機の旧式の戦闘機が多いのと、メンテナンスの技術も低く稼働率が異常に低いので、戦闘機の数は多いものの、日本の戦闘機と互角に実際に常時戦える戦闘機数は50機に過ぎないと推定できます。

日本の航空自衛隊の航空機は、旧式のものがほとんどないことと、稼働率は90%ですので、実際に常時戦える戦闘機は、315機です。

さすがに、50機と315機では、勝負になりません。

こう考えると、支那の宇宙ステーションも稼働率はかなり低くなることが予想されます。戦闘機の稼働率が異常に低いのに、宇宙ステーションだけが、稼働率が高くなるということは考えられません。

そうなると、支那の宇宙ステーションは、たとえ完成したとしても、NASAの宇宙ステーション管理による非効率よりもはるかに低い効率で、さらに低い稼働率で、巨大な金食い虫と成り果てることは、必定です。

宇宙開発と軍拡は支那を滅ぼすだけです。

支那が本当に実行すべきは、まずは支那共産党一党独裁体制を捨て去り、民主化、経済と政治の分離、法治国家化をすすめることです。そうしないと、支那はこのまま、中所得国の罠にはまり、図体が大きいだけの、アジアの凡庸な独裁国家に成り果てるだけです。

しかし、支那共産党はこのことには全く気づいていないようです。
宇宙ステーションの管理や、運用にはかなりの経費を必要とします。米国ではNASAが国際宇宙ステーションの管理をしていましたが、NASAの官僚主義的な運営の仕方で、とてつもない金食い虫となっていたため、2012年から実験室とその設備の管理をNGOの宇宙科学進歩センター(CASIS: Center for the Advancement of Science in Space)に委ねました。

支那の場合も、宇宙ステーションを稼働させたにしても、官僚主義の蔓延によって、ほとんど実質的に何の富を生み出すこともできず、金食い虫になるだけでしょう。

さて、 ドナルド・トランプ米大統領が就任してから、支那から外資系企業が続々と撤退しているといいます。4月以降、さらに撤退が加速するらしく、支那で「約1億人のリストラ」が行われる可能性が指摘されています。

この状況では、支那は、かつてのソ連と同じく、米国に追いつこうと無理をして、もともと脆弱な経済がさらに立ちゆかなくなり、国家財政が破綻して崩壊することになるでしょう。

いますぐということはないでしょうが、その方向に向かって進んでいるのは間違いないです。

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2017年2月9日木曜日

既存メディアにも「フェイク・ニュース」 「自らを棚に上げSNSをやり玉」は滑稽―【私の論評】日本では、新聞・テレビのフェイクニュースの悪影響ほうがはるかに甚大(゚д゚)!

既存メディアにも「フェイク・ニュース」 「自らを棚に上げSNSをやり玉」は滑稽

「フェイク・ニュース」という言葉をよく聞くようになった。トランプ大統領のツイッターでは「自分に不都合な世論調査はすべてフェイク・ニュース」とつぶやいている。一方、トランプ氏が大統領になったのも「フェイク・ニュース」のためだという意見もある。

具体的なニュースについて、どこがフェイクだったのかを検証するのはおおいにやったほうがいい。特に、ファクトの関わるところは検証可能であるので、どのような立場であっても、筆者としては大歓迎である。

「フェイクニュース」が耳目を集める
  消費税を増税しないと...

しかし、既存のメディアが、自らを棚に上げておいて、SNSをやり玉に挙げるのはかなり滑稽である。例えば、NHKが「フェイク・ニュース特集」をやっていたが、これまでのNHKの報道では、筆者の見聞きするところでは、「このまま消費税を増税しないと日本財政が破綻する」、「金融緩和すると、ハイパーインフレになる」、「消費増税で社会保障不安が消え、景気が良くなる」、「消費増税しないと国際公約違反となって国債が暴落する」などという、既にフェイクであることがわかっていることを平気で報じてきたと思う。

たとえば、最近(2017年2月7日)の「マイナス金利1年 効果と副作用は?」(NHK電子版)という記事も、筆者から見ればおかしなことが書いてある。

効果がでている住宅市場について、『バブル』と評している。一方、さまざまな『副作用』というが、金融機関の収益悪化だけしか書かれていない。

一般論として言えば、金融緩和は資金運用者から資金調達者への所得移転である。資金調達者のメリットを与えた方が、景気が良くなるので、景気低迷の時には金融緩和策が用いられる。

仲介する金融機関は所得移転との関係では、中立的なことが多いが、今回は預金調達金利を引き下げられず、運用金利の低下になるので収益悪化になる、これが、国民経済にとって『副作用』となるかどうかは意見が分かれるところだが、これまで金融機関は多額の収益を上げてきたので多少下がっても問題ない。

  経済学のマクロとミクロの区別

マイナス金利を正確に述べれば、マイナスとなるのは日銀と金融機関の間の日銀当座預金にほぼ限定される。それも、日銀当座預金全てをマイナス金利にするのではなく、ごく一部であり、全体としては、金融機関は日銀の当座預金で、プラス金利となっている。これは、一般企業が金融機関に預けた当座預金はゼロ金利であることから、金融機関全体で年間2000億円程度の利ざやを稼いでいることになる。市場金利の低下による収益悪化のみが報じられ、こうした事実の報道はなされていない。

しかも、最後の締めとして、「日本経済の復活、物価上昇率2%を実現する決定的な処方箋は『異例の政策』ではなく、産業競争力の強化や、将来のくらしを展望できる環境整備といった、より基本点な部分にある」と、急に何の脈絡もなく結んでいる。

これは、NHKでこの記事を書いた人は、マクロとミクロの区別という経済学の初歩を学んでいないのだろう。マクロ経済政策なくして、デフレは脱却できない。というのは、デフレがマクロ経済現象だからだ。記事の文中に、プリンストン大のシムズ教授の意見も引用しているが、記事が、デフレ脱却にはマクロ経済政策である金融政策と財政政策ではなく、ミクロ経済政策の産業競争力の強化が重要という結論だと知ったら、教授はさぞかし嘆くだろう。

++ 高橋洋一プロフィール

【私の論評】日本では、新聞・テレビのフェイクニュースの悪影響ほうがはるかに甚大(゚д゚)!

私も高橋洋一氏のように、NHKなどの日本の特に大手メディアが、マクロとミクロの区別もつけずに、報道することに憤りを覚えています。

上の高橋洋一氏の出している例には、たとえば、円安・円高の問題があります。日本の大手メディアは、円高・円安の要因に関して、ミクロ的な事象ばかり報道し、マクロ的な事象を報道しません。

円安・円高はかなり複雑なミクロ的な現象もともなうので、確かに100%正しく予測することはできません。しかし、マクロ的な現象で少なくとも60%の確率では予測はできます。

マクロ的には、金融緩和をすれば、円安傾向になります。金融引き締めをすれば、円高傾向になります。なぜそうなるかということは、簡単に理解できます。

金融緩和をして、円が増えて、ドルがそのままであれば、相対的に多くなった円が安くなるのは当然の理です。これが円安です。

金融引き締めをして、円が減って、ドルがそのままであれば、相対的に少なくなった円が円が高くなるのか当然の理です。これが円高です。

小学生にでもわかるあまりにも簡単な理屈です。しかし、なぜか日本の大手メデイアはこのことは全く出さず、円高・円安をあくまで、ミクロ的な事象からしか報道しません。これせは、確かにフェイク・ニュースだといわれても致し方ないと思います。

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏が"NHKが「フェイク・ニュース特集」をやっていた"としていますが、それは、『クローズアツプ現代』の"フェイクニュース特集 “トランプの時代” 真実はどこへ"のことです。これについては、どのような内容なのか、以下のリンクからご覧になることができます。


高橋洋一氏が上の記事で主張しているように、確かにこの番組では、SNSなどのネットをやり玉にあげていますが、テレビや新聞などのフェイク・ニュースについてはとりあげていませんし、NHKが自ら流していたフェイク・ニュースについては全く触れておらず、いささかバランスが欠けています。

私は、SNSなどにフェイク・ニュースが流れるのは当然のことであり、それを取捨選択するのが、SNSを視聴するときの前提条件だと思います。

SNSをみていると、実際明らかにフェイク・ニュースであることがわかるものも、結構流れています。しかし、私自身はそれは、当然のこととして、まずは匿名で流しているものは、ほとんど信用しません。ただし、匿名のものであっても、ニュース・ソースが明らかにされていて、それが信用できるものであれば、信用します。

しかし、ほとんどの場合、信用できると思われる人の発信する内容しか読みません。無論、自分と意見や、考えが異なる人のものも見ますが、それでもやはりその本人を知っているか、過去の発言などから信用できる人の場合は読みますが、そうでないものは流し読みです。

中には、匿名のものでも興味をひかれるものがありますが、それを拡散したり、このブログに掲載するときには、ニュース・ソースを確かめるようにしています。そうして、はじめて拡散したり、ブログに掲載したりします。このようなことをしていれば、SNSのフェイク・ニュースに騙されることはまずは滅多にないと思います。

はっきり言わせていただくと、特に匿名のSNSで、ニュース・ソースをはっきり示さないものなどは最初から話半分に受け取り、信用すべきではありません。私自身は、すべてのSNSとブログを実名で使用しています。

実名だと、さすがにフェイク・ニュースは載せられないという意識が働き、何か掲載するるにしても、その真偽など確かめて掲載します。

実名のもの、ニュース・ソースがはっきりしているもののみある程度信用するようにしていれば、SNSでフェイク・ニュースに騙されるなどということはまずないでしょう。一般社会人は、自らそのように行動するように習慣づけること、学校などでもそのような指導をすることにより、フェイク・ニュースの害毒を十分に防ぐことができことでしょう。

そんなことより、高橋洋一氏が指摘するように、NHKをはじめとする既存メディアのフェイク・ニュースのほうが余程危険です。そうして、クローズアップ現代では、米国の話題を多くとりあげて、フェイク・メディアの危険性を強調していますが、この見方自体も非フェイク・ニュースといえなくもないと思います。

そもそも、トランプ新大統領が誕生したということ自体が、米国民はフェイク・ニュースに惑わされなくなったことの証かもしれません。

最近では、CNNがトランプ氏に関する「不名誉な情報」を含む元英情報機関の諜報員による調査メモの存在を、そしてと米バズフィードがその全文を、報じたということがありました。

元英情報局秘密情報部(MI6)諜報員によるとされる、トランプ氏に関する「不名誉な情報」を含む調査メモが存在し、それが元諜報員から米連邦捜査局(FBI)にもわたっていることについて、すでに昨年10月末、マザー・ジョーンズのワシントン支局長、デイビッド・コーン氏が報じていました。

しかし、この「不名誉な情報」に関しては、FBIが信憑性に欠けるということで、公表しなかったことが後からわかっています。にもかかわらず、CNNや米バズフィードがそのような「不名誉情報」のメモが存在することを報道してしまったのです。これにより、CNNは終わったのではないかと評する人も存在します。

米国でも、このように既存のメデイアがフェイク・ニュースを報じるということはよくあることです。
既存メディアを糾弾するトランプ大統領のツイート
そうして、以前からこのブログで述べていることですが、米国のメディアは、90%がリベラル・左派が90%を占めており、保守メディアは10%程度に過ぎないという厳然たる事実があります。実際、米国の新聞のほとんど全部がリベラル・左派です。テレビ局も、かろうじてFOXTVのみが保守系であり、後はすべてリベラル・左派です。

そうして、実際には、米国には保守層の人々も人口の半分くらいは存在するはずなのに、アメリカのメディアはこれを無視して、リベラル・左派的な考えが、米国の考えであるかのような報道を繰り返してきました。米国の人口の半分を無視した報道は、フェイク・ニュースであると言っても過言ではないと思います。

そのためもあってか、ご存知のように、大統領選期間中もトランプ氏に対してはかなり偏った報道を繰り返し、トランプ大統領の誕生をほとんどのメデイアが予測できませんでした。

しかし、米国は既存メディアがこのように偏っていたとしても、多くの国民はメディアの報道することを真に受けたわけではなかったのです。もし、真に受けていたとすれば、トランプ大統領が誕生する余地はなかったはずです。

そうして、これは数字からも裏付けることができます。

以下にガベージニュースから引用します。

【World Values Survey(世界価値観調査)】から、「主要国における新聞・雑誌やテレビ(要はマスコミ)に対する信頼度」について確認をしていきます。
今調査結果は世界数十か国(80か国以上)が参加して実施している国際的プロジェクト「世界価値観調査」によるもの。各国・地域毎に全国の18歳以上85歳以下の男女1000サンプル程度(実際には1000-2000人程度)の回収を基本とした個人対象の意識調査。調査そのものは5年おきに実施されていますが、調査期間によって一時的に対象外となる国も少なくありません。例えば直近の調査結果は2010年から2014年に渡って行われたものですが、現時点でフランスやイタリア、イギリスなどは調査結果が掲載されていません(現在も精査中で今後掲載される可能性はある)。 
次に示すのは従来型メディアのうちテレビ、及び新聞・雑誌に対する信頼度。選択項目として「非常に信頼する」「やや信頼する」(以上肯定派)「あまり信頼しない」「全く信頼しない」(以上否定派)「わからない」「無回答」が用意されており、どれか一つを選択することになっています(「無回答」は選択する、というよりは結果的なもの)。 
この選択肢のうち今回は「非常に信頼する」「やや信頼する」の肯定派を単純に加算して、その値から「あまり信頼しない」「全く信頼しない」の否定派の値を引き、各メディアへの信頼度(DI値)を算出することにした。つまりこのDI値が大きいほど、その国では対象メディアが信頼されていることを意味します。
世界各国における新聞・雑誌への信頼度(2010-2014年)
(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)
世界各国におけるテレビへの信頼度(2010-2014年)
(非常に信頼・やや信頼-あまり信頼しない・全く信頼しない)
今サイトが主に日本在住者に向けて情報発信をしていることもあり、日本の項目を赤で着色しまし。第一印象として把握できるのは、日本は先進諸国の中ではずば抜けて、そして全体でも相当の上位に位置していること。特に「新聞・雑誌」では「妄信」に近い群を抜いた高値となっています。【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】でも解説している通り、日本国内では特に高齢者において新聞などの従来型紙媒体のメディア、そしてテレビを信頼する傾向が強いです。
例えばアメリカでは(でも)【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】の調査結果などのように、高齢者の方がテレビ視聴時間は長いです。にもかかわらずテレビへの信頼度が全体として低いままなのは、「テレビは信頼できないもの」と割り切った上で、娯楽として視聴しているからなのでしょう。 
また、国の名前の並びを良く見ると、全般的にアジア系諸国は「新聞・雑誌」「テレビ」への信頼度が高いです。民族性という言葉でくくるのは多分にリスクがあるが、メディアや情報に対する考え方が地域単位で根底部分から異なるのかもしれません。 
今件調査結果は2010年から2014年に至るもの。精査の上ではその5年の間の値として扱われています。日本の場合は2010年調査とあり、先の震災による大規模なメディアに対する価値観の変容ぶりは反映されていません。次回調査結果が出る5年後に、いかなる値が呈されることになるのか、気になるところではあります。
この結果からすると、米国では新聞・雑誌、テレビの信頼度がかなり低いことがわかります。残念ながら、SNSのこのような国際比較はありませんが、既存のメディアを信頼しない人が、SNSだけは信じるということは考えられません。

この結果をみると、日本は米国と比較すると、新聞・雑誌、テレビに対する信頼度はかなり高いことがわかります。

ということは、日本こそ、新聞・雑誌、テレビがフェイク・ニュースを流すことの弊害が米国よりもはるかに大きいということがいえると思います。

であれば、NHKのクローズアップ現代は、このような事実を無視して、SNSをやり玉にあげているということで、非常に問題であるといえます。

新聞・テレビは自分たちの垂れ流したフェイク・ニュースについて、十分反省すべきです。

【関連記事】



2017年2月8日水曜日

アパホテル書籍問題 ペマ・ギャルポ氏寄稿 支那の不当干渉許すな―【私の論評】常識でわかる南京大虐殺の虚構(゚д゚)!


ペマ・ギャルポ氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
支那外務省や国家観光局の報道官が、アパグループの元谷外志雄代表の著書について、「歴史を正視しようとしない。正しい歴史観を教育し、アジアの隣国の信頼を得るよう促す」「支那の観光客に対する公然とした挑発であり、旅行業の基本的モラルに反する」などといい、アパホテルの利用ボイコットや、旅行会社などに取り扱い中止を求めた。(夕刊フジ)

 わが故郷・チベットを奪った支那が「正しい歴史観」「隣国の信頼」「モラル」などと主張するのは言語道断である。加えて、支那政府の言動は、日本に対する主権侵害、内政干渉であり、また個人の思想と言論に対する卑劣かつ不当な圧力であり弾圧である。

 日本は支那と違って、個人の思想、表現、言論の自由が保障されている自由主義国であり、法治国家であり、成熟した民主主義国家である。さまざまなホテルの客室には、聖書や論語、仏教聖典などが置いてあるが、宿泊客には、それを読む自由も読まない自由もある。

 元谷氏の著書は、「慰安婦問題」や「南京大虐殺」に関する史実を理路整然と述べ、根拠のないウソを正そうとしているに過ぎない。同様の指摘は、米ニューヨーク・タイムズや、英フィナンシャル・タイムズの東京支局長を歴任した、英国人ジャーナリスト、ヘンリー・S・ストークス氏も著書『連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書)に記している。

ヘンリー・S・ストークス氏
 まさに、歴史を正視する姿勢であり、支那こそ歴史を正しく見る勇気と見識を持つべきだろう。

 今回の騒動で、私が驚き失望したのは、日本の一部メディアと識者、普段は「自由だ」「人権だ」と大騒ぎしている人々に対してだ。

本多勝一の『中国の旅』より、後に本多勝一自身が捏造であることを認めた。
さらにこの写真を精査した専門家らはどの写真も信ぴょう性に欠けるとした。

 一部メディアや識者は、支那側の主張を大きく取り上げ、あたかもアパホテルだけに問題があるかのような発信をしていた。支那共産党の手先なのか。南京大虐殺は、朝日新聞の連載「中国の旅」で広まった。慰安婦問題と同様に、徹底的に検証すべきである。

 国会周辺で「言論の自由」や「人権を守れ」と叫んでいる人々も、東京・元麻布の支那大使館前で抗議デモを行うべきだ。他国によって、日本の「言論の自由」が脅かされている。公平公正の姿勢を示すことを願う。

【私の論評】常識でわかる南京大虐殺の虚構(゚д゚)!

ペマ・ギャルポ氏の主張は全く正しいです。30万人の南京虐殺など、虚妄に過ぎません。

日本軍が掃討作戦を行なったため、誤って南京市民が数十人とか、数百人くらいが巻き添えになったというなら、あり得なくもないと思いますが、そもそも当時の日本軍が最初から意図して意識して20万人〜30万人もの市民を虐殺したというのは、どう考えても虚妄以外の何ものでもありません。

おそらく、現在の支那は、戦後に小国に侵略したりした経験はあるものの、一度もまともに戦争をしたことがないので、20万人〜30万人を殺害するということがどういうことなのか、理解不能なのでしょう。これは、まるで白髪三千丈を地でいくような、誇張以外のなにものでもありません。

ナチスドイツのように、それなりの時間を費やして、殺人工場であるガス室をつくるとか、原子爆弾を投下するなどの方法をとらなければ、短期間にこれだけの人数を殺害することは不可能です。

それに不思議なのは、まともな物証がいっさい出てこないことです。ソ連によるポーランド人虐殺であるカチンの森事件では、犠牲者が約22,000人とされていますが、この虐殺では戦後何度も大量遺体が発見されていますし、これは明らかに当時のソ連による虐殺の犠牲者であることが確かめられています。これからも遺体が発見されるかもしれません。

1990年4月13日、ソビエト国営のタス通信はカティンの森事件に対するNKVD(ソビエト内務人民委員部)の関与を公表し、「ソ連政府はスターリンの犯罪の一つであるカティンの森事件について深い遺憾の意を示す」ことを表明ました。

ソビエトが50年にわたって行った恥ずべき真実の否定を
最終的に1990年4月に認めたことを碑文に刻んだ追悼碑
当時のソ連は、長い間これを否定してきたのですが、遺体をはじめとする多くの物証が山積みになったので、さすがに認めざるをえなくなったのです。

しかし、南京虐殺に関しては、そうだとされる遺体の写真や、伝聞の記録とされるらしいものはあるのですが、肝心要の遺体そのものが出てきません。20万人〜30万人の犠牲者が本当に存在するなら、もうとうに出てきていて、動かぬ証拠になっているはずです。

それに、遺体を調べれば現在であればかなりのことがわかるはずです。現在では、DNA鑑定すらできるわけですから、遺体が誰のものであり、当時の南京市の戸籍などの記録に照らしあわせれば、虐殺があったのかどうかもすぐに立証できます。

支那のサイトにあった南京虐殺の証拠とされる写真。しかし、この軍服は
当時ドイツから軍事支援を受けていた国民党軍のものであることはあきらか。
この写真は極端な事例だが、他の証拠とされる写真も全部が不確かなものばかり
しかし、それがない、出てこないということは、捏造以外の何ものでもないということです。

そうして、その捏造を私のように常識をはたらかせ元谷氏の著書は、史実を理路整然と述べ、根拠のないウソを正そうとしているに過ぎないのです。

それにしても、なぜ支那がここまで南京虐殺にこだわるかといえば、その理由は簡単です。ようするに、現在の支那政府は統治の正当性に全く欠けるからです。そもそも、現在の支那政府は、他国のように選挙で選ばれた政治家が運営しているわけではありません。

現在の支那人民共和国は、建国以来一度も選挙をしたことがありません。にもかかわらず、支那政府が実在し、政治を司っています。支那人民の信託を受けていないのです。さらに、信託も受けず統治をするだけの、根拠が全くありません。

それでも、支那を治めたい支那政府は、日本を悪者にしたたて、日本と一度も戦争をしたこともないのに、あたかも戦争したかのように装い、戦後70年目には、対日戦争勝利軍事パレードなる虚構を演じてみせました。

支那政府は、日本を悪者にしたてて、人民の大爆発寸前の憤怒マグマを自分たちではなく、日本に対して向けて、噴出させ、何とか統治の正当性を保っている状態なのです。

支那国内の抗日ドラマ 物理学を無視して日本兵を素手で真っ二つ(゚д゚)!
日本が南京虐殺はしていないなどということにでもなれば、統治の正当性のかなりの部分が揺らいでしまうのです。

そのため、現在の支那共産党政府は南京虐殺の捏造をなどを含む、反日をやめることはできないのです。やめれば、現在の体制が崩れるのです。

だからこそ、日本の一民間企業である、アパホテルにおいてある書籍にまで、神経を尖らせるのです。

なにしろ、アパホテルには支那人も多く宿泊しますから、宿泊した支那人がその書籍を読み支那に帰ってから他の支那人にその話をすれば、支那共産党の統治の正当性が大きく毀損されかねないことに脅威を抱いているのです。

まさに彼らは、いつ崩れるかもわからない日々薄氷の上を歩いているようなもので、アパホテルのことも脅威に感じるのです。

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