2016年4月25日月曜日

【湯浅博の世界読解】震災の弱みにつけ込む国々 国際政治の過酷な現実 ―【私の論評】緊急事態条項なしに、首都直下型地震や尖閣侵攻は対応できない(゚д゚)!


平成28年4月14日、総理大臣官邸で開催された「平成28年(2016年)熊本県
熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議」(第1回)にて挨拶をする安倍総理
安倍晋三内閣の危機対処は、立ち上がりが早かった。熊本県を襲った大地震発生から5分後には官邸対策室を設置し、被害状況の把握に努めた。実はこのとき、政府は東シナ海を遊弋(ゆうよく)する中国公船の動向をにらみながら、被災地の熊本に自衛隊員2万人の派遣を決めなければならなかった。

この日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の領海を中国海警局の船3隻が侵犯していたからである。海警の3隻は午前中、2時間近く領海内をうろつき、西南西の方向へ出ていった。この間、海上保安庁の巡視船は海警が尖閣に近づかないよう警戒し、海上自衛隊の艦船も距離をおいて警戒していた。その夜の大地震発生であった。

海警の3隻が去った後も、政府・自衛隊は依然として南西方面に気を配らなければならなかった。

2011年3月、未曽有の東日本大震災の際に米軍はいち早く2万人動員の「トモダチ作戦」を展開してくれた。まもなく、中国からも15人の救援隊が送られてきたが、1週間して帰国した。入れ替わりに、軍艦を尖閣諸島に送りつけてきたのである。

当時、菅直人内閣の動きに「日本は御しやすい」と判断したのだろうか。ロシアの空軍機は、「放射能測定」を理由に日本の領空ぎりぎりを飛び、中国の艦載ヘリも尖閣沖の海自艦に異常接近して、結果的に復旧の邪魔をした。

香港の「東方日報」は地震発生から約1週間後、尖閣を奪取すべきだと指摘して、「日本が大災害で混乱しているこの機会が絶好のチャンスである」とホンネを吐いていた。

内紛や天災で国が乱れると、そのスキを突いて敵対勢力がなだれ込むのは国際政治の過酷な現実である。腹に一物ある周辺国は、危機に陥ったときの日本のクライシス・マネジメント能力をじっと見ている。それが有事にも直結するからだろう。

過去にも大正12年9月の関東大震災の際、救援の外国勢と裏では虚々実々の駆け引きをしていた。

日本海軍は地震発生とともに、国内3つの鎮守府から艦艇が急行したほか、連合艦隊が東京湾に向かった。このとき、黄海にあった米国の太平洋艦隊も震災4日後に8隻が東京湾入りして、その早さに海軍当局者は度肝を抜かれた。

米軍の救援部隊の中には情報要員が紛れ込んでいた。驚いたことに、この時の震災と火災の関連調査が、後の日本本土空襲作戦の立案の際、焼夷(しょうい)弾使用の参考にされた(防衛研究所ニュース通算86号)。

東日本大震災から早くも5年が経過した。民主党から自民党政権にかわり、日本の危機対応能力は格段に向上している。制度面では、国家安全保障会議(NSC)を設置して効率的な意思決定システムを整えた。運用面でも、中国による領海侵入が繰り返されても、日本はそのつど押し返している。

安倍首相は集団的自衛権の一部行使が可能な安保法制を整備し、同盟国とは日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を改定し、いざというときの役割分担も整備した。

それでも足りないのは、予想される首都直下型大地震のような「国家存亡にかかわる事態」への対応である。現行憲法にない「緊急事態条項」を早急に補い、万全の態勢を組むのが国民への責務であろう。(東京特派員)

【私の論評】緊急事態条項なしに、首都直下型地震や尖閣侵攻は対応できない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事では、14日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の領海を中国海警局の船3隻が侵犯していたとあります。

これについては、このブログでも過去に掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国紙が社説で「尖閣に自衛隊派遣なら軍艦出動」「数、日本の比ではない」―【私の論評】中国が一番恐れるのは、日本の武力によって尖閣付近から中国の勢力が排除されること(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より熊本震災以降に中国の海警の艦船が尖閣付近を航行していた内容を以下にコピペします。この記事では、海上保安庁が装備を拡充して、尖閣付近の先住の部隊を創設したことも掲載しまた。
今日本は熊本地震で対応中です。ブログ冒頭の、環球時報の記事(ブログ管理人注:尖閣に自衛隊派遣な中国は軍艦を出動)は13日に公表されものであり、地震発生の前の日であり、特に地震を意識したものではありません。 
しかしながら、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で16日、中国海警局の船3隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しています。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは3日連続です。これは、熊本の地震の後です。中国側としては、地震の影響があるかどうかを見極めてるのだと思います。まるで火事場泥棒のような、行動です。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、3隻は海警2101、海警2307、機関砲のようなものを搭載した海警31241だそうです。領海に近づかないよう巡視船が警告していました。
「海警31241」※37ミリ連想機関砲4門搭載
この記事では、この三隻の中国公船は、尖閣諸島の領海外の接続水域を航行しているのが発見されたという内容ですが、ブログ冒頭の記事では、「尖閣諸島周辺の領海を中国海警局の船3隻が侵犯していたからである。海警の3隻は14日午前中、2時間近く領海内をうろつき、西南西の方向へ出ていった」とあります。 

熊本地震が発生したのは、4月14日21時26分ですから、この時点ではまだ地震は発生はしてませんでしたが、それにしても、確かにこのようなことがあれば、官邸としても神経を尖らせたものと思います。

それにしても、この記事で領海外を航行という内容ですか、ブログ冒頭の記事では、領海を侵犯としています。一体どちらが正しいのかと疑問に感じたので、サイトを調べてみました。

共同通信の報道によりますと、熊本で震度7の地震が起きる半日前の14日午前10時10分ごろ、中国の海警局所属の艦艇3隻が日本の領海を侵犯していたとありました。これは、今年に入って10日目のことだそうです。。

尖閣の周辺を1時間半にわたって「領海侵犯」していたのです。3隻の艦艇は海警2101、海警2307、海警31241です。 

このうち、「海警31241」は元々軍艦であることが問題視されています。これは、1990年代初頭に就役したジャンウェイ型フリゲート艦を改造して造られたものです。

以上のことから、14日は中国の海警は領海侵犯をしていました。その後、中国海警は15日、16日にも尖閣諸島の付近に姿を現したのですが、このときは領海侵犯はせず、接続領域を航行していたということのようです。

そうして、この海域では海上自衛隊の艦船も出動していて、距離をおいて警戒をしていたということです。海上自衛隊の艦船とはいっても、いろいろ種類がありますが、どの艦船が出ていたかまでは明らかにはされていないようです。

いずにせよ、中国側としては震災発生後にも、海警を派遣して日本側の様子を伺っていたということです。そうして、日本国内では、14日地震の前に、中国の艦船が領海侵犯をしていたということが、ほとんど報道されていません。

地震報道で、このようなことはかき消されたような形になっています。

震災とは、戦争ではありませんが、日本の国土が甚大な被害を受けるということでは、似ています。いずれの場合も、緊急事態であり、日本の危機管理能力が問われることには変わりありません。

震災での周辺諸国の動きというと、ブログ冒頭の記事にも出ていましたが、やはり東日本大震災の時を思い出します。

以下に、佐藤優氏の東日本震災当時のロシアによる挑発に関する記事を引用します。

"
【佐藤優の眼光紙背】東日本大震災とロシア


国家は本質において利己的な存在だ。東日本大震災で世界各国が日本を支援している。しかし、それと同時に被災者救済と福島第一原発の危機が同時進行している状況で、日本の統治能力が弱体化しているか否かを各国は探ろうとしている。特に露骨な動きを示しているのがロシアだ。3月21日付読売新聞電子版はこう報じた。
露戦闘機、日本領空接近…空自機スクランブル 
 防衛省は21日、日本海を飛行していたロシアの戦闘機スホイ27など2機が、日本領空に侵入する可能性があったとして、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたと発表した。 
 スホイ27は一時、領空の約60キロ手前まで接近したが、その後、両機とも北方に飛び去った。同省によると、ロシアの戦闘機に対するスクランブルは極めて異例。同省でロシア軍の目的などについて分析している。
ロシアの戦闘機スホイ27
  震災復興のため自衛隊の10万人動員が行われている状況で、日本の防空体制についてロシアがチェックしたのである。友好国ならば決して行わないことである。本件について日本政府は、「あなたの国は隣国が災害で危機に瀕しているときにこういうことを行うのか。こういう行為が日本の感情に与える影響を計算しているのか」と不快感を表明すべきだ。それとともにマスメディアも「いったいロシアは何を考えているのだ」と本件をとりあげ、ロシアに対して厳しい論調を展開して欲しい。

  東日本大震災後、ロシアでは対日政策を巡って融和派と強硬派の対立が生じている。融和派は、チェルノブイリ原発事故で被災したロシアがもつノウハウを積極的に日本に提供すべきと考える。それとともに日本とのエネルギー協力を進めるべきと考える。これに対して強硬派は、極東において日本に対するロシアの外交的、軍事的、経済的優位性を確保しようとしている。ロシア世論は東日本大震災後、日本に対する同情が増している。日本外務省、特に在ロシア日本大使館は、ロシア内部の事情をよく調べた上で、対日強硬論を封じ込め、対日融和論者の力が強くなる方向でロビー活動を展開しなくてはならない。

  日本海におけるロシア空軍の挑発に対しては防衛省だけでなく外務省も毅然と反応しなくてはならない。(2010年3月22日脱稿)

"

前回の、東日本大震災や、今回の熊本震災も、日本の中枢がある首都からは遠いところの震災でしたから、日本の中枢が麻痺するということはありませんでした。

しかし、ブログ冒頭の記事にもあるように、首都直下型大地震のような「国家存亡にかかわる事態」への対応はまだ不十分であり、現行憲法では「緊急事態条項」でさえ定められていません。現憲法は、あくまで、平時の日本を想定して、定められています。

しかし、日本が今後もいかなる戦争をしないにしても、東日本震災や熊本震災で明らかになったように、このような大災害が首都を直撃するような「緊急事態」は十分に想定できます。

平成23年3月11日の東日本大震災では巨大地震と大津波さらに原発事故に見舞われたが、民主党政権の対応はきわめて問題の多いものでした。
緊急災害対策本部の会議であいさつする菅首相。
左は枝野官房長官
=2011年3月15日、首相官邸
菅内閣は、次々と「本部」や「会議」を設置しましたが、それぞれの権限は曖昧な上、指揮系統は混乱し、結局、有効な対策も効果的な措置もとることができませんでした。
災害対策基本法では、「非常災害が発生し、その災害が国の経済や公共の福祉に重大な影響を及ぼすような場合」には、「災害緊急事態」を布告できると定めている(105条)。そして、この「災害緊急事態」が布告されると、政府は「緊急政令」を制定し、「生活必需物資の統制や価格統制、さらに金銭債務の支払い猶予」を行ったりすることができます(109条1項)。

にもかかわらず、菅内閣は「災害緊急事態の布告」を行わず、「緊急政令」も制定しませんでした。。そして、「生活必需物資の統制など必要なかった」とうそぶきました。実際には、震災直後に、現地ではガソリンが不足し、被災者や水・食糧などの生活必需物資、医薬品などが輸送できないという事態が発生していました。これが原因で、助かったかもしれない多くの命が失われていまする。明らかに、「物資の統制」は必要だったのです。
原発訪問で現場の混乱を招いた菅総理
にもかかわらず「物資の統制」を行わなかった理由について、官僚は「国民の権利義務を大きく規制する非常に強い措置であり、適切な判断が必要」であったと答弁しています。

結局「憲法で保障された国民の権利や自由―経済活動の自由―をそう簡単に制限するわけにはいかない」ということです。法律では明確に「権利・自由の制限」が認められているにもかわらず、憲法に根拠規定が存在しないため、そう簡単に権利や自由の制限を行うことなどできない、というのです。

ガレキの処理についてさえ、憲法の保障する「財産権」が問題となりました。流れ着いた家財や車等のガレキを処理し、緊急道路を開通させようとすると、「持ち主の了解なしに処分するのは財産権の侵害であり、憲法違反だ」といった声が上がり、中々処分が出来なかった自治体もいくつかありました。これも憲法に根拠規定がないため、迅速な処理が出来ず、二次被害をもたらした例です。
大規模震災などあった場合には、日本の対応は、世界が注視するところとなり、特にロシア、中国、北朝鮮などの近隣諸国は、日本に付けいる隙がないかどうか探りを入れるのは、当然のことです。日本が弱ったとみるなり、中国は尖閣を急襲するかもしれません。最近は北方領土に関しては、ロシアの経済力が弱り交渉のし易い条件がいろいろと整っていましたが、日本が弱みをみせれば、振り出しに戻すかもしれません。北朝鮮だって、何をやらかすかわかりません。
だとすれば、やはり抜本的な解決のためには、憲法の中に緊急時のための規定をしっかりと定めておく必要があるはずです。これ抜きに日本の大規模災害対応や安全保障は語ることはできません。
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2016年4月24日日曜日

【中国ネットウオッチ】熊本地震祝いバーゲンセール「日本沈没なら在庫一掃セールだ!」 ―【私の論評】国内で反日による統治の正当性強化ができなくなった中共に明日はない(゚д゚)!

【中国ネットウオッチ】熊本地震祝いバーゲンセール「日本沈没なら在庫一掃セールだ!」 

4月18日、中国陝西省西安市のレストランが、「日本の大地震を
心からお祝いします」という横断幕を掲げて物議を醸している。
熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震の被害状況は中国でも大きく報道され、一部のニュースサイトが特集ページを組むなど高い関心を集めている。ただ長年の反日教育が醸成してきた日本への敵意と憎悪は、ネット上で隣国の災害を喜ぶ書き込みとして噴出し、地震記念セールを掲げる企業まで現れた。一方、こうした低劣な人間性を攻撃し、被災者の平穏を祈る声も少なくなく、中国世論の分裂と葛藤を浮かび上がらせた。

■「日本が沈没したら在庫一掃」

香港の蘋果日報(電子版)は17日、「良心のない中国企業」が日本で起きた地震を祝う特別セールを実施し、ネットユーザーらの怒りを招いていると報じた。記事によると、浙江省で調理器具などを生産している企業は自社のホームページで「日本の大地震を祝い、今日からバーゲンセールを実施します。もし日本が沈没したら在庫一掃です」とアピール。また陝西省の自動車販売店も「さらに大きな地震がくれば価格はもっと安くします」とネット上で宣伝した。

中国版ツイッター「微博」には、店頭に地震を祝うメッセージを掲げた家電店の写真も出回った。あるユーザーはリストを作成し、日本の地震に便乗して下劣な宣伝を行った企業・店舗は中国国内で20以上に上ると主張した。

さすがにネット上では「中国人の恥さらし」「こんなに悪辣(あくらつ)で下品なやつらは人間とはいえない」「最低の道徳すらないゴミたち」「(反日の)洗脳で価値観が狂ってる」とネット上で怒りの声が続出し、ほとんどのメッセージは削除されたもようだ。

■「漢奸は助けるな」

ただこうした行為が相次いだ背景には、中国社会に沈殿する反日情緒がある。普段はさほど目立たないが、良きにつけ悪しきにつけ日本をめぐる大きなニュースが報じられると、一斉にこの感情が巻き起こり社会を満たすことになる。

熊本県南阿蘇村の温泉旅館で孤立していた中国・上海からの観光客20人が自衛隊ヘリで救出されたとの報道に対しては、同胞が救助されたことへの安堵(あんど)や感謝よりも、「漢奸は助けなくてもよい」「日本の犬はかえってくるな」と被災した観光客を突き放す声が目立った。

「中国人を代表して日本の人民が平穏に過ごせるよう願う」とのコメントには「おまえは中国人ではなく漢奸の代表だ。本当の中国人は歴史を忘れない」「日本は中国侵略を否定し、南京大虐殺を否定している。おそらく天意だろう」と歴史を持ちだし、日本をののしる自らを肯定する書き込みが相次いだ。

■日本の平穏祈る声も

地震発生後に「ライオンが逃亡した」「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などの悪質なデマが日本のツイッターで出回ったことも「これが日本の民度だ」などと日本を“口撃”する正当化に利用された。

「いつ東京大地震は起きるんだ。待ちわびているぞ」

「遅かれ早かれ大和民族には天罰が下る」

「津波が発生しなかったのは幸い中の不幸だ」

こうした病的な反日情緒をたしなめ、被災者の平穏を祈る声が一定数あることは救いだといえよう。

「自然災害を前に人類はちっぽけな存在だ。日本の民衆が早く通常の生活に戻れますように」

「日本に天の加護がありますように。日本の人民がんばれ」

熊本県のPRキャラクター「くまモン」は「熊本熊」として中国人にも人気があり、「くまモンは大丈夫だよね?」といった書き込みも。微博などでは、けがをした「くまモン」の手をとって気遣うパンダのイラストが広くシェアされている。

【私の論評】国内で反日による統治の正当性強化ができなくなった中共に明日はない(゚д゚)!

上の記事では、商店などが日本の熊本地震記念セールを実施して、国内から非難を浴びていることが掲載されています。

中国では未だに政府により反日教育などが実行されています。中国共産党は、昨年も噴飯物の抗日70周年記念軍事パレードを実施しています。だからこそ、熊本地震記念セールなどという非常識な企業まで現れるのです。

ところが、現在の中華人民共和国と日本は一度も、まともに戦争したことはありません。日本が戦争したのは、現在は大陸中国から台湾に退いている国民党政府軍とです。1945年8月15日の終戦時には、国民党は大陸中国に存在していました。

終戦後に、本格的な国民党軍と共産党軍の争いが始まり、その後国民党軍が敗れて、台湾に退いたのです。中華人民共和国が成立したのは、1949年の10月1日のことです。

だから、現在の中共が抗日70周年記念軍事パレードを挙行するなど、そもそも歴史的事実とは整合性などなく、全くおかしな話なのです。

にもかかわらず、なぜ実行するかといえば、それは中国共産党の統治の正当性を主張するためです。古今東西いかなる国の政府でも統治の正当性がなければ、国をまともに治めることはできません。

かつての、ナチスもナチスの統治の正当性を主張するため、頻繁に軍事パレードを挙行していました。敗戦が濃厚になった時期でさえ、ベルリンなどでは、爆撃の廃墟の中でも頻繁に軍事パレードが挙行されたそうです。


現在の日本は、議会制民主主義が根付いていて、選挙によって選ばれた政治家による政府ということで、統治の正当性が保たれています。しかし、中国では建国以来選挙がなく、日本をはじめとする普通の国では当たり前の政府の統治の正当性など主張することができません。

だからこそ、中国共産党は自ら統治の正当性を強調する必要があるです。彼らは何によって強調するかといえば、それは強大な人民解放軍の軍事力、強力な公安警察(中国では警察組織全部をふくめて公安警察と称する)や城管を含めた統治機構によるのです。

しかし、それだけでは不十分なので、日本を極悪の侵略者と位置づけ、その極悪日本を追い払った中国という、本来は中国共産党とは関係のない歴史を強調して、さらに統治の正当性を強調しているのです。

それでも、なかなか中共は統治の正当性を強調しきれていないようです。もともと、中国では建国以来毎年平均2万件の暴動が発生していたとされています。これ一つとっても、中共の統治の正当性は十分確立されていたとは言いがたいです。

2014年広州の警察と1万人もの住民が衝突、数台のパトロール・カーを
ひっくり返した暴動のきっかけは、当局による強制消防調査であるとされている
そうして、中国では、中共の統治の正当性が脆弱であることを示す事件が発生していました。それは、四五天安門事件(第一次天安門事件(1976年4月5日) - 天安門広場に捧げられた花の撤去に怒った民衆と軍や警察との衝突、六四天安門事件(第二次天安門事件(1989年6月4日) - 民主化を求めるデモ隊と軍や警察との衝突。多数の死傷者を出したという事件です。

第二次天安門事件後には、中共は統治の正当性を高めるために、江沢民などが組織的、体系的に反日教育を実行し始めました。

この頃から反日教育を受けた、子供たちが現在大人になっているわけですから、彼らの頭の中は反日教育で染まっています。

しかし、このような統治の正当性の強化によってさえ、中共はそれをなかなかそれを強化できませんでした。

先ほど、述べたように、中国では建国以来毎年平均2万件の暴動が発生していたと掲載しましたが、2010年あたりから、それが一挙に10万件にものぼるようになり、この年から政府は暴動の件数など発表しなくなりました。

それは現在でも発表されてないことから、現在でも毎年平均そのくらいの数の暴動が発生してるものと推測できます。

そうして、2010年あたりでは、中国では政府の強い規制があるものの、インターネットもかなり普及していました。そのため、反日のサイトもかなりたちあげられ、中には管製反日サイトも多数あったようでした。

しかし、これは2012年あたりから政府によって規制されるようになりました。まずは、管製反日サイトはすべて廃止され、民間の反日サイトも結局全部廃止に追い込まれました。

2012年8月19日中国四川省成都で、反日デモをする人々ら
なぜ、そんなことになったかといえば、反日サイトを放置しておくと、最初は反日の書き込みが活発になされるのですが、それに反政府的な書き込みがなされるようになり、それを放置しておくと、反政府の書き込みで溢れ炎上してしまったからです。ほとんどのサイトがそのような状況になったので、政府は反日サイトを完全封鎖するに至ったのです。

同じことが反日デモでも起こりはじめました。中国共産党としては、最初は「愛国無罪」などとして、過激な反日デモも許容していました。それどころか、中共は、管製デモを煽るようなこともしました。

公安警察などを用いて、反日デモを組織して、人民を煽るように仕向けました。最初のうちは、多くの人民が反日で盛り上がっていました。

しかし、その後、反日デモがいつの間にか、反政府デモになってしまうという状況が続きました。中には、反政府デモを開催するとして届けを出しても、絶対に許可されないので、反日デモを開催するとして届け出を出して、その実反政府デモをするという市民団体も出現するにおよび、中共は反日デモも規制するようになりました。

2013年からは、中国では反日サイトも、反日デモも影を潜めることになりました。あれから3年目の2016年ですが、確かにここ日本では、反日デモの報道などされていません。

上の記事では、地震記念セールなどを実施する企業があったことが報道されていますが、中共としてはこれを煽るようなことはしてはいないようです。

しかし相変わらず、サイトに掲載される反日的書き込みには神経を尖らせていることでしょう。なぜなら、これを放置しておき炎上したりすると、その後には反日からいつの間にか反政府の書き込みに変わり、大炎上してしまう可能性もあるからです。

中共は相変わらず、今でも教育現場で、反日的な修正された歴史を教え込み、中国人民に対して、統治の正当性をアピールしています。

しかし、このようなことがいつまで続くのか、かなり疑問です。いくら教育現場で、人民に過去の修正された反日的歴史観を叩き込んでみても、現在の日本を戦争好きの悪魔のような存在であると教えこんだにしても、それは現実ではなく、妄想に過ぎません。

このような歴史を刷り込まれた中国人が、実際に日本を訪れると、日本はそのような国ではないことがすぐに理解できます。

そうして、いかに中共が人民に反日思想を吹き込んだにしても、中国人民が政府から弾圧されている事実は変わりません。だからこそ、毎年10万件もの暴動が発生するのです。

こんなことを続けていても、いずれ全く効果はなくなります。なぜなら、中国共産党には統治の正当正当性がきわめて脆弱だからです。

そうして、ブログ冒頭の記事にもあるように、長年の反日教育が醸成してきた日本への敵意と憎悪は、ネット上で隣国の災害を喜ぶ書き込みとして噴出し、地震記念セールを掲げる企業まで現れたのです。一方、こうした低劣な人間性を攻撃し、被災者の平穏を祈る声も少なくなく、中国世論の分裂と葛藤を浮かび上がらせたのです。

「日本の大地震を祝い3日間セールを行う」と店頭に掲げた
家電店の写真。微博など中国のネット上で拡散している

中国共産党としては、今回はネットへの熊本震災に関わる反日的書き込みに対しては、黙認していると思います。下手に介入すると、政府による干渉が人民の反感を買い、反日する側それを攻撃する側の両方ともが、いつの間にか反政府的なものに変わる可能性もあるからです。

しかし、この中国世論の分裂と葛藤はいつまで続くでしょうか。他国の震災を喜ぶような異常なことが、いつまでも多くの人民に支持されるというようなことが続くはずはありません。これは、あまりにも異常です。

いずれ、このような低劣な人間性の発露は全く許容されなくなる時がやってくることでしょう。

そのような予兆は、以前からありました。下は、2012年当時に北京の反日デモで撮影されたものです。


彼女が掲げているスローガンの日本語訳を以下に掲載します。
私たちは戦争を、地震を、水害を乗り越えて来た。 
ここはファシストの土地ではなく、私たちの土地。 
暴力によって築き上げたのではない。 
そう、ここはもう文革を行う場所ではない。 
この土地で開かれた平和の祭典・オリンピックを全世界が見つめた、
その場所ではないか。 
暴力を停止しよう。 
私は知っている。私たちの祖国はかつて愛にあふれていたことを。
このようなスローガンが中国人民に当然のことであると認識されるようになれば、中共の統治の正当性は地に堕ちることになります。その時、中共による中国統治は不可能になり、他の正当性のある主体にとって変わられることになります。

統治の正当性を確保できない政府は崩壊するしかありません。

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【緊迫・南シナ海】中国が「海上原発」建設を計画 人工島に電力を安定供給―【私の論評】核戦争瀬戸際までいったキューバ危機の再来になる可能性も十分にあり(゚д゚)!




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2016年4月23日土曜日

【緊迫・南シナ海】中国が「海上原発」建設を計画 人工島に電力を安定供給―【私の論評】核戦争瀬戸際までいったキューバ危機の再来になる可能性も十分にあり(゚д゚)!


4月22日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報は、南シナ海で行う
活動に電力を供給するため、中国が海上浮動式の原子力発電所を建設する計画だと報じた。写真は
衛星から撮影した南沙諸島のミスチーフ礁。1月8日撮影
 中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は22日、中国が周辺諸国と領有権を争っている南シナ海の人工島などに電力を供給するため、海上浮動式の原子力発電所の建設を計画していると伝えた。海上原発の設計・建設を担当する造船大手の幹部が同紙に計画を明らかにした。

 海上原発は南シナ海の人工島や軍事転用可能な施設に電力を安定供給することが期待される。中国の専門家は同紙に、「長期的な南シナ海戦略に重要な役割を持つ」と指摘。「防衛のための軍備」にも電力を提供できるとしている。2019年の実用開始を目指し最終的に20基が建設されるとの情報もあるという。

 一方、中国外務省の華春瑩報道官は22日の定例記者会見で「そうした報道に関する情報は持ち合わせていない」と確認を避けた。

【私の論評】核戦争瀬戸際までいったキューバ危機の再来になる可能性も十分にあり(゚д゚)!

上の記事では、掲載されていませんでしたが、ニューヨーク・タイムズによれば、この原発は遠隔地に「移動」させることができ、安定的な電力を供給するといいます。

原発の設計・建設を担当する造船大手の中国船舶重工集団幹部が同紙に対し、計画を進めていることを明らかにしました。この幹部は「何基の原発を建設するかは需要次第だが、需要はかなり強い」と述べました。

この「海上原発」は、おそらく浮体原子力発電所(ふたいげんしりょくはつでんしょ)のことを指していると考えられます。

これは、水上/海中の船体・浮体に原子炉が実装された発電所です。現在、フランスにおいて海底設置型の原子力発電所の開発、および ロシアにおいて海上に浮かべられた原子力発電所の建造が進められています。地震に強い、陸上から遠く離れた沖合いに設置して原子力災害の損害を押さえ込める、移設が可能などの、陸上原発にはない長所を有しています。

ロシアの浮体原子力発電所概念図
海中型の場合 陸上の原発に比べ下記のような特徴を有しています。

長所
  • 地震に強い
  • 津波に強い
  • 落下物および軍事攻撃に強い
  • 全電源喪失でも海水の注水は容易
  • 船体が海水で冷やされているのでメルトスルーしにくい
  • 万一爆発しても水圧で爆発が減殺されセシウム散布半径が狭まる
  • 離島沖合いに設置した場合、万一爆発しても本土にセシウムはかからない
  • 移設が可能で、先進国に運搬してメンテナンスすることも可能
短所
  • 船体建造費がかかる(浜岡堤防程度1000-3000億円の費用がかかる)
  • 通勤が困難(無人・遠隔操縦化するか 家族とも支援船で生活か)
  • 海中送電線は数百kmクラスが実用化しているが費用が多少かかる
  • 海中への固定・位置保持が問題である。
  • 現状、存在するフランスのフレックスブルー(Flexblue、後述)計画は、原子力災害への対応を想定した設計というより、途上国への輸出や遠隔植民地の島嶼への設置を設計意図としているために、陸地との離隔、潜水深度が充分ではない。原子力災害を想定するなら陸地から数百km沖合いで、あんこう等の商業海産資源の生存域(水深500m)より深海設置でなくてはならない。
このような、発電所をつくるとなると資金もかなりかかりますし、時間も相当かかります。ロシア等はすでに計画に着手していますが、中国ではまだ構想段階に過ぎないと思われます。

しかし、このような海上原発が南シナ海に配備されるということになると、大規模な軍隊など駐屯しやすくなります。

中国は完璧に南シナ海を実効支配しようとしているのは、前からも明らかですが、今回のこの発表によって一層明白になりました。

その中国は、東シナ海や尖閣でも実効支配を企んでいます。それについては、このブログでも以前掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
中国紙が社説で「尖閣に自衛隊派遣なら軍艦出動」「数、日本の比ではない」―【私の論評】中国が一番恐れるのは、日本の武力によって尖閣付近から中国の勢力が排除されること(゚д゚)!
2012年10月4日午後6時から7時にかけ、沖縄県の宮古島の北東海域で中国艦艇7隻が通過。写真は
そのうちの三隻。上より、ルージョウ級ミサイル駆逐艦(116)、ジャンカイⅡ級フリゲート艦(546)、
ダーラオ級潜水艦救難艇(864)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分を以下にコピペします。
私としては、中国側は、本当に軍艦を出せば良いと思います。そうしてそのような場合は、日本側としては、領海や領空を侵犯した場合、撃沈、撃墜すれば、それで良いと思います。そうしたからといって、当の中国は屁理屈をつけて吠えるかもしれまんせんが、中国と日本が本格的な総力戦をはじめたりすることもないでしょうし、世界中のどこの国も中国に同調することはありません。

というより、アジアの中国、北朝鮮以外の国々は、これを歓迎することでしょう。それに、中国が尖閣付近で、前々から度重なる挑発行為を繰り返してきたこと、日本と中国の間にはもともと、領土問題など存在しないことをアピールすれば、アジア以外の国々も、歓迎することでしょう。

ロシアなどは異議を唱えるかもしれませんが、そのあたりは、このブログにのべたように、従来から比較するとかなり北方領土の交渉がやりやすくなっていますから、意外と唱えなくなることも考えられます。いずれにせよ、圧倒的多数の国々が、異議を唱えるなどということはしないでしょう。

さらに、南シナ海での米軍もこれに勇気づけられ、南シナ海の中国の軍事基地に対しても、艦船や潜水艦で包囲し、それを妨げようとする艦船、航空機に攻撃を加え、南シナ海からの中国の軍事基地の排除に踏みきる良いきっかけになることでしょう。
中国側としては、南シナ海ではこのブログでも先日もご紹介したように、海自護衛艦の“歴史的”寄港で南シナ海「対中包囲網」ができあがりつつあること中国にみせつけ、日米比越4カ国で中国を威嚇したこともあり、それにたいする報復として、「海上原発」の南シナ海への派遣を表明したのだと思います。

海上ヘリコプター搭載護衛艦「いせ」は、今月12~16日の日程でインドネシアの
パダンで開かれた多国間共同訓練「コモド」や国際観艦式に参加
 今月3ユチフィリピンのスービック港に寄港した海上自衛隊の
潜水艦「おやしお」(左)、護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」
中国側としては、米軍と本格的に対峙するとなると、全く勝ち目はないので、南シナ海に米国が介入してきたことにより、相当の危機感を抱いています。

さらに、海軍力では中国よりはるかにまさる、日本の自衛隊が艦を派遣してきたことにより、日米双方と、周辺諸国による中国囲い込み体制が完成しつあることに対してかなりの脅威を感じているはずです。

中国では、このブログでも何度か掲載していますが、習近平は権力の掌握に未だ成功ししていないどころか、権力闘争に一歩どころか、数歩も後退しています。

習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけた
王岐山氏。習近平の権力闘争が数歩後退した?

しかし中国では、まだ習近平失脚の報道はなされないところから、習近平と反習近平派の権力闘争の決着はついていないようです。

そうなると、習近平にしても反習近平派としても統治の正当性を強調するためには、東シナ海や、南シナ海の手詰まり状況を打開する必要があります。

おそらく、今回の「海上原発」は、どちらの派閥からでてきたものかは、わかりませんが、そういった流れの中の一つであると考えられます。

とにかく、「海上原発」を南シナ海に派遣して、電力供給に成功したということになれば、中国内の評価は高まります。計画を発表したり、実際に着手するだけでもかなり効果があるかもしれません。これは、海軍力では日米に比較して、圧倒的に劣る中国の窮余の一策であると考えられます。

本格的な軍事衝突では、全く勝ち目がないので、「海上原発」の派遣と、南シナ海軍事基地への電力供給ということで、中国国内に向けた示威行動の一つということが考えられます。

しかし、これはすぐにできることではありません。それなりに時間のかかることです。

とはいいながら、これを許せば、南シナ海は中国の実効支配が成立することになります。日米ならびに周辺諸国は絶対にこれを許すべきではありません。

日米ならびに周辺諸国は、南シナ海の中国の軍事基地を艦船や潜水艦で包囲し、「海上原発」派遣ならびにその他の補給物資の供給を絶つべきです。それを妨げようとする艦船、航空機に攻撃を加え、撃沈、撃墜すべきです。

日本としては、直接攻撃には加わることはできませんが、世界トップ水準の対潜哨戒活動に参加し、中国の艦船、潜水艦の位置を把握し、中国海軍を丸裸にして、米軍や周辺諸国に強力すべきです。

いまのところ、「海上原発」の建造スケジューなどはっきりしませんので、あまりマスコミでも報道されていませんが、これを中国側が本当に実施するならば、第二のキューバ危機のような様相を呈することになるかもしれません。

キューバ危機の折にソ連の貨物船の上空を飛行するアメリカ軍のロッキードP-3(1962年10月25日)
キューバ危機(キューバきき、英: Cuban Missile Crisis、西: Crisis de los misiles en Cuba、露: Карибский кризис)は、キューバを舞台に1962年10月14日から28日までの14日間に亘って米ソ間の冷戦の緊張が全面核戦争寸前まで達した危機的な状況のことを指します。

中国が南シナ海に「海上原発」を派遣したり、さらに軍事力を強化すれば、さすがにアメリカも黙ってはいないと思います。

及び腰オバマはもう、すでにレームダック化していますが、アメリカ議会や次期アメリカ大統領はこのようなことを傍観することはないでしょう。

現在日本は、熊本震災への対応に追われていますが、このような危機も迫っているかもしれないことは忘れるべきではありません。

日本のパヨクの方々は、熊本震災で被害も受けていない川内原発の稼働を停止しろなどという要求をしてみたり、震災地でのオスプレイの救援活動などに難癖をつけているようですが、そんなことをするくらいなら、被災地の人々の声を聴き、そのニーズやウォンツに沿った活動を行うととも、中国の新た脅威に対しても非難の声をあげるべきです。

日本のパヨクの方々も、自然保護団体の方々もこのような中国の動きに声をあげないのは本当に不思議なことです。サンゴ礁を埋め立てただけでも、力による現状変更の実施であり、環境破壊でもあります。

シーシェパードなども太地町で漁民いじめるくらいなら、南シナ海の中国が埋め立てたサンゴ礁の上に上陸するとか、付近の中国艦船に体当たりするとか、そのような行動をとるべきです。

しかし、彼らはそんなことは絶対にしません。それは、中国に対してそのようなことをすれば、金にもならないし、命の保証もないからです。日本にすれば、金を出してくれる人がいるし、命の危険もないからです。

日本のパヨクも同じなのでしょう。中国のやることに反対しても、金を出してくれる人はいないし、やり過ぎれば命の危険もありますが、日本に対してなら、金を出す人がいるし、どんな場合でも命の危険などありません。

「海上原発」はまだまだ先のことかもしれませんが、今度こそ、国際社会は何がなんでも中国のこのような行動を阻止しなければなりません。そうして、日本としても今から覚悟を決めておく必要があります。

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2016年4月22日金曜日

【お金は知っている】菅直人政権時の無為無策を繰り返してはいけない 増税は論外、公共投資を粛々と―【私の論評】熊本震災復興は復興税ではなく国債発行を!東日本震災復興の過ちを繰り返すな(゚д゚)!

【お金は知っている】菅直人政権時の無為無策を繰り返してはいけない 増税は論外、公共投資を粛々と

九州の熊本・阿蘇地方の地下奥深くから入った亀裂は四国、本州へと伸びる兆候を示している。この美しい国土は荒々しい地球の営みの賜物(たまもの)である現実を改めて知らされた。

であれば、なおさらのこと、わが国では人々の安全と利便を確保するインフラの修復と再整備が世界でも抜きんでて重要だ。その役割は主として政府が受け持つ。

グラフは1995年1月の阪神淡路大震災と2011年3月の東日本大震災以降の公共投資と国内総生産(GDP)の前年比実質増減率を比較しながら推移を追っている。これをみると、当時の政権がどのくらい迅速に震災後の復旧に当たったか、成果はどうか、その結果、景気はどうなったかの見当がつく。

阪神淡路大震災当時は自民、社会、新党さきがけの連立による村山富市(社会党出身)政権で、震災当初の対応は大きくもたついた。しかし、震災の3カ月以降はインフラ復興・復旧のための公共投資が着々と進められるようになった。公共投資による経済への波及効果で景気のほうは下支えされていく。

対照的なのが東日本大震災時である。民主党の菅直人政権は4月に有識者による「復興構想会議」という首相の諮問機関を立ち上げたが、主要議題は復興のための財源をどうするかだ。同会議は財務官僚に牛耳られ、増税が真っ先に話し合われた。
伊藤元重(左)と伊藤隆敏(右)
 これに合わせて、財務省の受けの良い東大の伊藤元重、伊藤隆敏両教授が復興財源のための消費税増税を提唱し、日経新聞の「経済教室」欄を通じて主だった大学教授から賛同の署名を集めた。民主党政権は復興財源を所得税・法人税増税、そして消費税増税構想を12年の3党合意へと結実させていく。

肝心の公共投資はどうか。遅々として進まず、わずかに伸びたのは翌年になってからだが、それも一時的だった。「福島原発事故処理に手間取った」とか、「急激な復旧工事のために人手不足になった」などの言い訳はあるだろうが、データが示すのは公共投資の驚くべき停滞ぶりである。戦後未曾有の大災厄に対し政権の無為無策はおろか、政権が大震災後の大災害を引き起こしたと批判されても仕方あるまい。


もともと「コンクリートから人へ」という触れ込みで政権を奪取した民主党は公共投資をネガティブにとらえ、その削減を財務官僚に丸投げしていた。財務官僚は渡りに船とばかり、菅政権、続いて野田佳彦政権を洗脳し、増税と緊縮路線に乗せた。経済が停滞するのは当たり前で、実質ゼロ成長が続いていく。

今回の熊本大震災では、以上の失敗の教訓を安倍晋三政権がどう生かすかである。危機対応はさすがに素早いし、自衛隊の出動、米軍の協力とぬかりない。

財務官僚はどうか。非常識にも、復興財源のためにも予定通り消費税増税せよという世論誘導を仕掛けるのだろうか。今回はさすがに御用学者や御用メディアは沈黙しているのだが。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

【私の論評】熊本震災復興は復興税ではなく国債発行を!東日本震災復興の過ちを繰り返すな(゚д゚)!

熊本震災の惨状
震災からの復興を復興税で賄うなど、本当に言語道断のとんでもないやり方です。このようなことをした国など古今東西を問わず、あのときの日本以外には存在しません。これは、はっきり言い切ります。

震災からの復興には通常は、建設国債などの国債で賄われるのが普通です。建設国債とは、財政法第4条において「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と規定されており、この規定に基づいて、建設国債が発行できるとしています。四条国債という別名は財政法第4条を根拠にしていることからです。

建設国債が財政法で発行が可能なのは、建設される公共施設は後世にも残って国民に利用できるためです。建設国債は、後世に残らない事務経費や人件費に充てることはできません。日本では建設国債は1966年から発行されています。2000年8月3日、森喜朗内閣下で、IT関連費等も建設国債で調達できるように財政法4条を見直す方針が決められました。

なぜ、復興のための財源には、復興税などの税金ではなくて、建設国債などの国債が用いられるかといえば、それは世代間の負担の格差を平準化するためです。復興税などの税で震災などの復興を賄うとすれば、震災など受けた当の世代にばかり負担がしわ寄せされるからです。

こんなことは、経済学を学んだ人なら、すぐ間違いとわかる政策です。上で説明したように、課税の平準化理論というものがあり、例えば百年の一度の災害であれば、100年債を発行して、毎年100分の一ずつ負担するのが正しい政策です。

復興税で復興を賄うとすれば、後の世代のために、震災などで大きな被害を受けた現在の世代だけが、復興のための税を負担するということになり、その負担はあまりに多すぎます。だからこそ、震災などの自然災害などの大規模な災害のときには、建設国債などの国債で賄うのが常識です。

こんなことは、別にマクロ経済学など学んでいなくても、常識で理解できる範囲です。にもかかわらず、結局上の記事のように、復興財源は、復興税と消費税で賄うなどというとんでもないことが、企図され、実行に移されたのです。

復興税の概要はどのようなものだったか、以下にチャートを掲載します。


デフレの真っ最中で、しかも大規模な震災と津波による被害に見舞われているときに、こんな愚かなことが実行され、その後8%増税も実行されたわけですから、いつまでたっても、デフレからなかなか脱却できないのは、当たり前のことです。

田村秀男氏によるブログ冒頭の記事の内容のような記事は、以前にもこのブログに掲載しました。その時は、まだ熊本地震が発生していないときでした。その記事のリンクを以下に掲載します。
増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない―【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!
東日本震災の被災地にかがみこむ若い女性
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、復興税制を推進したり、賛同したりした愚かな経済学者どものリスも掲載しました。この経済学者どもは、日本では主流といわれる、東京大学を頂点とした、日本の経済学主流派のグループです。

本当に情けないです。財務省主導の増税キンペーンにすっかりのせられて、復興税なる奇妙奇天烈、摩訶不思議な税を導入し、それだけにあきたらず、8%増税、10%増税まで提唱したというのですから、もう、世も末です。

財務省の頼みとあらば、まともな経済学説を曲げてでも、ありえないような経済政策を導入する片棒をかつぐというのですから、まともではないです。

この記事でも、掲載してありましたが、東日本大震災の復興が満足に進んでいません。その上、今度は熊本地震です。


多くの民間人や、芸能人や、一般の人からも、熊本復興のために様々な考えが表明されています。しかし、こういう善意によるせっかくの試みも、政府の復興への対応が、まずければ全体として停滞してしまうことになります。

財務省や、上記の頭のいかれた経済学者どは、熊本地震の復興にも、復興税の導入とか、10%増税などといいかねません。このような稚拙な言論に騙されるべきではありません。

それは、全くの間違いです。8%増税でも甚大な被害があったにもかかわらず、さらなる熊本のための復興税導入とか、10%増税どしてしまえば、その結果は破滅的なことになります。

熊本の復興は、そんなことをさせるわけにはいきません。阪神淡路大震災以上の復興政策を実行するべきです。そのためには、復興には建設国債などの国債を用いて対処すべきです。償還期間は最低でも数十年にすべきです。

これ以上国債発行などというと、将来の世代の負担に押し付けることになるという、これまた、財務省の洗脳された人々が、財政破綻するなどとのたまったり、信じこんだりするでしょうが、それは全くの間違いであることも、このブログで掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
いまだはびこる国債暴落説と財務省の説明を妄信する人たち ―【私の論評】財政破綻などしないのは常識で理解できるのに、それができない馬鹿真面目共が多すぎ(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に国債が暴落する可能性はかなり低いことを示した部分のみ掲載します。
   日本の現状をいえば、グロス (総合計)の債務残高(大部分が国債)は1100兆円程度であるが、ネット(正味)でみれば500兆円で、GDP比で100%程度。さらに、日銀も含めた連結ベース(経済学でいえば統合政府ベース)の債務は200兆円、GDP比では40%程度である。この程度であれば、先進各国と比較しても、それほど悪い数字ではない。 
 ちなみに米国ではネットでみてGDP比80%程度、統合政府ベースでみれば65%程度。英国ではネットで見てGDP比80%程度、統合政府ベースで見て60%程度である。 
 こうした基礎データが頭に入っていないとしたら、高度な議論をしているようにみえても上滑りになってしまう。
 財政破綻の文献をみれば、国債の投資家が国内か海外かは、破綻するかどうかと基本的には無関係である。日本国債の外国人保有比率が上昇したことで、金利の振れ幅が大きいとの指摘も破綻問題とは関係がない。国債残高をネットや統合政府でみれば、たいした数字ではないので、暴落の可能性はさほど高くないだろう。
日本の借金は、このようにさほどでもありません。日本の国債は、暴落するどころか、金利はゼロに限りなく近く、場合によってはマイナス金利になることもあります。このような状況では、国債が暴落するなどのことは考えられず、復興に国債をあてたとしても、財政破たんするとか、将来の世代に過大なつけを回すなどの考えは、当てはまりません。

以上のようなことから、今回の熊本震災による復興は復興税ではなく国債によるべきであり、東日本震災復興の過ちを繰り返すべきではありません。

今後の政治課題は、10%増税は見送りは当然のこととして、熊本震災復興そうして、未だ停滞している東日本大震災復興にも、国債を用いて十分な財源を確保して、一日も早く復興を成し遂げることです。

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2016年4月21日木曜日

【熊本地震】「原発止めろ」の非常識…停電のリスク高まる 懸命の復旧作業の妨げに―【私の論評】被災地の救援、復興よりも、原発を停止を重要視するパヨク(゚д゚)!


川内原発
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に対し、熊本地震をきっかけに、共産党や一部の反原発団体が運転停止を求めている。だが、原発が止まれば九州の電力供給に重大な懸念が生じ、停電のリスクが高まる。反原発派の言動は、被災地の住民が願う電気復旧の妨げにもなりかねない。(九州総局 高瀬真由子)

大前提として、今回の地震で川内原発に、安全上の問題は生じていない。

原子力規制委員会が設定した川内原発の基準地震動(想定される最大の揺れ)は、揺れの勢いを示す加速度で620ガルだ。

鹿児島県内の断層だけでなく、今回の震源である布田川・日奈久断層帯での地震も想定した上で、この基準地震動が定められた。原発施設はこの数値に耐えられる設計となっている。

また、620ガルまで到達しなくても、160ガルの揺れで自動停止するようになっている。

14日以降の一連の地震で、川内原発がある薩摩川内市で観測された震度は「4」が最大だった。加速度でいえば、熊本地方でマグニチュード(M)7・3を観測した16日午前1時25分ごろの地震でも、8・6ガルが最大だった。

規制委は「今の状況で問題があるとは判断していない」としている。

ところが、反原発を主張する政党や団体は「電力需要からみても川内原発を動かし続ける必要はない」(共産党国会議員団)、「安全性に強い危惧を有している」(脱原発弁護団全国連絡会)と即時停止を訴える。

首相官邸前では19日、反原発団体が集まり、原発停止を求め「これ以上リスクを拡大するな」と、危機感をあおった。

仮に川内原発を停止した場合、九電は代替の火力発電所をフル稼働させなければならない。そして余震が続く熊本や大分両県にも、大型の火力発電施設がある。

地震による被害や、それに伴う点検で火力発電所を停止する事態になれば、原発ゼロでは供給力不足に陥る懸念がある。需要と供給のバランスが崩れ、大規模停電を誘発する可能性も否定できない。

確かに東日本大震災では、東京電力福島第1原発事故が被災地に大打撃を与えた。同時に、震災後に首都圏を襲った「計画停電」による大混乱は、電力供給の重要性を再認識させた。

川内原発は、福島の事故を教訓にした新たな規制基準に合格し、再稼働した。

現状で川内原発を停止することは、被災地を含め、停電へのリスクを高めるだけの愚挙だといえる。

問題はそれだけではない。

九電によると、九州を襲った過去の台風で送電網が被害を受けた際、復旧に数十億円の費用を必要とした。今回の地震での被害はそれ以上とみられ、復旧コストは数百億円規模に膨らむ可能性がある。

川内原発を停止させた場合、九電は代替の燃料費などで月100億円の負担増となる。九電の経営基盤に打撃を与え、安定供給への支障につながる。

被災地では、住民が電気が灯る日を心待ちにしており、九電グループは3千人態勢で復旧作業にあたっている。

危険を伴う被災地で活動する作業員だけでなく、後方支援にあたる社員も懸命だ。不眠不休の人もいる。

この状況下で九電には、反原発を訴える団体などから、原発を止めろなどという電話がひっきりなしにかかっているという。この電話対応は、復旧に向けた業務の足を引っ張っている。

【私の論評】被災地の救援、復興よりも、原発を停止を重要視するパヨク(゚д゚)!

私は、最初この記事の見出しを見た時には、被災者の人や原発の近くに住んでいる人たちが「原発を止めろ」と抗議しているのかと思いましたが、そうではありません。

共産党や一部の反原発団体が、運転停止を求めているのです。何ということでしょう。これは、結局被災地のはるか遠くから、テレビを被災地を見ながら原発批判をしていれば満足する下品な輩に過ぎないのではないでしょうか。

このような動き地震が起こった直後からありました。その原発反対を叫ぶ人たちのツイートを以下に掲載します。

増山麗奈
増山 麗奈(ますやま れな、1976年12月25日 - )は、日本の画家・パフォーマー・作家・芸術家・ジャーナリスト・市民活動家・映画監督。超左翼マガジン「ロスジェネ」編集委員。反戦アート集団「桃色ゲリラ」主宰。環境アート展「エコ@アジアニズム」キュレーター。

千葉県出身。兵庫県神戸市北区在住。1989年千葉大学教育学部附属小学校卒業、1992年千葉大学教育学部附属中学校卒業、1995年日大習志野高校卒業、2002年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻中退。増山は「ちんどん屋の玉三郎」の吉野繁と結婚したが離婚し[5]、その後戦場・環境ジャーナリストの志葉玲(本名:金井玲)と再婚し、現在に至っている。今年の参院選に社民党から立候補の予定。

祖父は日本社会党富山県連書記長などを務めた増山直太郎。

志葉玲
志葉 玲(しば れい、1975年 - )は、日本のフリーランスの戦場/環境ジャーナリスト(男性)、市民活動家。
ミサオ・レッドウルフ
ミサオ・レッドウルフ (Misao Redwolf)は、日本の反原発活動家。非営利団体「NO NUKES MORE HEARTS」主宰。首都圏反原発連合のメンバーのひとり。本職はイラストレーター。


池内さおり
池内 沙織(いけうち さおり、1982年9月15日 - )は、日本の政治家。日本共産党所属の衆議院議員(1期)。選挙運動などでは池内さおりの表記を使う。


この方は、特段説明もいらないと思いますので、掲載しません。

上記は、代表的なものですが、他にもパヨクの方々の、川内原発停止しろ発言が多くあります。

小池晃・共産党書記局長は、以下のような声明を出しています。
川内原発が稼働していることについて、住民からもかなり不安の声が寄せられている。九州横断的に今回の地震が拡大している。もう1点は新幹線、高速道路が使えなくなっている。川内原発の事故時の避難計画の中には、新幹線や高速道路の使用も含まれているので、そういう問題が生じているのではないか。 
電力が逼迫(ひっぱく)しているわけではありませんから、いま、(川内原発を)停止をしても電力需要という点では支障はないはずだから、これは不測の事態に備えるべきだということで、川内原発について運転の停止を求めるということを申しました(政府への申し入れの後、首相官邸で記者団に)。
民進党は、結局党としては、川内原発の停止を政府に要求はしませんでしたが、内部分裂様相を呈しています。
 民進党は20日に行った熊本地震に関する政府への申し入れに、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の運転停止の要求を盛り込むことを見送った。旧維新の党出身の江田憲司代表代行が意欲を示していたが、旧民主党側が慎重姿勢を示したためで、原発を巡り党内に不満を抱える結果となった。
さて、川内原発を停止すると一体どういうことが起こるのか、その想定を地図にまとめて以下に掲載します。



上記で示したように、川内原発を停止すると、九州南部の大規模停電や、新大分火力発電所が今後震災により、停止したとすると、九州全体の電力供給量が逼迫して、大規模停電の可能性もあります。

そうなれば、病院での治療にも支障がでます。病院を正常に稼働させるためには、電気は欠かせません。

それに新幹線だっていずれは動かさなければならなくなりますし、さらに熊本はアイシン精機というトヨタグループの巨大自動車部品メーカーの工場があります。トヨタ自動車系列ですが、2011年現在では日本国外メーカー、さらには日産自動車をはじめとする日本国内他社にも部品を供給しています。

この工場が停止していると、日本の自動車製造メーカーが、部品の供給を受けられなくなり、車両の製造が滞ることになります。無論、電気を供給しないと、この工場は製造できません。

このようなことがあるにもかかわらず、すぐに川内原発停止というのはなかなか難しいです。単純に停止してしまえば、上記で示したような不都合なことが起こります。

長期のエネルギー政策と、現状の震災対応における電力とはわけて考えるべきです。たとえ、川内原発を停止したとしても、核燃料が川内原発に存在するので、震災による放射能漏れリスク等がなくなるわけではありません。

何が何でも、原発に反対するななどとはいいませんが、差し迫った危険がないというのなら、このような時くらいは、原発反対運動は、控えるべきものと思います。

にもかかわらず、パヨクの方々が上記のような発言を繰り返すということは、熊本地震が発生し被害が拡大している中、被災地の救援、復興などよりも、原発を停止することのほうを重要視していると謗られても致し方のないことと思います。

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中国経済の悲惨な実態…「デカップリング」を「デリスキング」と言い換えても“世界経済からの切り離し”は止まらない―【私の論評】中国経済減速で外資流入減 急速に発展する東南アジアに投資機会

中国経済の悲惨な実態…「デカップリング」を「デリスキング」と言い換えても“世界経済からの切り離し”は止まらない まとめ 西側諸国と中国との経済的結びつきが急速に弱まっている。中国からの輸出が主要国で大幅減少している。 中国への外国からの投資や人的交流が大きく減少し、新規投資がなく...