2015年8月27日木曜日

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う ―【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

【アジア大爆発】中国の権力闘争が最終段階 「江沢民氏逮捕」など怪情報飛び交う 

習氏(下)と、江氏(上)の暗闘は、最終局面に突入した

一体どうしたことか。バンコクの「エラワン様」のたたり…ではあるまいが、中国・天津や、タイ・バンコクの後、アジア各地で大爆発が続発している。中国では、各地の化学工場が爆発炎上し、わが国でも24日、相模原市の在日米陸軍相模総合補給廠で爆発が起き、大炎上した。

本連載のタイトルがいっそう不謹慎と感じるほどに、いまアジアから世界へ、不吉な暗雲が漂い出ている。

中国では、当局発表で「130人死亡」という天津市の大爆発(12日発生)が、いまだ収拾できていない。共産党指導部は全国に対し、安全管理徹底の指示を出したが、それを嘲笑うかのように、22日には山東省●(=さんずいに災の火が田)博(しはく)市の化学工場が爆発し、1人が死亡した。23日には江蘇省蘇州市、24日には河南省鄭州市のいずれも化学工場で大火災が発生したと報じられた。

一般人の安全をも脅かす「事故」の多発に、国民の批判も高まっている一方で、虚実入り交じりの情報が、中国国内と世界を駆けめぐっている。

中国では、何か事があれば、当局によって情報が遮断、隠ぺいされるため、かえって突拍子もないガセネタが飛び交うことも珍しくない。

例えば、数日前、天津の大爆発の黒幕として江沢民元国家主席が逮捕されたとの「怪情報」が流れた。当初これを伝えたのは「大紀元時報(Epoch Times)」だ。長年、中国政府から弾圧されている気功集団「法輪功」が外国で運営するメディアで、強烈なアンチ共産党を旨とするため、時折、「願望」と思えるような記事が載る。
この不確かな情報はまたたく間に日本のネットでも広まり、後にまことしやかな写真までが拡散されかけたが、現在は「デマだ」という否定が広がりつつある。

さらなる「衝撃情報」も出た。

天津での大爆発は、習近平国家主席の暗殺失敗から起きたという説だ。反体制派が、習氏が乗る予定だった列車の爆破・暗殺を企てたが、計画が直前に漏れたため、証拠となる爆薬を爆破消滅させたというのである。

裏付けが乏しいため、これを容易に信じることはできないが、その後、連鎖的に起きた化学工場の炎上を含め、逆にすべてを単に不運な事故と信じることもまた難しい。

少なくとも、「習氏vs江派中心の反体制派」の暗闘が、クライマックス局面に入ったことは確かと見える。

こうしたなか、中国経済の先行きを不安視する心理が世界に広がり、とうとう今週、中国発の世界同時株安「ブラックマンデー」が起きた。実体経済のガタガタぶりはすでに露見していたが、政治的リスクも高まっていると世界が見てしまったのだ。

まさに、天津の大爆発は、史上初かつ最大のチャイナショックの号砲となったかのようである。

有本香(ありもと・かおり)
【関連記事】権力闘争の行き着く先は、かつてのソ連のように中国崩壊になる可能性が(゚д゚)!

上の記事では、中国内の権力闘争が最終段階をむかえていることを主張しています。確かにそうでしょう。

以下に、最近失脚した幹部らの派閥関係の図を掲載します。



この権力闘争は、習近平の腐敗撲滅キャンペーンが始まりました。習近平・国家主席は2012年11月、中国共産党の最高指導者に就任した際に、第一声で「トラもハエも叩く」と宣言し、大幹部だろうがヒラだろうが汚職や腐敗は許さないと公言しました。

その後の2年あまりで党や政府、企業などを含め25万人以上の幹部が摘発されました。そうして、すでに今年の5月に最終局面を疑わせるような事実が浮かび上がっていました。

それは、何かといえば、中国の労働節(メーデー)連休明けの5月4日に上海市の党・政府合同幹部大会において公布された、市の規定です。上海市でこの幹部大会が開かれたのは2006年9月に当時の市トップである陳良宇・党委書記が汚職などで解任されて以来、約9年ぶりのことでした。

この規定規定は、『上海市の指導幹部の配偶者と子女、および子女の配偶者の商業活動を管理することについて、上海市がさらに一歩規範を加えることに関する意見』という極めて長い名称のもので、簡単にいえば、「上海市幹部のファミリービジネス厳禁」とするものです。

そうして、この規定の適用範囲は中国共産党委員会や市政府、裁判所、公安(警察)、大学、国有企業、軍、港湾など市内の110以上の機関を含む公務員全体に及んでいます。

それにしても、全国的に厳しい腐敗取り締まりが続くなか、上海市だけで「幹部のファミリービジネス厳禁」が定められるのは不思議というほかありません。上海は江沢民の牙城です。習近平の狙いは、江沢民ファミリーを摘発し、いまだに隠然たる影響力を持つ江沢民を黙らせることのようです。

習は昨年9月と10月の2度にわたって、腐敗を取り締まる党中央規律検査委員会の中央巡察隊を100人規模で上海に送り込み、党・政府・軍機関はもちろん、江沢民の息がかかった国有企業などを徹底的に調べ上げて大量の重要文書を押収しました。その上で、「一部の幹部の配偶者や子女らが経済・商業活動に携わり、不正な収入を得ている」とし、上海市幹部のファミリービジネスを禁止する規定を早急に作成するよう通知しました。

中央規律検査委が調査報告のなかで、江沢民の息子の江綿恒や、その息子の江志成の名前を挙げ、「合法とは言い難いビジネスに手を染めている」と名指しで批判していました。

いずれにせよ、江沢民派はかなり追い込まれていたのは事実で、江沢民派の立場からすれば、自らも不透明なファミリー・ビジネスを営む習が我々を潰すというのなら、黙って座して死を待つくらいならと、反撃に出るというのは当然といえば、当然です。




この権力闘争の行き着く先は、どうなるのでしょうか?これについては、私の考えを以前のこのブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!
天津市内の惨状
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、今回の中国の天津の大爆発は、かつてのソ連のチェルノブイリ原発事故に相当するものであり、当時のソ連の社会・政治体制の遅れが、結果としてチェルノブイリ原発事故の原因となったものと推論しました。

その後も社会・経済体制が改善されることもなく、これがソ連崩壊に結びついたと結論づました。そうして、今回の天津の大爆発事故は、チェルノブイリほど大規模なものではないのですが、それにしても、当時のソ連がそうだったように、これは中国の遅れた、社会・経済状況を象徴するものであり、この事故をきっかけとして、中国の崩壊もあり得ることを示唆しました。

しかし、その後状況は変わり、天津の大爆発から時を経ずして、ブログ冒頭の記事にもあるように、山東省でも河南省でも大爆発が起こり、現時点でたて続けに三件もの大爆事故が発生していることから、この推論は、さらに正しい可能性がかなり高まったと思います。

習近平と江沢民の、大権力闘争は、どちらが勝ったにしても、大きなしこりを残し、行き着くその最終段階として、ソ連が崩壊したように、中国も現体制も崩壊する可能性が増してきたと思います。

私は、そう思います、皆さんどう思われますか?

【関連記事】

【中国・天津倉庫爆発】世界4位の貿易港が機能不全…中国経済にダメージ なお爆発音も―【私の論評】今回の天津大爆発事故の原因は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じく遅れた社会・政治体制に根ざすものだ!





【関連図書】

中国の経済・社会は根本から変革する必要があります。今のままでは、いずれ制度疲労をおこし、黙っていても、崩壊します。それらについての知識を深める書籍を以下にチョイスさせていただきました。

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2015年8月26日水曜日

【日本の解き方】「通貨安戦争」報道に要注意 深刻なマスコミや学者の無知 ―【私の論評】小学生がわかる理屈を理解できない政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るな(゚д゚)!

【日本の解き方】「通貨安戦争」報道に要注意 深刻なマスコミや学者の無知 

2015.08.26
通貨戦争なる考えは、マクロ経済を知らない人のフィクションに過ぎない

中国の人民元切り下げを受けて、ベトナムも通貨を切り下げた。欧米の一部のマスコミでは「通貨戦争(currency war)」という言葉さえ出始めている。日本のマスコミも安易に「通貨安戦争」を使っているが、こうした報道をうのみにしてはいけない。

マスコミが好む「通貨安戦争」という言葉はミスリーディングだ。この言葉を使う人の多くは、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争で激化したという「神話」を信じているのだろう。

この考え方は経済理論的には間違っていたことが、最近の国際経済学研究で明らかになっている。たとえば、カリフォルニア大学のバリー・アイケングリーン教授とコロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、戦間期の為替切り下げ競争が壊滅的な結果をもたらしたのではなく、各国にとって好ましい結果になったことを示している。

その理由は以下の通りだ。どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的に外国はマイナスの影響を受けるが、その国も金融緩和をすると、両国ともにインフレ率が高くなる。両国とも許容できるインフレ率に限界があるので、際限のないインフレにはならないように、金融緩和競争はいつまでも続かない。

要するに、各国が自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争は続かないのだ。その結果、一時的な通貨切り下げによる「近隣窮乏化」は、実は各国経済が良くなる「近隣富裕化」で、世界経済全体のためにもなる。

特に、世界の先進国は2%程度のインフレ目標を設定しているので、4~5%のインフレにはならない。中国やベトナムは、中央銀行の独立性がないので、厳密な意味でのインフレ目標とは言いがたいが、それでも国家目標として、中国は3%程度、ベトナムは7%以下としている。実際のインフレ率はこれらの目標には達しておらず、その意味で、中国やベトナムの通貨切り下げは、正当化される。

マスコミが「通貨安戦争」と報道するのは、通貨の価値とインフレ率との間に、一定の関係があることを理解できずに、際限のない通貨切り下げになると思い込むからだ。通貨切り下げは、固定相場にしても変動相場にしても、一定の通貨量の拡大があり、それはインフレ率を引き上げる。マスコミが、こうしたマクロ経済の関係を理解できないのは問題だ。

マクロ経済の無知は学者にもある。4~6月期国内総生産(GDP)のマイナス成長で「アベノミクス失敗」と喜んでいる人がいる。そういう人は、金融緩和をして1ドル120円になったら日本が破綻するとも言っていた。実際にはアベノミクスの円安で日本破綻どころか、外国為替資金特別会計で20兆円も含み益ができたので、マイナス成長に対応した景気対策の財源もできている。

いずれにせよ通貨に関する話はウソが多いので注意しよう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】小学生がわかる理屈を理解できない政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るな(゚д゚)!

上の記事で、高橋洋一氏は、「通貨の価値とインフレ率との間に、一定の関係があることを理解できずに、際限のない通貨切り下げになると思い込むからだ。通貨切り下げは、固定相場にしても変動相場にしても、一定の通貨量の拡大があり、それはインフレ率を引き上げる。マスコミが、こうしたマクロ経済の関係を理解できないのは問題だ」としています。

確かに問題です。この程度のことが理解できなければ、話にも何にもなりませんが、このくらいの話定量的にまで理解しようとしたら、難しいところもありますが、原理的なことは、決して難しくありません。全くの常識の範囲です。難しい数学や、他の学問の背景がなくても小学生にも理解できます。

特定の国が、金融緩和策(様々な方策で、市場により多くのお金を供給すること)を行えば、世間に出回るお金は金融緩和策を行う前よりは増えます。それは、国内だけではなく、国外でも同じことです。相対的に特定の国のお金が金融緩和前よりも、お金が増えるわけです。

そうなるとどうなるか、当然のことながら、その特定の国のお金の価値は下がります。そうなると、その国の通貨は安くなります。逆に金融引き締め(様々な方法で、市場に流通するお金を少なくすること)をすれば、通貨高になります。これって、小学生にも理解できる簡単な理屈ですよね。お金も、モノも同じことです。世の中にすこししか、モノがないとそのモノは高くなります。逆に多数になれば、モノは安くなります。

通貨の変動の原因は小学生にも理解できる

通貨も同じことです。世界の中で、特定の国の通貨が増えれば通貨安になります。通貨が減れば、通貨高になります。単純化すれば、こういう話になります。これは、小学生にだって理解できる単純な理屈です。しかし、こう考えると、通貨安、通貨高など、常識の範囲で動いているということが良く理解できると思います。

無論、これだけで、その時々の通貨高、通貨安を正確に予測することなどできませんが、それにしても、根底にこうした考えがなければ、他の要因も加わり、全く予測も何もできないということになります。

ここで、架空の話をしていても、現実世界のことに当てはめることができなければ、意味がありません。以上のことを知った上で、東日本大震災のときに、なぜ空前の円高になったのか、簡単に説明してみましょう。

東日本大震災 巨大津波

東日本震災が起こった直後から、被災された人を救助したり、行方不明の人を探したり、非難している人たちに対して、水・食料を供給しなければなりません。最初は、水・食料の供給ですんでいても、いずれ衣服が必要になります。そうして、供給が止まった、電気・水道・ガスなどを復活させなければならなくなります。

さらに、物資を運ぶために、震災で破壊された、道路・港・空港などを修復しなければならなくります。

さらに、少したてば、避難した人々を避難所から普通の住宅に避難した人々を住まわせなければなりません。

これに必要なものは何でしょうか、そうです。先立つものは、銭です。銭がなければ、政府や自治体なども、食料も水も、建築資材も、建築資材を使って工事をする人たちの賃金をまかなうことはできません。だから、震災のない時と比較すれば、随分とお金がかかることになります。

そうなると、どうなるでしょう。日本国のお金である円が普段よりも使われることになります。これを経済用語でいえば、円の需要が高まるわけです。

円が普段よりも使われて、円の需要が高まれば、どうなるでしょうか。そうです。他の国々の通貨は、震災などに見舞われていないので、需要は高まっていないのに、円の需要だけがかなり高まればどうなるでしょう。

無論円高です。日本以外の国でも、自然災害などが発生すると、これと同じような経緯で、当該国の通貨が割高になることは良くあることです。実際、2011年1月、日本の東日本大震災直前にオーストラリアで、大規模な水害が発生したときに、オーストラリア・ドルが値上がりしていました。

オーストラリア大水害で取り残されたカンガルー
しかし、それも少しの間で、オーストラリア・ドルはすぐに元の水準に戻りました。なぜ、元に戻ったかといえば、上記の小学生にでもわかる理屈を知っていれば、すぐに理解できます。

オーストラリアでも、大きな災害がおこると、日本の東日本震災と同じような理由で、オーストラリア・ドルの需要が高まります。これをそのまま放置しておけば、オーストラリア・ドルが市場全体で少なくなり、オーストラリア・ドル高になります、自然災害からの復興もスムーズにいかず支障をきたしかねなくなります。

そこで、オーストラリアの中央銀行、日本でいえば、日本銀行にあたる、オーストラリア準備銀行は、金融緩和に踏み切りました。こうすれば、普段よりオーストラリア・ドルの需要が高まり、オーストラリア・ドル高になったのですが、通貨高はおさまり元の水準に戻り、復興に支障をきたすこともなくりました。

そうして、大きな災害時は、中央銀行がこのような施策を実行するのが当たり前のことです。

しかし、日本の東日本震災のとき、日銀は何をしたかといえば、オーストラリア準備銀行のように金融緩和をするどころか、震災以前も金融引き締めぎみだったのに、緩和をすることもなく、そのまま放置したため、日本は震災直後から空前の円高になりました。

この期間は、日本では野田政権のときにあたり、当時の為替れー土は70円台であったことを思い起こして下さい。この状況を招いたのは、当時震災の復興を増税で賄おうとして、時限的に、復興税制を課したという他の事情などもありますが、最大の要因は、日銀が金融緩和をしなかったためです。

野田政権のときの為替レートと株価 通貨安戦争などの妄想を
抱く輩の言うとおりにすれば、またこの時代にもどってしまう!
以上のようなことを良く理解して、本当に先の理屈を理解していれば、通貨安戦争などという妄想にふけることはないはずです。

ところが、そのような人が、マスコミや学者の中にも多いことを高橋洋一氏は指摘しています。

ある国が通貨安になる原因は、主に当外国の中央銀行が、上記のように、何らかの必要性があって、金融緩和政策をする場合がほとんどです。しかし、いつまでも金融緩和政策を続ければ、とんでもないインフレになります。それでも、金融緩和を続けていれば、ハイパーインフレにもなりかねません。

だから、いずれの国でも、中央銀行がいっとき金融緩和をして、その結果として通貨安になったとしても、金融緩和をどこまでもつづけていれば、インフレになるため、その政策をいつまでも継続するということはあり得ないのです。そもそも、通貨戦争をするために金融緩和をするのではなく、様々な要因によつて、金融緩和策を実行すると通貨安傾向になるということです。

このことを高橋洋一氏は、指摘しているのです。実際そうです。確かに、金融緩和をすれば、いっとき通貨安にはなりますが、だからといって、金融緩和を通貨安のためだけに、継続したとしても、いずれインフレに見舞われ、そのインフレが通貨安を帳消しにして、実体経済に害悪をもたらします。

こうなれば、元も子もなくなるわけで、実体経済を悪化させてまで通貨安にする国などは、あり得ないわけです。

それにしても、こうした小学生にでも理解できる、理屈も理解せず結果として、マクロ経済が理解できない、政治屋、学者屋、マスコミ屋どもは、経済を語るなと言いたいです。そんなことをしても、彼らは害悪を撒き散らすだけです。

このような輩どもの発言に惑わされないためには、私が上記で示したように、特に難しい勉強をしなくても、常識を働かせれば十分対抗できます。この常識に反するような言動を見つけたら、私はこのブログで徹底的叩いていきます。私達は、普段から常識を働かせて、嘘を吐き散らす、学者やマスコミどもの言動に惑わされるべきではありません。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】






【関連図書】

本質は、小学生にでもわかる経済・金融の理屈、それらを無視して、まことしやかに、嘘を語る、似非学者どもの嘘を見破るれるようになるための、参考書として以下に三冊の書籍をチョイスさせていただきました。


世界を破綻させた経済学者たち:許されざる七つの大罪 (ハヤカワ・ノンフィクション)
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ケンブリッジ式 経済学ユーザーズガイド: 経済学の95%はただの常識にすぎない
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緊縮策という病:「危険な思想」の歴史
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2015年8月25日火曜日

【スクープ!】母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない―【私の反論】安倍嫌いもここに極まれリ!これは、単なる醜悪な妬み、嫉み以外のなにものでもない(゚д゚)!

 【スクープ!】母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない

眠そうにしている安倍総理 しかし、他にも眠そうな議員、眠っている議員もいるが・・・・
もういい、十分やった、見ていられない。安倍総理の母、洋子さんが、心を痛める。「ゴッドマザー」と呼ばれた勝気の女性を、ここまで心配させるほど、総理の心身は、ボロボロになっている。

~中略~

「総理は、相当疲れているようで、富ヶ谷(渋谷区)の自宅に帰るとバッタリと眠ってしまうそうなんです。 

本当なら、安全保障、原発、労働者派遣法、TPPなど、ストレスの種となる難問が山積していて、これらについて勉強しなければいけないのに、『起きていられない』状態だといいます。

トイレに駆け込む回数も増えています。ストレスで持病の潰瘍性大腸炎が悪化している可能性が高い。私邸に帰るのも、たいてい午後10時前と早くなっています」(官邸スタッフ)

精神的な負担も積み重なっている。官邸スタッフが続ける。

「自民党議員の失言もあり、イライラして、官邸でも頻繁に怒鳴っている。感情のコントロールが効きにくいようです。これは、持病の薬の副作用もあるらしい。
大腸炎の薬、ステロイドは、量が増えると躁鬱気味になり、感情の起伏が激しくなりやすいと言われています。おそらく、服用量が増えているのでしょう」

結果的には誤報と分かったが、一時は安倍総理が吐血したという情報が永田町を駆け巡ったのも、総理の現状を物語る。

いま、こうした安倍総理の体調、精神状態の悪化を、誰にも増して心配している女性がいる。総理にベッタリの側近よりも、自民党の代議士よりも、誰よりもだ。

それは、安倍総理の母、洋子さんである。

「最近、洋子さんはしきりに、『晋三の体調が心配』と周囲に漏らしています。洋子さんは、総理私邸の3階、安倍夫妻が暮らすワンフロア上に住んでいますが、ことあるごとに総理の所へ行き、
『体重は減ってない?』『今日は何を食べた?』『夜は眠れているの?』と聞き、これ以上ないほど気をつかっているのです。

総理は慶応大学病院で定期的に人間ドックを受けるのですが、その予定についても、『そろそろ健康診断する頃だったわよね』と念入りに確認しているそうです。

総理の体調がすぐれない時は、消化にいい具材で雑炊を作っている。いままではお手伝いさんに作らせることが多かったらしいのですが……。 

洋子さんがここまでするのに驚いています。若くして亡くなった夫の晋太郎(元外務相)さんを重ねているのでしょう」(安倍家と親しい関係者)

~中略~

かつての洋子さんは、いいニュースに対しても、悪いニュースに対しても、きわめて冷静だった。'03年、晋三氏が幹事長になったとの非公式の報を受けた際には、各所に電話を入れようとする夫人の昭恵さんを、

「政界では、何が起こるか分からない。公式発表があるまで待ちなさい」

とたしなめたという。目標達成のために、決して舞い上がらない。この強い母あってこその安倍総理だった。

その洋子さんが、いまひとつの決断を下そうとしている。

「晋三さん、もういいのです。あなたはお祖父さまやお父さまの無念を晴らし、私の期待に立派に応えてくれました。これで十分なのです」

母から息子への引退勧告である。

いまや、安全保障法制の整備は参議院の通過を待つだけになっている。

現在、洋子さんは87歳。岸内閣が退陣した'60年から55年の歳月を経て、父、夫、息子の3人の力で、悲願である憲法改正への足がかりは確実なものとなった。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の反論】安倍嫌いもここに極まれリ!これは、単なる醜悪な妬み、嫉み以外のなにものでもない(゚д゚)!

安倍首相の体調不良説は、このサイト記事の以前にも週間文春によるものもありました。週刊文春の記事の一部を以下に引用します。

6月30日、JR東日本社長や稲田朋美政調会長との会食の時に、
突然、気分が悪くなった総理が、トイレに駆け込み、血を吐いたというのです。その場に控えていた今井尚哉秘書官が慌てて別室を用意し、慶應大学病院の医師を呼び、総理は診察を受けたと聞きました。(官邸関係者)
 この記事は、匿名の、しかも「聞きました」という間接コメントですから、どこまで信憑(しんぴょう)性があるかは、はなはだ疑問です。

この文春の記事に関して、安倍首相の事務所は20日、19日発売の週刊文春に、「安倍晋三首相『吐血』証言の衝撃」との見出しで首相の体調に関する記事が掲載されたことに対し、週刊文春の新谷学編集長と、発行元の文芸春秋の松井清人社長あてに、記事の撤回と訂正を求める抗議文を郵送したことを発表しました。

抗議文では、「全く事実無根の内容が含まれており、個人を中傷し、読者に著しい誤解を与える悪質極まりないもの」と批判し、法的措置も検討するとしていました。

このサイトの元記事となる『週刊現代』(8/29)の記事でも、ブログ冒頭のサイトの記事のように、
結果的には誤報と分かったが、一時は安倍総理が吐血したという情報が永田町を駆け巡った。
として、最終的に誤報であったとしています。

それにしても、この『週刊現代』の記事といい、サイトといい、酷いです。このタイトル『母・洋子から息子・安倍晋三への「引退勧告」〜あの子の身体が心配でたまらない』はとんでもないものです。

洋子さんが「引退勧告」したなどという内容は、一言も掲載されていません。推測で、「いまひとつの決断をくだそうとしている」と断定しています。全く信ぴょう性に欠けます。

安倍総理(左)と、安倍総理の母である安倍洋子さん(右)

本来なら、こういうタイトルにするなら、安倍洋子さんにインタビューして、はっきり洋子さんの発言であることを確認してからにすべきです。そうでないなら、このようなタイトルにすべきではないです。

それにきの記事、事実の断片のつぎはぎでしかありません。 また、文体も報道記事ではなく、まるで三文小説調で、妄想記事に過ぎないことが一目瞭然です。実際に安倍総理とも直接話をすることもできる、関係者なら体調を見分けるポイントを知っていると思います。しかし、ブログ冒頭の記事など熟読すると、これを知らない人が書いていることがミエミエです。

山本一太議員は、自身のブログで安倍総理体調不良説に以下にようにコメントしています。

山本一太議員
 安倍総理だって人間だ。 これだけ忙しく活動していれば、時には疲れることもある。 たまには風邪くらい引くかもしれない。 が、今の安倍総理は心身ともに強靭だ。 「日本の再生は自分の手でやるしかない!」という強烈な自負心と使命感が、身体全体の免疫力を増幅させている。 
 加えて、安倍政権の下で「日本の国際社会における存在感が復活しつつある」という明白な事実と、自分自身が今、世界で最もリーダーシップのある首脳の1人として注目を浴びているという実感が、総理のインセンティブを益々、高めている。 
 あれだけの試練を乗り越えて、再びトップの座に上り詰めた初めての政治リーダーなのだ。「地獄から生還した」と言ってもいい。 政治家としての覚悟と決意が違う。 
 永田町で時おり流される「安倍総理の体調不良説」は、安倍政権に不満を抱く人々の「願望」に過ぎない。申し訳ないが、彼らの「期待」は間違いなく裏切られるだろう。 もう一度、言う。 生まれ変わった安倍総理は(あらゆる意味で)強靭だ。
山本議員がこう述べているわけですから、安倍総理の体調不良説は本当に根拠がないと思います。もし、本当に安倍総理の体調が悪いのなら、ここまではっきりと否定することはないと思います。

安倍総理に対する嫌がらせも末期症状に達したようです。マスコミは、 60年安保の時のように国民扇動して内閣支持率を10%台まで叩き落としたかったのでしょうが、結局うまくはいっていません。 安保反対デモもヤラせデモ以上には発展しませんでした。

それにしても、ここまで事実をねじまげて捏造するというのですから、安倍嫌いもここに極まれリという感じがします。

結局、マスコミ、それも文春、現代などの週刊誌は安倍嫌いということなのだと思います。安倍嫌いはどこから来るかといえば、もう上の記事など見ていると、信ぴょう性も何もなく、安倍総理の体調が悪いと印象操作するわけですから、もうこれは正当な理由もなにもなく、ただの感情的安倍嫌いと見て良いと思います。

それにしても、人間には誰にも感情がありますから、安倍嫌いになるなとはいいません。誰でも、嫌いなものは、嫌いなものであり、そんな感情に説明などつけられません。しかしどんな場合でも、好き嫌いを仕事に持ち込むべきではありません。

仕事上で、好きな人とはいくらでも話ができて、コミュニケーションもとりやすいものです。しかし、嫌いな人と話をするのは、難しいし、えてしてコミュニケーションもとりにくいものです。しかし、仕事上では、嫌いな人とでも話をして、コミュニケーションをとっておかないと、とんでないことになります。ブログ冒頭の記事を書いた記者も、とんでもないことをしています。

安倍晋三氏が嫌いだからといって、ただ感情に走って、印象操作をするのは単なる妬み、嫉み以外のなにものでもありません。こういう人が存在する職場って、どんなところなのか、容易に創造がつきます。本当に醜悪です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】






【関連図書】

まともな男は、安倍総理のように人に嫌われなければ、何もできません。しかし、嫌われるにしても、鳩山元総理のように嫌われるのでは意味がありません。有益な、他の人からの嫌われ方を学ぶことのできる書籍、そうして、安倍総理がこのブログ冒頭の記事とは異なり、実際にどのように動いているのか、教科書などの表メディアではうかがい知ることのないリアルな世界を知っていただくための書籍を以下にチョイスさせていただきました。


「孤独」が男を変える:男は、嫌われてこそ、一流
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嫌われる男こそ一流 (フォレスト2545新書)
里中李生
フォレスト出版 (2015-05-09)
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総理の実力 官僚の支配 ─教科書には書かれていない「政治のルール」─
倉山 満
TAC出版 (2015-07-15)
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2015年8月24日月曜日

衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている〜データが語る「第二のリーマン・ショック」―【私の論評】中国経済の悪化をだしに、日本の積極財政を推進せよ(゚д゚)!

衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている〜データが語る「第二のリーマン・ショック」

中国経済の落ち込みは、実に深刻

先週の本コラムの冒頭で、4-6月期GDPが悪い、ということを書いた。

17日に発表された4-6月月期GDPは、前期比で▲0.4%。その内訳を寄与度でみると、民間消費▲0.4,民間設備など+0.1%、公的消費・投資+0.2%、純輸出▲0.3%である。「民間消費」と「純輸出」が悪かった。

「民間消費」が悪いのは、2014年4月からの消費増税の影響である。1997年の時にもそうだが、消費増税は恒久的な影響があるので、そう簡単に悪影響はなくならないのだ。

ただ、アベノミクスの円安のおかげで、外為特会の“20兆円”が使えるので、政府として手の打ちようはある。今のところ、GDPギャップは10兆円くらいあるので、5~10兆円の対策をしても、財源の心配は必要ない。



深刻なのは、「純輸出」の減少の原因となっている、中国経済の落ち込みである。上海株が再び下落し、製造業の景況感指数も悪化するなど、中国経済への懸念が広がっている。その不安は、世界の株安にまで広がっているようだ。

もちろん株価に一喜一憂しても意味ない。中国の株式市場は管理相場なので、下がると次は上がるかもしれない。

ただ、当面の株価ではなく、中期的な中国経済の先行きがどうなるか、リーマン・ショックのように世界経済に悪影響を及ぼすおそれはあるのかを考えておきたい。
世界経済に与える影響は?

まず、世界貿易における中国の位置を確認しておこう。
中国の輸出入額を合計した貿易総額は4兆ドルをこえて、世界第一位である。輸入額については、アメリカに次いで世界第二位。輸入のうち、アジアからが5割を超えている。中国の輸入は相手国から見れば輸出であり、国別でみると、韓国、日本、台湾、アメリカの順である。また、東アジアの高成長国も中国への輸出が多く、中国依存度は大きい。

中国経済が不調になった場合、輸入の減少につながるが、相手国では輸出の減少となって、GDPを低下させる。その輸出国のGDP低下は、その国の輸入を減少させることになり、それがさらに第三国の輸出を減少させるといった「波及効果」がある。

要するに、貿易面から見れば、中国経済の失速はアメリカのそれと大差ないくらい、世界経済に与える影響は大きなものになる、ということだ。しかも、その影響は、中国との貿易依存度が大きい、アジアでより深刻になるだろう。

現在の中国の株式市場は、ほとんど機能不全に陥っている。もっとも、海外投資家から見れば、中国市場への投資は、個別に中国企業の財務諸表をみたりして行っているわけではないだろう。そうしたデータはほとんど信用ないからだ。投資戦略としては、中国当局の色のついた投資家が買っている銘柄を、後追いして買うだけだ。

そうした状態になると、外国人投資家はいつでも中国から逃げ出してもおかしくない。個別企業のみがわからないのではなく、中国経済全体も統計数字があてにならない。

筆者のようにデータをベースに分析する者にとって、中国経済の統計データは鬼門である。しばしば、GDP統計はあてにならず、電力消費、貨物輸送量、銀行融資だけがまともな統計といわれる。これは、中国の統計の実態を告白したとされている李克強氏による「ウィキリークス」での有名なエピソードである。

これらの数字は中国国家統計局が公表しており、その動きはGDPの数字とかなり連動している。統計的に見て、電力消費、貨物輸送量、銀行融資が正しいのであれば、GDPが捏造されているとはにわかに言いがたい。


本当は「マイナス成長」という衝撃

実は、筆者が注目しているのは、輸出入統計である。これは、相手国があるので、そう簡単には誤魔化せない統計である。その数字をみると、今年1月から7月までの中国の輸入は前年比14%も減少している。

輸入の伸び率とGDPの伸び率との間には、かなり安定的な正の関係(GDPが伸びているときには、輸入が伸びている)がある。GDP統計が比較的正しいと思われる先進国の2010-2012年の輸入の伸び率とGDPの伸び率をプロットしたのが、下図である。

これを見ると、輸入が前年比10%以上も減少しているときに、GDPがプラス成長ということはまずあり得ないということだ。

世界の先進国のデータから、その安定関係を推計して、中国の輸入の伸び率からGDPの伸び率を算出すると、今年は7%成長どころか、マイナス3%成長である。もしこの推計が正しければ、中国経済は大変な減速局面になっている。

リーマン・ショック後の2009年、アメリカのGDPは3%程度減少、輸入も15%程度減少した。今の中国の経済減速は、リーマン・ショック後のアメリカと似ている状況だ。

日本の経済は完全に沈没
日本の場合、2017年4月からの10%への消費増税を控えている。中国ショックの可能性を考えれば、とても増税を行える環境ではない。

かりに中国ショックがなかったとしても、今年の経済財政白書では消費増税の影響が分析されているが、その分析を参考にして成長率試算をすると、2017年度は再びマイナス成長になってしまう。


中国ショックがあれば、ダブルパンチになるので、日本経済は完全に沈没である。そうなると、金融緩和でもっている雇用のいいパフォーマンスも確実に失われるだろう。

今の景気の足踏みに加えて、「起こりうる」中国ショックに備えるために、この秋は大型の補正予算が必要だろう。その財源はアベノミクスの成果である外為特会の含み益“20兆円”であるので、安倍政権の意向ひとつで容易に組める。

やるかやらないかは、安倍首相次第である。

高橋陽一

【私の論評】中国経済の悪化をだしに、日本の積極財政を協力に推進せよ(゚д゚)!

上の記事は、中国経済の先行き不安があるとともに、日本では8%増税の悪影響が予想以上に大きく、10%増税など全く不可能であることを強調しています。

私自身は、中国経済低迷の影響は日本の実体経済には、あまり大きくはないと考えています。そもそも、日本のGDPに占める輸出の割合などを考えると、さほど大きな影響はないと思います。
日本の貿易依存度はG20の中で18番目。先進国で日本より貿易依存度が低いのは米国だけです。以下に世界の国々の直近の輸出依存度などの数字を掲載します。

G20諸国の輸出依存度と輸入依存度(GDP比)は下記の通り。

●輸出依存度(GDP比)
韓国  :43.4%
ドイツ :33.6%
メキシコ:26.2%
中国  :24.5%
ロシア :24.4%
日本  :11.4%
アメリカ: 7.5%

●輸入依存度(GDP比)
韓国  :38.8%
ドイツ :28.0%
カナダ :24.6%
アメリカ:11.4%
日本  :10.8%

日本ははたして輸出依存国ではないことははっきりしています。そして、日本の対中依存度は下記の通りです。
対中輸出依存度(GDP比):2.79%
対中輸入依存度(GDP比):2.44%
日本の輸出依存度(GDP比)11.4%のうちの2.79%、輸入依存度(GDP比)10.8%のうちの2.44%が中国依存です。特に日本が中国に依存しているとは、考えられません。

さらに、にこの輸出入は日本で生産した資本財を中国に輸出、現地の日系企業がその資本財で工業製品を生産し日本に逆輸入している場合も多く、また、で日本からみると、中国が輸出入の相手でなければならないなどということはありません。

インドやベトナム、インドネシアに置き換えることは十分可能と考えられます。

中国商務省は本年6月18日、1~5月の日本から中国への直接投資実行額が前年同期比9・4%減の17億8千万ドル(約2190億円)だったと発表しています。減少率は1~4月の7・8%からやや拡大し、対中投資が振るわない状況が続いています。今や、投資先としても中国は魅力を失っていますし、額的にももともとたいした額ではないです。

しかし、中国は資本財を生産する技術が無いため日本からの輸入に頼っています。さらに中国国内で工業製品を生産している企業は日系がほとんどであるため、この面で中国は日本に頼り切っている状況にあります。

仮に、中国の経済がかなり落ち込んだとしても、日本が受ける実体経済への影響は軽微といえます。

ただし、株価などは影響受けたり、中国にかなり投資したような企業は、かなり影響を受けることは間違いないですが、さりとて、日本が甚大な影響を受けるとは考えにくいです。

上の記事では、リーマン・ショックを引き合いに出していますが、今回の中国危機と米国のリーマン・ショックとは同一に語ることは出来ないと思います。

それに、リーマン・ショックの影響は本来日本は、あまりなかったはずです。リーマン・ショックのときに、日本以外の国はどこも、景気を回復させるため、こぞって大規模な金融緩和をしました。

しかし、日銀だけが、思い切った金融引き締め策をしなかったため、その悪影響が続きました。そのため、リーマン・ショックの震源地であるアメリカや、その影響をもろに受けたEUなどが日本よりもはやく景気を回復するという有様でした。

デフレの最中に、リーマン・ショックが発生して、他国がこぞって金融緩和に走っているときに、何もしなければ、さらに円高・デフレ傾向になるのは当たり前のことです。

あの時もし、日銀が今日のようにも大規模な金融緩和に走っていたら、日本はリーマン・ショックの悪影響はほとんど受けなかったものと思います。だから私は、日本国内では、リーマン・ショックと呼ぶより、本当に日銀ショックと呼んだほうが、ふさわしいし実体をより良く表しているものと思い、そう呼んでいます。

リーマン・ショック後、アメリカやEUは大規模な金融緩和策を実行したが日銀はしなかった


だから、もし中国の経済が本格的におかしくなったとしても、日銀が今日のようにまともな制作を素早く取るようにすれば、金融面で受ける影響はあまりないと考えられます。

こんなことは、高橋洋一氏は良くご存知だと思います。にもかかわらず、上の記事で中国の危機を強調するのは、やはり、過去の日銀、そうして現在の多くの政治家、財務省、マスコミ、識者たちの前例が頭にこびりついているからでしょう。

彼らは、リーマン・ショックのときも、金融緩和をせよということもなく、全く理屈の通らないおかしな理由で、日本経済のデフレを放置しました。

だから、今回の中国の経済低迷も、さほど影響はないと内心では思いつつも、中国の経済低迷を強調して、10%増税などやっている場合どころか、8%増税の悪影響が甚大であり、来年もマイナス成長になりそうである現状であるし、中国問題も大きく影を落としているとして、危機感を煽っているのだと思います。

何しろ、日本の政治家、財務省や、マスコミ、識者など、8%増税しても影響は軽微としてきた呑気な人たちです。今後も、8%増税の影響を軽く見積もり、とんでもない予測をして、日本経済を危機に陥れる可能性はまだまだ、捨てきれません。

これを防ぐために、中国の経済低迷をだしに使って危機感を煽っているのだと思います。本来日本経済にとって、中国の経済低迷と、日本国内の経済政策のまずさのどちらのほうが、大きな影響があるか両天秤にかけると、圧倒的に日本国内の経済政策のまずさのほうが大きいです。

しかし、中国経済の低迷なども、材料として、日本がまともな金融緩和政策を続行し、さらに積極財政をするように仕向けることは、良いことだと思います。何しろ、積極財政や金融緩和を軽視する人、あるいは、害悪とする人たちの中には、なぜか中国を過大にとらえ、中国幻想を吹聴する人が多いです。こういう人たちには、「中国が~、中国が〜」とわめきたてれば、もともと中国を誇大に語っているため、それがどの程度のものかは別にし、中国の経済悪化の日本への悪影響を否定することはできません。

特に積極財政は、上で高橋洋一氏も述べているように財源は十分にあります。現状では、公共工事の供給制約もあることから、公共工事はあまり説局財政に寄与しません。思い切った給付金など創設し、再半分的な政策をとれば、中国の経済悪化の悪影響など完璧にはねのけ、日本は他国を尻目に一足飛びに経済を飛躍させることができます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

今の日本経済を中国との関係で、正しく理解するための書籍、三冊を以下にチョイスさせていただきました。

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2015年8月23日日曜日

北朝鮮の潜水艦数十隻が基地離脱 識別されず=韓国軍―【私の論評】中韓・北鮮の、今そこにある危機を無視して、民主党の発する無意味な質問に振り回される日本はあまりに平和すぎ(゚д゚)!

北朝鮮の潜水艦数十隻が基地離脱 識別されず=韓国軍

2015/08/23 16:00

潜水艦を視察した金正恩第一書記

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の潜水艦数十隻が東海と黄海の基地を離脱し、位置が識別されず、韓国軍が戦力を増強して追跡に乗り出した。北朝鮮潜水艦70隻余りのうち70%が識別されず、朝鮮戦争以降で最大規模の離脱率だという。

韓国軍関係者は23日、「北の潜水艦の基地離脱率が普段の10倍に上る。潜水艦数十隻が東海と黄海の基地を離脱し、わが軍の監視設備に識別されなくなっている」と明らかにした。

これを受け韓国軍は北朝鮮潜水艦の探知のため戦力を増強した。

韓国軍当局は、北朝鮮潜水艦の基地離脱について、新たな挑発を目的としている可能性もあるとみて警戒態勢を強化している。

また、同関係者によると、南北高官協議開催前に比べ、北朝鮮の最前線地域の砲兵戦力が2倍以上増加した。

【私の論評】中韓・北鮮の、今そこにある危機を無視して、民主党の発する無意味な質問に振り回される日本はあまりに平和すぎ(゚д゚)!

北朝鮮の潜水艦というと、70年代のものであり、一応潜水艦ではあるものの、これを武力とみるか否かは議論のあるところだと思います。

北朝鮮の潜水艦というと、今年の5月に以下のような出来事がありました。

北朝鮮は今年5月9日、金正恩第1書記が立ち会った潜水艦からの弾道ミサイル水中発射実験に成功したと報じました。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)は、核ミサイルを装備し、水中に潜んで敵国の深部をねらいます。いくら初期的とはいえ、開発と成功が事実なら日米韓にとっては厄介な話になります。

潜水艦発射弾道ミサイル実験に立ち会ったとされる金正恩氏の写真。この写真そのものの真偽が疑わしい
しかし、北朝鮮が公開したSLBM写真に合成の疑いが提起されるました。ミサイルが噴出する煙の量が絶対的に少なく、また同一のミサイルの発射角度が写真ごとに少しずつ違うというのです。

そもそも、上の写真そのものが、異様です。SLBMの発射実験に、国家の最高権力者がこのような至近距離で立ち会うことなど考えられません。もし、打ち上げに失敗したら、かなり危険です。もっと離れた安全なところで、発射を見守るというのが自然な姿だと思います。

致命的だったのは、5月27日、対南ウェブサイト「わが民族同士」で動画「朝鮮、世界でいくつかの軍事強国だけが独占している戦略潜水艦弾道ミサイル開発」を公開。動画では「グアム島やハワイ沖から米本土奇襲攻撃できる!」「ソウルにミサイルが1~2発落ちただけで極度の混乱に陥る」としながら、SLBM発射映像を紹介しています。

そして、この映像が米国のSLBM映像の盗用ではないかと指摘されました。さっそく、デイリーNKジャパンで米国の映像を探し出して見比べてみたら「100%盗用」であることが判明しました。それが下の画像です。


左は米国の「トライデント1」、そして右が北朝鮮が明らかにした北朝鮮のSLBM「北極星1号」らしき映像ですが、まったく同じであることがわかります。それ以外のシーンでも別のミサイル映像を盗用していましたが、なぜこんなすぐバレるようなことをするのか首をかしげざるをえないです。

このように、北朝鮮の潜水艦はさほど軍事的脅威ではありませんが、韓国にもイージス艦がありますから、このイージス艦が正常に作動すれば(しばしば正常に作動しないことがありる)、このような潜水艦はそもそも最初から韓国の敵ではありません。

しかし、そもそも韓国のイージス艦がいざというときに、正常に作動しなかったり、守備範囲を超えるところで攻撃されたり、あるいは潜水艦に破壊工作員を載せて密かに、韓国の領土に上陸させてゲリラ活動をするということも十分考えられます。

そうなれば、韓国にとっても十分脅威です。

一方陸上に目を移すと、中国内でも動きがあります。

中国人民解放軍のPTZ-89(89式120mm自走対戦車砲)の車列が自走で市街地を移動、北朝鮮国境に向かっているとの情報があります。これは、無論のこと中国政府によるものではなく、一般人からの情報です。

PTZ-89
以上は、当然の動きです。もし、南北朝鮮で何か起きれば、中国の9月3日の抗日勝利なる軍事行進式典は中止になることでしょう。それどころか、人民解放軍が国境を超える事もあり得ます。 さらに、中国ではあの天津大爆発も含め、化学工場等が3連続謎の爆発です。こういう動きを報じない日本のメディアは存在する価値があります。

山東省の化学工場の爆発については、黒中国さんが、以下のようなTweetをしています。


この前の8月16日にも、爆発が起こっていました。

中国山東省青島市黄島の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の公式アカウントによると、黄島の経済開発区で16日夜、ゴムと木材を保管する倉庫から火災が発生したと伝えられています。負傷者が出たかどうかは不明。当局が消火作業を続けていました。


これは、日本の産経新聞でも報道されていました。

このような大爆発が三度も立て続けに起こることなど、今まではなかったことです。それに上記のような、北朝鮮と韓国との深刻な対立のまっただ中にある現在、付近の国々、特に中国、韓国、朝鮮などは不測の事態に備えて、様々な対応を行っています。

しかし、韓国、北朝鮮、中国など表立って詳細に関して、発表はしていません。それは当然のことです、この中国の大爆発事故の連発にしても、韓国と北朝鮮の対立にしても、当然のことながら、相手というものがあります。

詳しい発表などすれば、相手にも情報を漏らすことになります。だから、詳細に至るまでは公表はしません。公表するとすれば、事故などが収束してからです。

しかし、日本のマスコミなどこのような報道などしません。国会では野党が憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使による安保法制の改正審議などしていますが、このような緊急の事態が立て続けに起こっているにもかかわらず、野党はまるで無意味で空虚な質問を無繰り返しています。

特に、民主党は酷いです。昨日も、民主党の質疑姿勢は変わらないどころか、ますます現実離れしつつあります。たとえば、その1つが自衛隊による「核運搬論」です。

核運搬論は8月5日の質疑で提起されました。日本周辺有事などの際の米軍・他国軍への後方支援を定めた重要影響事態法案に関し、民主党の白真勲氏らが「法案が成立すれば、自衛隊が米軍の核兵器を運搬できるようになるのではないか」と質問。中谷元防衛相らは「法文上はできる」とした上で、国是とされる「非核三原則」や、核拡散防止条約(NPT)に加盟していることなどを挙げて、「自衛隊が運ぶことはありえない」と否定しました。それでも民主党側は「要は何でもできる」と決めつけました。

「自衛隊による核運搬」について質問する
民主党の白真勲氏=8月5日、参院第1委員会室

この質問には「突っ込みどころ」が満載です。中谷氏が反論したように、法理上は可能でも非核三原則などの政策判断の歯止めがあります。しかも米軍が自衛隊に核兵器の運搬を要請すること自体が考えにくいです。核兵器という最高の機密に関し、同盟国とはいえ他国に輸送を委ねようと考えるでしょうか。

それに、そもそも、米軍の核兵器を自衛隊が運搬することは法理上、現行法でもできます。現行の周辺事態法にも排除規定はありません。今回の安保法制が成立したから自衛隊が核を運べるようになるわけではないのです。

今に始まったことではなく、かなり前から今に至るまで、自衛隊による核の輸送は、法理上は可能だったのです。この他も含めて、法理上可能ということなら、世の中にゴマンと存在しています。法理上でできるからといって、政府が何もかもフリーハンドでできるではないかと、責めるなどというなど、全く無意味です。

こんな、馬鹿なことを問題とするくらいなら、中国の化学工場などの大爆発の三連発や、北朝鮮・韓国有事の際のことなど事例として出して、実のあるまともな議論をしていただきたいものです。

私は、中国・北朝鮮・韓国の今そこにある危機にも民主党の発する無意味な質問で振り回される日本はあまりに平和すぎではないかと危機感と覚えます。この平和、過去には日本の安全保障を担ったアメリカという存在がありましたが、いつまでも、どんな時でも、アメリカが日本を防衛するとは信じられないような状況になっています。このような偽りの平和はいずれ破綻します。

そう思うのは私だけでしょうか。皆さんは、どう思われますか?

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民主党は、結局のところ自民党のコピーのような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。それは、民主党政権によって、白日のもとにさらされたのですが、喉元すぎれば熱さを忘れの格言の通り、そのことが忘れられています。

そのことを思い出していただくための書籍を以下にチョイスしました。


破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか-完全まとめ
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