尖閣周辺海域に向かう中国漁船 

フィリピンは先週、中国に対抗して南シナ海の係争海域で建設作業を再開すると発表した。フィリピンは実質的に勝ち目のない争いに足を踏み込んだと言える。

2月に公開された衛星画像から、中国は南シナ海の大半を管理下に置くため、未曽有の規模で建設や埋め立て作業を進めていることが明らかになった。フィリピンから約970キロしか離れていない海域に面積6万2700平方メートルの人工島が作られ、そこにセメント工場やヘリコプター発着場が建設されているのだ。

東シナ海と南シナ海における中国の領土的野心は、これまで十分に実証されてきた。一方、こうした野心を実現させる重要な要因の中であまり知られていないのは、十分な資金力を持つ「海上民兵」の存在だ。

写真:領海拡張狙う中国の野心示す衛星画像

「無から有へ」。占領当初のファイアリー・クロス礁。これが今はとんでもない規模に!

ベトナムと同様、中国は海上民兵を抱える数少ない国の一つだ。この部隊は通常、民間漁船で編制され、さまざまな活動に従事する。これには難破船の救助など緊急対応から、島に上陸して主権を主張するといった強硬な活動まで含まれる。大企業で民間活動に従事する船員や漁業連合が軍事組織に採用され、軍事訓練や政治教育を受け、中国の海洋権益を守るために動員される。

中華人民共和国の建国初期に創設された海上民兵は、世界最大の漁船団で編制されている。ここ数年で海上民兵は洗練さと重要性を増し、建築資材の運搬から情報収集まで幅広い任務を果たすようになってきた。最精鋭部隊は、必要があれば機雷や対空ミサイルを使い、「海上人民戦争」と呼ばれるゲリラ攻撃を外国船に仕掛けるよう訓練されている。現在、海上民兵は実質的に中国政府が管理する第一線の部隊として機能し、東シナ海と南シナ海で中国の権利を主張するための監視や支援、けん制などの活動に従事している。

機雷の配置訓練を受ける中国の民間漁船 

海上民兵に関する疑問の中で、最も複雑なのは「誰が統率しているか」だ。建設作業や訓練など、海上民兵がこなす日常業務は沿岸都市や郡に配置されるおびただしい数の人民武装部によって実施され、これを軍分区の司令部が監督している。海上民兵はさまざまな機関から直接指揮を受けて幅広い役割をこなすため、ここから先の組織構造は一段と複雑になっている。

最近、規模を縮小したり専門性を高めたりすることで、各部隊の役割を変容させる努力が続けられてきた。その一例が浙江省玉環郡の海上民兵大隊で、この部隊は海軍の船に燃料や弾薬などを供給している。

このほか、偵察部隊、重要な施設や地域を護衛する部隊、敵を混乱させたり敵の設備を故障させたりする部隊、海上輸送能力を増大させる部隊、修理や医療救助に従事する部隊など、さまざまな支援活動に関わっている。

また、海上民兵は中国の政治活動や外交政策に協力し、係争海域における中国のプレゼンス維持を支援したり、領有権を主張する島々に上陸したりしている。

数千隻に上る海上民兵の船には「北斗」と呼ばれる中国独自の衛星測位システムが設置されている。これにより民兵は他の部隊を追跡できるほか、テキストメッセージの送受信、船員がタブレット上に手書きした中国語の読み込みなどができる。

中国による海上民兵の雇用は、周辺国だけでなく米国などにも幅広い影響を及ぼす。東シナ海や南シナ海で米国やその同盟国が中国との紛争に巻き込まれれば、軍事活動に従事する数多くの民間漁船への対処法を定めた交戦規定が要求されるだろう。南シナ海で激しい衝突が見られないのは、弱小な中国の近隣国がゲリラ的な混戦に直面し、これが中国海軍の戦闘参加を回避させているからかもしれない。

民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にある。その間、海上民兵は係争海域で際限なく拡大する中国の施設建設や護衛といった支援活動を継続することになる。

この記事は、要約です詳細はこちらから(゚д゚)!

英語の原文は以下より!

原文(英語):Meet the Chinese Maritime Militia Waging a ‘People’s War at Sea’

【私の論評】海上民兵は便衣兵と本質的に同じ!!米国は、南京虐殺事件の虚偽を認めない限り、便衣兵に悩まされることになる(゚д゚)!

海南の海上民兵の企業を訪問した習近平 2013年
この海上民兵は、本質的に中国には昔から存在する便衣兵と同じものでしょう。便衣兵とは、Wikipediaの定義では以下のようなものです。
便衣兵(べんいへい)は、一般市民と同じ私服・民族服などを着用し、民間人に偽装した兵士のことである。
「便衣兵」の用語は日中戦争に関連して主に使用される。このほか、戦争・紛争当事国が、「便衣兵」と同義の「隠れ戦闘員」と見なした非合法戦闘員・ゲリラを殺害した行為が、国際法上問題と指摘された例はベトナム戦争、イスラエル・パレスチナ紛争、コロンビア内戦など数多い。 
便衣兵は捕虜とは異なり、陸戦法規の保護を適用されない。
そうして便衣兵は、いわゆる南京虐殺などといわれている事件にも多いに関係しています。日本の教科書には、南京事件が「大虐殺」として確定事実のように掲載されていますが、これは全くの間違いです。

実際、日本では有力な証拠といわれた、本多勝一氏の南京虐殺の写真は捏造であることを本人が認めています。

南京で中国の民間人が犠牲になったのは確かでしょう。1937年の南京陥落の際には中国国民党や共産党が便衣兵を「南京安全区」に潜伏させ日本軍や、中国の民間人を襲撃しました。日本軍は中国の便衣兵の攻撃に悩まされていたわけですし、日本軍のなかにもならず者はいたはずです。でも、何十万人の市民を殺害したというのは常識的に無理があります。

というか、日本軍による便衣兵殲滅のための巻き添えで民間人に死者が出た南京事件などより、武装解除されて日本への帰国を待っていた数千人の元日本兵が無残に殺された通化事件のほうが余程酷いものです。

南京事件で日本軍を虐殺集団呼ばわりするなら、中国側には検証責任があります。ところが、南京大虐殺の死者数を裏付ける中立的証拠もなければ、日本軍による組織的犯行だったという証拠もありません。

自分らもやっているから、当然相手もやっているはず、やっているはすなら思いっきり水増ししてやれということで、数十万というありえない数字をあげてしまいました。

数十人や、数百人ではなく、数十万人を虐殺するということになれば、かなりの大仕事であり、用意周到に準備をして計画的に、緻密に体系的に実行しなければとても短時間でできるものではありません。

実際に起こったことは、便衣兵が日本軍を襲い、民間人がその巻き添えになったということです。それも、数十万などということは全くあり得ません。便衣兵戦術は日中戦争で中国軍が大いに採用していました。そうして、軍は無論のこと一般市民にも多大な被害をもたらす為に国際法で禁止されていました。

中国の便衣兵戦術は、戦後うやむやになっていて、あたかも日本が国際法違反をしたように言う人間もいますが、これは全くの間違いです。

戦場のルールとしては、敵味方をはっきりとわけて、わかるようにしなければ、とんでもないことになります。それこそ、テロと同じです。


本多勝一の『中国の旅』には中国側から提供された南京虐殺の写真が多数
掲載されているが、現在では全部が捏造写真であることが確認されている

ちなみに、2009年8月12日、赤十字国際委員会(ICRC)は、戦闘員と見なされるかどうかは「人」ではなく「行為」によって認定されるとする新指針を打ち出しました。すなわち、真の一般市民か、市民を装った兵隊かという区別ではなく、一般市民であろうと実際に戦闘に協力している間は戦闘員と見なすというものです。この指針に法的拘束力はありませんが、コロンビア、イスラエルなどが賛同しています。私は、この指針が最も現実的だと思います。

便衣兵と同じように、海上民兵も、法規の保護を受ける存在ではあり得ません。法規の保護を受けるなら、通常の軍隊と同じ服装をして、同じような行動をとるべきです。

発展途上国ならいざしらず、中国が世界第二の経済大国を自認するというのなら、そうすべきです。そうしないのは、国際的に見て恥さらしというものです。

そうして、ブログ冒頭の記事では、「民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にある。その間、海上民兵は係争海域で際限なく拡大する中国の施設建設や護衛といった支援活動を継続することになる」という記述がありますが、これは本来的には全くの誤りだと思います。

こんなことを認めていては、無秩序な行為を放置することになります。アメリカをはじめ、特に大戦後の戦勝国は、まずは南京をはじめとす当時の中国における中国軍の卑劣な便衣兵戦術の存在と、その非合法性と、南京大虐殺の虚偽を認めるべきです。

そのときはじめて、中国の海上民兵を非合法であるとして糾弾することができます。中国の卑劣な海上民兵のやり方を否定するなら、便衣兵は否定されなければなりません。逆にいうと、便衣兵を否定しないから、海上民兵も否定できないのです。

このままでは、いつまでも、中国海上民兵の非合法的な動きを認めることとなり、中国の好き勝手放題を許すことになると思います。特に、アメリカは及び腰のオバマが、便衣兵を攻撃すれば、民間人を攻撃したものとみなされると考え、海上民兵の乱暴狼藉を許容しています。

海上民兵に及び腰のオバマ
それをいいことに、中国は海上民兵でやりたい放題をしています。尖閣問題もその延長線上にあります。オバマが、はやめに、尖閣は日本固有の領土であるとはっきりと声明を出せば、今日のような状況にはならなかったはずです。この構図は、日中戦争の昔から変わりません。これは、中華民国がどうの現中国がどうのというより、昔からの中国人の特質なのかもしれません。

日本としては、この便衣兵戦術は一切認めないという方針で、尖閣問題等にも対処すべきです。尖閣に便衣兵が上陸した場合、中国軍が日本の国土に上陸したものとみなし、殲滅すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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