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2017年12月23日土曜日

貴乃花親方を公開説教、笑う白鵬と緊張感ない力士たち 暴力問題の再発防止研修のはずが…―【私の論評】まともな「組織の精神」を根付けなければ抜本的解決にはならない(゚д゚)!

貴乃花親方を公開説教、笑う白鵬と緊張感ない力士たち 暴力問題の再発防止研修のはずが…

日馬富士 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 元横綱日馬富士(33)の暴行事件で揺れる日本相撲協会は21日、「暴力問題の再発防止について」と題した研修会を、東京・両国国技館で開いた。ところが壇上に上がった講師役の面々は「八角理事長を信じて」などと語り、相撲協会と反目する貴乃花親方(45)を批判するものばかり。さながら貴乃花親方に対する公開説教のようだった。

 貴乃花親方をはじめ力士、親方ら約1000人の協会員が出席した研修会。貴乃花親方の席は最前列。アリーナに設置された関取衆の椅子には、背もたれの部分に名前の書かれた紙が張られ、前から2列目に「貴ノ岩」と書かれた席も用意されていたが、姿をみせなかった。

貴乃花親方
 講師は評議員会の池坊保子議長(元文部科学副大臣)、危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)、八角理事長と相撲協会の“身内”の3人。これまでも池坊議長は、貴乃花親方が暴行事件を協会に報告しなかったことに「速やかに報告していたら、理事長も対応のしようもあったと思うと残念」と苦言を呈し、貴ノ岩に対しても「自分はこうだったという説明をなさるべき。被害者がどうだったかきっちりと説明する必要がある」と話すなど、ガチガチの協会擁護派といえる。

池坊保子
 冒頭の5分間が報道陣に公開されたが、池坊議長は「本当に無念な事件が起きました。私も大変残念で、夜何日も眠れませんでした」と第一声。そして開始わずか2分で、何とも的外れな発言が飛び出した。

 「どうか皆様方、八角理事長の下に、八角理事長を信じ、心を1つにして協力しあっていただきたいと、私は願います。心を1つにし、協力しあうことなくして、相撲協会の発展はありません。そして相撲協会の発展なくして、1人1人の幸せはないのです」

 これでは暴力の再発防止というよりも、まるで八角理事長を持ち上げ、一致団結を訴える集会。最前列でゆったりと背もたれに体を預け、にらみを利かせているように座っていた貴乃花親方に向けられているかのようだった。

 さらに池坊議長は「いま不平不満がある方もあるかもしれません。でも、それを負の遺産にしてはなりません。それを原動力、エネルギーにして、相撲で勝とう、努力しようと思ってください」とも。これでは力士たちにどこまで響いたのかは、微妙なところだ。

にらみを利かせる貴乃花親方(右から2人目)と、壇上に. 池坊議長 ...
実際に、ステージから一番遠い正面のマス席から傍聴していた幕下以下の力士は、池坊議長の話がつまらなかったのか、2分でソワソワ。特に目立ったのは前から3、4列目の力士たちで私語が多く、ペットボトルをいじったりと、緊張感のない光景が繰り広げられた。横綱白鵬も笑顔を見せる場面もあり、とても暴行事件で処分を受けた直後にはみえなかった。

 八角理事長は九州場所後に、十両以上の力士を集めて講話を実施したが、たった15分で終了。今回も「何気ない気持ちでやった暴力が、組織を揺るがすようなハメになってしまう」などと話したが、時間はまた15分だった。

 危機管理委員会は28日の臨時理事会までに貴乃花親方を聴取し、処分を発表する予定。年内の幕引きを図ろうとしている。

 貴乃花親方の聴取について鏡山部長(元関脇多賀竜)は「俺は何も聞いていないし、高野先生(委員長)も何も言っていなかった。俺は時間があるので、機会があれば一緒に」と同席することを希望していたが、この日は行われなかった。

【私の論評】まともな「組織の精神」を根付けなければ抜本的解決にはならない(゚д゚)!

問題となった酒席はモンゴル出身力士の先駆けとなった元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤル氏が関取になったことを機に少人数で始め、20年以上続く「モンゴル人飲み会」でした。
バトバヤル氏が95年に十両に昇進して初のモンゴル出身の関取となった後、元関脇・旭天鵬(現・友綱親方)と元幕下・旭天山の3人で酒席を設けるようになったという。東京のモンゴル大使館で正月に集まったり、巡業先で食事をしたりする形で年に数回開催。同氏は「けんかや暴行は一度もなかった」と残念そうでした。

この「モンゴル人飲み会」が「モンゴル互助会」とは別物なのか、何か関係があるのかいまのところはっきりしませんが、「モンゴル互助会」について相撲界で隠然とささやかれているのは事実です。

これは、モンゴル出身力士による親睦組織のことです。今回のモンゴル力士同士の暴力事件は、この互助会の存在抜きには、語ることができないのです。

92年に旭鷲山、旭天鵬、旭天山ら6人の力士が、モンゴルで行われた新弟子検査に合格する形で、初めて日本の相撲界にやって来ました。

それまで大相撲の外国人力士といえば、小錦や曙らハワイ勢が幅を利かせていましたが、小柄でもモンゴル相撲の下地があって下半身がしっかりしたモンゴル勢は強くなる要素がありました。

その後も朝青龍や日馬富士、白鵬(32)が登場し、現在に至るまでのモンゴル人力士の系譜ができました。彼らは衣食住全ての面で文化や価値観が日本とは違います。

ましてや、同時に異国の地にやって来た6人は結束も固く、互いを励まし合うようによく飲み会、懇親会を開いていました。これが『モンゴル互助会』のスタートです。早くに出世した旭鷲山、旭天鵬の代わりに旭天山が他の部屋の同胞力士に声をかけ、コミュニティーが築かれていきました。

当時のモンゴルは社会主義から生まれ変わったばかりで、6人の力士も貧しかったのです。その中で、彼らは着々と勢力を拡大していきました。有望力士をスカウトしようと、親方衆も次々とモンゴルを訪れました。

外国人力士が増えすぎたこともあり、朝青龍が初土俵から最速で横綱昇進する直前の02年、「各部屋に入門できる外国人は1人だけ」というルールも誕生しました。

今は、モンゴル人の新弟子が入門するには、空きが出るのを待たなければいけない状況です。モンゴル国内ではその順番待ちをする若い力士予備軍を、組織的に大量に抱えているとも言われます。待機組は一定の年齢に達すると『縁がなかった』と諦め、代わりに若い力士を加える、ということもあるそうです。

モンゴル互助会は、10年に暴力事件を起こすまで、朝青龍がトップに君臨。強制引退させられたあと、その座は白鵬へと移りました。

互助会は基本的にモンゴル人同士のものです。しかし、モンゴル人以外の力士も関わりを持つことがあるようです。良い例は、巡業や稽古総見の際、白鵬が現れると全員が水をつけに行くことです。



これ自体、白鵬に恭順の意を示していることの表れであり、事実、白鵬はモンゴルだけでなく、日本人力士をも仕切っていると言って良い状況のようです。大関時代の稀勢の里だけは、水をつけに行くことはありませんでした。

白鵬が相撲界を半ば「支配」している構図をかいま見る一コマです。無論どの程度の支配なのかはわかりませんが、それにしても、ブログ冒頭の記事にある、貴乃花親方に対する公開説教といい、どうも相撲界は組織としてみた場合、健全な「組織の精神」を保っているとはいえないようです。

「組織の精神」については、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
富岡八幡宮事件に見る、組織に「怨念」を抱く者の恐ろしさ―【私の論評】組織の精神を健全に保たなければ怨霊が輩出することになる(゚д゚)!
自殺した茂永氏の遺書を読むと、極めてよくできた内容であることが分かる。そして、このような
「組織に怨念を持つ人」は、なにも富永八幡宮に限らず、そこら中の企業にもいるものだ。 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、「組織の精神」に関わる部分のみを以下に引用します。( )の部分は、当記事にあわせて、引用部分の一部を削除して付け加えたりした部分です。

"
そして組織は以下の4点を満たさなければ健全な精神を持っているとは言えません。
①組織の焦点は成果に合わせなければならない 
②組織の焦点は機会に合わせなければならない
人事に関わる意思決定は組織の信条と価値観に沿って行わなければならない
④真摯さこそが唯一絶対の条件である
①組織の焦点は成果に合わせなければならない
成果とは長期的なものであり常にあがり続けるものではありません。野球で言えば打率のことです。バッターは十回中三回ヒットを打てば優秀だと評価されます。しかし七回は失敗しているのです。失敗だけはしない人を信用してはいけません。 
このような人はただ単に無難な仕事だけをこなしているだけであり、挑戦することから逃げているだけです。人は何かに挑戦していれば、必ず失敗するものです。
弱みのないことを評価してはならないのです。優れた人程多くの失敗を犯しますし、新しいことに挑戦をするものです。
(相撲協会など相撲のあり方など、過去を継承するだけで、相撲界の成果など考えたこともないのではないでしょうか。ドラッカー氏によれば、非営利組織こそこのあたりをしかり考えるべきとしています) 
②組織の焦点は機会に合わせなければならない
問題に焦点を合わせている組織は守りに入っていてそれ以上成長することができません。
成果は組織の中ではなく外の世界にしか存在しません。(相撲界)も成果は神社の中ではなく外の世界に存在するのです。(社会を良い方向に何らかの形で変えることこそが成果なのです。相撲界の中に成果はありません) 
組織は機会に資源とエネルギーと時間を使うことによって成長していけるのです。
成果が定義されていない組織においては、何が機会かもわからなくなってしまいます。 
 ③人事に関わる意思決定は組織の信条と価値観に沿って行わなければならない
成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇進、昇給、降格、解雇などの人事に関わる意思決定が管理手段として大きな役目を果たします。 
そして組織には固有の信条とや価値観があり、人事の意思決定はそれに対して矛盾したものとなってはなりません。
矛盾していれば働くものが勘違いをしますし、また信頼を失うことになります。(但馬富士も、白鳳)も勘違いをしていたのではないでしょうか。
(相撲協会は、このあたりが揺らいでいるのかもしれません。 相撲をスポーツのように考え、相撲が強いものだけが昇進していくという考え方と、日本の伝統を守る品格なども重視するという考え方に相克があるのかもしれません)
④真摯さこそが唯一絶対の条件である
真摯さを絶対視することが健全な組織の条件です。人事に関する意思決定においては真摯さという基準は絶対無視してはなりません。
特に真摯さに欠ける者をマネージャー(相撲界では親方や、相撲協会の理事など)にしては絶対にいけません。
真摯さの定義は難しいです。これについては、このブログで詳細に述べたことがあります。これについて、詳細を知りたい方は、その記事を参照して下さい。 
真摯さを定義するのは難しいですが、真摯さに欠ける人はどのような人なのかは、示すことができます。以下の5つに該当する者をマネージャーにしてはなりません。
第一に、強みよりも弱みに目を向ける者。 
これは組織の基本的機能であり使命にも反します。強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーにおけば組織は弱体化していきます。
第二に、何が正しいかよりも誰が正しいかに関心を持つ者。
マネージャーの仕事は何が正しいかを分析することでもあります。
人の意見に左右されて本当の正しさを見失うような、もしくは人によって態度を変えるような人間はマネージャーとして不適合です。
マネージャーは人よりも仕事を重視しなければなりません。
第三に、誠実さよりも賢さを重視する者。
そういう者は人として未熟で、その未熟さは後天的に改善されることは難しいです。また、こういった人間を変えることもとても困難なことです。
第四に、部下に脅威を感じる者。
マネージャーは部下の失敗の最終責任を負う覚悟があってはじめてマネージャーたりえるのです。これは逆に言うと部下の成功を自らの成功と捉えることができるということです。 
部下の成功に脅威を感じる者は責任を理解していませんし弱い人間です。
第五に、自らの仕事に高い基準を設定しない者。
優れたマネージャーというものは自らに一流の仕事を要求しますまた、自らの仕事に高い基準を設定できなければ、他の者にも優れた仕事を要求することはできません。 
そういった者にマネジメントされる人間は基準の低い狭い範囲の仕事をやらされることになります。
また他人に高い基準の仕事を要求しておいて自らは低い基準の仕事を行う者に信頼をよせる人間がいるでしょうか。自分に甘く他人に厳しいという人間に人はついてきません。
いかに豊富な知識があり、いかに効率よく仕事をこなす者であっても真摯さが欠けていればそこで働く人間を破壊します。そうして、組織の精神を損ない業績は低下するでしょう。
真摯さこそが唯一絶対の条件なのです。(相撲協会の八角理事長や他の理事など)は真摯な人なのでしょうか。もしそうでなければ、そもそも理事長や理事にしたこと自体が間違いです。
"
以上、マネジャーとは企業組織をモデルとして掲載したので、わかりにくいところもあるかもしれませんが、営利組織であろうと、非営利組織であろうと、管理(マネジメント)をする人のことです。

相撲界でいえば、相撲協会、相撲部屋の親方などに相当するものと考えられます。ただし、相撲取りでも関取以上は一般力士の規範とならなければならず、マネジメント的役割も担っていることは確かです。

以上の「組織の精神」に関しては、ドラッカー氏の提唱するものを簡単にまとめたものです。この「組織の精神」に関しては、一般民間企業だけではなく、無論相撲協会など非営利組織などにもあてはまるものです。

この内容、「字面」を追いかけるだけでは、その深い意味などわからないかもしれませんが、この内容を詳しく掲載していけば、一冊のそれも厚めの書籍になるくらいの内容です。それを全部は紹介できませんので、興味のある方はドラッカーの『マネジメント』などの書籍に是非あたっていただきたいです。

このような「組織の精神」が不健全になっているのが、現在の相撲界なのだと思います。現在の相撲界の組織を以下に掲載します。

現状の評議会は以下のような構成になっています。


現在の理事会は以下のような構成となっています。


力士出身者以外をみると、何やらそのほとんどは名誉職のように見えます。これらの人たちは本当の意味での「組織の精神」など知っているのでしょうか、このような人たちだけではなく、組織の中でトップ・マネジメントやミドル・マネジメンの経験者、その中でも定評のある組織の中で、「組織の精神」に関連するような仕事をしてきた人を入れるべきものと思います。

理事に関しては、相撲取りが大半を占めますが、これも間違いではないかと思います。他の組織の中で、組織開発などに取り組んできた人もいれるべきです。そうして、力士出身者は半分位で良いと思います。

とにかく相撲界には、健全な「組織の精神」を根付けないと根本的な解決にはならないと思います。テレビの報道などをみていると、コメンテーターなどこの「組織の精神」などとは無関係なことぱかり語っているうようです。そもそもテレビ局などには、そのような観念などないのかもしれません。

今回も中途半端に終わってしまえば、相撲界の暴力体質はもとより、他の不明朗な部分も解消されないでしょう。そうした意味では、貴乃花親方にはとことん頑張って頂きたいと思います。

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2017年12月14日木曜日

貴乃花親方、八角理事長に“宣戦布告”文書送付 渦中の貴ノ岩に兄証言「都内の病院に入院」―【私の論評】日本の伝統文化を破壊したい勢力と国粋派の確執が今回の事件の深層(゚д゚)!

貴乃花親方、八角理事長に“宣戦布告”文書送付 渦中の貴ノ岩に兄証言「都内の病院に入院」

頑なに八角理事長率いる協会の聴取を拒否する貴乃花親方
 大相撲の元横綱日馬富士(33)が平幕貴ノ岩(27)=貴乃花部屋=を暴行し、書類送検された事件で、貴乃花親方が初めてアクションを起こした。鳥取地検の処分が確定するまで、日本相撲協会(八角理事長)が要請する調査に協力しない意向を文書で同協会に伝えたという。一方、所在不明の貴ノ岩が「約1週間前から都内の病院に入院している」と実兄、アディア・ルブサン氏(45)が証言したことが判明。殴打された頭部の裂傷は癒えたが、耳の後ろの骨を骨折しており、頭痛、耳の痛みに悩まされているという。

元日馬富士の暴行事件をめぐって膠着状態が続いていた貴乃花親方vs.日本相撲協会に動きが出た。

関係者によると、相撲協会の危機管理委員会が貴乃花親方に対して要請する貴ノ岩の聴取について、貴乃花親方が12日までに、鳥取地検の処分が確定するまで協力しないなどとする文書を相撲協会にファクスで送付したという。まさに“宣戦布告”といえる。

危機管理委は鳥取県警の捜査が終了した段階で聴取に応じると認識していたが、両者の見解の相違が改めて鮮明となった格好だ。

相撲協会は20日に臨時の理事会を開き、危機管理委の最終報告を受ける予定。協会としては、貴ノ岩らの聞き取り調査を受けて関係者の処分を行いたい考えだが、状況に変化がなければ、11月30日の前回同様、理事会は空転する恐れがある。

その渦中の人物、貴ノ岩は一体どこにいるのか。フジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」は12日、衝撃的な内容を伝えた。

実兄のルブサン氏が同番組の取材に「(貴ノ岩は都内の病院に)入院しています」と証言したのだ。

ルブサン氏
 「耳とか頭も痛かった(ようだ)。(頭の傷は)とっくに治ったよ。ただ、頭は1カ月ぐらいたつと痛くなるとモンゴルで言われている。耳の裏の細い骨が折れている。ビンタで折れるらしい。復帰してもう一度土俵に上がるために、貴乃花親方は良い病院で治療してくれている。私はよく分からないが私の妻が耳鼻科の先生だから。1週間ぐらい入院していて、12日か13日に退院すると思う」(ルブサン氏)

貴ノ岩は九州場所中は福岡県田川市にある貴乃花部屋内にいたことが確認されていたが、貴乃花がかくまっている状態で、どこにいるのかが分からなかった。

冬巡業が九州、沖縄で行われているなか、貴ノ岩は無断休場している状態でいる。

ルブサン氏の証言通りなら、貴ノ岩のけが、体調不良は長引いており、後遺症に悩まされていることになる。これまで医師の診断を受けた際には指摘されていない「耳の後ろの骨折」という新しい症状があったとすれば驚きだ。

同氏は次のようにも答えている。

「貴ノ岩は九州場所が終わる前に東京に移動していた。警察の捜査が終わったらちゃんと説明すると思う」

報道陣が取り巻く田川市の貴乃花部屋を何らかの方法で脱出し、東京に移動していたことになるが、四六時中目を光らせていた報道陣に気づかれずに、巨漢の貴ノ岩が抜け出すのは容易なことではなかったはずだ。

さらに同氏は「日馬富士(が引退、書類送検されたこと)については、喜んでいない。同じモンゴル人である。貴ノ岩には早く復帰して、よい相撲を取るように。日馬富士は1回失敗したが、(処分は)軽く済めばいいと思っている。まだ33歳と若く、モンゴルに戻っても活躍してもらいたい。最終的に被害を受けているのはわれわれ家族だと思う」とも語った。

貴ノ岩の体調を心配する声は日増しに強くなっている。貴乃花親方の対応もかたくなで予測できない。貴ノ岩が再び土俵に上がることができるのか。ここが一番、気がかりだ。

【私の論評】日本の伝統文化を破壊したい勢力と国粋派の確執が今回の事件の深層(゚д゚)!

大相撲の元横綱日馬富士(33)が平幕貴ノ岩(27)=貴乃花部屋=を暴行し、書類送検された事件に関しては、テレビなどで日々様々な憶測が報道されていますが、どれも本質的なものではないようです。

これについては、ジャーナリストの山村明義氏が驚くべき見解を表明しています。その動画を以下に掲載します。


この動画で、9分30秒あたりから山村氏は大相撲について語っています。詳細は、この動画をご覧いただくものとして、簡単にまとめると以下のような内容になります。

現在の大相撲界は厳然たる差別が行われていて、特に行事の世界ではそれが顕著になっています。特に結びの一番の行事をほとんど式守伊之助が行い、木村庄之助は、ほとんどさせてもらえない状況にあります。


ちなみに現在の大相撲では、大体17時30分過ぎ、その日の最後に行われる取組を「結びの一番」といいます。言い換えると、その日の興行の締めという意味になるでしょうか。

日本人の傾向である「終わり良ければ全て良し」という考えから、この結びの一番は特に重要な意味に位置づけられており、横綱の取り組みがほぼ必ず見られるようになっています。

ただ、時間については進行が遅れれば18時近くなることもあるようですが、これはテレビ中継しているNHKとの兼ね合いもあって決まったそうです。

結びの一番では、呼出しが「とざい、とーざい(東西)」といった言葉を述べ、観客の注意を引きます。続いて行司が対戦する力士を紹介するのですが、普通の取組では三役以上の力士の場合は四股名を「かなた」「こなた」を付けて二声(力士の四股名を2回繰り返すこと/十両最後の取組も二声)を発するところ、結びの一番では、その前に「番数も取り進みましたるところ」とつけるのが慣例になっています。

また、呼上げが呼び上げを終了した後には「この相撲一番にて、本日の打ち止め」(「この相撲一番にて千秋楽」の場合もあります)と独特のふし廻しで呼上げ、最後の取組であることを観客に告げることになっています。

ちなみに千秋楽では、この台詞が「この相撲一番にて千秋楽にござります」もしくは「この相撲一番にて千秋楽」に、天覧相撲や台覧相撲では「この相撲一番にて、本国の結び」にそれぞれ変わります。

このような重要な結びの一番に、木村庄之助はほとんど行事をしていないのです。これは、あからさま差別という以外にありません。

そうして、単純にわかりやすく分類すると、木村庄之助は国粋派であり、対する式守伊之助はグローバル派です。この分類でいくと、貴乃花親方は、純然たる国粋派です。八角親方は、グローバル派です。

式守伊之助
相撲をグローバル化して日本の伝統文化を破壊したい勢力との確執が今回の事件の深層であるとしています。

この本質をマスコミが報道せずに、目の前のことだけ報道するため、今回の事件の本質は多くの人々にとって理解しがたいものになっています。

日馬富士の引退について、30日付のモンゴル各紙も大きく取り上げました。最大手オドリーン・ソニン紙は日馬富士の写真を1面に掲載。鳥取県警の捜査や日本相撲協会の調査、マスコミの追及で「精神的に大きな圧力」を受けていたなどと報じました。

モンゴル相撲関係者の間でも戸惑いの声が広がりました。モンゴル相撲の横綱に相当する「アバラガ」には、日本の横綱ほど品位が重視されることはありません。伝統文化というよりは純粋なスポーツとして楽しまれています。

モンゴル相撲の関脇に相当するブマンバヤルさん(49)は「モンゴルでも力士同士でけんかすることはあるが、翌日に握手して酒を飲めば解決する。進退に関わる事態になるのは理解できない」と疑問視。両国の文化に詳しいモンゴル日本関係促進協会のデムベレル理事長は「日本の相撲は神道の思想も反映されているが、モンゴル相撲には宗教的背景がなく、力士の素行が日本ほど問題視されることはない」と指摘しました。

一方日本では、相撲は神代から存在します。 そうして相撲は神事です。 日本では神道を知らずに相撲を語るなという雰囲気が根強く残っています。

神代においては 大和のタケミカヅチ命(鹿島神宮祭神)が 出雲のタケミナカタ命(諏訪大社祭神)の 腕をひねりつぶして勝った話は有名です。 

タケミカヅチとタケミナカタ
ここに国譲りが完成し、 現在の日本の原型ができたとされています。 相撲から大和朝廷の支配は始まったとされているのです。

古墳時代には野見宿禰(土師氏・菅原氏祖先)が 当時最強だった当麻蹴速を倒したこと戦いが 最大の試合だったされています。

蹴速の得意技のキックで逆に勝利しました。 蹴速はアバラ骨と腰骨を骨折。 数日後、絶命しました。

もともと相撲は 「撲りあう」と書くくらいで K-1や柔術に似た武道でした。 平安時代は天皇の前で行う 神事として定着しました。 かつて 皇太子の地位を 相撲で決めたこともあります。 

惟喬親王と惟仁親王の時にそれぞれ 紀名虎と伴善男が戦い 善男が勝利して、 惟仁親王は清和天皇となりました。

かつて、天皇位をも左右したのが、 国技「相撲」なのです。 土俵は神聖なる場であり、 塩で清め、女子は上がれません。

横綱は体に注連縄(しめなわ)を巻いて締めている間は <生きた御神体>なのです。 

横綱は体に注連縄(しめなわ)を巻いて締めている間は <生きた御神体>
これは、モンゴル出身の力士にはその本質をなかなか理解できないでしょうし、いまでは日本の力士でも本質を理解するものは少ないのかもしれません。スポーツと「神事」ではそもそも、同じようなことをしていても、成り立ちも考え方も全く異なるのです。

横綱が勝ちにこだわり、勝つためならどのような相撲をしても良いなどという考えは、相撲の伝統を重視する人々には到底理解しがたいものなのです。そのような勝ち方をするくらいなら、品格を保つために引退したほうが良いという考え方なのです。

歴史的一番<昭和63年>33歳千代の富士 全勝で24度目V 大乃国は3度の下手投げを耐えたが、
千代の富士の奇襲・内掛けにあえなく寄り切られた。数場所前に「限界か」と言われていたのがウソの
ような33歳の復活だった
このような本来の相撲の精神を守ろうとしているのが、貴乃花親方なのです。そうして、貴乃花親方のことを上ではわかりやすくするために、国粋派と分類しましたが、現代相撲を完璧に昔の神事に戻すわけにもいきませんし、モンゴル人力士などの外国人力士をいまさら否定するわけにはいきません。貴乃花親方もそこまでは考えていないでしょう。

実際、貴乃花親方は、モンゴル人力士である貴ノ岩を守ることに注力しています。ただし、相撲の成り立ちなどをないがしろにするようなことはしたくないというのが、貴乃花親方の考え方なのだと思ます。

そうして、このようないわば相撲界の内紛を日本のマスコミは、反日活動に利用しようとしています。特に、象徴的なのが朝日新聞です。

上でのべたように、元横綱・日馬富士(33)の29日の引退表明によって、日本中を騒がせた一連のモンゴル力士暴行事件は次の段階へ進もうとしています。そんな中で、朝日新聞デジタルが「『モンゴル人疎まれた』日馬富士の母国に日本不信」という記事を30日付けで配信して、SNS上では「またいつもの”日本悪い論”にスリ替えてる」と物議をかもしています。
朝日の記事によると、日馬富士の引退は故郷モンゴルでも大きく報じられ、”英雄”の突然の引退に地元でもやりきれないムードが広がっているとか。しかし、ここからが朝日節全開で、心臓に重大な疾患があるという8歳のモンゴル人少年が登場します。そして少年が支援を受ける医療系NPOに日馬富士が深く関わっていることを明かし、少年の父の『日本人医師と日馬富士は息子の命の恩人。日馬富士を許してあげて』との言葉を、家族の写真入りで引用しています。(社会部記者)
子供や女性、動物などを代弁者に仕立て上げるのは朝日新聞のお得意の手法です。誰にも文句を言わせない、弱者という名の権力を盾に自論を誘導していくリベラルメディアの十八番です。
そして記事では『モンゴルはアジア屈指の親日国』で『大相撲は注目を集めてきた』にもかかわらず、今回の事件で『モンゴル人を締め出す』日本人に不信感がめばえ、『中継するチャンネルが激減』し、『モンゴルの大相撲熱は下降』していると説明。『モンゴル人力士が疎まれた』という見方が広まっているとの論説には、朝日新聞がいつも使う日本悪い論、日本人の差別意識がこんなに外国では嫌われてますという誘導が見て取れます。(同記者)
同記事に対してSNS上では「日本ヘイトきたーw」「ていうか被害者もモンゴル人じゃないの?」「今度はモンゴルと日本仲悪くしようとしてる。 前科者の朝日は何書いてもそう取られる」「朝日っていつも弱者の味方のフリして対立煽るよな」と非難が集まっています。

朝日新聞は何でもかんでも「日本悪い」にしたいのか。別の週刊誌記者は次のように説明する。

今回の日馬富士の事件では、11月24日に『暴行問題でモンゴル大統領動く 安倍首相と面会希望』と報じて、国際問題化しようと煽ったのも朝日新聞系の日刊スポーツでした。『相撲界だけでなく、日本でモンゴル人が敬遠されることを懸念し、大統領に忠告した』と書いてますが、実際は単に朝青龍の話を聞いたという関係者の話をまとめただけのフェイクニュースでした。それゆえ後追いも続報もまったくありません。

「隣国が怒ってる」とか「外交問題になる」と言われると、つい腰が引けてしまうのが日本人の性質です。そこにつけ込むのがこれまで通りの朝日新聞です。

そもそも今回の事件は加害者も被害者もモンゴル人。外国人が日本国内で刑事事件を起こせば、当地・日本の法律で裁かれるのはむしろ国際常識のはずです。リンチの加害者が日本人であったとしても、法治国家ニッポンとして当然同じ結果となり、同様の社会的制裁を受けていたのは想像に難くないです。

そもそもモンゴル人に対して差別があったというなら、四横綱中の三人がモンゴル人などという状況はありえないでしょう。国技、スポーツの世界にまで影を落としはじめた朝日新聞等の偏向報道に、我々は騙されてはいけないです。

そうして、相撲界ではあからさまに国粋派差別という問題がありますが、これも正していくべきです。そうして、今回の出来事をきっかけとしてモンゴル力士をはじめとする外国人力士たちにも日本の神事であり国技である「相撲」の成り立ちや、考え方を理解してもらい、本来のあるべき「相撲」にたち戻るきっかけにしていただきたいものです。

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井俣憲治町長によるハラスメント事案について 井俣憲治町長 町長によるパワハラ・セクハラの被害を受けた、または目撃したとする町職員によるアンケート調査結果を重く受け止め、事案の全容解明のため、町および町長から独立した第三者委員会を設置し、調査を進める。 10月下旬に職員がアンケー...