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2015年12月30日水曜日

【「慰安婦」日韓合意】政府に言論弾圧要請? 民主ブレーン山口教授「公式見解に反したら処断を」―【私の論評】日本のリベラルもどきの「精神と知性の劣化」という時代風潮を代表する人?


日本のリベラルもどきの「精神と知性の劣化」
という時代風潮を代表する山口二郎氏
民主党のブレーンとされる山口二郎法政大教授が29日、日韓両政府が合意した慰安婦問題に関し、自身のツイッターに「安倍政権が自民党右派及びその背後の右翼の無知、偏見を的確に批判し、日本政府の公式見解に反することを厳しく処断することができるかどうかが問われる」と投稿した。民間の言論をも「処断」するよう政府に求め、言論の自由への抑圧を主張したとも受け止められかねない発言だ。

山口氏は、日韓外相が慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的に解決される」ことを確認した内容について、「日本の右派が韓国女性を誹謗中傷することも、不可逆解決に反する」との解釈も披露した。

山口氏は、政権から陥落した民主党が再生を目指して設置した「改革創生会議」の議長代行として報告書策定の中心的な役割を担った。党の勉強会などでも講師として呼ばれることが多い。

山口氏は6月、次世代の党(現・日本のこころを大切にする党)の和田政宗参院議員が沖縄の地元2紙を批判した作家の百田尚樹氏に非難が殺到したことをツイッターで「評論家の自由な言論活動を封じるもの」と記したところ、ツイッターで「バカ。言論の自由が何を意味するか、少しは勉強しろ」と批判していた。

山口氏は安全保障関連法に反対する国会周辺でのデモなどにも積極的に参加し、「安倍(晋三首相)をたたき斬ってやる」などと主張してきた。来年夏の参院選に向け、安保関連法廃止を訴える「野党統一候補」を支援するために複数の市民団体が今月20日に結成した「市民連合」の中心メンバーにもなっている。

【私の論評】日本のリベラルもどきの「精神と知性の劣化」という時代風潮を代表する人?

またまた、山口氏の爆弾発言です。もう、呆れ果てて、二の句が告げない、この低レベルはどこから来るのでしょう?以下にブログ冒頭の記事にある山口氏のツイートそのものを以下に掲載します。



本日は、まずは、山口氏の略歴などから、はじめましょう。以下にwikipediaから引用します。
略歴 
1977年3月 岡山県立岡山操山高等学校卒業。 同年4月東京大学教養学部文科1類入学
1981年3月 東京大学法学部卒業
1981年4月 東京大学法学部助手1984年7月 北海道大学法学部助教授1987年7月 コーネル大学留学(フルブライト奨学生(1989年6月まで)
1993年12月 北海道大学法学部教授
1997年3月 オックスフォード大学セントアントニーズ・カレッジ客員研究員(1997年6月まで)
2000年4月 北海道大学大学院法学研究科教授(附属高等法政教育センター長兼任、2004年3月まで)
2000年4月 北海道地方自治土曜講座実行委員(2006年3月まで)
2004年4月 北海道大学大学院公共政策学連携研究部教授
2005年3月 ウォーリック大学客員研究員(2005年6月まで)
2014年4月 法政大学法学部教授 
研究・言論活動 
元々は行政学、特に大蔵省意思決定に関する研究からスタートしたが、平成に入ってからは論壇で政治評論を多く執筆している。特に、自由民主党の長期にわたる一党支配体制にはかねてから批判的で、細川内閣誕生前後は選挙制度改革や政界再編など「政治改革」の旗振り役となり、村山内閣ではブレーンとして政策提言を行った]。 
民主党のブレーンとして 
日本社会党政権を離れて社会民主党に党名変更後、新しく結成された民主党のブレーンになった。民主党代表となって以降の小沢一郎の政策を後援し、小沢が掲げた「生活第一」のスローガンの発案者の一人とされ[2009年政権交代までは民主党の応援団を自任して「政権交代が日本を変える」との主張を続けた。第45回衆議院議員総選挙では、民主党の公約を「財源の裏付けのない、まやかし政策」という批判に対して、「政権を目指す政党に最も重要なことはこぢんまりした整合性ではなく、現状を批判することと、よりよい社会を提示する構想力である」と反論した。 
政権交代が実現すると「今回の政権交代によって、ようやく本物の民主主義が日本に現れたということができる。いわば、政権交代によって市民革命が成就したのである」と絶賛した。政権交代後は、菅直人総理大臣と民主党政権が進める政治主導システムの確立について意見交換を行うなど、民主党政権のブレーンとして政権を支えた。その後、民主党政権が公約を実現できずに批判されたことについて「(政権交代を支援してきた自分は)リフォーム詐欺の片棒を担いだ詐欺師の気分で身の置所がない」と発言したが、自民党への政権交代の後も民主党のブレーンとして活動を続けている。 
2006年に小泉純一郎について「『心の問題』を持ち出して靖国参拝を正当化したが、これは攻撃的引きこもりともいうべき状態である。ネット右翼たちは、これを見習って、蛸壺に閉じこもりつつ、気にくわない言説への攻撃に精を出す。政治家の跳ね上がりにお株を奪われた右翼は、より過激な闘いを求めて放火事件を起こす」と小泉純一郎と「ネット右翼」を関係付けて批判したが、小泉純一郎が自民党を離脱して、安倍晋三が総理大臣になると「権力を求めて解散を断行した中曽根、小泉といった政治家の指導者らしさとは雲泥の差である。」「ネトウヨ言説に代表される精神と知性の劣化という時代風潮を、安倍首相こそ象徴している」と批判している。 
現在は安倍内閣を打倒するために、民主党が共産党と連合することを提案しており、「民主党は日本における社会民主主義の政党になるべきだ」と主張している。 
橋下徹への批判 
橋下徹大阪府知事に就任すると橋下の政治手法が独善的であると批判を始め、2011年大阪市長選挙に橋下が出馬すると、橋下の政治手法を「ファシズム」と断じる『橋下主義(ハシズム)を許すな!』を出版した。橋下の対立候補である平松邦夫の応援演説で「チンピラにいちゃんの野望打ち砕け」「(橋下の政治手法は)上から枠をはめないといけないという貧困な人間観しかない」などと批判した。 
2012年1月15日テレビ朝日報道ステーション SUNDAYで橋下徹大阪市長と直接討論した際、「愛知県犬山市のように立派な人を教育長に選んで、改革のプランを作らせ予算をつけるのが首長の仕事」と持論をぶつけた。橋下は「1700の自治体の一例に過ぎない。しかも犬山市は(後で選挙で方針が変えられ)上手くいっていない」「中身の問題ではなく仕組みの問題。現場でやったことがない学者の意見」と指摘した。これに対し、山口は「学者として観察すれば大体の事は分かる」と反論した。また、橋下が教育最大の問題と定義している調書人事の仕組みを「知らない」と答えた。ほかにも「大阪府は私学助成を切った」と指摘するも「再建の為に一回切って、拡充しました。大阪府が今一番拡充してるんですよ。」と橋下に切り返された。 
山口の橋下批判について、東浩紀は「橋下氏との討議の流れで戦略を変えられず、硬直した原理論しか展開できなかった山口二郎氏は力がない」と評している。 

 動画は、ブログ管理人挿入
そのほかの政治活動 
国立大学の独立法人化に伴い教員が公務員でなくなったため、選挙では応援演説を積極的に行っている。佐藤優とともに、北海道に根を下ろした活動という点で鈴木宗男の「新党大地」を応援している。2005年の総選挙では、辻元清美などの応援演説を行った。また、普天間基地移設問題では和田春樹らと共に、アメリカ海兵隊が日本から全面撤収するよう求める声明を発表した。安全保障関連法案の反対集会では、安倍晋三首相に対し「昔、時代劇で萬屋錦之介が悪者を斬首するとき、『たたき斬ってやる』と叫んだ。私も同じ気持ち。もちろん、暴力をするわけにはいかないが、安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!」と叫んだ。これに対して石平は、「言葉の暴力平気な人間は平和を語る資格なし」「日本の「リベラル」はすでに死んだ」と批判した。
この方は、経歴からみてバリバリのリベラル派ではあるようですが、それにしても、安倍総理に対する言動や、今回の政府に対する言論弾圧要請発言といい、これはもう本当の意味でリベラルとはいえないのではないかと思います。

このような暴言をはくような人がリベラルと言われるのですから、もはや日本には、石平氏の言うように、贋リベラルしかいないのかもしれません。以下に、政治原理としてしてのリベラリズムを表す単純な図表を掲載します。

*リベラリズム:個人的自由は重視するが、経済活動は政府による規制が必要。
福祉国家。大きな政府。 
*リバタリアニズム:個人の自由も経済活動の自由も最大限重んじる。
小さな政府。福祉は廃止。夜警国家。 
*愛国的保守主義:愛国的思想統制(外国人排斥)。経済活動は規制緩和。 
*全体主義:国家による思想統制・計画経済。

そもそも、リベラリズムとは、近代社会が不可避的に抱え込む価値対立とその克服のために構想された政治哲学原理であるはずです。欧州における価値対立の問題は、宗教改革が引き起こしたカトリックとプロテスタントの宗教戦争を起源としています。

異質な価値観を持った者同士の共存は個々人の自由を認め合い、共生することでしか解決しないという考えに基づき、ホッブズ、ロック、ルソー、カント、ヘーゲルといった近代哲学者は、「自由」を権利の基本原理とするリベラリズムの立場を深めてきました。

ところが現在、リベラリズムに対しては様々な立場からの批判があります。フェミニズムや多文化主義は、その普遍性と公私の区分を批判しています。

また共同体主義はリベラリズムの想定する人間を、共同体の伝統や慣習から切り離されて具体的な内実を失った抽象的な個人とみなし、批判しています。伝統的価値や人種や性別のような具体的な属性なしに、諸個人が「善き生」の構想を持つことはできないとしています。

また現代のリベラリズムは、権利や政治的正当性の基礎となる原理として必ずしも「自由」に依拠するわけではなく、論者によって様々な考え方がある。その意味でリベラリズムの一般的な訳語としての「自由主義」は適切とはいえません。

例えば初期のロールズは公正を、ドゥオーキンは平等を基底的理念として提示ししました。ロールズは初期にはリベラリズムを人類的普遍性を持つものとして基礎付けようとしたのですが、後に近代市民社会という特殊な社会だけに適応できる政治思想としてその普遍性を否定しました。

ジョン・ロールズ

その結果、権利の基礎の哲学的探求を放棄し、ローティやグレイらと同様に「政治的リベラリズム」の立場に立ちました。このようにリベラリズムの根本原理は何であるのか、またそれは必要なのかを巡っては、現在でも多くの議論がなされています。

しかし、リベラリズムの原点は、近代社会が不可避的に抱え込む価値対立とその克服のために構想された政治哲学原理であり、異質な価値観を持った者同士の共存は個々人の自由を認め合い、共生することでしか解決しないという考えに立脚するものです。

この原点からしても、山口氏のような、安倍総理に対する発言や、今回の政府に対する発言をするような行動は、本当のリベラリズムとは相容れないものです。何が間違いで、何が正しいのかを論ずるのではなく、いわゆる安倍嫌い発言をする人たちは本当の意味での、リベラルではないと思います。

現代日本における「リベラル派」とされてる人たちのことは「新左翼」「ニューレフト」と呼ぶべきなのでしょう。従来の意味での新左翼は学生運動や成田闘争といったものに代表されるように、暴力的革命運動をする人々でした。

成田空港建設反対 三里塚闘争の画像
彼らのネットの活動を見ていると「あべしね」というワードがちらほら出てきます。今の総理大臣安倍晋三氏に対して「死ね」という言葉を投げつけてるわけです。これは、暴言以外のなにものでもないです。

この他、デモ活動における暴力的な言語表現などなどを見るにつけて、「火炎瓶やゲバ棒を言葉の暴力に持ち替えた新左翼」として良いと思います。

このように定義してしまえば、彼らはリベラルではなく、本来の意味での自由主義、中道左派をリベラルと呼ぶことができると思います。暴言を口にする者、暴力を働くものをリベラルと呼ぶのをやめるべきです。

そうして、日本にも本当の意味でのリベラリズムを樹立すべきです。そうして、リベラリズムは古くは日本にも息づいていました。

日本の近代は江戸時代に始まっていて、いわゆる市民社会も成立していたので、日本独特のリベラリズムが江戸時代に完成していたといえます。だから福澤諭吉はいわゆる「リベラル」であると同時に伝統主義者でもあり得ました。

自由民権運動もそういう視点で捉え直す事が必要だと思います。この日本独自のリベラルは、欧米左派とは違います。ましてや、新左翼などではありません。

いずれにしても、日本のリベラルもどきの「精神と知性の劣化」という時代風潮を代表するのが、まさに山口二郎氏であるということは言えそうです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


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