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2019年6月18日火曜日

米国務省の凄腕女性局長が「中国封じ込め宣言」 新冷戦時代の対中戦略を策定中―【私の論評】日本も文明論の次元で中国をとらえるべき時がやってきた(゚д゚)!


キロン・スキナー氏

米国務省のキロン・スキナー政策企画局長の名前を知っている読者は、ほとんどいないと思う。

 シカゴ出身の黒人女性58歳。生粋の共和党員である。米ハーバード大学で国際政治学博士号取得。昨年8月に現在のポストに就くまでは、私立の名門、カーネギー・メロン大学教授(国際関係論)を務めた。

 スタンフォード大学フーバー研究所主任研究員、ニュート・ギングリッチ元下院議長の外交アドバイザー、ブッシュ政権(子)の国家安全保障教育委員会(NSEB)メンバーなどを歴任。同ブッシュ政権のコンドリーザ・ライス国務長官との共著『レーガン大統領に学ぶキャンペーン戦略』は、共和党選挙関係者の間でバイブルとされている。

 このような大物を単なる局長であるが、長官直轄の政策企画局長に任命したのはマイク・ポンペオ国務長官だ。

マイク・ポンペオ国務長官

 この人事は、同氏の慧眼に負う。その証しといえるのが、4月29日にワシントンで開催されたニュー・アメリカ(新米国研究機構)主催の「安全保障セミナー」でのスキナー氏の基調講演である。

 「中国はわれわれにとって、長期にわたる民主主義に立ちはだかる根本的脅威である。中国は経済的にもイデオロギー的にも、われわれのライバルであるのみか、数十年前まで予想もしなかったグローバル覇権国とみることができる」

 ドナルド・トランプ米政権が、中国を覇権抗争の相手国と見なしていることを明確にしたのだ。

 一方、「今後、米国史上初めて、白人国家ではない相手(中国)との偉大なる対決に備えていく」と発言、「非白人国家」という人種の違いに言及したことで物議を醸した。

 同発言への批判は別にして、筆者が注目したのは「米国務省は現在、中国を念頭に置いた『X書簡』のような、深遠で広範囲にまたがる対中取り組みを検討中」と語ったことである。

 言うまでもなくこれは、米ソ冷戦時代に対ソ連封じ込め戦略を打ち出した初代政策企画局長のジョージ・ケナン氏の『X論文』を念頭に置いたものだ。

ジョージ・ケナン氏

 要は、新冷戦時代のための対中戦略を策定中と宣言したのである。

 想起すべきは、昨年10月4日のマイク・ペンス副大統領による対中“宣戦布告的”講演である。

 再びペンス氏は24日、ウッドロー・ウィルソン国際センターで講演する。米中和解からほど遠い内容になるはずだ。

 ちなみに、スキナー発言を紹介した新聞は、「産経新聞」(5月31日付)と、英紙フィナンシャル・タイムズ(6月5日付)の2紙だけだった。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

【私の論評】日本も文明論の次元で中国をとらえるべき時がやってきた(゚д゚)!

冒頭の記事にもあるように、4月29日にワシントンで開催されたニュー・アメリカ(新米国研究機構)主催の「安全保障セミナー」の基調講演において、スキナー氏は米中間の競争を「全く異なる文明同士の、異なるイデオロギーの戦いだ」と発言しました。

スキナー局長によれば、冒頭の記事にもあるように、中国は米国にとって初めての「非白人大国の競争相手(a great power competitor that is not Caucasian)」です。

スキナー局長は、こうした見方が、一定程度は、サミュエル・ハンティントンの「文明の衝突」の見方と重なるところがあるとも述べました。

サミュエル・ハンティントン氏 

この発言は人種差別的だと人権NGOからの批判を浴びました。また、5月中旬に北京で開かれた「アジア文明対話大会」の開会式で、中国の習近平国家主席が、人種の優位性を説いて文明間の衝突を説くことは「ばかげている」と一蹴したのは、スキナー発言を意識したものだとも言われています。

ちなみにスキナー局長は、アフリカ系の女性です。日本人からすれば、アフリカ系米国人の女性が、保守的思想を持って、米国と中国との間の文明的な基盤の違いを語るというのは、違和感を持つところかもしれないです。

ところが、米国が体現しているとされる「西洋文明」は、現在では人種的な純血性にもとづくものではない文明です。(第二次世界大戦前は、西欧文明は白人のものという考えが幅を効かせていた)

スキナー局長は学者出身で、やはり学者出身でジョージ・W・ブッシュ政権時代にタカ派として活躍した黒人女性のコンドリーザ・ライスの教え子だったというのだから、なかなか毛並みが良いです。

1990年代にサミュエル・ハンティントンが『文明の衝突』を著した際、中国はすでに一つの文明圏として数えられていました。

ハンティントンによれば、その文明圏は「華人」の人種的なつながりにもとづく国境を越えたネットワークによって、中国大陸を超えて東南アジアの隅々にまで及んでいるものでした。

「文明の衝突」論は、2001年の9・11テロに起因する「対テロ戦争」の時代においては、もっぱら西洋文明とイスラム文明の対立を語るものとして意識されてきました。

ところがトランプ政権下で急速に対中国強硬論が高まる中、ついに米中の間の対立についても、「文明の衝突」が参照されるようになってきたのです。

現在アメリカは、苛酷な宗教・人権弾圧、法の支配の欠如、米企業が強いられた技術移転や知財の窃盗、債務のワナによる「一帯一路」沿線諸国の軍事拠点化、南シナ海の軍事拠点化など、さまざまな"戦線″で戦いを強いられているのですが、文明論の次元で中国をとらえなくては、その脅威の全貌を把握できないと考え始めたと言えます。

昨年10月にペンス副大統領がハドソン研究所で行った演説は、その強硬な反中国の内容から、「新冷戦」の開始を告げるものと言われるようになりました。その後のトランプ大統領が主導する度重なる関税引き上げ合戦は、「貿易戦争」とも称されています。

中国の習近平国家主席は15日、北京で始まった「アジア文明対話大会」の開幕式で演説し「アジアの人民はともに繁栄する一つのアジアを期待している」、「文明間の交流は対等で平等、多元的であるべきで、強制的で一方的なものであってはならない」とトランプ政権に釘を刺しました。

ところが、表向きの主張とは裏腹に、中国が行っているのは「国内での全体主義的体制の確立とその輸出」です。

中国は、2020年までに14億のすべての国民を対象とする「社会信用システム」構築に向けて準備を進めています。

このシステムは、政府が国民の信用情報・行動を点数化して管理し、点数に応じて個人を処遇するもの。評価の対象となる信用情報は、SNS、インターネット、Eメール、銀行口座、クレジットカード、交友状況、信仰生活など、あらゆるものです。

評価の高低は、不動産の売買、飛行機などの利用に影響が及びます。すでに政府に批判的な人が、飛行機の利用や土地の購入を禁止されたり、子どもを良い学校に通わせることができなかったりするという事態が起こっています。

つまり、当局に好ましい行動をする者は優遇され、好ましくない行動をする者には不利益を課されるのです。とりわけ信仰心を持つ者に対するスコアは低いです。何が正しいかは、党が決めるのであり、習近平氏以外に決定権があってはならないからです。このため神の意志を考えて自律的な判断を行う者は危険視されるのです。

この自律的な判断こそが、西洋文明の基礎にあるものといえます。人間には造物主によって造られているため、神性を持ち、神の御心や正義や真実のありかを探究できるのです。

こうした考えは、東洋文明では「仏性」を説く仏教のなかにも共通して流れています。それ流れを受け継いだのは日本であり、中国ではありません。実際、日本はかつて人種差別撤廃を国際連盟で主張したのですが、受け入れられませんでした。これは、後の大東亜戦争の遠因ともなっています。

世界から人種差別が撤廃されたのは、第二次世界大戦後のことです。

この「神仏の子」の思想に正面から挑み、「対宗教戦争」を仕掛けているのが習近平氏です。その意味では、日本と中国は元々文明が衝突するのはやむを得ないところがあるのです。

古代の中国からは、日本は多くを学びました。だから、中国に親近感を感じる日本児も多いです。しかし、ある時点からはこれは逆転したともいえます。現在の中国の科学・哲学・文学・経済その他ありとあらゆる西欧から輸入した言葉は実は日本から導入したものです。読みは中国語の読みですが、文字は日本が創作した漢字を用いています。

しかし中国は、西欧の言葉を日本から移入しましたが、その他日本の文化的側面を取り入れることはありませんでした。現代中国と日本の価値観は、水と油であり混じり合うことはないのです。

そうして、中国の社会信用システムが広がったとき、「自由」に考え、行動する場所が失われることになります。

来年の「社会信用システム」構築によって、中国は「全体主義国家」として完成を迎えるのです。

西側に逃れた中国や北朝鮮の信仰者や民主活動家は、口々に、「中国は人間の住むところではありません」と述べる一方で、「西側の統治システム」を切望します。その統治システムとは「法の支配」が存在する本当の法治国家です。

しかし、そもそも信教の自由がないところに「法の支配」は存在しません。人智を超えた神の法の制約下にあるのが、立法府がつくる「実体法」だからです。制約がなければ、統治者がやりたい放題にやることが「法」となります。

これが全体主義的な体制である。中国は、AIや監視カメラ、5Gの技術を「一帯一路」沿線国に提供し、監視国家の技術を共有しています。要するに全体主義的な体制の輸出です。

もし中国の全体主義体制が世界を覆えば、ギリシア・ローマ以降、人類が営々と受け継いできた自由な統治体制を失います。この「自由文明」対「全体主義的な文明」の対立構造において、自由を守る戦いに挑んでいるのがトランプ大統領です。

トランプ氏の政策は自国の企業や産業を傷つけるため米国でも批判が多いです。トランプ政権は先月15日、ファーウェイへの製品供給を事実上禁じる制裁措置に踏み切りました。これによって、米クアルコムなど、ファーウェイに製品を提供する米企業に逆風になるとの見方もあります。

ところがファーウェイが世界を覆えば、通信テロで他国の安全保障を脅かすことができるのみならず、諸外国を軍事力で支配せずとも、世界的監視体制を築けます。

貿易戦争では、米国の農家も打撃を受けます。トランプ氏も、ファーウェイ排除や貿易戦争をすれば自国の企業や農業に負担を強いることは重々承知でしょう。それを知りながら、米国が貿易戦争やファーウェイ排除に動くのは、このまま放置すれば中国が米国を抜いたときに、全く異なる文明下に人類を置くことが見えているからです。それは人類が築いてきた自由文明を否定する非人道的で抑圧的な体制です。

一連の中国への制裁は、「人間は『神の子』であり、神の子として扱われるべきである」という経験なプロテスタントでもあるトランプ氏の信仰心からきていると言えます。

米国はいま中国に対して「予防戦争」を仕掛けているのです。中国との国力や技術力の差が縮まっているからで、いま中国の野望を挫かなければ、いずれ自由文明が敗北する時がやってくるからです。

この局面で、日本は日和見的な立場を取ることを避けなければならないです。米国の北朝鮮問題専門家が「安倍首相は政権維持のためなら誰とでも会う」などと批判しています。

ファーウェイは今後5年で、日本企業からの製品の輸入を10倍の規模に増やす予定ですが、これにのるべきではないです。日本は自国企業を犠牲にしてでも、自由文明を守ろうとしているトランプ政権の意図を読み違えてはならないです。

中国は最近むしろ日本に抑制的な態度をとってきていますが、その実尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域の情勢が荒れ模様になっています。

中国海警局の公船が連続62日間も尖閣周辺の領海外側の接続水域を航行したり、領海に侵入したりしているためです。平成24年9月に政府が尖閣を国有化して以来、最長となっています。

6月10日、中国公船4隻が日本の領海に侵入

尖閣海域を徘徊(はいかい)する中国公船は4隻で、機関砲を搭載する船もあります。今月10日にも領海に侵入したが、5月の侵入は4回に及びました。月1、2回だった昨年よりも頻度が増しています。海上保安庁の巡視船が、領海に近づかないよう警告しても従わないです。

中国は、隙あらば尖閣諸島を奪い取ろうと狙っています。その姿勢が露骨である以上、日本は侵略への警戒を強め、固有の領土と領海を守り抜かなければならないです。

サミュエル・ハンティントンは、当初西洋文明にも、中華文明にも分類できない日本を、中華文明圏に入れようとしたのですが、それにはかなり無理があるということで、日本は一つの文明圏だとしました。

米国が、文明論の次元で中国をとらえなくては、その脅威の全貌を把握できないと考え始めた今、日本も文明論の次元で中国をとらえるべき時がやってきたといえます。そうしなければ、本当の中国の脅威は見えてきません。

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2019年3月29日金曜日

【主張】欧州の対中戦略 結束乱れる危うさ認識を―【私の論評】日欧ともに最早お人好しであってはならない(゚д゚)!

【主張】欧州の対中戦略 結束乱れる危うさ認識を

     欧州で自らの勢力圏拡大を図ろうとする中国にどう対応するか。欧州の対中戦略は世界の経済や安全保障にも影響する重要な意味を持つ。

 だが、中国の習近平国家主席による訪欧で明確になったのは、対中国で足並みをそろえられない欧州の現実である。

対中接近をはかる中・東欧諸国(16カ国)

 欧州連合(EU)の欧州委員会は、中国を貿易や技術開発の「競争相手」とする見解をまとめ、中国への警戒感をあらわにした。実際、フランスやドイツではそうした見方が多い。ところがイタリアや中・東欧諸国は、むしろ対中接近を図っている。

 EUの結束どころか、分断が深まるようでは危うい。経済、軍事上の覇権を追求する中国が、EU各国を切り崩しながら膨張主義を強めることに懸念を覚える。

 欧州に求めたいのは、目先の経済利益に踊らされず、日米と連携して中国に厳しく対処する姿勢である。その認識を共有し、結束を取り戻せるかが問われよう。

 マクロン仏大統領は習氏に「EUの結束を尊重するよう望む」と求めた。イタリアが中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に協力する覚書を結んだためである。EU内の旧共産圏諸国なども覚書を結んでいるが、先進7カ国(G7)ではイタリアだけだ。対米関係で苦境に立つ中国には成果である。

 問題は、これを機に一帯一路が再び勢いづきかねないことだ。一帯一路は、相手国を借金で縛る手法への批判が世界中で相次いでいる。欧州でも中国の手に落ちたギリシャ港湾などが軍事利用されることに警戒がある。そうした懸念が強まることにならないか。

 反EU機運が高まる中、イタリアのように経済が停滞する国が中国に傾斜する流れが強まれば、EUの求心力は一段と弱まることにもつながりかねない。

 域内では第5世代(5G)移動通信システムでも対応に温度差があり、欧州委員会は米国が求める中国の華為技術(ファーウェイ)の一律排除を見送った。それが米欧の溝を際立たせてもいる。

 留意すべきは、EU域内のみならず、日米欧がばらばらに動けばどこを利するかである。日本は一帯一路に前のめりとなる一方、ファーウェイ製品の政府調達を事実上排除した。国ごとの違いを乗り越え対中戦略でどう連携できるか。G7の場で深めるべき重要なテーマだと認識しておきたい。

【私の論評】日欧ともに最早お人好しであってはならない(゚д゚)!

上の記事では、「日本は一帯一路に前のめりとなる一方、ファーウェイ製品の政府調達を事実上排除した」としています。しかし、「一帯一路にまえのめり」は事実ではないと思います。特に日本政府、安倍首相はそうではありません。それについては、以前このブグにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍首相、中国の一帯一路協力に4つの条件 「全面賛成ではない」―【私の論評】日本には中国および習近平政権の今後の行方を左右するほどの潜在能力がある(゚д゚)!

参院予算委員会で答弁を行う安倍晋三首相。右は麻生太郎副総理兼財務相、
左奥は根本匠厚生労働相=25日午後

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、安倍晋三首相が25日の参院予算委員会で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に日本が協力するには、適正融資による対象国の財政健全性やプロジェクトの開放性、透明性、経済性の4条件を満たす必要があるとの認識を示した。「(4条件を)取り入れているのであれば、協力していこうということだ。全面的に賛成ではない」と述べたことを掲載しました。

そうして、安倍総理は「一帯一路」に対して両手をあげて賛成しているどころか、牽制しているという趣旨の主張をしました。それに関する部分を以下に引用します。
安倍総理が、条件づきで一帯一路への協力の可能性を述べたのは、何も今に始まったことではありません。以前から何度か述べています。
たとえば2017年都内で行われた国際交流会議の席上、安倍総理は中国の経済構想「一帯一路」に初めて協力の意向を表明しています。これを受け一部メディアはあたかも日本が中国に屈したかのように報じるなど、「中国の優位性」が強調され始めました。
安倍首相は同年6月5日に国際交流会議「アジアの未来」の夕食会で講演し、中国の経済圏構想「一帯一路」について、「(同構想が)国際社会の共通の考え方を十分に取り入れることで、環太平洋の自由で公正な経済圏に良質な形で融合し、地域と世界の平和と繁栄に貢献していくことを期待する。日本は、こうした観点からの協力をしたい」と述べました。
新聞各紙は、初めて安倍首相が「一帯一路」への協力を口にしたということをポイントとして強調しています。これだけ見ると、いよいよ日本も「一帯一路」に参加するかのような印象を与えました。
当時は、米国のTPP離脱で窮した安倍政権が、「一帯一路」に尻尾を振り始めたと見る向きもありました。しかし、その後日本は自らTPPの旗振り役となり、米国を除いた11カ国で昨年末に発効しています。
ただし、産経新聞は「安倍晋三首相、中国の『一帯一路』協力に透明性、公正性などが『条件』」という見出しで、中国が支援する国の返済能力を度外視して、インフラ整備のために巨費を投じることが問題化しつつあることを踏まえた発言だという内容となっています。むしろ中国を牽制する狙いがあるという論調です。私もそう思います。

本日の安倍総理による4条件①対象国の財政健全性、②プロジェクトの開放性、③透明性、④経済性も同じことであり、これは中国を牽制する狙いをより明確にしたものです。
安倍総理の対中戦略は一貫したものであり、要するに中国がまともになれば、協力することもあり得るが、そうはなりそうもないので、当面は協力はあり得ないということを表明しているのです。

中国の習近平国家主席は27日、イタリア、モナコ、フランスの欧州3カ国への歴訪を終えて帰国しました。巨大経済圏構想「一帯一路」についてイタリアと先進7カ国(G7)で初となる覚書を交わすなど、習指導部は「中欧関係の発展に新たな推進力を注入した」(耿爽外務省報道官)と成果をアピールしています。ただイタリアの対中傾斜で欧州連合(EU)内部の警戒感はさらに高まり、人権問題をめぐる溝も埋まっていません。

米国との貿易摩擦が長期化する中、習指導部は巨額投資と巨大市場の開放をテコにEUとの関係強化を図っていますが、期待したほど一帯一路への支持は拡大できていないのが現状です。

中国共産党は27日、収賄容疑で調査していた国際刑事警察機構(ICPO、本部・仏リヨン)前総裁の孟宏偉前公安省次官を党籍剥奪処分にしたと発表しました。同事件をめぐってはフランスにとどまる孟氏の妻がマクロン仏大統領に、中仏首脳会談で待遇改善を提起するよう求める書簡を送付。訪仏後まで処分の発表を遅らせたのは、事件に注目が集まるのを避ける狙いがあったようです。

中国外務省は習氏が外遊に出発した21日、EUの駐中国大使らに新疆ウイグル自治区へのツアーを提案しました。100万人以上のウイグル族らを強制収容しているとの批判に反論するのが狙いとみられますが、EU側は「準備が必要」だとして拒否しました。中国側の政治的主張に利用される懸念があったとみられます。

EU首脳会議後の会見で笑顔を見せるユンケル欧州委員長=22日、ブリュッセル

陸のシルクロードと呼ばれる「一帯一路」では、中国は欧州において、すでに旧共産圏16カ国との間で協力の枠組み「16プラス1」を持っています。バルト3国、旧東欧諸国、バルカン半島の国々が参加し、大規模なインフラ整備事業ではこれらの国々の対中依存度は高まりつつあります。

問題は、このうちポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、バルト3国など11カ国がEU加盟国であることです。これに加えて、中伊の急速な接近に対し、フランスのマクロン大統領やEU執行機関・欧州委員会のユンカー委員長らが強く反応したのも無理はないです。

マクロン氏は22日にブリュッセルで行われたEU首脳会議の場で記者団に、「中国に関して欧州がお人好しでいる時代は終わった。長い間、われわれは対中政策で共同歩調を取らず、中国は欧州の分断から利益を吸いあげてきた」と警戒感を直截に表現した。ユンカー氏の中国に関する発言は「トランプ米大統領並みだった」との報道もあります。

EU首脳らは会議で、欧州委員会による対中戦略の見直し計画を承認しました。この文書は中国について「全体的なライバルである」と明記し、気候変動対策や核不拡散問題では従来型の協調維持を掲げつつも、「お人好し」一辺倒の路線とは明確に決別するトーンで貫かれている点が目新しいです。

中国の対欧投資を規制することや、中国に市場開放をより厳しく求めること、中国が積極的に輸出する次世代通信5Gの通信網整備については安全保障上の脅威の有無について検討すべきことなども盛り込んでいます。

ある欧州外交官は「中国による分断工作をはねつけるための対策だ」と語っています。首脳会議では、サイバー分野についてはコンテ伊首相も「懸念を共有する」と述べ、この分野で中国と協力する場合には、透明な形でEUに情報提供すると約束しました。EU内で高まる懸念に一定の配慮を示さざるを得なかったのです。

マクロン仏大統領

マクロン氏は26日、習氏が国賓として滞在中だったパリにユンカー氏とメルケル独首相を呼び、4者会談を行いました。EUの中軸をなす独仏と欧州委員会の共同歩調をアピールするために設定したものです。この場でもマクロン氏は「中国はEUの一体性と価値観を尊重しなければならない」と述べ、カネにものを言わせて欧州の分断を図る試みを率直に批判したのである。

問題の一因は、EU加盟国が自国の国家安全保障政策に関する主権をまだEUに移譲していない制度にもあるでしょう。例えば、中国の通信大手「華為技術(ファーウェイ)」を5G通信網整備に関与させるか否かについての最終的な判断は、EUではなく、加盟国が下すのです。

安保政策の「統合不足」は、中国による分断工作を許す弱点でしょう。マクロン氏が中国に注文をつける一方で、300機のエアバス機売却について習氏の同意を得たことが示すように、対中関係は是々非々のバランスも難しいです。

マクロン氏はさる3月5日、EU加盟国の28のメディアに寄稿し、「欧州の再生」を呼びかけました。ドイツを怒らせるユーロ圏の共通予算構想など従来の主張は封印し、米国が強く求める国防費の増額をEUが義務化することや、内実の伴う共同防衛計画の策定、EUから離脱するであろう英国を取り込んだ「欧州安全保障理事会」の創設、相互防衛条約の締結をなど提唱しました。

通商政策では、租税、データ保護、環境などのEU基準や戦略的利益を無視した商取引を禁じることや、米中並みの産業・調達政策を導入すべきことも主張しました。

EUが今後、マクロン氏の問題提起をどこまで議論するかは不透明です。28カ国の総意で重要案件を決めていくEUの意思決定は確かに時間がかかります。しかし、こうした大手術が必要であることは間違いないです。

第2次大戦後の欧州は「平和構築」「繁栄の共有」「民主制度の改革」という発展指向の試みによって運命共同体を築きました。その欧州はいま、文明を共有する一体的な空間の「防衛」、つまり自らの浮沈をかけた闘いに直面しているのです。

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2018年8月14日火曜日

「米朝決裂なら、最大の戦犯は文氏だ」米情報当局関係者が衝撃発言 北の日本人男性に拘束に外事警察関係者は怒り爆発 ―【私の論評】朝鮮半島問題は米にとって対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎない(゚д゚)!

「米朝決裂なら、最大の戦犯は文氏だ」米情報当局関係者が衝撃発言 北の日本人男性に拘束に外事警察関係者は怒り爆発 

スクープ最前線

北の金正恩氏と南の文在寅氏(左から)

 北朝鮮の卑劣な謀略が警戒されている。ツアー旅行で訪朝した日本人男性が拘束されたが、「対日カード」として悪用しかねないのだ。「北朝鮮の非核化」をめぐり、ドナルド・トランプ米政権の堪忍袋の緒が切れかかるなか、「日米同盟の絆」を揺さぶる狙いなのか。トランプ政権の、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する激しい怒りとは。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情勢をリポートする。

 「人質以外の何ものでもない。スパイなど100%あり得ない。なぜ、いまなのか。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮は、人質解放を武器に『3つの謀略』を考えていそうだ。あまりにも卑劣だ」

 旧知の外事警察関係者は、こう怒りを爆発させた。

 拘束された日本人男性は、滋賀県出身の映像クリエーター(39)とみられる。外国の旅行会社のツアーで北朝鮮に入り、軍事施設もある西部の港湾都市・南浦(ナムポ)で拘束された。

 「3つの謀略」とは以下の通りだ。

 (1)「北朝鮮の非核化」問題で、日本は米国と協力して対北強行姿勢を止めない。日本を黙らせて、北朝鮮側に寝返らせる。

 (2)9月の自民党総裁選前に、工作員と左派メディアを動員して「安倍晋三首相だから事件が起きた」と世論操作、安倍首相の「総裁3選」を徹底的に潰す。

 (3)人質解放を条件に、「日本人拉致問題は解決済み」と認めさせ、日本に北朝鮮への経済支援を行わせる。

 「ふざけるな!」だ。日本政府は現在、北京の大使館ルートなどを通じて早期釈放を呼び掛けている。

 米大学生、オットー・ワームビア氏のケースとの類似点も心配だ。

 ワームビア氏は一昨年1月、北朝鮮旅行の帰国直前、スパイ容疑の濡れ衣を着せられ、17カ月間拘束された。昨年6月、昏睡(こんすい)状態で解放された。だが直後に死亡した。

 トランプ大統領以下、米政府高官は激怒し、「ワームビア氏は正恩政権に殺された。責任は(正恩氏に)負わせる」という糾弾声明を出した。日本も断固たる声明を出すべきだ。

金も文もどちらも信用できないトランプ大統領は憤懣やるかたない

 実は、米朝関係が再び緊張している。

 外務省関係者は「米国は北朝鮮への圧力をさらに高める。北朝鮮が米朝首脳会談での約束、『非核化』を裏切っているからだ。北朝鮮は『朝鮮戦争の終戦宣言』だけを要求し、具体策をすべて拒否している。米朝決裂もある」と語った。

 こうしたなか、北朝鮮が「死神」と恐れるジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が5日、FOXニュースの番組で「正恩氏は今年4月、板門店(パンムンジョム)での南北首脳会談で、韓国の文大統領に対して、『非核化を進める、1年以内にやるつもりだ』と約束した」と、爆弾事実を暴露した。

 これは、文氏側がトランプ氏側に報告した機密情報だ。トランプ氏は、同盟国の文氏を信じて、6月に米朝首脳会談を強行した。

 ところが、韓国大統領府(青瓦台)の報道官は、ボルトン氏の発言について「私は知らない」と逃げた(朝鮮日報7日)。何たる対応だ。以下、複数の米情報当局関係者から入手した情報だ。

 「韓国の対応は『文氏が正恩氏と組んで、ウソで米国をだました』と白状したようなものだ。ボルトン氏の発言は、南北双方に『米国をなめるな!』と突き付けた最終警告だ。韓国はいま、康京和(カン・ギョンファ)外相以下、韓国政府要人が『終戦宣言を出してくれ』『経済制裁を緩和してくれ』と、米国に泣きついている。徹頭徹尾、北朝鮮の言いなり。米国は激怒している。米朝決裂の場合、最大の戦犯は文氏だ」

 トランプ政権は、国連安保理の対北制裁決議を破って、北朝鮮産の石炭を「ロシア産」などとして偽装輸入していた韓国企業に対し、独自制裁を科す構えをみせている。

 米情報当局関係者の情報はこう続く。

 「韓国関税庁が10日、韓国企業の偽装輸入を発表したが、米国は昨年から何度も警告していた。文政権が米国を裏切り、偽装輸入を黙認していた重大疑惑がある」

 トランプ氏は「あいつは何者だ!」「恩知らず!」と周囲に口にするほど、「反米反日従北」の文氏が嫌いだ。

 最後に、米軍筋から入手した重要情報を報告する。

 「米国は密かに『米朝決裂Xデー』の設定と、その直後に展開する対北軍事作戦(=海上封鎖や軍事攻撃を含む)の再検討を始めた」

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。

【私の論評】朝鮮半島問題は米にとって対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事のような見方は当然あると思います。特に、ツアー旅行で訪朝した日本人男性が拘束されたことは断じて許すことはできません。

ただし、私は米朝が決裂したとして、その戦犯は文在寅であるとの見方は、一方的であるかもしれないと思っています。

何しろ、文在寅が何をいおうが、それどろか、文在寅が存在しようがしまいが、米国は「北が核放棄」をしなければ、北を攻撃する腹積もりでいると思うからです。

なぜそのようなことがいえるかといえば、米朝会談は米国の一方的な大勝利に終わっているからです。しかし、日本のマスコミなどはそのような見方をしていないようです。

米中首脳会談で大勝利したトランプ大統領(左)

確かに、マイク・ポンペオ国務長官は訪朝し、北朝鮮の高官らと交渉を進めているし、安倍首相や河野太郎外相とも会談を重ねているのですが、北朝鮮に具体的な非核化の動きがないのは事実です。

そのため、日本のマスコミなどは米朝首脳会談において、トランプ大統領はさしたる成果もあげることができず、失敗だったとみるむきも多いようです。

しかしこの見方は全くの間違いです。今後の北朝鮮の行く先は三択そうして、究極的には二択しかありません。ここに北朝鮮を追い込んだことが、シンガポール会談の成功なのです。
三択の一つ目は、朝鮮半島の非核化により、北朝鮮が核を放棄することです。
二つ目は、一応サインしたけれども、北朝鮮が引き延ばし策を駆使して、核施設の廃棄をしないということです。

この場合、アメリカの対応は明確で、経済制裁の一層の強化です。あまりに長引くようであれば、アメリカ側から交渉の中止・中断を通告することになるでしょう。

一つのメルクマールは、今年中の現地査察でしょう。今年中に米軍がIAEA(国際原子力機関)の査察に同行して北朝鮮国内に入らなかったら、アメリカが断固とした対応措置をすることは間違いないです。この場合は、その後米国による北攻撃ということになるでしょう。

三つ目は、北朝鮮が会談の約束をすべて反故にして、核・ICBMの実験を再開する場合です。この場合、米国は北を攻撃することになるでしょう。

煎じ詰めていえば、北が核を放棄して米軍の攻撃を免れるか、核を放棄せず結局米国の攻撃を受けるかの二択しかないということです。

この二択、北朝鮮がいずれを選んでも、米朝首脳会談を成功と評することができます。
 
なぜなら、北が核を放棄しなかった場合、米国は攻撃できる絶好の正当性を確保できることになったからです。世界が注視している中、両首脳が共同声明にサインを交わしています。その約束を北が破り捨ててしまったら、その見返りとして攻撃をされても「致し方ない」と、世界中の誰もが思うことでしょう。

もし、北が核放棄をせずに、米国が北を攻撃した場合、中国やロシアなど表面上は米国を非難するかもしれませんが、他国のほとんどはそれに同調することはなく、中露が米国に対して具体的措置をとるということはできないでしょう。

トランプは非常に巧みな交渉術によって、北朝鮮を究極の二択に追い込むことに成功したのです。これがシンガポール会談が大成功だったと私が評価する所以です。

トランプ政権はこれを最初から企図して、米朝首脳会談を開催し、北朝鮮を追い込んだのです。だから、そもそも、韓国などの北との交渉など、最初からほとんど意味を持たず、今後も持ち得ないのです。

そうして、北問題というともう一つの側面があります。それは、米国の本命は対中国戦略だということです。米国にとっては、北の問題など対中国戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎないということです。

米国にとって、北朝鮮は対中国戦略を実行する上での一つの駒に過ぎず、金正恩が対中国の駒として動くつもりで、その証として核放棄をすれば、北の存続を認めるかもしれません。

この意味では、歴史は繰り返しているのかもしれません。日露戦争当時も、日本にとっては半島は日本の対露戦略を実行する上での制約条件の一つに過ぎませんでした。本命はあくまで露でした。露の脅威がなければ、日本が半島に進出することもなかったでしょう。

しかし、北が核放棄もせず、金正恩が米国の駒として動くつもりがないならば、米国は中国に対する見せしめとして、北を攻撃することでしょう。そうして、先にも述べたように、その場合、米国は世界中のいずれの国からも非難されたり、報復されたりすることも危惧せずに、北をフリーハンドで攻撃することができるのです。

米国が北を攻撃すれば、中国が実行支配する南シナ海の環礁埋立地も攻撃されるかもしれないと脅威や疑念を抱かせるには十分効果があるものと思います。

南沙諸島の現状(黄色が中国の実効支配)クリックすると拡大します

トランプ政権としては、徹底的に対中国貿易戦争で中国を追い込んだ上で、北を攻撃して崩壊させ、中国の様子をみて、米中会談を開催し南シナ海からの撤退を約束させるかもしれません。

これも、米国側は米朝首脳会談で北朝鮮を追い込んだのと同じように、中国も二択に追い込み、結局米国が南シナ海の環礁埋立地を攻撃しても、米国は世界中のいずれの国からも非難されたり、報復されたりすることも危惧せずに、攻撃することができるようにすることでしょう。

これは、一見困難なようにもみえますが、私は意外と簡単だと思います。何しろ、中国による南シナ海の実効支配は、国際司法裁判所でも正当なものとは認められてないからです。

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年7月12日、南シナ海での中国の海洋進出を巡り、中国が主権を主張する独自の境界線「九段線」に国際法上の根拠がないと認定しています。


もともと、中国は国際法を破っているわけですから、これを米国が軍事攻撃して、原状復帰させても、中国が文句を言えた筋ではないのです。

ただし、現状のまますぐに米軍が攻撃すれば、中国・露はこれを批判し、それだけでなく何らかの対抗措置をうちだしてくる可能性は大きいです。

ただし、先ほど述べたように、対中国貿易戦争や、これから始まる本格的な対中国金融制裁で、中国が経済的にかなり弱体化し、さらに露も中国弱体化に参画させた暁には、米中首脳会談を開催して、中国を南シナ海から撤退するか、そのまま居座るかの二択に追い込み最終的に決着をつけるというやり方もできると思います。

ただし、これは今すぐにではなく、5年もしくは10年後くらいに可能になることでしょう。そのときはトランプ政権でない可能性もありますが、ポストトランプ政権でも、習近平が終身主席すなわち現代の皇帝になることを宣言してからは、パンダハガー(対中国融和派)は影を潜め、ドラゴンスレイヤー(対中国強硬派)が力をつけているので、この路線はトランプ政権が基礎をかため、継承されることになるでしょう。

このように全体の方向性を俯瞰してみると、やはり韓国の存在など、米国の対中国戦略における一つの制約条件にすぎず、文も金もこれに大きな影響を及ぼすことなどできないでしょう。

そうして、最後に忘れてはならないことがあります。それは、やはり拉致被害者問題や、今回日本人男性が拘束されたことです。これらの人は、もし米国が北を攻撃することになれば、今のままだとその救出は米国や韓国などに依頼するしかありません。

自国民を救出できないような国は独立国とはいえません。憲法改正が間に合わないというのなら、憲法解釈の変更や時限立法などもあわせて、自衛隊が北に赴いて救出することができるようにすべきです。

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2018年7月11日水曜日

ますます強固になりそうなトランプ政権の対中姿勢―【私の論評】トランプ氏の対中戦略の本気度は徐々に、他ならぬ中国に理解されていくことになる(゚д゚)!


共和党議員からの糾弾で「親中派」キャリア外交官が引退


トランプ大統領が直接くびしたわけではないが、トランプ政権では
キャリア外交官のスーザン・ソーントン氏が引退に追い込まれた

 トランプ政権から東アジア太平洋担当の国務次官補候補に指名されていたキャリア外交官のスーザン・ソーントン氏が、議会共和党から中国への姿勢が軟弱にすぎると非難され、引退へと追い込まれた。

 同氏はオバマ政権時代にも中国などを担当していた女性外交官だ。トランプ政権になってから中国政府に対して甘すぎるとして議会の共和党有力議員から激しく糾弾されていた。

 新たな候補には対中強硬派の名前が挙がっており、トランプ政権の対中姿勢がますます強固になることも予測される。

中国への融和的政策に関与していたソーントン氏

 この発表はやや意外に受け止められた。ソーントン氏が次期の国務次官補に正式に指名されていたからだ。同氏は今年(2018年)2月にはトランプ政権下の当時のレックス・ティラーソン国務長官により次の東アジア太平洋担当国務次官補に指名されていた。

 7月初め、米国務省報道官は「東アジア太平洋問題担当の国務次官補代行を務めるスーザン・ソーントン氏が7月末で外交職務から引退する意向を表明した」と発表した。

スーザン・ソーントン氏 写真はブログ管理人挿入

 ソーントン氏はキャリア外交官として1990年代から主に中国を担当する多数のポストに就いてきた。オバマ前政権下では2016年2月に東アジア太平洋担当の国務次官補の筆頭代理となり、同次官補だったダニエル・ラッセル氏の補佐を務めてきた。ラッセル氏がトランプ政権時代が始まってすぐの2017年3月に退任すると同次官補代行となり、国務省における日本や中国を含む東アジア地域担当の事実上の実務最高責任者となってきた。

 今年2月にはティラーソン長官の推薦で正式の国務次官補に指名され、連邦議会の承認を求めるプロセスに入っていた。

 だが、トランプ政権を支える共和党勢力からは、ソーントン氏はオバマ政権時代の中国への融和的な政策に関与しすぎたという批判が絶えなかった。

 連邦議会の上院外交委員会がソーントン氏の国務次官補指名を審議する一連の公聴会で、共和党有力メンバーのマルコ・ルビオ議員らがソーントン氏の対中姿勢はトランプ政権の政策には合わないという趣旨の批判を繰り返し述べた。その結果、同外交委員会での指名承認に必要な賛成票が得られない見通しが生まれていた。

トランプ政権下の中国との折衝には「不適格」

 ルビオ議員らが、公聴会での発言や国務省あての直接の書簡などで明らかにしたソーントン氏の人事への反対の理由は、以下のとおりである。

(1)ソーントン氏はオバマ政権下の国務省で対中政策に関わった際、いまのトランプ政権の中国への強い抑止や対決の政策とはあまりに異なる宥和策の推進に深く関与してきた。そのため、トランプ政権での中国との折衝には不適格である。

(2)米国に亡命して中国共産党を批判していた中国人実業家の郭文貴氏を帰国させるために、2017年5月、中国国家安全部次官の劉彦平氏らがニューヨークに到着した。FBI(連邦捜査局)が彼らを入国手続き違反で逮捕しようとした際、ソーントン氏は反対し、逮捕を阻んだ。

(3)ソーントン氏は国務省の公式ウェブサイトに掲載された台湾(中華民国)の国旗を中国政府の要請に応じる形で削除した。この措置は中国政府の圧力への屈服であり、トランプ政権の台湾政策に反する。

 以上のようなルビオ議員のソーントン氏批判は広範に公表され、共和党が多数を占める上院外交委員会でも同氏の指名に反対する動きが強くなっていた。

 こうした動きの中で、ソーントン氏はトランプ政権の意向も踏まえて、自ら指名を辞退する形をとったとみられている。

 この動きは、トランプ政権や議会共和党の中国に対する姿勢がますます強硬となり、オバマ政権が続けてきた対中関与政策の排除が一層進んだことを反映したといえる。ソーントン氏の引退で空席となった次期のアジア太平洋担当の国務次官補候補には、2代目ブッシュ政権で国防総省の中国部長を務め、現在は民間研究機関のAEIの中国研究部長のポストにあるダン・ブルーメンソール氏らの名前が浮上している。同氏は中国への抑止強化論者として知られる。

【私の論評】トランプ氏の対中戦略の本気度は徐々に、他ならぬ中国に理解されていくことになる(゚д゚)!

上の記事にもあるように、トランプ政権や議会共和党の中国に対する姿勢がますます強硬になりそうです。しかし、中国政府は未だ楽観的に構えているようです。

トランプ米大統領が中国の貿易慣行に対して厳しい措置を講じることを真剣に検討していたときに、中国当局者は真に受けておらず、首都北京では危機感がほとんど感じられていないようでした。

中国はこれまで、1992年と95年の場合も含め、米通商法301条による調査を交渉で乗り切ってきた経緯があります。

だから、今回も何とかなるであろうと考えているのかもしれません。しかし、今回の場合、中国が米国側と協議したりやWTOによる解決に頼ろうとする姿勢は、中国の計算ミスとなる可能性があります。

中国政府が理解していないのは、トランプ政権が「大真面目」だということです。トランプ政権)は小さなことで手を打つことはしないでしょう。

そもそも、トランプ政権の狙いは、貿易戦争により貿易赤字を減らすとか、中国の市場を開放させるとか、人民元自由化などということだけではないでしょう。無論これらも、中途の目標ではありますが、最終目標ではないと私は考えています。

トランプ大統領の最終目標は中国にたっぷり貯め込んだ外貨を散財をさせて、その国力を弱体化させることではないかと思います。それも、かなり弱体化させ、二度と米国に立ち向かうことができなくすることでしょう。米国は中国が呼びかけているAIIB(アジアインフラ投資銀行)に最初から冷たくあしらっていました。日本も参加する意思はありません。

トランプ大統領は、外貨がなくなるというか、自らなくそうとしている、国のインフラ投資銀行にわざわざ加盟することはないでしょう。日本もトランプ大統領の対中国戦略の最終目標を知りながら、これにわざわざ加入するような愚かな真似はしません。

トランプ大統領としては、本来ならば中国と戦争をして、中国を屈服させたいのでしょうが、これに関しては米国ドラゴンスレイヤー(対中国強硬派)達も中国と武力衝突するのは現実的ではないと考えいます。

トランプ政権は、武力にかわるもので、中国を徹底的に弱体化する方策を考えていて、そのもっとも良い方法が、貿易戦争と厳しい金融制裁ということになったと考えられます。

なぜそのようになったかといえば、以下のような背景があると考えられます。

第一にトランプの戦略は中国国内の金利政策、外貨規制に静かに照準を合わせていると考えられます。中国の外貨準備が底をつけば、必然的に人民元は激安へ向かいます。このことは中国人民銀行中枢もよく理解しており、二年前から資本規制を強めて対応してきましたた。

外貨による送金が事実上不可能となり、海外旅行の持ち出し外貨も制限され、海外の不動産購入は認めなくなりました。例外的に海航集団などの欧米企業買収はみとめてきたが、金額ベースで比較すると減少していたという事実があります。

第二に中国の不動産バブル崩壊は必定ですが、それを早めることができます。つまりFRBが金利を上げると、投機資金は米国へ環流します。不動産価格を下支えしているのは、国有企業、国有銀行などが巧妙に公的資金を注入しているからです。中国の庶民がかかえる住宅ローンも、金利が高まれば個人破産が増え、すでに暴動が頻発しています。

第三に中国経済がかかえている難題は「株安」「債券安」「人民元安」と、三つの市場における連続的な下落です。ところが賃金高、物価高、金利高になって、その乖離は激烈になっています。

第四に中国は国内に鬼城と呼ばれるゴーストタウンを量産しましたが、くわえて週一便しか飛ばない辺地に飛行場を造成し、乗客が見込めない田舎にまで新幹線を建設し、あちこちに橋梁を架け、トンネルを掘り、都市部から離れた田圃に新駅を造り、50の地方都市では採算が合わないとされる地下鉄網をつくって、エベレストより高い借金の山をつくりました。

ちなみに中国の新幹線は、いまや25000キロ(鉄道の総延長は12万7000キロ)、とくに新幹線は2012年比較で2・5倍となって、最新鋭「復興号」は、北京上海を350キロ、四時間半で結んで世界一と自慢しました。中国は16両連結を自慢したが、従来は馬力の関係から8両連結をしていました。

第五に遅れて参入した生損保、とりわけ生命保険が迎えるインソルバンによる危機。また老人年金はすでに多くが基金を取り崩しています。悪名高い一人っ子政策により、少子高齢化の速度は日本より速いのですが、中国には介護保険制度はなく、老人ホームは富裕層しか入居できません。

そうして、全世界で展開中のBRI(一帯一路)は、もしすべて完成すると総額は8兆ドルなります。米国からみると、この中国の世界的規模の投資は、当該国経済を活性化させたかつてのマーシャルプランのような公共財の提供ではなく、まさに不良在庫処理と、労働力の輸出であり、相手国経済を収奪することです。


工事中断に至っている案件はニカラグア運河、ベネズエラ高速鉄道、インドネシア新幹線、ミャンマーの水力発電などで、最近ではマレーシア東海岸鉄道事業も中止に追い込まれています。目標通りに完成させたのはヨーロッパをつなぐ鉄道くらいです。大風呂敷のまま終わったのはラス-ロス間の新幹線プロジェクトほか、これまた山のようにあります。

親中派のチャンピオンであるパキスタンですら、現実には大判振る舞いのCPEC(中国パキスタン経済回廊)に570億ドルを投じていますが、随所で工事が寸断しています。パキスタンはIMF管理にはいるほど財政が悪化、中国は渋々10億ドルの追加融資を決めました。ほかにも中国の商業銀行は20億ドルを貸しているという情報もあります。2013年にパキスタン危機では67億ドルの負債を返済できずに、IMF管理となりました。

また中国は鼻息荒く全米の企業買収のみか、不動産を買いまくったのですが、これもかつての日本のように、堤清二、秀和の小林某、イアイアイの高橋某と、乗っ取り王といわれたバブル紳士たちは、高値を掴まされ、最後には底値で物件を手放し、馬鹿を見ました。

中国勢はハリウッド映画買収に失敗、ウォルドルフアストリアホテルを買い取った呉小暉は逮捕され、安邦生命は国有化という惨状をすでに露呈しました。

他方で、トランプ大統領は中国企業がアメリカに進出すると喜びを素直に表現しています。ウィスコン洲でFOXCOM(鵬海精密工業)の工場の起工式に、トランプはわざわざ出席し鍬入れセレモニーに参加しました。この式典には孫正義も参加しています。孫のファンドが出資しているからです。

トランプは起工式でこう語りました。「この工場は米国の美しい鉄鋼と、アルミ、そして部品を使う。素晴らしい工場になる。ウィスコンシン州で私は勝った。レーガン大統領も負けた土地(戦局)で私は勝ったのだ」と意気軒昂に吠えました。

かつて日本はスーパー301条発動に加えて「ローカル・コンテンツ法」によって、自動車メーカーは米国進出を余儀なくされました。それによって部品の下請け、孫請けもぞろぞろと米国へ進出したため、国内は空洞化を来しました。中国もいずれ、そうなるでしょう。

結局、米中貿易戦争とは、米国による中国貧窮化政策であり、次の段階では厳しい金融制裁に打って出て、中国の外貨を吐き出させ、中国の息の根を止めようとしているのです。

そうして、その背景にはやはり、トランプ氏が米国の保守を地盤としているということが大きく影響していると考えられます。

そうして、米国の保守派の間では近年、「真珠湾攻撃背後にソ連のスターリンの工作があった」とする「スターリン工作説」が唱えられるようになってきています。そうしてこれは、90年代に公表されたヴェノナ文書の裏付けもあります。

ベノナ文書 最近も研究が進み様々な事実が明らかにされつつある

本来日米は戦争をするようなことはあり得なかったにもかからず、スターリンの工作により、日米は戦うように仕向けられ、あのようなことになってしまったという考え方です。

この米国の誤りが、ソ連を台頭させ、ソ連は崩壊したものの、最近ではそれに変わって中国を台頭させ、北朝鮮による核の脅威に米国はさらされている。ソ連や中国など断じて許すわけにはいかない。

というのが、米国草の根保守のリーダーであった、故フィリス・シュラフリー女史の発言でもあります。

シュラフリー女史のこの発言に米国の保守層は多大な影響を受けています。トランプ氏も当然影響を受けています。トランプ氏にとって、中国は倒すべき敵なのです。

だから、トランプ氏は何としてでも、中国を徹底的に弱体化しようと日々行動しているのです。そうして、弱体化して中国を米国にとって無害な存在にし、あわよくば、中国の現体制を崩壊させたいと目論んでいることでしょう。

この背景を中国側は、良く理解していないようです。そうして、日本人の多くも理解していないようです。トランプ氏の対中戦略の本気度は徐々に、多くの人々そうして、他ならぬ中国に理解されていくことになるでしょう。

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2013年3月30日土曜日

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々―【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々


安倍晋三首相は30日から、就任以来5カ国目の外遊先としてモンゴルを訪問する。これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)の3カ国と米国を自ら訪れ、オーストラリアとも活発なな外交を展開。今後はインド首相の来日も予定される。一見ばらばらに映るこれらの外交だが、いずれも日本の対中国戦略に欠かせないピースに他ならない。

中国とロシアに挟まれるモンゴルは、日米欧を「第三の隣国」と位置づけ、経済面などでの中露への依存度を下げる外交戦略を描いている。首相はこの戦略に歩調を合わせて連携を深めれば、「対中包囲網というパズルを埋める上で有効な『北方』のピースになる」(政府高官)と判断し、今回の訪問を決めた。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!


安倍首相、モンゴル訪問の裏の目的は、中国牽制と鉱物資源開発での協力であることははっきりしていると思います。また、モンゴルは北朝鮮と国交があることも視野にいれているものと思います。

それにしても、安倍総理今回のモンゴル訪問も、本当に抜け目がないです。このようなことを見て、ただ親善訪問などと思っているいる人はいないとは思いますが、もしいたら、よほど鈍感な人だと思います。一連の安倍総理の動きは、中国包囲の意図もありますが、アメリカに対する牽制でもあります。

日本としては、アジアにおいて、アメリカと中国が強力に結びついて、日本が除外されるということにでもなれば、大きな損失です。これは、日本だけではなく、多くの国々にとって大きな損失となります。そんなことにならないために、中国包囲網を築き、このブログにも再三掲載したように、安全保障のダイヤモンドを着々と築いていっているのです。 TPP交渉参加も、対中国包囲網の一つです。

そもそも、安倍総理が、オバマ大統領と会談した後の発表を覚えいらっしゃるでしょうか?以下にその時の動画を掲載します。

訪米中の安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した。


この動画は、訪米中の安倍晋三首相が22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した後の声明の発表に関するものです。

北朝鮮の核実験に対し、両国が連携して厳しく対処する方針を確認。日米両首脳は環太平­洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」と確認する共同声明を発表しました。

首相は会談後、記者団に「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言­したい」と述べました。

この強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言というところに、注目していただきたいです。実際には、虚々実々のやりとり、かなり強烈なやりとりがあったようですが、安倍総理は、最後にこのようにダメ押しをしています。安倍総理は、このようにはっきり言うことにより、オバマ大統領の言質をとっています。

言質をとるとは、相手の言ったことを自分の言葉に置き換えて、相手の発言の意味をとることです。相手の言葉の言質を取るのは、自分が相手の言葉を理解するために必要なことです。

また、言質を取るのは相手にも自分の発言が理解されたということを示すうってつけの行動です。安倍さんのこの言質は、それを超えて、オバマ大統領に対して、全世界の人々の目の前で、同盟関係を確かなものにしなければならないという負い目すら与えているという点で、大成功だったと思います。

それに、TPPに関して、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」という言質をとることにも成功しています。

この二点においても、この会談は日本側からすれば、かなり成功したものと思います。そうして、この会談の前から、安倍総理は、安全保障のダイヤモンド構想を発表しており、その後の発言、行動なども、この構想と全く矛盾していないどころか、完全に一致しているし、整合性があります。

それにしても、この安倍さんの一貫した態度当たり前だと思ってもらっては困ります。それは、過去の民主党の総理大臣の態度と比較してもらえば良くわかります。以下にその良い事例となる動画を掲載させていただきます。



この菅、胡錦濤会談は、あまりに酷すぎますが、これと比較すると、安倍総理の行動が、確たる信念を持って行われてるいることが良くお分かりになると思います。菅さんをはじめとする、民主党の閣僚の外遊などとは比較の対象にもなりません。

それから、今から思えば、とんでもない小沢さんの朝貢外交もありました。その時の動画を以下に
掲載させていただきます。


これは、2009年のことですから、2010年の中国漁船の巡視船の体当たり事件の前の年にあたります。本当に、今から見ると、バカ真似以外の何ものでもありません。

こんなことも、配慮せずに以下のような見方をするマスコミもあります。

「オバマ・安倍会談」の成果は特になし

 これは、言質を取られた側の米太平洋軍太平洋安全保障研究センターのジェフリー・ホーナン准教授への東洋経済によるインタビューです。言質を撮られた側として、成果は特になしとして、打ち消ししておいたほうが、アメリカの国益にはかなっています。マスコミはやはり、こういう報道をして、安倍総理の成果を日本国内でなるべく薄めたいのだと思います。

それにしても、オバマ大統領との単発の会談だけではこの手は成功しても、その後の安倍総理の外遊と、その行動を見ていれば、安倍外交の全面否定はできないものと思います。 安倍総理は、すでに情報戦を開始して、意図して意識して一連の外遊を行なっているということです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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