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2019年1月13日日曜日

レーダー照射で逆ギレ「韓国」が米国と訣別する日―【私の論評】文在寅の甚だしい誤認、北は反中もしくは嫌中、親中にあらず(゚д゚)!

レーダー照射で逆ギレ「韓国」が米国と訣別する日



同盟消滅が現実味を帯びている

 河井克行・総裁外交特別補佐は訪米先ワシントンで8日、講演をして、韓国が中国、北朝鮮陣営に傾いていることへの懸念を表明した。河合氏は、アメリカにこの地域で引き続き存在感を示してもらいたい旨も語ったが、そのように事態が進むかはますます怪しくなっている。

 直近の問題は、韓国側の「逆ギレ」的対応により、出口が見えづらくなっている韓国軍のレーダー照射事件だろう。日本側はアメリカに仲裁を期待しているといった報道もあるが、実のところ、アメリカがどこまで関与するか、そして韓国がそもそも聞く耳を持っているかも不透明な状況のままである。

 評価は様々にせよ、アメリカの存在が北東アジアの平和に貢献していたことは間違いない。しかし、現在の韓国大統領がそのような「恩義」を感じているかは極めて怪しいのもまた事実だ。北朝鮮に対して異常なほどの接近を示す韓国は、とてもアメリカの同盟国とは見えないというのは衆目の一致するところだろう。この流れが続けば、アメリカが韓国を見捨てる日も遠くない――昨年末来、この危うい状況に警鐘を鳴らしていたのが、半島情勢に詳しいジャーナリストの鈴置高史氏だ。鈴置氏の新著『米韓同盟消滅』の冒頭にはこうある(以下、引用は同書より)。

「この本の目的は米韓同盟が消滅しかかっていると日本人に知らせることにある。米国の後ろ盾を失えば、韓国は表向きは中立を唱えるだろうが、実質的には中国の勢力圏に入る可能性が高い。朝鮮半島は日清戦争以前の状態に戻り、百数十年ぶりに日本は大陸と直接向き合うことになる。(中略)

 反米的で民族の和解を掲げる文在寅(ムン・ジェイン)政権は同盟破棄に協力的だ。韓国の親米保守は米国との同盟を失うことに絶望感を抱く。だが、米国から見捨てられる以上、どうしようもない」

 鈴置氏は、同盟消滅が現実味を帯びていることを示すファクトをいくつも挙げている。たとえば、昨年、文政権の統一外交安保特別補佐官は、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に「(南北の)平和協定が締結されれば、在韓米軍の持続的な駐留を正当化しにくくなる」と書いたという。

「米韓同盟の打ち切りに大統領のブレーンが言及したのだ。1人の不規則発言ではない。青瓦台(大統領府)は『反米親北』の人々で占められている。

 中枢組織である秘書室の秘書官31人のうち、政権ナンバー2の秘書室長を含め61%の19人が左派の学生運動か市民運動の出身者だ。保守系紙、朝鮮日報が2018年8月8日に報じた。根っからの『反米親北』政権なのだ」

 こうした動きに対して歯止めをきかせる役目を本来、担っていたはずの親米保守派が存在していたのだが、彼らは現在沈黙を強いられている。

「対話ムードに抗せなくなったのだ。韓国の政界から北朝鮮との対決を主張する党派が消滅した。それは米韓同盟の死守を叫ぶ勢力が消えることも意味した」

 南北の間の緊張が緩和すること自体は、多くが歓迎する動きだろう。しかし、だからといって、これまでの同盟の歴史を無視するかのような韓国の振る舞いについて、日本人には理解しがたいところがある。朝鮮戦争では数多くの米国兵が犠牲になっているのだ。

 しかし、韓国では定期的に反米機運が国レベルで高まることがある。2002年には、米軍の装甲車に韓国人の女子中学生がはねられて死亡した事件をきっかけに激しい反米デモが勃発。当時のブッシュ大統領が2度にわたって遺憾の意を表明したが、国民は収まらなかった。当時の世論調査では、アメリカよりも北朝鮮にシンパシーを感じる人が多いという結果が出ている。同盟国よりも「休戦中の敵国」に対して親しみを持っていたのだ。

 かつて、鈴置氏はこうした「反米気運」について素朴な疑問を保守系紙の編集幹部にぶつけてみたことがある。

「日本は戦争で米国に負け、原爆まで落とされた。だが、今は同盟を結んでいる。韓国は米国によって日本から解放してもらい、朝鮮戦争の時にも救われた。米国に徹頭徹尾、世話になったではないか」

 これに対する答えはこうだったという。

「世話になったからこそ、韓国人は反米になるのだ。全力で戦った日本に対し、米国人は敬意を払う。少なくとも下に見はしない。だから日本と米国は対等の関係にある。だが米国人は『いつも助けてやっている韓国』をまともな国として扱わない。この悔しさは日本人には分かるまい」

 こうした恨みもまた、同盟消滅の推進力となるのだろうか。

デイリー新潮編集部

【私の論評】文在寅の甚だしい誤認、北は反中もしくは嫌中、親中にあらず(゚д゚)!

金正恩(左)と文在寅(右)

文在寅は、自身が親中派であり、金正恩氏もそうであると思っているでしょう。親中派とまではいかなくても、少なくとも金正恩氏は米国などより中国のほうを信頼しているだろうと無意識に思っているに違いありません。これは、全くの文在寅の誤認です。

金正恩は、親中派ではないどころか、反中派です。

「中国の奴らに昔と今は違うということを見せつけてやる」

2015年8月米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、北朝鮮の現役幹部の証言として、金正恩第一書記の口から「爆弾発言」が出たことを報じました。

建国以来「血の友誼」と呼ばれる固い同盟関係を築いてきた北朝鮮と中国ですが、核実験の強行や張成沢氏の処刑などをきっかけに中朝関係は悪化。「爆弾発言」が事実なら、金正恩氏が中国との関係改善に関心がないことを示すことから、北朝鮮権力内で衝撃が走ったようです。

「爆弾発言」は、当時金正恩氏が幹部たちを集めた席で語られたといいます。発言を聞いた幹部たちの多くは拍手しましたが、国際社会からの孤立を自ら招きかねないと不安視する幹部もいたとのことだそうです。

発言の真偽は不明ですが、金正恩氏は、2015年6月に長江で起きた旅客船沈没事故に関連して「中国に公式の弔意を示すな」との指示をしたとRFAの北朝鮮内部情報筋が伝えていました。

金正恩氏が、中国との関係改善に消極的で「反中感情」を抱いている可能性は充分にあります。上から目線で「先輩風を吹かせる」中国を毛嫌いしているようです。

北朝鮮が、ロシアとの関係改善に注力していることも、金正恩氏の反中感情が反映されていると見られますが、「政府は、朝ロ関係に積極的に動いているが、それほど大きな効果は得られていない」という見方もあります。

2015年9月3日には中国の北京で「抗日戦争勝利70週年」記念式典が行われました。当時の韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は参加しましたが、金正恩第1書記は欠席しました。ただし、金正恩の腹心である崔竜海・朝鮮労働党書記を派遣しました。

ごく最近は、金正恩氏は習近平と頻繁に首脳改題を開催するようになりましたが、これはあくまで、米国による非核化要求に関わる協議のためであり、やはり金正恩氏自身は、親中派ではなく、どちらかというと反中派もしくは嫌中派とみなすべきでしょう。

では、北朝鮮の人民はどうなのでしょうか。

「私が会った北朝鮮の人たちは米国よりも中国を嫌っているようだった」

こう語るのは元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏です。2012年6月下旬、米ワシントンのブルッキングス研究所で講演し、北朝鮮の中国嫌いを端的に指摘しました。

元駐平壌英国大使のジョン・エバラード氏

エバラード氏は2006年2月から2008年7月まで大使として北朝鮮に駐在し、その体験をまとめた『Only Beautiful, Please』を出版したのを記念して講演しました。

北朝鮮が中国から膨大な経済支援を受けていながら、中国が嫌い理由についてエバラード氏は「中国人は傲慢で横柄、生意気だと思っている。実は北朝鮮は中国から“独立”したいと思っているのだ」と分析しました。

同氏は、平壌在住のマッサージ師の話を引き合いに出して、「ロシア人やドイツ人にはマッサージを施したが、中国人だけは相手にしなかった。奴らは体臭がきついんだ」とのエピソードも紹介しました。

北朝鮮が「米帝国主義」などとして激しく批判する米国については「一般の国民はそれほど敵対的ではなく、米国が北朝鮮を攻撃すると考える住民は多くはない」と語りました。さらに、韓国が北朝鮮に攻撃をするかどうかについて、「北朝鮮国民は韓国を米国の傀儡政権みなしていることから、韓国が単独で北朝鮮を攻撃するとも思っていないようだ」と解説しました。

「ただ、北朝鮮は絶対に核を放棄しない。核が外部の敵から自国を守る唯一の武器だと考えているからだ」と同氏は強調し、米国や中国が北朝鮮に核の放棄を求めても、絶対に応じないとの見方を示しました。

一方、国際社会の北朝鮮への食糧支援などについて、「支援物資などは権力集団の体制維持に活用されているようだ」と述べて、食糧不足に苦しむ一般住民の手には渡らず、北朝鮮の指導部や軍の段階で止まっているとの見方を明らかにしています。

以上から、どうやら、金正恩も、一般人民も中国を嫌っているようです。

そうして、北朝鮮のミサイルの射程距離を思い浮かべてください。以下に2017年度チャートを掲載します。


左から
火星5 飛距離300Km
火星6 飛距離500Km
ラドン 飛距離1300Km
テポドン1 飛距離2500Km
ムスタン 飛距離3000Km
KN−08 飛距離6000Km (開発中・未テスト)
テポドン2 飛距離6700Km (開発中・未テスト)
テポドン1は1998年、2006年、2009年、2012年に発射実験が行われており、その射程距離圏内には、日本全域、中国東側の大部分、ロシア極東部などが含まれます。現在開発中のKN-08やテポドン2ではアメリカのアラスカ州が射程距離内に入ります。

2017年7月4日に発射された大陸間弾道ミサイルは高く打ち上げて飛距離を抑えるロフテッド軌道を利用したと見られており、発射角度を調整すればアメリカも射程距離に入っていたと見られます。

この射程距離、日本では米国や日本への到達などばかりが報道していますが、上のチャートのラドンから右のミサイルは、すべて中国の中枢に到達します。ムスダンから右は、中国内のほぼ全域に到達します。

そもそも、北朝鮮は中国の東北地方(旧満州)と国境を接していますから、どのミサイルも中国の領域に到達します。

中国は、こうした北朝鮮のミサイルに脅威を感じるのは当然のことだと思います。

金正恩が、中国嫌い、北朝鮮人民も中国が嫌い、そうして北が核ミサイルを保有しているという事実から何が浮かんでくるかといえば、昨日もこのブログに掲載したように、結果として、北朝鮮の核保有は北朝鮮の独立を保証すると同時に、中国の影響力を朝鮮半島全土に浸透させることも防いでいます。米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。

北の核は、確かに米国にとって脅威ではありますが、もう一方からみれば、中国にとっても脅威なのです。

現状は、米国にとっては中国封じ込めという観点からは、朝鮮半島はうまくバランスがとれているのです。

昨日も掲載したように、トランプ政権はこのバランスを継続させることに大きな意味があると考えていることでしょう。

そうして、昨日も述べたように、中国が体制を変えるか、経済が落ち込んで、他国に影響を及ぼせないほどになれば、そのとき本格的に北朝鮮との非核化協議にはいることになるでしょう。それまでは、

そうして、昨日も述べたように、中国に接近する韓国は中国の影響力を朝鮮半島全土に及ぼす役割は担っていないのです。それを今は北朝鮮が担うという皮肉な状況になっているのです。

北も中国との関係を大事にするだろうと思いこんでいる、文在寅は、日米はもとより、北朝鮮からも、これからはしごを外されっぱなしなることでしょう。

そうして、他ならぬ中国からもはしごを外された状況に陥るでしょう。なぜなら、韓国は未だ米国との関係もありますし、何よりも嫌中の北朝鮮に両手を上げて接近しようとしています。

この対局を文在寅は全く理解していないでしょう。北と接近し、中国とも同時に接近することが、韓国の国益にかなうことと無邪気に信じているのでしょう。

北に強く接近すれば、中国からは疎まれるということを理解していないようです。そのことを理解させるため、中国はさらに韓国に対する制裁を強めるかもしれません。それでも、大局を理解してない文は、なぜ中国がそのようなことをするのか、理解せず、さらに北朝鮮に入れあげ、挙げ句の果てに自滅するかもしれません。

最悪の場合、韓国は日米中の制裁の対象になるかもしれません。そうなれば、韓国はお手上げになります。

米国としては、このバランスを継続することに注力するようになるでしょう。米韓同盟が消滅したとしても、このバランスを保つことに支障がないと判断すれば、シリアから撤退したように、あっさりと米韓同盟を解消し、米軍を韓国から撤退させるかもしれません。

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2015年2月26日木曜日

<日本礼賛本>嫌韓・嫌中しのぐ勢い? ブームの理由を探る―【私の論評】日本礼賛は日本の真の強みを見出し、それを伸ばし再び大きく成長させ世界のトップランナーになるきっかけを作り出すことになるだろう(゚д゚)!

<日本礼賛本>嫌韓・嫌中しのぐ勢い? ブームの理由を探る

毎日新聞 2月25日(水)17時38分配信



書店で“嫌韓・嫌中本”をしのぐ勢いで売れているのが「日本はこんなにスゴイ!」と褒めたたえる“日本礼賛本”だ。謙遜が美徳、自己PRは下手だったはずのこの国で今なぜ、この手の本が売れるのか。理由が知りたくて、尋ねて回った。【小国綾子】

◇将来不安癒やす安定剤? 震災機に広がり

書店でタイトルを拾ってみる。「ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由」「やっぱりすごいよ、日本人」「イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国」「イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論。日本が一番暮らしやすい国でした。」「だから日本は世界から尊敬される」。どれもこの1年間に出版された。

そういえば、テレビでも「所さんのニッポンの出番」「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」など外国人に日本を褒めてもらう番組がいっぱいだ。

ブームの「火付け役」の一つは、47万部売れた2010年12月出版の「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」(竹田恒泰著、PHP新書)。担当編集者、藤岡岳哉さんは「当時、正面切って自国を褒める本はほとんどなかった。自国を褒めていいというメッセージが読者に待ち望まれていた」と分析する。

出版の3カ月後、東日本大震災が発生。整然と助け合う日本人の姿が世界から称賛を浴びた。「『日本は素晴らしい』と口に出す人が増え、部数は大きく伸びた」。シリーズ3冊で累計約81万部。3冊目「日本人はいつ日本が好きになったのか」の表紙のキャッチフレーズはこうだ。

<「自分の国がいちばん」とやっと素直に僕らは言えた>

実際、NHKの「日本人の意識」調査(13年)で「日本人はすぐれた素質をもっている」「日本は一流国だ」と答えた人はそれぞれ68%、54%。03年の51%、36%を底にU字回復し、1983年の最高値レベルまで戻している。やはりこのブーム、日本を好きな人が増えたせいなのか。

一方、斬新な書名が話題の「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」と「住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち」(川口マーン恵美著、講談社+α新書)。前者は16万部、後者が14万部。いかにも日本礼賛といった題名だが、中身は日本をベタ褒めしているわけではない。教育面を中心に日本にも苦言を呈しており、読後の印象はせいぜい「6勝4敗」だ。

担当編集者、間渕隆さんは「日本を誇る本は売れるので著者と相談の上、少々盛って『7勝3敗』とする予定だったが、ゴロが悪いので『8勝2敗』にした」と種明かしする。「00年代半ばまでは欧米人と結婚した日本人女性が日本の情けないところを指摘する本が売れていた。07年、デュラン・れい子さんの『一度も植民地になったことがない日本』が20万部を超えたあたりで潮目が変わった。震災がその傾向に拍車をかけた」

昨年は「呆韓論」など韓国や中国をたたく書籍が多くベストセラーに入り、「嫌韓・嫌中本ブーム」として注目された。「読者も飽きてきた」(間渕さん)ところで盛り上がったのが、今回の「日本礼賛本ブーム」だ。ネット上では「ヘイト本ブームと表裏一体」「まるで“愛国ポルノ”」などの批判の声もある。

もっとも間渕さんは「日本礼賛本=嫌韓・嫌中本の裏返し」という図式には懐疑的だ。「愛国心を動機に読む人だけなら数万部止まり。16万部も売れません。確かに1冊目は最初、産経新聞の読者層や嫌韓・嫌中本を読む50、60代男性に売れた。しかし読者層は広がり、2冊目は女性にもよく読まれている」

多くの読者を引きつけるには、もっと別の理由があるということか。

過去にも、日本や日本人をたたえる本が売れた時代はあった。「『日本人論』再考」の著者で東大名誉教授(文化人類学)の船曳建夫(ふなびきたけお)さんは、その手の書籍がブームになる背景には常に「不安」があったと指摘する。「明治維新以来、国が苦境にある時も右肩上がりの時にも、日本人論は日本人がアイデンティティーに不安を抱えた時代に流行し、不安を癒やす『安定剤』の役目を果たしてきました」

船曳さんによると、日本人論ブームの第1期は日清・日露戦争の富国強兵の時期の「武士道」(新渡戸稲造著)や「代表的日本人」(内村鑑三著)など。西洋の先進国と比較し、日本をポジティブに評価しようとした外向きの時代だ。第2期は29年世界恐慌から開戦ごろまで。九鬼周造の「『いき』の構造」など「日本は非西洋である」を前提に日本の伝統に価値を求めた内向的な時代。

◇出版側「自主規制」も

第3期は敗戦から経済復興までの半世紀。「『菊と刀』から『ジャパン・アズ・ナンバーワン』まで、右肩上がりでも『これでいいのか』という不安を背景に、長く日本人論が読まれてきた」と船曳さんは言う。「今回は第2期に似ている。第2期の不安の相手は西洋だったが、今は中国や韓国を意識している点が特徴。人口減など将来に不安を抱えた日本人が未来に明るいものが見えないゆえに、古来の伝統や西洋人からの評価に価値や癒やしを求め、日本人、ひいては自分自身のアイデンティティーを守ろうとしているのでは」と分析する。

一方、このブームは出版現場に影を落としているようだ。

中堅出版社の編集者は「売れる売れないだけでなくイデオロギー面でも自粛ムードが漂う。安倍晋三政権批判や、中国や韓国に好意的な本の企画が『反日』出版社というレッテル貼りを恐れて通らない。ジワジワと自主規制が広がっている」。

サブカルチャーをけん引する太田出版の前社長で、今は生活クラブ運動系シンクタンク「市民セクター政策機構」で隔月雑誌「社会運動」を編集する高瀬幸途さんは、「批判的な知性こそが90年ごろまでの出版文化の背骨を支えてきた。しかし今は自国に批判的な言説は読者に嫌われる。編集者は広告代理店のようにデータ分析し、手を替え品を替え売れ筋を狙う。結果、肯定的言説の本があふれ、編集者も読者もそこに溺れている」と語る。

日本礼賛本を「自己啓発本の変種。不安な時代に自己否定的にならず、自己肯定するための実用ツール」と見る高瀬さん、「本は本来、内面の反省を迫る存在だったはずなのに」と懸念する。

船曳さんからはこんな一言も。「適度なお国自慢は望ましいが、『いいことだらけ』とか『世界で一番』とか、他国を見下すところまで行くと、排他的になり、社会は劣化する。自国の首を絞めます」

日本を礼賛し過ぎて、自国の足を引っ張ったのでは笑えない。

【私の論評】日本礼賛は日本の真の強みを見出し、それを伸ばし再び大きく成長させ世界のトップランナーになるきっかけを作り出すことになるだろう(゚д゚)!

図書館には今でも大量の左翼本があるが・・・・・・・

上の記事、魚拓にする意味も含めて、全文掲載させていただきました。実際、ウェブ魚拓にも登録させていただきました。これは、確かに潮目の変化かもしれません。

それにしても、上の文章の最後の結論「日本を礼賛し過ぎて、自国の足を引っ張ったのでは笑えない」はいただけません。現実は、「日本を"批判"し過ぎて、自国の足を引っ張ったのでは笑えない」状況にあったというべきです。特に毎日新聞は・・・・・・・・。

わずか2~3年前までは、いわゆる「日本ダメ論」というか、日本エレキテル連合の台詞ではありませんが、「日本ダメよダメよダメダメ」論といっても良いくらいの言説が巷にあふれていました。

日本エレキテル連合

その潮目は2013年頃から変わりはじめたように思います。それについては、このブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
政権批判ばかりのメディアや「ダメダメ」論の学者はもういらない! いま、国民が知りたいのは「どうしたら暮らしが良くなるのか」である!―【私の論評】これからは、「良くなる」「良くできる」論が幅を効かせて行く時代!!潮目の変化を見れない政治家やマスコミは没落していくのみだし、没落したほうが世のため人のため!!

この記事は、2013年の3月のものです。ブログ冒頭の記事のように、2011年には東日本大震災が発生しており、そこから日本礼賛の兆しがみえはじめていましたが、まだまだの水準でした。しかし、2012年年末の衆院選挙あたりから、日本礼賛ブームが始まったように思います。

ただし、まだ本格的なブームになっておらず、13年には、いわゆる「日本ダメ論」か影を潜めるようになったのだと思います。それとともに、嫌韓本や、嫌中本が隆盛を極めたのだと思います。それとともに、リフレ本も良く売れていました。

このリフレ本が、実は日本礼賛本の前ブームだったのではないかと思います。日本はまだまだ経済的にも捨てたものではない、「日本は駄目」ではなく、経済的にもまだまだ成長する見込みがあるということで、流行ったのだと思います。あからさまに、日本を礼賛するというよりは、まずは日本の経済を見直すというところから、日本礼賛ブームが始まったように思います。



そうして、14年には、嫌韓本・嫌中本もピークを迎えたようです。とにかく、このピークを逃すまいと、評論家やジャーナリストが嫌韓・嫌中国の稼ぎどきの最後と見定めたのでしょうか、これでもか、これでもかという具合に出版していました。こうなると、消費者も飽きてしまい、おそらく、今年はこのブームは去ることでしょう。

そうして、日本エレキテル連合「ダメよダメよダメダメ」のブームは、やはりこの時期であればこそだったと思います。人々の潜在意識の中に、「日本ダメ論」への反発があり、あの「ダメよ」のフレーズや彼女らの態度などが、まるで「日本ダメ論」を揶揄しているようで、多くの人々の琴線に触れたからこそ、ブームになったのだと思います。おそらく、昨年より前とか、後であのようなブームはみなかったと思います。

嫌韓・嫌中本のブームが去るもう一つの原因としては、現代韓国や現代中国の歴史は、日本などと比較するとかなり短いことがあげられると思います。両国とも、その歴史は100年未満しかありません。過去の中国などの歴史は、現代の中国や韓国などとは何のつながりもないわけですから、現状の韓国や中国のある程度ドキュメントが出てくれば、それ以上は中身がなくなってしまいます。これだけの書籍が出版されていますから、いまさら何か新しいことを書くにしても、書きようがないわけです。これから、中韓で今までにない全く新たな出来事が起こらなければ、新たなブームは起こらないでしょう。

おそらく、宮崎正弘氏のように、実際に何回も中国に出向いて歩きまわり、そこから様々な現象を読み解くというような書籍は、これからも売れ続けるでしょうが、その他のものはなかなか売れなくなるでしょう。

宮崎正弘氏

それに比較すると、日本の場合は日本という国の概念ができあがってから、1000年以上になります。この歴史はさらに古くて、2000年前はどうなのか良くわからないというのが実体だと思います。さらなる歴史研究が待たれるところです。

とにかく、建国の歴史なども神話等に残っているということで、あまりにも古くて判然としないというのが、日本の現実です。しかし、1000年以上の歴史(何かしらの事物が時間的に変遷したありさま、あるいはそれに関する文書や記録)があるということ、そうしてそれが現代日本にも継続されている伝統・文化があるということで、これは書いても書いても、書ききれないくらい豊富な史実があります。

しかも、戦後の長きにわたってこれらの史実の中には、葬り去れたように表に出てこなかったものが多数存在します。多くの読者の興味をそそりそうな話や、意外な話が山のように存在します。

まずは、日本礼賛という形でも良いですから、これを契機に多くの人々が日本の特異性、特殊性を知っていただければ、このブームも良い事だと思います。

ブログ冒頭の記事では、日本礼賛をネガティブに見ていますが、私はそうではないと思います。そもそも、組織でも人でも悪いところばかり見ていていては、何にもなりません。そのわかりやすい事例を以下にあげてみようと思います。

最近はiPone用のストアコンパリゾン用アプリも提供されるように
なり格段にやりやすくなっが、その本質を知らない人も多い。

私はかつて、ストア・コンパリゾン(直訳:店舗比較)といって、多くの競合店を調査し、自店の改善を行うということを実施していたことがあります。これは、自分の店の近くにある競合店を調べて、個々の競合店が本当に競合しているのか、していないのか調べる手法です。自分の店と似たような商品を近くの店で販売しているからといって、必ずしも競合しているとは限りません。また、競合していたとしても、全部が競合するとは限りません。それを明らかにする手法です。

その一環として、部下を競合店に派遣して調べさせたのですが、この調査では実施する人によって、調査内容にかなりの差異がありました。結論からいうと、駄目な人は、競合店の悪いところばかり報告します。「あれが駄目だった。これも駄目だった。あそこが汚く汚れていた」という具合に、悪い点ばかり目につき、それを中心に報告をします。しかし、これほとんど役にたたないし、それに競合店の悪いところの列挙など簡単で、極論すると小学生にだってできることです。たとえ、それを知ったにしても、もう自分の店は、他店よりその部分では優れているのですから、対応のしようがありません。

優秀な人は、競合店の良いところを見つけてきました。これは、本当に役にたちます。たとえば、「競合店の食料品売り場では、このようなことが行われていて、それが非常に良い効果を産み出している」とか、「競合店の靴売り場は、来店者の靴とグレードが一致していて、良く売れている」、「女性もの衣料品売場の商品回転率は非常に高く、それはこういう工夫があるためである」などと具体的にしかも、良い点を報告をします。

こういう報告ですと、相手の良いところと自分の店を比較し、その良い部分を競合店よりもさらに伸ばすとか、とてもその部分では勝てそうにもないということになれば、自分の店の他の良い部分を伸ばし、その店との差別化を図ることができます。競合店の本当の強さを見極めることができ、対策も容易になります。しかし、競合店の悪いところばかり知っても、良い対策などできません。

これは、人を見る場合でも同じことです。人を見る場合に、その人の悪い点ばかり、あげつらねるというのは、小学生にもできる簡単なことです。そうして、そのような態度で人を見ていては、その人を育てることもままならなくなります。



人を見る場合でも、その人の良いところを見いだすという視線でみるのが、優秀な管理者のすることです。良いところをみいだせば、その良いところをさらに伸ばすということで、その人を育てることができます。悪いところばかりみていて、それを注意するだけでは、人は育ちません。

会社という組織は、学校とは違います。学校なら、習う教科はすべて決まっていて、本人の得意・不得意は別として、すべての教科を学ばさなければなりません。しかし、会社は、経済的な主体であり、何をさておきまず経済的な利益を得るのが目的の組織です。

そういうところで、学校のようにすべての教科を学ばせるように、何でもできるようにする必要などありません。業績を出すために、自分の出来ないこと、不得手なことをもってしてしなければならないなどという規則はありません。

自分のできる方法、自分の得意な方法で業績をあげ、成果を出せは良いのです。それに会社に入るほどの年齢の人の場合は、義務教育は終えて高校もしくは大学以上を卒業した人ですから、こういう人たちは、家では躾けられ、学校である程度を教育を受けてきて、その中ですでに得手・不得手は決まっていて、不得手なことを会社に入ってから直すということは非常に難しいです。

そんなことからも、会社では、不得意なことを直すのに時間をかけるよりは、得意なところをより伸ばしすみやかに成果をあげさせることが重要です。ただし、業務に支障がでるような、基本的な事柄については、これは当然是正すべきです。



日本という国を見る場合も同じことです。普通の人は、日本の悪い点ばかり目につきがちです。
いずれの国にも欠点があり、完璧な国などのこの世に存在しません。悪いところをあげれば切りがありません。しかし今まで、日本が存続し、成長してこれたのには、良いこともあったからです。

その良いところを見いだし、それをさらに伸ばすことができるようにならなければなりません。悪いところに関しては、単に現在の延長線上でものを考えで、その悪い部分を政府や安倍総理などの特定の人のせいだけにするようでは発展はありません。仕組みや、制度を変えるとか、新たに作り出すという姿勢が重要です。それなしの批判は、不毛です。

今までの日本は、日本のメディアも、識者もこぞって、これでもか、これでもかと、とにかく日本の弱みに着目して、日本を貶めるだけで無意味なことを繰り返すか、確信犯的に日本の弱体化を図ってきました。

しかし、いくらメディアや、似非識者どもや、中華スパイなどが、日本ダメ論をぶちあげようとも、そんな馬鹿話に多くの国民は惑わされなくなるどころか、嫌気がさし今のところは、日本礼賛本がブームになりかけているのだと思います。

日本礼賛論は、日本の真の強みを見出すきっかけを作り出すかもしれません。そうなれば、日本の真の強みをさらに伸ばし、また日本は大きく成長することになり、世界のトップランナーとなることができるかもしれません。

これだけ長い間にわたり、「日本ダメ論」や「自虐的歴史観」などに、苛まされ続け、さらには民主党政権が3年も続いてもこれだの経済力や、国体を維持できているということ、この事自体が日本の強みです。日本人がこの強みに気付き、それを伸ばすことに努力するようになれば、とてつもないことになります。

このブログは、これからも単に日本を礼賛するというのではなく、日本の真の強みを見出していくつもりです。それが、長年「日本駄目論」に翻弄されてきた、今の日本と日本人にとって、一番良いことだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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