ラベル 国際法違反 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 国際法違反 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年1月8日火曜日

レーダー照射:国際法違反を知られたくなかった韓国―【私の論評】海自哨戒機レーダー照射の背後に北朝鮮あり(゚д゚)!

レーダー照射:国際法違反を知られたくなかった韓国

韓国軍が海自哨戒機にレーダー照射、日本に難癖つける本当の理由




日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)で韓国海軍が
行った上陸訓練の様子(2013年10月25日撮影、資料写真)

2018年12月20日、韓国海軍軍艦が海上自衛隊の「P1」対潜哨戒機に射撃管制レーダー(射撃レーダー)を照射した。

この事実は、海自哨戒機の飛行員の緊迫した会話や撮影映像から、明白である。

にもかかわらず、韓国国防省は認めようとはせず、そればかりか、日本の海上自衛隊機が異常な接近飛行を行ったと難癖をつけ、「陳謝せよ」と抗議している。

■ 韓国はなぜすぐばれる嘘をつくのか

これまでの韓国の主張には、一貫性がなく、論理矛盾がある。

韓国が、海自哨戒機が韓国軍艦に異常接近したとする映像を公開した。その映像には哨戒機が遠方に写っており、どう見ても異常接近しているようには見えない。

航空機を真上に見上げれば、その腹底が見えるはずだが、そうではない。戦闘機であれば、急降下や急上昇できるが、哨戒機は、そのようなことはできない。

韓国海軍軍人には当然分かっていることだし、軍事常識でもある。

韓国は、それを認めようとはせず、発表していることが論理矛盾を起こしていながらも、頑なに日本を非難している。

軍事知識がない人は騙すことができても、軍事知識がある人を騙すことはできない。

韓国軍人も国防省の幼稚な発表に恥ずかしい思いをしているに違いない。

支離滅裂で論理矛盾を起こしてまでも、なぜそのようなことを発表するのか――。

■ 日本の経済水域内で北朝鮮と何をしていたか

そこには、多くの謎があると考えるべきだろう。

韓国軍艦がレーダーを照射したことは重大な事態であり、日本としては非難しなければならない。

だが、もっと重要なことは、レーダーを照射すれば、日韓関係に重大な影響を及ぼすことが分かっていながら、行ったということだ。

当然、そこには、重大な意図が隠されていると見るべきだ。

そして、韓国はその意図を読まれないように、「日本は馬鹿げたことを言って」と、論点をすり替えている。

この事案で、私が最も注目しているのは、防衛省公表の映像だ。

韓国軍艦が射撃レーダーを照射した時、韓国の海軍軍艦と海洋警察警備艇がほぼ同じ海域で海上警備活動(救助? )を行い、その近くに、北朝鮮の漁船(軍や工作機関が漁業に使用している船か)が存在したことだ。

防衛省が発表した動画「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」より

その海域は、韓国の近海ではなく、日本の経済水域に深く入り込んだ海域だ。その海域で、偶然にしても、これら3つの船が1か所に集まることは、全く考えられないのだ。

韓国は救助活動だと発表しているのに、戦闘艦艇である駆逐艦までもが、そこにいたことは不自然極まりない。

■ 南北朝鮮の密接な行動は国際法違反の可能性

この3つが集まっている理由を考察すると、上記の漁船が、燃料不足になり漂流、その船から北朝鮮の本国に救助依頼を行った(漁民が乗る漁船は、連絡できる通信機を積載していない)。

その連絡を受けた北朝鮮の機関が金正恩政権に報告し、北朝鮮と韓国のパイプを使って、韓国の文政権に連絡、そこから国防省や海洋警察に連絡、それにより、2隻の艦艇が出動したものと考えられる。

北朝鮮漁船、北朝鮮工作機関、北朝鮮政府、韓国政府、韓国国防省、韓国海軍、韓国海洋警察の連携がないと、3隻が海上の同一ポイントに集合することはできない。

つまり、南北がかなり密接に行動していることがうかがえる。

さらに、映像から判断すると北朝鮮の漁船は沈没しそうな状況ではなく、エンジン故障か、燃料不足で浮遊していたように見える。

おそらく、燃料切れになっていた北朝鮮の漁船に、燃料を提供していた可能性がある。

このことを海自哨戒機に接近して見られたくなかったために、射撃レーダーを照射して、嫌がらせを行い、海自哨戒機を追い払ったのではないだろうか。

韓国がレーダー照射を否定し、海上自衛隊の哨戒機の行動を非難しているのは、これらの南北の動きを知られないために、韓国による問題のすり替えにほかならないと、私は考えている。

■ 韓国と北朝鮮の間にある密約

私は、北朝鮮と韓国の間に、密約がいくつか存在していると考えている。

文大統領が北朝鮮への制裁解除を求めるために、世界中を使い走りしていることからもうなずける。

密約の一つとして、日本海の中央付近で漁業活動する北朝鮮の漁船を、遭難した場合に韓国が守る。

さらに、北朝鮮の漁船に燃料を補給する。つまり、南北が、国連制裁決議破りを日本海の海上で行っていると見てもおかしくはない。

この事案を契機に、日本国がこれから行動すべきことは、日本の国益を守ることだ。

具体的には日本の経済水域を守ること、海上自衛隊は、北朝鮮の漁船を不法に入れないことだ。

また、韓国艦艇が救助と称して、北朝鮮の漁船に燃料を提供するという国連制裁決議違反をしていないかどうかを監視すべきだ。

韓国が何を言おうが、日本海の警戒監視を、引き続き実施することが必要である。

文在寅政権の韓国は、南北融和と軍事的合意事項の履行、反日活動の活発化、今回の事案などにより、日本や米国との友好国の立場から離脱し始めていると見てよい。

日本人や日本のメディアは、目の前の事象だけにとらわれずに、朝鮮半島で起きていることが、日本に脅威になりつつあることを改めて認識すべきだ。

日本と南北朝鮮との安全保障関係は、重大な変換点に来ていると言っても過言ではない。

【私の論評】海自哨戒機レーダー照射の背後に北朝鮮あり(゚д゚)!

レーダー照射に関しては、このブログでもその理由について解説したこともありますし、他のメディアでもいろいろといわれています。しかし、冒頭の記事のように、韓国による北朝鮮制裁破りというのが、最も核心をついているように思います。

そもそも過去には、韓国による制裁破りが実際に行われていました。

このブロクではすべてを網羅はしませんが、目立ったものだけを以下に掲載します。

極めつけは大統領専用機の制裁破り

極めつけはなんと言っても文大統領の専用機の制裁破りでしょう。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【コラム】文大統領専用機はなぜ米国で給油できなかったのか―【私の論評】文在寅は、米国による北朝鮮制裁の韓国への厳格な適用の事実を隠蔽しようとした?
チェコを訪問した文大統領

詳細は、この記事をご覧いただくものとてして、文大統領が乗る大韓民国空軍1号機は言葉こそ「空軍1号機」だが、実際には軍用機ではなく、民間から賃借したチャーター機ですが、その「空軍1号機」が制裁を受けている可能性があるのです。その可能性に関わる部分を以下に引用します。

"
昨年9月に文大統領は、北朝鮮の平壌に行ったときにこの民間航空機である「空軍1号機」を用いているのです。

そこで、米国の北朝鮮に対する独自制裁について調べてみました。米国版のWikipediaを調べると、以下の記事がありました。
Sanctions against North Korea
この記事の中に以下のような文書がありました。
Also any aircraft or ship upon entering North Korea is banned for 180 days from entering the United States.
これを訳すと、「北朝鮮に入ったいかなる航空機も船舶も、180日間米国に入国できない」です。これによれば、民間であろうが、軍用機であろうが、北朝鮮に入った航空機は、180日間米国に入国できないことになります。確かに、このような制裁が存在するのです。
"
この条文の通りに解釈すると、文大統領の「空軍1号機」は確かにこの条文に抵触しており、90日間は米国に入国できないことになっていました。

ちなみに、この可能性は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年チェコ・アルゼンチン・ニュージーランドの3カ国を訪問したときに。当初は米国に立ち寄るという予定だったにもかかわらず、それを直線になって変更して、チェコに寄ると発表したのです。

この変更が韓国内で「文大統領はなぜチェコに行ったのだろうか」という疑惑を生むことになったのです。

その疑惑は、簡単にまとめると、文大統領は当初米国に立ち寄り、給油してアルゼンチンに向かおうとしたのですが、文大統領の専用機「空軍1号機」は、昨年の9月に北朝鮮に入っているため、米国に制裁を適用されてその後90日間米国にできなかったため、米国ではなくチェコに寄ったのではないかというものです。

おそらく、米国としては昨年9月の文大統領の平城訪問は、米国に意図に反したものであり、厳格に米国による北朝鮮制裁の一環として、文大統領の「空軍第1号機」米国への寄港を認めなかったのでしょう。

石炭の北から韓国への事実上の輸出

VOAによると、シエラレオネ船籍の「リーチ・グローリー」が昨年7月4日、釜山港に入港した。全世界の船舶の出入りや位置情報を表示する「マリントラフィック」によると、韓国時間の4日午前11時58分、同船の船舶自動識別装置(AIS)の信号が釜山港で感知されました。

「リーチ・グローリー」は一昨年10月11日、北朝鮮産の石炭を浦項港に降ろし、その1ヶ月後にも浦項港に入港。11月16日には墨湖港に停泊しました。その10日後の26日には蔚山港、12月8日・15日・20日には釜山港に入港しました。

さらに、昨年1月1日と2月2日に平沢、1月27日に釜山、2月18日に仁川に入港、停泊しました。その後の4月1日、4日に平沢、4月10日と5月22日に釜山、4月18日に仁川に入港し、今月4日以降は日本に向かいました。

「リーチ・グローリー」は昨年10月から9ヶ月間に16回にわたり韓国に入港しましたが、韓国政府からは何の制裁も受けていません。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは、この船舶を違法船舶だと指摘していました。

国連安全保障理事会は一昨年12月、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて採択した制裁決議2397号で、違法行為に加担したり違法な品目を運搬したりしたことを示す合理的な根拠がある船舶に対して、国連加盟国が押収・検査・凍結の措置を取ることができると定めています。

ただし、ロシアのハサン港、北朝鮮の羅津(ラジン)港を利用、または鉄道を利用してロシア産石炭を他国に輸送することについては適用を除外しています。

一方でパナマ船籍の「スカイ・エンジェル」も、一昨年10月2日に北朝鮮産石炭を仁川に降ろして以降、昨年6月14日に蔚山港に入港するまでの間、釜山、玉浦、蔚山、平沢の各港に出入りしている記録が残っています。

VOAは昨年7月16日、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが最近公開した「年次報告書修正版」によれば、北朝鮮産の石炭を積んだ複数の船舶が一昨年7月から9月の間に6回、北朝鮮の港からロシアのホルムスク港に向かいました。そこで石炭が「リーチ・グローリー」と「スカイ・エンジェル」に積み替えられ、韓国に向かったと指摘しています。

これに対して韓国外務省のノ・ギュドク報道官は昨年7月の19日の記者会見で「安保理決議に違反する違法行為と関連のある船舶は、合理的な根拠がある場合に押収できる」とし、関係当局の調査が行われており、適切な措置の検討が行われると述べました。同時に「総合的な判断は調査が行われてから可能だ」とも述べましたが、制裁破りの石炭輸出に何の制裁も加えなかった韓国に対する批判が高まりました。

韓国政府が北朝鮮へ石油80トンを搬入

韓国政府が開城工業団地の南北共同連絡事務所の開設のために、国連安全保障理事会が禁輸品目に指定した精油製品約80トンを北朝鮮に搬出していたことが分かっています。昨年8月22日付の韓国・中央日報が伝えました。 

21日、国会外交統一委員会幹事で自由韓国党の鄭亮碩(チャン・ヤンソク)議員が関税庁などから入手した資料によると、6~7月に石油と軽油8万2918キログラムが北朝鮮に搬出されたといいます。金額は約1億300万ウォン(約1010万円)相当です。このうち、再び韓国側に搬入された量は1095キログラムで100万ウォン(約9万8000円)相当でした。

韓国政府当局者はこれに対して、「開城に送られた物資は、北朝鮮に滞在するわれわれ韓国側の人員が使用するので制裁対象ではない。北朝鮮へ経済的利益は与えない」と説明しました。しかし、鄭亮碩議員は「韓国側の人員が使うとしても、連絡事務所が北朝鮮にあるので問題だ」とし、「制裁関連の協議が終わる前に、執行を先走ったものだ」と指摘しました。

米国務省も19日、「南北関係の改善は、必ず非核化の進展と正確に歩調を合わせて行わなければならない」と警告しました。

一方の北朝鮮は、開城共同連絡事務所の開設を口実に制裁を解除するよう韓国政府に迫っていました。北朝鮮の対韓国宣伝媒体「わが民族同士」は(昨年8月12日、「(板門店宣言が履行されない原因は)米国の対朝鮮(北朝鮮)制裁策動とそれに便乗した南側の不当な仕打ちにある」とし、「共同連絡事務所の作業に必要な数キロワット容量の発電機の持ち込みさえ思うように決心できずにいる」と主張しました。 

昨年9月14日、北朝鮮の開城で行われた南北共同事務所の開所式で、握手する
韓国の趙明均統一相(左から2人目)と北朝鮮の李善権?祖国平和統一委員長

今回の事件の背後には北と韓国の密約が存在する

欧米各国は「文大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、国連主導の経済制裁の緩和=制裁破りの密約を交わしているのではないか」と分析しているようです。正恩氏による年内のソウル訪問が延期されたのは、「北朝鮮が、韓国の約束違反に激怒した結果で、今も文氏を責めている」という情報があります。

米CIA(中央情報局)は昨年末、「ソウル拘置所に収監中の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が12月30日にも保釈される」という未確認情報を入手し、慌てました。北朝鮮が「正恩氏暗殺計画の首謀者」として、朴氏の身柄の引き渡しを韓国に要求していて、文氏が北朝鮮のご機嫌取りで実行する懸念があったというのです

トランプ政権内では、文政権への不信感、警戒感が爆発し、「北朝鮮への制裁破り」で、韓国へのセカンダリー・ボイコット(二次的制裁)の検討が始まっています。今回のレーダー照射問題は異常過ぎます。米国は「韓国駆逐艦は本当に救助活動中だったのか?」「北朝鮮漁船の目的は何か?」「なぜ、韓国は非を認めることができないのか」と、重大な関心を持って調査に乗り出したのです。

海自哨戒機などの情報収集によって、日本は決定的証拠を握っています。

トランプ大統領は文政権を、北朝鮮と一体の「反米・反日レッド政権」「敵性国家」と見て、本気で「在韓米軍の撤退」「米韓同盟の破棄」を考えています。それを唯一止めていたのはマティス氏でした。ところが、昨年12月31日付で退任しました。

今回の海自哨戒機へのレーダー照射も、背後に北朝鮮がいるものと考えるのが妥当です。韓国艦艇は、おそらく北朝鮮の漁船に対して、恒常的に給油を行っているのです。そうして、それはおそらく北と韓国のと密約によって行われているのでしょう。

そうでないと、制裁で疲弊したはずの、北朝鮮から大和堆まで大量の北朝鮮漁船が虎の子の燃料を使ってまで押し寄せたり、日本各地に北朝鮮の漂流船が多数漂着するはずもありません。日米としては、さらに物証を集めて分析したうえで、韓国にだけではなく、北に対しても抗議をすべきです。

さらに、抗議するだけではなく、北にはさらに制裁を強化し、韓国に対しては、本格的に二次的制裁を課すべきです。

韓国については、いわゆる「元徴用工」判決や、慰安婦合意の事実上破棄、竹島問題もあります。日本はこれ以上、「無法国家」の横暴は断固許してはならないです。

【関連記事】

2016年12月17日土曜日

【緊迫・南シナ海】中国海軍艦船が米海軍の無人潜水機奪う 米政府は「国際法違反」と非難―【私の論評】南シナ海を中国戦略原潜の聖域にする試みは最初から頓挫か?


中国軍艦が奪った無人水中探査機の同型機
米国防総省のジェフ・デービス報道官は16日、南シナ海で米海軍の無人潜水機が、中国海軍の潜水艦救難艦に奪われたと明らかにした。米政府は国際法違反と非難し、中国政府に即時返還を要求している。

 事件があったのは15日、フィリピン北部ルソン島にあるスービック湾の北西約93キロの海域。米海軍の測量艦「バウディッチ」が、2機の無人潜水機を回収しようとしていたところ、潜水艦救難艦が約450メートルのところまで近づき、小型ボートを出して1機を奪った。

米海軍の測量艦「バウディッチ」
 バウディッチは無線で返還を求めたが、潜水艦救難艦は応答せず要求を無視した。デービス報道官は中国の行動を「国際法違反」と批判した。

 報道官によると、無人潜水機は海水の温度や塩分濃度、透明度といった「非機密扱いの情報」を収拾していた。ただ、無人潜水機によって収集された海底の地形などを含む情報は通常、潜水艦の航行や対潜水艦作戦に活用されている。

 米海軍艦船はスービック湾を使用し、その沖には中国とフィリピンが係争するスカボロー礁もあり、今回の事件の周辺海域は“前線”の一つとなっている。

【私の論評】南シナ海を中国戦略原潜の聖域にする試みは最初から頓挫か?

さて、今回の中国艦船による、無人水中探査機の強奪については、どのメディアもあまり詳しく解説してはいないものの、これは軍事的にはかなり大きな意味を持つかもしれません。

この無人潜水艦に関しては、冒頭の記事を読んでいるだけでは、どのようなものなのかあまりわからないと思います。実は、これについては以前このブログに掲載したことがあります。

女子生徒が航空機内から撮影した北朝鮮ミサイルの可能性がある
被写体。右側に飛行機雲のような筋が見える=8月24日午前。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、無人水中探査機に関する部分のみ以下にコピペします。
さて、空中のドローンに関しては、まだ、想像の域を超えていないのですが、それに良く似たものである、水中ドローンに関しては、すでに日本は開発を終えています。

それは、シーグライダーと呼ばれています。その外観はロケットに似ています。その小さな翼で水中を進み、毎時1キロメートル未満で非常にゆっくり移動します。電力消費量は極めて少ないです。

分解したシーグライダー ワシントン大学応用物理研究室が、
地球温暖化による氷河の変化を観察するため開発したもの
 結果として、それは一度に何ヶ月も海中にとどまることができます。2009年には、一挺のシーグライダーが、一回のバッテリー充電のみで大西洋を横断しました。横断には7ヶ月かかりました。
シーグライダーのおかけで、科学者たちは、以前には不可能だった多くの事ができるようになっています。シーグライダーは、海底火山を観察することができます。氷山の大きさを測ることができます。魚の群れを追うことができます。

上で掲載したシーグライダーを水中に投下するところ
さまざまな深度で水中の汚染の影響を監視することができます。科学者たちは、シーグライダーを利用して海底の地図を作成することまでも始めています。

シーグライダーはすでに、数ヶ月も継続する任務を遂行することが可能になっています。ところが、日本の研究者は現在、SORAと呼ばれる太陽光発電を使ったグライダーを開発中で、この船は再充電のために2、3日間海面に出れば、その後作業を続けられます。結果として、必要な何年も海に留まることができます。
理論的には数年間探査が続けられるソーラーパネルを装備したシーグライダー
 現在、シーグライダーを製造するにはおよそ15万ドル費用がかかるとされていますが、それがなし得ることを考えれば、その費用は非常に小さいです。シーグライダーを使えば、企業は石油とガスの探索のために海底調査ができますし、政府は軍事情報を収集できます。
シーグライダーは敵に見つかることなく海面にいる船舶や、近くを通り過ぎる有人潜水艦を特定できます。日本では、軍事転用はまだのようですが、日本の技術をもってすれば、容易にできることです。
この内容は、たまたま私が用いている英語学習教材の『毎日の英速読』というテキストから、日本語訳の部分を引用して加筆したものです。このシーグライダーもしくは、それに似たものが、今回中国の艦船に強奪されたものだと推定できます。

さて、南シナ海というと、中国がなぜ南シナ海にあれほどまでにこだわっているのか、それに関してこのブログに以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国の膨張路線は止まらないが国際社会から強い逆風 南シナ海のハーグ裁定―【私の論評】通常戦力で勝ち目のない中国は、南シナ海に戦術核を配備する(゚д゚)!
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA) 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結局中国がなぜあれほどまでに、南シナ海に執着するかといえば、中国近海や、東シナ海などは海が浅いため、そこを中国の戦略原潜(SLBM搭載)が航行した場合、日米によりいとも簡単にその行動を逐一発見されてしまうのですが、南シナ海は深いので、その深いところを航行するとなかなか発見しずらいので、ここを中国の戦略原潜の聖域にしようとしているからです。

南シナ海の平均深度は1200メートル以上です。海盆の平均水深は3500メートル、最深部は約5600メートルにも及びます。中国は戦略ミサイル原潜を4隻配備し、潜水艦発弾道ミサイルを核抑止力の重要な柱にしています。

南シナ海から米軍を追い払えば、冷戦時にソ連が戦略原潜(SLBM搭載)をオホーツク海に潜ませたのと同じように、中国は南シナ海に戦略原潜(SLBM搭載)を自由に展開できます。海南島を出発した最新型の潜水艦が深く潜航し、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通って西太平洋に抜けることが可能になるのです。

従来は深海から発射される核弾頭(SLBM)はなかなか発見できなかった
これにより、中国のSLBMは米国本土全域を標的にすることができるのです。ところがです、軍事目的のシーグライダーが南シナ海に配備されているとなると、中国のこの目論見は完全に外れてしまうことになります。

このシーグライダーは、当然中国の戦略原潜の動向もキャッチできるものと思われます。今回中国に強奪されたものはどのようなものかはわかりませんが、中国としては、このシーグライダーにかなりの脅威を感じているようではあります。

中国がせっかく、長年努力を傾注して、南シナ海を中国原潜の聖域にしようとしても、米国側に南シナ海にシーグライダーを多数設置し、中国原潜の動向を探っていたとしたら、そもそも聖域になりません。

米軍が、このシーグライダーを南シナ海の各所に多数配置して、有人潜水艦や、無人潜水艦、空中ドローン、イージス艦など多数配置して、これらを連動させるようにすれば、中国戦略原潜が不穏な動きをみせれば、すぐに撃沈できるようになります。

イージス艦、潜水艦、空中ドローン、シーグライダーの連携作戦の模式図
実際、今回中国側に捕獲されたシーグライダーがどの程度の能力のものかはわかりませんが、シーグライダーを戦術的に活用しようとするなら、今はそこまではいっていなくても、将来はそのようにするのは当然のことです。

そうして、中国では未だシーグライダーの技術は進んでいないと思われます。今回の強奪は、米軍のシーグライダーがどの程度の能力を持っているか確かめるためと、中国もシーグライダーを開発するため、技術を盗むという目的もあるものと思います。

もし、今回強奪さた米軍のシーグライダーの技術水準が高ければ、すでに中国による、南シナ海の原潜の聖域化は頓挫してしまっているかもしれません。

日本も、シーグライダーの軍事転用はすでに実行しているのかもしれません。実行していようがいまいが、日本も当然のことながら、軍事転用をして、中国原潜の動向を詳細に探索できるようにし、中国海軍を丸裸にして、日本の安全保障を確かなものにすべきです。

日米の数百ものシーグライダーが、南シナ海での中国原潜の動向を逐一探索できるようにすれば、中国の南シナ海の領有化は全く無意味なことになる可能性が大です。

それどころか、このシーグライダーのさらなる開発により、SLBMを所有する核保有国は、核戦略の見直しを迫られることになるかもしれません。

「はやぶさ」などで遠隔操作に実績のある日本が、本気で軍事シーグライダーや、軍事ドローンなどを開発したら、世界のトップレベルのものができます。そうなると、比較的低予算で、満足のいく安全保障策が実行できるようになります。

私の勝手な妄想ですが、海中では、無数のシーグライダーと自動運転魚雷が待機していて、敵が不穏な動きを見せたら、シーグライダーがそれを探知し、必要があれば、自動運転魚雷が即座に敵の艦艇などを撃沈するなどのシステムができたら良いと思います。

空中でも、少なくとも数週間から、数ヶ月くらい飛ぶこのできる軍事探査ステルス・ドローンが常時複数日本の領空・領海上を24時間飛び回り全域を哨戒し、敵が不穏な動きを見せれば、ドローンより、探査情報がこれも多数配備された日本のミサイル基地に連絡がいき、即座に敵のICBMや、SLBM、航空機などを破壊できる仕組みができたら良いと思います。このような仕組みができれば、そもそもスクランブルなど必要がなくなります。

それにしても、ここにきて、軍事技術の急展開がありそうです。そうなれば、ロシアなどの軍事技術も時代遅れになるかもしれません。そうして、日本が世界のトップクラスに躍り出るかもしれません。

【関連記事】



中国が優勢、南シナ海でのエネルギー争奪戦-米国には不愉快な実態―【私の論評】中国の南シナ海進出 - エネルギー・ドミナンス確立が狙い

中国が優勢、南シナ海でのエネルギー争奪戦-米国には不愉快な実態 まとめ ベトナム、フィリピンは国内の天然資源開発を計画していたが、中国の南シナ海における一方的な領有権主張と強硬な行動により妨げられている。 中国は法的根拠が不明確な「九段線」「十段線」に基づき、南シナ海のほぼ全域に...