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2017年7月13日木曜日

遅すぎた戸籍公開…蓮舫氏「二重国籍」問題、第2ステージの開幕 八幡和郎氏緊急寄稿―【私の論評】やはり戸籍謄本は公開せず!あきれた定例記者会見(゚д゚)!

遅すぎた戸籍公開…蓮舫氏「二重国籍」問題、第2ステージの開幕 八幡和郎氏緊急寄稿

蓮舫民進党代表 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 民進党の蓮舫代表は11日の党執行役員会で、自身の「二重国籍」問題をめぐり、戸籍謄本を公開する方針を明らかにした。25日にも開く党両院議員総会で事実関係を説明したうえで、近く謄本を公開するとみられる。東京都議選での民進党大敗を受け、党内外の公開要求に応じざるを得なくなったようだ。夕刊フジで昨年8月、この問題をいち早く指摘し、蓮舫氏の政治的資質を追及してきた評論家の八幡和郎氏が緊急寄稿し、「これは第2ステージの開幕に過ぎない」と、改めて宣戦布告した。

八幡和郎氏
 とうとう蓮舫氏が戸籍謄本を公開するそうだ。私が「“蓮舫代表”は適格か」「『日本国家への忠誠度』に疑問」と、夕刊フジに「二重国籍」の疑惑を書いてから、やっとここまで来た。特に、戸籍謄本は、言論プラットフォーム「アゴラ」編集部が昨年9、10月、公開質問状で開示を求めた書類の1つであるので感慨深い。一連の経緯は、自著『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)に詳しい。


しかし、蓮舫氏の問題の解明は、戸籍謄本の公開で終わるわけではない。何よりも、日本の戸籍法で認められていない「二重国籍」状態を長年放置し、その公開を約10カ月も拒み続けてきたことは、国会議員として決して許されない過去である。

戸籍謄本の公開で分かることは、「国籍選択宣言」という国籍剥奪につながることもある義務を、ようやく果たしたというだけのことだ。それで「二重国籍」が解消されたとは言い切れない。

アゴラ編集部は昨年10月の公開質問状で、戸籍謄本以外に、(1)台湾の当局から受け取った国籍喪失証明書(=これがないと『二重国籍』状態は継続していることになる)(2)台湾の大使館的な役割を担う台北駐日経済文化代表処に提出した台湾旅券を含むすべての書類-なども、すべて公開するよう求めている。

さらに、蓮舫氏に対しては、以下のことも問いただしたい。

「戸籍謄本を見れば容易に知ることができるはずの『国籍選択をしていないこと』に気がついたのはいつか? どんな経緯か?」

「タレント時代に、蓮舫氏は『父は台湾で、私は、二重国籍なんです』(週刊現代1993年2月6日発行号)などと発言している。これは『二重国籍』の事実を知っていたのか? 口から出まかせのつもりで言ったら、結果的に本当だったのか?」


蓮舫氏は公党の代表である。まさか、戸籍謄本を公開するときに、ごく一部だけ、それもコピーの公開にとどめることはないと信じたい。

ここまで、かたくなに公開を拒否していたのは、「何かほかに、国民に知られると都合が悪い重大な問題が記載されているのでないか」と、国民は考えているのである。

【私の論評】やはり戸籍謄本は公開せず!あきれた定例記者会見(゚д゚)!

民進党の蓮舫代表は13日の定例会見で戸籍謄本を公開するつもりはないと意思表明しました。これでは、八幡氏のブログ冒頭の記事での主張も前提が違ってくるでしょうから、これからはさらに厳しい批判を展開することになると思います。

事前の話ではしっかりと公開されるという話のはずだったのだですが一体どういうことなのでしょうか。以下のこの会見の動画を掲載します。



この動画の中から、「二重国籍」にかかわる部分のみをピックアップしているサイトがありましたので、その部分以下にコピペさせていただきます。

産経新聞
11日、執行役員会等で、戸籍謄本を公開する意向があるという形で報じられましたけれども、これについて真偽を改めて伺いたいと思います。
蓮舫
はい。あのー、戸籍謄本そのものとは言っていません。特に我が国におきましては戸籍というのは個人のプライバシーに属するものであり、これまで私も言ってきましたけれども、積極的に、差別主義者、あるいは排外主義者の方たちに言われてそれを公開することがあっては絶対にいけないと、今でも思っています。前例にしてはいけないとも思っています。
ただ、いち私人ではなく、いち公人ではなく、野党第一党の党首として、今特に安倍総理に対して強く説明責任を求めている立場からして、極めてレアなケースではありますけども、戸籍そのものではなくて、私自身が台湾の籍をすでに有していないことがわかる部分。これをお伝えするのは準備があるとお示ししたところです。

記者会見司会者


ちょっとその前にお伝えしておきますけども、あのー今日の戸籍関係についての発言はここまでにさせて頂きたいと思います。

何故なら、今、申請書類を出したり、証明書類を出したり、諸々の書類、それから法的な部分を踏まえながらですね、いま整理をしておりますんで、たぶん明日の夕刻までには、次のその諸々の書類の提示と、全てオープンにしますから、書類の提示と説明、この部分を18日の午後、最後の都議選の総括、そしてそのあと執行役員会と常任幹事会がございます。

その以降に、その説明を終えた以降に、本人が会見の場を持たせて頂きたいと、こう思っておりますから、今日、この場でいろんなことをお聞きしたことがあろうかと思いますけども、今手元の十分な資料もありませんし、しっかり見せるもの、公開すべきものはきちっと火曜日の日にお出しをして、しっかりと説明をしたうえで、それを見て頂いたうえで代表本人の意見といいますか、質問を受けさせて頂くということで約束させて頂きますので、その点はよろしくお願い申し上げます。

明日の夕刻には18日の日程確認をして、皆様方に連絡したいと思いますので宜しくお願い致します。

フリー宮崎
明日の夕刻までには明らかにして、18日にはブロック会議と仰いましたが、明日の夕刻に何を出すと仰ってるんですか?
記者会見司会者

明日の夕刻に18日の日程かんを出します。いま書類を整理中なんです。

経緯表も含めて、それから法的な部分も含めて作ってますから、それを整理してます。

謄本だけ開示すれはいいというわけではないと思ってますから、そこの部分も含めて整理中、それが明日の夕刻までにはしっかり確認できると思います。

夕刻といわず、わかった段階で18日の日程をお示しします。18日はっきりわかっているのは都議選の総括がございます。

そのあと執行役員会がセットされておりまして、常任幹事会がセットされております。それまでに重要な証明書類等々を踏まえてですね、皆様方にご開示いたします。

そこで代表が会見をさせて頂きます。そこで十分お答えしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。経緯について他にありましたらどうぞ。

記者
会見も同じ日にやるんですか?
記者会見司会者
はい。やらせて頂きます。

宮島
ファクターの宮島です。
民進党の綱領にはですね、共生社会とあり、多様性を重視するとある。ま、そういう政党がね、私は考え方を伺いたいんですけど、そういうものをね、ま、それが最大の障壁らしいんですけど、公開するようなね、それって看板に偽りありじゃないですか?
先ほど仰った状況がどうじゃなくてね、本当に説明すべきは、先ほど仰ったようにね、安倍さんどうこうじゃなくて、もっと根本的な、党の綱領てらしてね、やっぱり変だなーとみんな思うと思うんですけど、それ伺いたいですね。中身じゃなくて。

記者会見司会者

ちょっと待ってください。賛否両論あろうと思います。いろんなお考えあろうと思います。
そこの部分はしっかり18日の日に時間をとらせて頂きますから、出すも、公開するものはして、本人の質問も受けさせて頂きますので、そこの意見の部分について、今日はいろんな部分含めて控えさせてください。経緯については結構です。内容については待ってください。
IWJ
説明責任と仰いましたが、何に関して説明をするというのが、この問題の当初からサッパリわからないんですれども、日本国籍であることは明らかなわけですから、二重国籍のことなのか、それとも説明が二転三転したことなのか、何について説明責任を果たそうとしているのかをお聞かせください。

記者会見司会者
その全てをきちっと説明したいと思います
それは先ほども言いましたように、謄本だけの開示だけではなく、本来これはすべきではないとおもってますが、謄本だけの開示ではなしに、これまでの離脱であったり、申請のパスポートであったり、あらゆる限りの書類関係を揃えて用意させて頂いてますから、今日のところは・・・(同じ説明なので略)
宮島
あのね、民進党という村では、女酋長いじめをしてるんだと、私には見えるんですけど、その点はどうなんでしょうかね。やはりこれは民進党の体質なんだと、背中から鉄砲うつと、そういうことじゃないんですか?

記者会見司会者
そのことは中身の分ですから(以下略)
朝日新聞
18日にされることとしては、代表の謄本含めた・・・

記者会見司会者

諸々の書類すべて出させて頂きます。
蓮舫
あのーすいません。今弁護士も含めて整理をしています。ただ多様性を否定するものでなく、わが党の仲間がどうのこうのというものでもありません。私は多様性の象徴だと思っています。その部分では共生社会を作りたいという民進党の理念には一点の曇りもありませ。ただ若干の曇りが私の二転三転した説明にあるという疑念が残っているのではあれば、そこを明確にさせていただきたい。そのことにつきます。
フリー寺田
内容には踏み込みませんから、代表が仰ったことをもう一回確認させてください。
台湾の国籍を有していない、と今仰っていましたが、その一方でしばさん(司会者)はあらゆるものを出すと仰っていましたが、どうなんですか。
蓮舫
あの、しばさん(司会者)の言いぶりが、ざっくり広いというだけだと思います。そこを含めて整理しますので。
※中略 二重国籍問題関連とは違う質問のため略
記者
あのー二重国籍の問題で誠に恐縮なんですけども、蓮舫代表が先ほど言われたですね、排外主義、差別主義者に屈すると言われて公開するのではないと言われましたけども、党内では蓮舫さんが説明を二転三転されたという、それで二重国籍の疑惑がないのかという、マスコミが言わなくなってからも議員さんの方では聞かれてまして、そういう疑問をもつ声をですね、差別主義者、排外主義者とひとくくりにする発言があったと思うですけども、それについてどうお考えなのかなと。
蓮舫
それは受け止め方が完全に間違っています。差別主義者やレイシストの人たちには私は屈しませんし、世の中一般的に絶対にあってはいけません。それと党内の声は別です。



そもそも戸籍公開が求められたのは都議選で惨敗したことを受けて代表としての資格が問われたからだったはずです。戸籍謄本を公開して日本の政治家として過去にも現在にも問題がないということを国民に見せなければ民進党の議員たちも納得しないでしょう。

台湾の籍が抜けているというのは二重国籍問題が浮上したときに手続きしたのだから当たり前の話です。そんなところを見ても意味がないです。

台湾と連絡を取り、きちんと台湾籍を放棄したのはみんなが知っていることです。しかし、ここまでして戸籍謄本の公開を拒むというのはよほど隠したい事実があるに違いないです。実は国会議員になったときに日本人としての戸籍を持っていなかった、あるいは今までずっと嘘をついていたなどのことがあるのかもしれません。

さすがにここまでの騒ぎになっているのだから過ちを犯していたと発表し謝罪すべきなのに、どうしてそんな簡単なことができないのでしょうか。今回、逃げた蓮舫氏はもう一生文句を言われ続けることになるでしょう。

二重国籍に関しては、あまり問題にしない人もいますが、それは間違いです。まずは、台湾は親日的とはいいながら、やはり利益が相反する部分があります。その利益相反が問題なのです。これについては、以前のブログにも掲載したことがあります。これに関心のある方は、その記事のリンクを下の【関連記事】のところに掲載しておきますので是非ご覧になって下さい。

それに、台湾には大陸中国と親和的な人々も大勢います。こういう人々と蓮舫氏が親和的になれば、大陸中国とかなり利益が相反する日本の政治家としては問題です。

それに、現在では非常にその可能性は低くはなってはいるものの、野党第一党の代表である蓮舫氏は場合によっては、政権与党の党首になることもあり得る立場です。そのような人に二重国籍問題があるなどということは、かなりの問題です。

アメリカ大統領選挙に立候補するには以下の条件があります。
・35歳以上
・国内への在留期間が14年以上
・出生によるアメリカ合衆国市民権保持者
(=①国内で出生して出生地主義に基づいて国籍を得た者および②合衆国市民を両親として海外で出生した者)
つまり①でも②でも可能ですが、生まれた瞬間から米国籍を持っていたことが必要です。日本でも、現状では曖昧なままのようですが、日本でも少なくとも、政権与党の党首になる可能性のある人には、これと同等もしくはそれ以上の条件を付与すべきです。

【関連記事】

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2016年9月17日土曜日

「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!


民進党代表決定の名前を呼ばれる直前にハンカチで目頭を押さえる 蓮舫新代表=9月15日
■二重国籍の問題点とは?

  「二重国籍」という批判を浴びながらも蓮舫参議院議員は民進党の新代表に就任した。「生まれてからずっと日本人」という意識を持つという蓮舫氏からすれば、不本意だろうが、二重国籍が問題視される理由の一つは、「利益相反」の問題があるからだ。

たしかに台湾には親日的な方が多い。東日本大震災のあとなどに温かい支援をしてくれたことへの感謝の念を日本人は忘れてはいけない。

しかし一方で、日本と台湾には対立点も存在する。

尖閣諸島である。

台湾は、戦後のある時期から「尖閣諸島は我々のものだ」と主張をしており、今もその立場を変えていない。

尖閣問題というと、対中国(中華人民共和国)のことを想定しがちだが、台湾もまたこの問題に絡んでいるのだ。

彼らはいかなる主張をしているのか。

それはどのくらいの「無理筋」なのか。

公文書研究の第一人者である有馬哲夫氏が、第一次資料をもとに歴史問題の真実を解き明かした新著『歴史問題の正解』の「第11章 尖閣諸島は間違いなく日本の領土である」から一部を抜粋、引用してみよう。

***

■尖閣諸島問題の起源

考資料:[出典]防衛省のレポート「尖閣諸島について」(2015年3月)

アメリカは、沖縄を日本に復帰させるにあたって次の二つの選択を求められた。尖閣諸島を沖縄の一部と認め、日本に復帰させるのか、それとも沖縄の一部とは認めず、保留し、帰属のことは日本と台湾の間の議論に任せるのか。ここにおいて、尖閣諸島の議論は、沖縄復帰と直接的に結びついていた。

テレビなどでは、尖閣諸島が1895年から日本領とされて、所有者もいることをしばしば指摘し、それをもって尖閣諸島が日本の領土だと報じている。

だが、日本は第二次世界大戦に敗れてポツダム宣言を受諾し、さらにサンフランシスコ講和条約によって沖縄をアメリカの統治に委ねたのだから、沖縄復帰のときに、これらの島々が日本に復帰させるべき領土とされていなければ、それ以前の領有や所有の実態は、あまり意味を持たない。それは、ポツダム宣言によって日本が放棄させられた千島列島(ただし北方四島は除く)などの場合と同じだ。

したがって尖閣諸島をめぐる議論は、やはり沖縄復帰に関するものとして考えるべきである。そして、以下で見ていく文書の内容からしても、日本―アメリカ―台湾の間のものだったといえる。たしかに、中国も日本とアメリカが沖縄復帰で合意したあとの1970年12月3日になって初めて尖閣諸島の領有権を主張しているが、これについてはアメリカはなんら考慮に値する根拠が挙げられていないと判断している。したがって、台湾の主張を退けることができれば、「尖閣諸島は台湾のものであり、台湾は中国のもので、したがって尖閣諸島は中国のものだ」という中国の三段論法も退けることができる。

■歴史無視の主張

歴史問題の正解 (新潮新書)


そこで、まず、台湾側が沖縄復帰のときにアメリカ側に対してどんな申し入れを行っていたのか、その主張の根拠がどのようなものだったかを見てみよう。

台湾はアメリカに対しどのような根拠でこのような申し入れをおこなったのか。それを示すのが1971年3月15日に駐米の台湾大使がアメリカ国務省に赴き、口頭で台湾の尖閣諸島に対する要求を伝えたうえで渡した文書(尖閣文書)だ。以下はその要旨である。

(1)15世紀の明の時代から琉球に冊封使を送っているが、その使節団の旅行記にとくに釣魚台(魚釣島)、黄尾嶼(久場島)、赤尾嶼(大正島)の3島のことが詳しく記されている。その記述によれば、これらの島々は台湾と琉球の境界線と考えられてきた。

(2)釣魚台列嶼(尖閣諸島のこと)の地質学的構造は台湾のものと似ていて、地理的にも台湾と隣接している。だが、沖縄からは200マイル以上も離れている。

(3)釣魚台列嶼(尖閣諸島)は、長年に渡って台湾漁民の漁場だった。彼らはこれらの島を、嵐を避けるためや船や漁具を修理するために使ってきた。

(4)日本政府は釣魚台列嶼(尖閣諸島)を1894年以前(つまり日清戦争以前)には沖縄県に編入していなかった。この編入は日清戦争のあと中国による台湾と澎湖島の割譲の結果起こっている。

第二次世界大戦の終結後、サンフランシスコ講和条約によって、釣魚台列嶼(尖閣諸島)もアメリカの軍事的占領下に入った。中華民国政府は、この地域の安全保障への配慮から、これまでアメリカの軍事的占領に異議を唱えなかった。だが、これは釣魚台列嶼(尖閣諸島)が琉球の一部であることを中華民国政府が黙認したと解釈されるべきではない。

これら歴史、地質、地理、使用実態、国際法上の理由により、釣魚台列嶼(尖閣諸島)は台湾と関係が深く、台湾に付属する、あるいは帰属するものとして扱われるべきである。

1972年にアメリカによる琉球諸島の占領が終結するにあたり、アメリカ政府は中華民国の釣魚台列嶼(尖閣諸島)に対する主権を尊重し、これらの島々を中華民国のために留保すべきである。

以上が、台湾がアメリカ政府に対して行った申し入れの要約である。筆者は、主旨を歪めるような夾雑物は一切入れていないし、日本側にとって不利な点を隠すこともしていない。したがって、この内容が理にかなっていないとすれば、台湾の領有権の主張そのものが理にかなっていないことになる。そして、この要約からも、これまで政府関係者やマスコミから私たちが知らされていた以上におかしなことを台湾が述べていたことがわかる。

■台湾の主張のどこがおかしいか

(1)冊封使の旅行記にしばしば登場し、彼らによって沖縄と台湾の境界線の島々だと考えられていたからといって、尖閣諸島が台湾の一部であるということにはならない。統治とも実効支配ともなんら関係がないからだ。

(2)大陸棚条約などを意識したものだろうが、1895年以降日本が領有していた歴史的事実がある以上、地質学的に台湾に近似していても、地理的に台湾に近くても、それは主権とは関係のない議論だといわざるを得ない。

(3)島々で嵐を避けたり、船や漁具を修理したりしたから(アメリカの沖縄統治時代のことをいっていると思われる)といってそれが実効支配の実績とはならない。そもそも、日本はそれを不法行為として取り締まるよう琉球列島アメリカ民政府に再三要求している。

(4)日清戦争を終結させた下関条約には、尖閣諸島を日本に割譲するとは記されていない。もし、割譲したのなら、カイロ宣言の条項(日本は台湾と澎湖島を中華民国に返還する)を履行すべしとしたポツダム宣言第8条に基づき、日本は尖閣諸島を、中華民国(つまり現在の台湾)に返還しなければならないが、そうではなかった。

尖閣諸島は日本が清から台湾の一部として割譲を受けて沖縄県に編入されたのではなく、日清戦争以前から実効支配していたものを日清戦争と同じ時期に沖縄県に編入したのに過ぎない。

***

同書では、より細かい日、米、台の主張について検討されているが、ここでは割愛する。

結論からいえば、当然のことながら、アメリカはこうした主張を相手にしなかった。

1970年9月10日、アメリカ国務省のスポークスマンは、記者団の質問に答える形で、「佐藤・ニクソン合意に沿って尖閣諸島を日本に復帰させる」と言明している。

また、ヒラリー・クリントン国務長官が「改めてはっきりいいたい。尖閣諸島は日米安全保障条約第5条の範囲に入る。日本国民を守る義務を重視している」と述べたのも記憶に新しいところだ(2010年10月27日)

蓮舫氏が、彼女に懐疑的な目を向ける人たちから信頼を得るには、こうした歴史問題の「正解」を学んだうえで、高い説明能力を活用して主張していくのは有効な手となりうるだろう。ただし、それは彼女に向けられている「経歴詐称」という批判に対してはあまり意味を持たないかもしれないが。

【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事に掲載されている台湾の主張は、台湾の蔡英文・民進党政権になっても基本的に引き継がれているものです。ブログ冒頭の記事にも掲載されているように、確かに台湾には親日的な人も多いことは事実です。しかし、台湾と日本とは利益が相反しているのも事実です。

昨年の台湾で挙行された「対日戦争勝利パレード」
台湾は昨年は大々的に「対日戦争勝利パレード」を挙行しました。中華人民共和国も、「抗日戦争勝利軍事パレード」を行ったことはこのブログにも掲載したことがあります。

そうして、その記事の中では、現在の中華人民共和国は日本と一度も戦争をしたことなどなく、戦争したのは、後に台湾に逃げ込んた、蒋介石率いる中華民国の国民党軍であることを示し、そもそも中華人民共和国が「抗日戦争勝利軍事パレード」を催すこと自体が噴飯ものであることを掲載しました。

そうして、台湾による「対日戦争勝利パレード」を台湾が挙行するのも、同じく噴飯ものと言って良いです。なぜなら、中華民国の国民党軍は、日本と戦争して負け続けていました。その日本は、大東亜戦争に破れ日本軍は中国大陸からも、台湾からも退きました。

その後、国民党軍は、毛沢東率いる共産党軍と戦うことになったのですが、これに惨敗して台湾に逃れました。だから、台湾も「対日戦争勝利パレード」を祝うこと事態が、全くおかしなことなのです。

この記事では、中華人民共和国が、わざわざ噴飯ものの「抗日戦争勝利軍事パレード」を挙行するのは、中国共産党政府の統治の正当性が脆弱なので、歴史を修正して、日本を悪者に仕立て、人民の怒りを日本に向けて、自分たちの統治の正当性を強調するためであることを掲載しました。

台湾における軍事パレードも似たようものであり、国民党軍は一度も日本軍に勝利をしたことなどありません。現実は、日本軍に負け、中国共産党軍に負け、台湾に逃れたのであり、断じて日本と戦争をして勝ったわけではありません。

結局のところ、台湾も中華人民共和国と同じく、日本を悪者に仕立てて、統治の正当性を高めるためにこのような軍事パレードを挙行するのです。

蒋介石が率いた中華民国国民党軍

蔡英文総統は、本省人だからなのでしょうか、今年は大々的な「軍事パレード」はなかったようです。台湾では9月3日が、軍人節です。政府が同日を休日として対日勝利を祝ったことが起源です。1946年に抗日戦争勝利記念日に定められた後、1955年に現在の軍人節に改称されています。

ちなみに、本省人とは戦前から台湾に移住して住んでいる人達の事です。本省人には2種類あり、福建系(ほとんど)と客家系(少数)にわかれます。本省人(福建)は台湾語を話し、本省人(客家)は客家語を話します。

台湾は日本などとは異なり、多民族国家です。本省人の他に、外省人とは戦後に中国大陸からやってきて台湾に移住した人達のことです。

当時中国大陸で国民党と共産党の内戦があり、国民党は負けたので台湾に逃れました。元々は大陸に戻るつもりでしたが、大陸の中国共産党政府が強大になったため、その機会はなくなり、今でもその子孫も含めて台湾に残っています。彼らは、中国語を話し、台湾語は話せません。本省人と外省人の他に、元々台湾に住んでいた現地人もいます。

毛沢東の紅軍、後に人民解放軍と改名
台湾といえばネット等では「親日的」とされるのが常ですが、すべての人がそうではなく、特に外省人などは大陸中国に近い反日的な人間も多いです。また、本省人や現地人の中には、親日的な人も多いようですが、心からそう思っている訳ではなく一種の処世術でそうしている人も多いようです。しかし、そうはいっても、ある一定数の親日的な人々は確実に存在します。また、日本に無関心な人も多いです。これは、否定できません。

現在の台湾は国連に加盟しておらず国家として承認しているのはごく少数に留まっています。戦後すぐに急速な経済成長を遂げた台湾に対して、中国は大躍進・文化大革命の相次ぐ失敗で荒廃しいました。

そのため、中国人が海峡を渡って台湾に亡命する事も多かったものです。ところが、80年代にニクソン訪中をきっかけに急速な経済成長が始まり、あっという間に台湾を抜き去りました。とはいっても、それは全体のGDPだけの話ではあります。

日本、台湾、中国の一人あたりGDPは以下のような状況です。(単位:USドル)
日本   32,485.55 
台湾   22,287.56 
中国    7,989.72
それにしても、国全体では大陸中国は、台湾を圧倒するようになりました。それまで日本に好意的では無かった台湾が急に「親日的」になったのは、この頃からであり、苦境を乗り切るための国家戦略とも取れます。これは、大陸中国の脅威もありやむを得ないことであったかもしれません。

80年代以前の台湾は韓国や大陸中国と同じく、従軍慰安婦や日本の侵略を非難していました。ただし、その当時の反日活動は、今日の韓国や大陸中国のように、執拗で質の悪いものではありませんでしたが、当時は大陸中国も、韓国も、台湾も反日的であったのは事実です。

台湾には大きく分けて台湾独立を志向する政党と、中国による台湾統一を志向する政党、台湾による中国統一を志向する政党が存在します。

国民の考えもほぼこの3通りに集約されています。

1945年から1989年まで台湾を乗っ取っていた軍事独裁政権は台湾による中国統一を目指していましたが、最早これは非現実的です。

1989年から台湾では野党の存在が認められ、政権交代が起きるようになりました。独裁政権から民主的な制度に移行し、政治が混乱しました。同じようなことは、フィリピン、韓国でも発生しました。

台湾では、国民党の単独政権が終わってから、ネコの目のように政権がクルクル変わり、その度に極度に混乱しました。これは、皆さんがご存知の、日本における民主党の整形交代以上のものでした。

1990年代を通じて国民党の力は衰えていき、2000年の総統選挙では民進党の陳水扁が当選し、一党支配が終わりました。

民進党は台湾独立を掲げる左派政党で人気が高かったのですが、政権掌握後の政治腐敗から2008年総統選挙で負け在野しました。

代わって返り咲いたのが「中国との統一」を掲げる国民党でしたが、「中国に統一される事」を志向していました。今年は政権交代があって、5月20日に蔡英文主席率いる民進党政権が発足したのです。

蔡英文総統
台湾による中国統一、あるいは台湾独立派が政権に就いている間、日本との関係を重視する姿勢が見られました。

中国と台湾は人口比で約60倍もあり、経済力は20倍なのでアメリカの後ろ盾と、日本の支援が絶対必要である。

だが台湾が中国に統一され「祖国復帰」を果たすなら、中国と敵対する日本は敵であり、アメリカも敵ということになります。

統一を志向する国民党の政権の時代は、このように微妙で不安定な立場にあり、常に言動が揺れ動いていました。

例えば台湾は、対立している筈の中国が創設した「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に真っ先に参加を表明して断られていました。

なお台湾は日本が創設した「アジア開発銀行」(ADB)には1966年の発足時から加盟しています。

民進党の前の国民党政権の馬英九総統は中国の習近平政権に近い立場を取っており、結びつきを深めようとしていました。

中国は過去には日中戦争や日華事変で台湾軍(中華民国軍)が果たした役割りを絶対に認めませんでしたが、馬英九政権のときには「中国軍の一部として」認めるようになっていました。これは、先に述べたように、歴史の修正であり、全くの詭弁なのですが、台湾が果たした抗日戦争を評価したのです。

しかし、台湾は中国への対抗意識からこの論法を受け入れず、日本軍と第二次大戦で戦ったのは台湾軍であると鼓舞していました。

昨年の軍事パレードには戦闘機に日本軍機を撃墜した事を示す、撃墜マークを描いた機体を並べて対日戦勝パレードを開催しました。

そうして、日本と台湾には決して親密になれない理由があります。それは現在も大陸中国と台湾が「30万人(100万人とも言っている)の南京市民が犠牲になった」と主張する南京事件があるからです。

『南京事件』は当時の新聞に、国民党軍(現在の台湾軍)が南京を去るとき8万人の市民を犠牲にした、と記載しています。南京虐殺の真実は、南京では通常の戦闘ではなく、異常な戦闘が行われたということです。

なぜ、異常な戦闘になったかといえば、国民党政府軍軍事委員長・蒋介石が戦いの途中で麾下の数万の兵士を置き去りにして高級将校とともに南京から逃げたからです。この時蒋は督戦隊を残して逃亡しています。

督戦隊とは、逃げる兵士を撃ち殺す部隊のことです。そのため、南京市内の国民党軍兵士は逃げるに逃げられなかったのです。

1937年(昭和12年)12月13日に日本軍は南京城に入城しました。当時毛沢東の共産党軍は南京にはおらず、大陸中国の奥地を逃げまわっていました。日本軍は開城を勧告したが応じなかったというか、司令官も存在せず督戦隊が存在したので、国民党軍兵士は降伏することができませんせんでしたので攻城戦となりました。

そうして、日本軍に包囲され、指揮官を失い、逃げ道を失った彼らは、投降するより軍服を脱ぎ捨てて便衣を着て民間人になりすましたのです。南京入した日本軍は、脱ぎ捨てられたおびたたしい数の国民党軍の軍服を発見しました。

日本軍は当惑しました。南京市内には一般市民がいる。彼らと便衣を着て、一般市民になりすましている便衣兵とを見分けるのは難しいです。

結局当時の中支那方面軍司令官の松井石根大将は、便衣兵の掃蕩作戦を行わざるを得ませんでした。そうして、掃蕩した便衣兵の中には、一般中国人が含まれていた可能性は否定できません。ただし、この人数が20万人〜30万人というのは、虚構にすぎません。

日本軍の南京入場
松井石根大将は、この事件のため戦後に極東軍事裁判において死刑になっています。しかし、この事件の大元の責任者である、蒋介石と高級将校たちには、いっさい何の罪にも問われていません。

南京に蒋介石が残っていたら、あるい蒋介石ではなくとも、高級将校が一人でも残っていて、日本軍に降伏していたら、あるいは南京の国民党軍がはやめに全員が南京から逃れていたら事態は混乱せず、日本軍が便衣兵を処刑する必要もなかったはずです。

この所業は、どこの国においても、とんでもない敵前逃亡です。国民党としては、この事実を隠蔽したかったのでしょう。すべての責任を日本軍押し付け「日本軍による市民大量虐殺」という虚構を作り出し、今に至っています。

これが南京事件です、後に台湾に逃げ込んだ蒋介石や国民党軍の幹部としては、南京の敵前逃亡を台湾の国民に知られてしまえば、それこそ統治の正当性が疑われしまいます。たでから、自分たちの卑怯な敵前逃亡を有耶無耶にするため、南京大虐殺という虚妄を作り出し、自分たちの所業を隠蔽したのです。

現在の外省人で、特に国民党関係者や国民党だった人々を先祖に持つ人達は、このような事実を明るみだされるのは、自分たちにとって都合が悪いのでしょう。結局、大陸中国と同じく「南京大虐殺」という虚妄を虚妄とは認めません。

そして現在まで台湾、中国ともに「日本軍が南京事件を起こした最高責任者」という歴史の修正を改めようとはしていません。日本が台湾を国家として正式に認めない本当の理由は、おそらくこの辺にあると思います。

重ねて言いますが、台湾に親日派の人が大勢いることは事実です。しかし、そうではない人も大勢いるというのも事実です。

さて、先に述べたように、台湾では今年は政権交代があって、5月20日に蔡英文総統率いる民進党政権が発足しました。

しかしながら、この政権も、尖閣は台湾領であるとする主張は変えていません。それに、南京虐殺に関しても、その主張は今でも大陸中国と変わりません。

ブログ冒頭の記事と同じく、台湾には、尖閣の領有と南京虐殺に関しては、日本と「利益が相反」する層が少なからず存在するのは間違いありません。それも、一般国民だけではなく、国会議員、司法関係、その他枢要な地位にある人々の中にも存在するのです。

このような国である、台湾籍を持った蓮舫氏が日本の野党第一党である、民進党の代表になったのです。

これは、本当に信じがたい出来事です。利益相反する外国籍を持っていることがはっきりわかっているのに何の対処もせず蓮舫氏を代表に選んでしまった民進党。危機管理能力ゼロの謗りは免れません。

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【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!


2016年9月14日水曜日

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も―【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!

【蓮舫「二重国籍」】迷走した蓮舫氏の説明 危機管理能力に疑問の声も

蓮舫氏

民進党の蓮舫代表代行がこれまで「二重国籍」問題で取ってきた一連の言動から浮かび上がるのは、政権交代を掲げる野党第一党のトップを目指す立場にありながら、事実確認を怠ったまま反射的に回答するというリスク管理の危うさだ。自らの疑惑に発言を迷走させた対応には、党内からも批判や懸念が上がっている。(清宮真一)

「父の台湾、母の日本、2つのルーツを持っているという程度の認識だった。本当に浅はかだった」

蓮舫氏は13日の記者会見で、参院議員に転身する前に答えた雑誌のインタビューなどで台湾籍を持っていると答えた過去をこう反省してみせた。

党代表選の最中でも発言は変化した。3日の読売テレビ番組では「生まれたときから日本人。(台湾)籍は抜いている。18歳で日本人を選んだ」と断言したが、6日の高松市の記者会見では、「18歳」を17歳に訂正した。

読売テレビでの「生まれたときから日本人」の発言も撤回された。蓮舫氏の出生当時の日本の国籍法とつじつまが合わないからだ。7日の産経新聞などのインタビューで「法律的には昭和60年から日本人だ」と修正した。

蓮舫氏は13日、台湾籍が除籍されていなかったことを表明した後にも、平成22年に行政刷新担当相として入閣したことや、今回の代表選出馬には問題はないとの認識を示した。希薄な「国籍」意識に加えて「問題点を検証しないまま言動する軽さ」(民進党ベテラン)は、一国を預かる首相を目指す資質としても疑問符がつく。


ただ、台湾籍の継続が明らかになった13日も、代表選での蓮舫氏の優勢は変わらなかった。くしくもこの日は、地方議員や党員・サポーターの郵便投票の締め切り日でもあった。

「記憶の不確かな部分でご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。(15日の)代表選のスピーチで、みなさんに届くような言葉でしっかり説明したい」

会見でこう訴えた蓮舫氏だが、党内では危機感が募る。松木謙公衆院議員ら党内有志は13日、枝野幸男幹事長に対し、今回の国籍問題について党の見解を示すよう文書で要請した。

蓮舫氏は除籍手続きが終わっておらず、このまま代表選で勝利すれば、台湾籍を持った党代表が誕生する可能性もある。ある党中堅は「事態は相当深刻。蓮舫代表の就任直後に衆院解散を打たれたらアウトだ」と表情を曇らせた。




【私の論評】小保方、蓮舫と続く組織的危機管理・統治能力欠如の露呈(゚д゚)!


私は、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」に関しては、上の記事にあるように、蓮舫氏の危機管理能力は無論のこと、民進党という組織の危機管理能力、政府の危機管理能力も低かったことも原因になっていると思います。

危機管理といえば、このブロクでは以前「STAP細胞」に関して、小保方氏の倫理観の問題にすり替えられ、重要な組織の危機管理能力およびガバナンスが疎かにされすぎていると批判したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの恩師もついに口を開いた!米高級誌が報じたSTAP騒動の「真実」―【私の論評】小保方さんの倫理問題にすり替えるな!理研と文科省のガバナンスの問題こそ本質(゚д゚)!
小保方晴子さん
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
ブログ冒頭の記事の最後のほうに、「小保方は『私はスケープゴートにされた』と書いてきた。『日本のメディアはすべて、若山先生が犠牲者で、私がまったくのろくでなしと断定した』とも」と掲載されています。 
仮に、小保方さんが「まったくのろくでなし」であったとしたら、そこでさらに疑問がわきます。では、なぜ「まったくのろくでなし」をSTAP細胞研究のユニットリーダーに抜擢したのかが疑問です。 
理研は小保方さんが、「まったくのろくでなし」あることを見抜く能力がないのか、ないとしたら何に問題があるのか、それを解決する方法や、それを防ぐための「危機管理マニュアル」など存在しないのでしょうか。 
理研は、存在しないというのなら、これから作るつもりなのか、それで本当にリスク回避ができるのかを開示すべきです。 
また、理研も組織であるので、監査や内部統制はどうなっているのか、今回の出来事で監査が有効に実施されていなかったのは、はっきりしています。どのような監査が行われていたのか、不十分だったのか、不十分であれば、どのように改善するのかをはっきりさせるべきです。
日本版SOX法における内部統制フレームワーク
さらに、内部統制は組織的に実施されていたかの問題もあります。内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指します。組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいいます。 
これは、ガバナンスの要とも言えるもので、近年民間企業においてはその構築と運用が重要視されています。内部監査と密接な関わりがあるので、内部監督と訳されることもありますが、内部統制が一般的な呼び名となっています。 
民間企業でわかりやすい事例としては、たとえば、財務部門と経理部門を一つの組織として、1人上長が管理するようなことはすべきではないというものがあります。 
財務と経理の仕事は、中小企業などでは特に区分していない企業も多いですが、上場企業においては明確に区分されています。 
経理部門が「日々の経費の精算や帳簿の記帳などをする」「事業活動を数字に表していく処理をする」仕事がメインですが、財務部は「経理部門が作成した財務情報を基礎として企業の今後の経営戦略を財務の視点から考える」部署となります。経理部より財務部の方がより専門性が高い業務といえるでしょう。
また、財務部門は、回収と支払いのサイト管理や資金繰りの管理を通して、企業運営を円滑に進められるように、資金が足りないときは外部から調達してくる役割を担っています。 
このような区分を考えると、経理部門と財務部門の管理者が同一であるというのは内部統制上良くないことははっきりわかります。内部統制として望ましいのは、これらの部署が互いに他の部門を牽制するような仕組みをつくることこそ、正しい方向性です。 
理研も、民間営利企業ではないものの、理研としてこのような内部統制や、監査の仕組みさらに、危機管理体制がマニュアル化などしてあれば、そもそも、今回のような騒動は起こらなかったかもしれませんし、起こったにしも、あのような無様な形で、主に小保方さんの倫理的な問題にして、ようやく決着をつけるということにはならなかったと思います。 
理研の実験室など、あのうろたえぶりからすると、このような観点からすれば、たとえば、レイアウトや、入室、退室のさいの手続きとか、実験の各段階における手続きとか、明確になっていたとはとても思えません。 
こういうと、私は小保方さんを援護しているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。そもそも、部外者である私は、小保方さんの倫理面や人格等を忖度するような立場にもありません。どんな人なのかもわかりません。だから、小保方さんを援護したり、非難したりする気も全くありません。

そんなことよりも、たとえ小保方さんが「まったくのろくでなし」であろうが、なかろうが、あるいは悪人であろうが、なかろうが、私はそんなことよりも、たとえ狡猾でかなり頭の良い極悪人が運悪く研究所内に潜り込んだとしても、何か普段では考えられないような危機が発生したとしても、余程のことがない限り、間違いが起こらないようなシステムを構築すべきということを言いたいのです。そうして、仮に間違いが起こっても、早期に収拾できるリスク管理体制を構築すべきであることを言っているのです。
倫理観に基づく、良き意図は大事です。しかし、良き意図だけでは何もできません。何も守れません。何も変えられません。そもそも、理研など国の最先端の研究機関であれば、このあたり、二重三重に備えをしておかなければ、妨害されたり、邪魔をされたり、成果を盗まれたり、あらぬ方向に操作されたりするので、そのようなことが絶対にないように、その備えを固めよと言いたいのです。

そうして、そのような備えを固めることによって、まともなガバナンス(統治)を実行するための基礎ともなると言いたいのです。このようなことを疎かにするような、理研や文科省であれば、統治の正当性が疑われるということを言いたいのです。
この記事を書いたときに、私はいずれ忘れたころに第二、第三の「STAP細胞事件」が起こる可能性があるものと予感しました。

今日、全く予期せぬ形で、それが現実のものとなりました。そうです。今回の「二重国籍
問題」は、一見事象は全く異なるものの、マスコミの論調をみても、他の識者の意見でも、結局のところ、蓮舫氏の倫理問題として、その背後にある民主党や日本政府の管理の問題や、組織のガバナンスの問題を蔑ろにしています。

無論、ブログ冒頭の記事にあるように、蓮舫氏の個人のリスク管理の問題もあります。なぜなら、蓮舫氏は小保方氏とは異なり、選挙によって国民の付託を受けた国会議員であり、さらに野党第一党の、幹部であり、さらに今回民進党の代表になったとすれば、日本の総理大臣になる可能性もあるからです。

先日もこのブログに掲載したように、国会議員さらに野党第一党の幹部となれば、本人はどう思っているか、周りの人はどう思っているかは別にして、本来「自分の命よりもその責任」が重いエリートであることには間違いありません。日本では、エリートの定義があいまいですが、本来のエリートの定義は世界共通でこのようなものです。

エリートというものは、「本人の命よりも責任が重い」という事です。だから昔のエリートである武士は毎日切腹の訓練をしていたのです。

だからこそ、蓮舫氏には自らによる危機管理能力の欠如を追求されてもいたし方ないです。

しかし、小保方さんは理研の研究員のユニットリーダーであり、無論個人の危機管理能力も問われはしますが、そうは言っても、蓮舫氏程にその責任を問われることはありません。彼女は管理職ですらないのです。本来の研究員は危機管理やガバナンスなどについて、熱心に取り組むべき存在ではありません。第一そんなことに一生懸命になっていれば、研究がおろそかになるだけです。彼女はあくまで研究に没頭すべき存在です。

小保方氏と、蓮舫氏にはこのような根本的な違いがあるのは事実です。とは、いいながら、共通点もあります。それは、マスコミや識者の論調が、両者とも両者の倫理的な側面を追求しているということです。

何か問題が起こったときに、個人の倫理に委ねることは本当に簡単です。簡単に言ってしまえば「あいつが悪い」ということです。これだと、本当にどんな問題でも頭を使わずに、簡単です。結局「STAP騒動」においては、亡くなられた若山氏が唯一の犠牲者で、悪いのは小保方氏ということで決着がついています。しかし、あれだけの事件、当然のことながら、背景には多くの事象があり、そうして、理研や文部省にも、危機管理やガバナンスに問題があるのは歴然であると思います。

このことに関しては、蓮舫氏は以下のようにツイートしています。
蓮舫氏は、これだけにとどまらず、参院内閣委員会で理研野依理事を追求しています。

2014年5月13日(火)参議院内閣委員会で理研理事を追求する蓮舫氏
私は、民主党の第1次与党期の冒頭、政府外議員だった蓮舫さんが事業仕分けをしたところ、野依理事長が自民党本部にかけこみ、部会で、「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」と語ったのが印象に残っています。

さて、この野依氏に対して、蓮舫氏は、小保方晴子・理化学研究所研究員が発見した「STAP細胞」に関して論文に不正があったと断定して、理研が処分した問題を取り上げました。

蓮舫さんが理事長の責任を問うと、野依氏は「研究所全体の倫理の問題として、(小保方さんを代表者とする)共同研究の事業は、若者らの意識の変化もあり、経営者(理事長)として非常に重く受け止めています。経営者の責任として、若手の研究者の自立の支援と、外部有識者による委員会の調査結果を待ちたい」と語り、辞任を拒みました。

野依氏は、2015年に理研理事長退任しました。ただし、野衣氏は、当時会見で退任はSTAP細胞問題の引責辞任ではないと強調しました。また、STAP細胞論文に疑念が生じた後の理研の対応について、「社会が求めるスピード感とは乖離があった」と認めたものの、対応は十分だったと総括しました。

私自身は、野依氏に関しては、引責辞任するしないは別にして、あのようなことがお凝らないように、あるいは起こってしまっても傷口を広げないように、危機管理システムを充実してから辞任すべきであったと考えています。

当時の理研監督省庁であった文部省の大臣だった下村博文氏
さて、当時の理研監督省庁であった文部省の当時の下村文部大臣はというと、「STAP細胞」の再現実験には小保方さんも加わるべきだという発言などはしていますが、理研の危機管理システムやガバナンス上の問題に関する発言や、ましてや文部省のそれに関する発言などは全くなかったと思います。

小保方氏は、当理研OBの石川智久・元上級研究員ES細胞窃盗の容疑で告発されましたが、結局警察の取り調べは受けたものの、立件には至っていません。

結局は、この事件若山氏一人が犠牲者で、小保方氏が「ろくでなし」ということで幕引きです。その後、マスコミも専門家も、危機管理の問題や、ガバナンスの問題など有耶無耶にされて、今日に至っています。多くの人は、「小保は悪いやつ」で止まってしまい、そこからさらに背景を追求しようなどとはしません。まるで思考停止してしまっているようです。

そうして、今回の蓮舫氏の「二重国籍問題」です。この出来事に関しては、さすがに、蓮舫氏の倫理問題として片付けるだけではないようではあります。

日本維新の会の馬場伸幸幹事長
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日、国会議員や国家公務員らが日本以外の国籍を持つ「二重国籍」を禁じる法案を国会に提出する考えを示しています。早ければ今月末に召集される臨時国会への提出を検討しています。

馬場氏は都内で記者団に「国政に携わる者が二重に国籍を持つことはあってはならない」と述べ、国籍法や公職選挙法などの改正で対応する考えを示しました。

菅義偉官房長官も7日の記者会見で「ご自身が説明すべき問題だ」といい、「一般論として申し上げれば、外国の国籍と日本の国籍を有する人は、22歳に達するまでにどちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあることは承知している」と語りました。

自民党では、衆参の予算委員会や法務委員会で、法務省の見解などをただすことも検討しているといいます。中国、台湾の法律も絡むため、外務委員会でも質問が出る可能性もあります。

法務行政に精通する自民党のベテラン議員は「もし、蓮舫氏が『二重国籍』のまま、民主党政権の閣僚をやっていたことが確認されれば、その時点で議員辞職だろう。民主党は2009年の政策集に『重国籍容認に向け国籍選択制度を見直します』と掲げていた。当然、民進党の姿勢も問われる」と語っています。

さて、国会での追求ですが、これも「STAP細胞」騒動の反省にたち、蓮舫氏の危機管理能力の欠如や倫理観のみに焦点をあてるだけではなく、民進党の組織としての責任を危機管理やガバナンスの観点から追求して、追求するだけはなく法律は無論のこと、システムも変更していただきたものです。

そうして、忘れてならないのは、政府の責任の追求です。何やら、この問題、蓮舫氏や民主党にのみ責任があるような受け取り方をする人も多いようですが、政府にも明らかに責任があります。

このブログでも以前掲載しましたが、二重国籍者は推定で日本国内に40、50万人存在するとされています。日本の国籍法は二重国籍を認めていません。二重国籍になった場合は、一定期間内にどちらかの国籍を選択しなければなりません。また、自ら志望して外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失しなければなりません。

そうして、期限までに国籍を選択しない場合は、法相が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ「日本国籍を剥奪できる」と規定しています。にもかかわらず、二重国籍の人々は年々増加の一途をたどっています。

どうしてこういうことになるかといえば、この規定が守られていないからです。つまり、いつまでも国籍を選択しない者が多いにもかかわらず、法相による催告・国籍剥奪は、一度たりとも行使されたことがないのです。

これは、どう考えても異常です。全員に対してそういうことができないというのなら、国会議員や国家公務員に対してはこれを実行すべきでしょう。そうして、少なくとも反社会勢力に対しては、これを実行すべきでしょう。

いずにしても、「STAP細胞」騒動の時のように、曖昧にして小保方氏一人の倫理問題で片付けるようことがあってはならないです。そうしなければ、いつまでたっても、このような問題は何度でも繰り返し発生することになると思います。

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40、50万人との推定もある二重国籍の実態 「偽装日本人」に深刻リスク―【私の論評】蓮舫の二重国籍問題を契機に、これを放置するのはやめるべき(゚д゚)!


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2016年9月6日火曜日

40、50万人との推定もある二重国籍の実態 「偽装日本人」に深刻リスク―【私の論評】蓮舫の二重国籍問題を契機に、これを放置するのはやめるべき(゚д゚)!

40、50万人との推定もある二重国籍の実態 「偽装日本人」に深刻リスク


実際の二重国籍者の2つのパスポート。ただし、この2つの
所持者はまだ未成年であるため、日本・韓国ともに合法である。
日本国民の要件を定めた「国籍法」が、ないがしろにされている。「二重国籍者」や「偽装日本人」が増えており、国家や社会、組織を静かにむしばみかねないのだ。民進党代表選で蓮舫代表代行(48)の「国籍」問題が注目されているが、二重国籍者は40万~50万人はいるという推定もある。国益をめぐり他国と激しい競争が続くなか、このような状況を放置していいのか。国籍業務や入管業務に精通する、さくら共同法律事務所の山脇康嗣(こうじ)弁護士が激白した。

「日本の国籍法は二重国籍を認めていない。二重国籍になった場合は、一定期間内にどちらかの国籍を選択しなければならない。また、自ら志望して外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失する。にもかかわらず、二重国籍の人々は年々増加の一途をたどっている。国籍法の形骸化は由々しき問題だ」

山脇弁護士はこう言い切った。東京入国管理局長承認入国在留審査関係申請取次行政書士を経て、弁護士登録した。『入管法判例分析』(日本加除出版)などの著書もある、国籍・入管業務のスペシャリストだ。

そもそも、「二重国籍」とは、どのようにして生まれるのか。

出生による国籍取得の考え方には、どこで生まれたかを基準にする「出生地主義」と、誰の子かを基準にする「血統主義」の2通りがある。前者の代表は米国やカナダで、後者の代表は日本やドイツだ。

「日本人夫婦に米国内で子供が誕生した場合、その子供には米国籍も与えられる。また、日本人とドイツ人の男女に子供が生まれたら、子供は両国の国籍を持つことになる。さらに、イランやアフガニスタン、サウジアラビアの男性と日本人女性が結婚すると、男性の国籍を自動的に与えられる」

日本の国籍法では、二重国籍になった場合、一定期間内にどちらかの国籍を選ばなければならない。期限までに国籍を選択しない場合は、法相が書面による催告をしてから1カ月以内に日本国籍を選択しなければ「日本国籍を剥奪できる」と規定している。

ところが、この規定が守られていないという。つまり、いつまでも国籍を選択しない者が多いにもかかわらず、法相による催告・国籍剥奪は、一度たりとも行使されたことがない。

山脇弁護士は「二重国籍者は推定で40万~50万人いるとみられる。しかも、年々増加傾向にある。当然だが、出生などにより人が二重国籍となったこと自体は何ら責められるべきものではない。しかし、国家の制度として二重国籍を容認することには問題がある」と語る。

では、二重国籍を認めることの何が問題なのか。

まず、複数のパスポートを持てるため、犯罪や脱税などに悪用することも可能だ。日本と、日本と利害が対立する国で選挙権を持つ二重国籍者の場合、日本の利益ではなく、もう1つの国の利益のために日本で投票をすることが可能になる。本来、選挙権は、日本と運命をともにする者にのみ与えられるべきものだ。
「二重国籍者が海外でテロに巻き込まれた場合、日本と、もう1つの国のどちらも『自国民』という扱いになるため、どちらが救出するのかという、外交上の問題になりかねない」

意図的に二重国籍を装う、「偽装日本人」の問題も深刻だ。

山脇弁護士によると、偽装日本人とは、自ら志望して外国籍を取得し、すでに日本国籍を失っているのに、それをあえて届け出ていない“元日本人”のことである。正式な統計はないが、相当数存在すると推測されるという。

「日本人が志望して他国に帰化したり市民権を取得した場合、自動的に日本国籍を喪失する。戸籍法に基づき『喪失届』を提出しなければならないが、意図的に黙っているケースがある。他国の大半は『日本人の誰々が、わが国に帰化した』と日本に報告しないためだ。日本国籍がないのに、あるように見せかけている“偽装日本人”を把握するのは、かなり難しい」

偽装日本人によって、国益が損なわれることも考えられる。

「外国籍を取得した場合、日本名とは別の名前を持つことになる。別の名前で租税回避地に口座を作ってマネーロンダリングを行うことができる。複数のパスポートを持つことで、スパイ活動なども容易になる。考えたくないが、悪意を持って他国に帰化したテロリストが日本でテロを起こす恐れも否定しきれない」

国籍法とは、日本人が日本人であるための要件を規定した、国家の根幹をなす法律だ。そのルールを故意に破るような人間が増えれば、国家や社会、組織に不正・腐敗が広がりかねない。放置されていいわけがない。

【私の論評】蓮舫の二重国籍問題を契機に、これを放置するのはやめるべき(゚д゚)!


民進党の蓮舫代表代行は本日、高松市での記者会見で、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」疑惑について、「いまなお確認が取れない」と述べ、本日台湾当局に対し、現在も台湾籍があるか確認手続きを取り、同時に台湾籍を放棄する書類を提出したことを明らかにしました。台湾籍が残っていた可能性は完全に否定しきれなくなり、出馬した党代表選(15日投開票)にも大きな影響を与えそうです。 

蓮舫氏は会見で「昭和60年1月21日に日本国籍を取得し、合わせて台湾籍を放棄を宣言した」と説明しました。手続きは、台湾の大使館的な役割を担う台北駐日経済文化代表処(東京都港区)で台湾人の父と行ったといいます。ただ、「(台湾当局者と)台湾語でやりとりが行われ、どういう作業が行われたのかまったく覚えていない」としています。 

蓮舫氏は当時17歳。台湾の「国籍法」11条によれば、自己の意志で国籍を喪失できる条件を「満20歳」と規定しており、この時点では台湾籍を除籍できなかった可能性があります。

蓮舫氏の関係者は本日、台北駐日経済文化代表処を訪れ、台湾籍が残っているか確認を求めました。同日に除籍を申請したのは、今でも台湾籍が残っているか確証が持てないための措置とみられます。

蓮舫氏は、意図してかどうかまではわかりませんが、事実上偽装日本人だった可能性が濃厚になってきました。

偽装日本人は、日本に不法滞在する外国人でありながら、日本の主権者であると偽って、日本の選挙にも不正投票しています。そのほかスパイ活動も容易です。もちろん、これらは旅券法違反・入管法違反などの重罪です。しかし、ほとんどまったく摘発されていません。

偽装日本人が増えれば、最終的に日本人の名誉が傷つけられることにもなりかねない
もっとも、捜査機関がまったく見抜けないわけではありません。偽装日本人は、日本の出入国審査において、出入国の履歴に連続性のない日本パスポート(旅券)を使用していることが通常です。

すなわち偽装日本人は、日本の入国審査においては、日本人であると装うために日本パスポートを使用します。しかし、その直前の外国の空港からの出国の際には、外国パスポートを使用しています。そのため、日本のパスポートには出国印が押されていません。したがって、偽装日本人が所持するパスポートは、出国印と入国印が連続していません。

そのような者について、出入国履歴や在留履歴、海外にある日本国大使館が把握する情報を精査すれば、パスポート使用形態の変遷などから、法令違反の端緒を発見することもできるはずです。

パスート・リーダー。これにICパスポートを置くと、一瞬で
ICチップの内容を読み取り、端末の画面で解析判定をする

平成18年から、パスホーとにはICチップが埋め込まれていて、入国審査官の手元に有る画面端末にはホストコンピューターが接続されており 本人の撮影画面からICチップの顔写真と画像一致解析判定もしますし、個人情報から過去のオバーステーや入出国記録情報の照会をします。

現在パスポートの読み取りではパスポート番号などは重要ではありません。生年月日、氏名スペリング、国籍から過去の入国者との名寄せ照合をしますので古いパスポートから改名し無い限り名寄せで一発で過去記録がすべて引き出されます。解明したとしても、苗字、名前ともに変えなければ、同一人物とみなされます。

このようなシステムを海外にある日本国大使館が把握する情報とも有機的かつ体系的に結びつけて使えば、比較的容易に二重国籍者の探索も可能であると考えられます。

このようなことを前から実施していていれば、今回の蓮舫氏の疑惑など生じなかったかもしれません。ところで、蓮舫氏が台湾籍を放棄していない時期に、国会議員となっていたとしたら、これは大問題になります。

衆議院議員の条件は、日本国民で満25歳以上であること、参議院議員は、やはり日本国民で満30歳以上であることです。

基本的に、この条件を満たせば、国会議員になることのできる権利「被選挙権」を手にできます。その他、供託金を払わないと立候補ができないということはあります。この供託金とは、法務局に一時的に預けるお金で、選挙で一定の得票数を得られなかった場合、没収されます。

供託金は選挙の種類によって異なり、衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員では、それぞれ300万円、衆議院比例代表、参議院比例代表ではそれぞれ600万円になります。

なお、衆議院小選挙区と衆議院比例代表に重複立候補する場合は、供託金は小選挙区で300万円と比例代表で300万円になります。

供託金を払う財力もしくは、借りる力があれば、日本人であれば、誰でも立候補できるわけです。

しかし、日本人であるとは、どういう意味なのでしょうか、日本国籍を有する者のことでしょうか。もしそうだとすれば、蓮舫氏がたとえ台湾籍を有していた時期に国会議員になっていたとしても問題はなさそうにもみえます。

しかし、二重国籍は重大な法律違反です。このようなことを、意図して行ったとしても、意図せず不注意でそうなってしまったにしても、由々しい大問題です。蓮舫氏の場合、たとえ、蓮舫氏の記憶違いなどで、実際には国会議員になった頃には、台湾籍が破棄されていたとしても、そもそも記憶自体が曖昧で、証明書など証拠物件をすぐに提出するなどのことができない事自体が、我が国の国会議員として、国籍法を蔑ろにしているということで大問題だと思います。

一応本人は否定をしていますが、言っていることが矛盾だらけで信頼がおけず、かつ証拠も提示していません。それにもかかわらず民進党としても、また蓮舫議員としてもこの問題に関してはっきりとした説明をせずにうやむやにしてこのまま代表選になし崩し的に突入しようとしています。

民進党の中では保守派の議員として知られる長島昭久氏も「日本国籍取得したんだから、二重国籍に目くじらたてなくても別にいいじゃないか」というようなことを言っています。しかし、この理屈が通るなら中国政府が13億人超の人口のうち数千万人を中国籍を残したまま日本に帰化させて日本をいとも簡単に乗っ取ることができことになります。長島氏の発言はとても民主党随一の安全保障の専門家の言う言葉とは信じられません。

それに蓮舫氏が台湾籍から離脱して日本国籍に一本化することは、100%自らの意思と責任でできることなのですから、仮に蓮舫氏が未だ二重国籍だとしたら、100%本人の責任・選択によるものです。庇うにも庇いようがないはずです。蓮舫氏が一国民であれば、重大法令違反ではあっても、後からでも改めれば、それですむかもしれません。しかし、最大野党の代表という日本の首相になることもありえる立場を目指すのですから、日本国籍に一本化するのは当然のことです。

なにしろ、我が国国民のほとんどは日本国籍しか持っていないません。我が国は移民の国でもなければEUのような文化的共同体に所属しているわけではない島国なのです。二重国籍を明確に否定する法令のある国です。この問題は国籍差別とか女性差別等とは全く異次元の問題であって、国民の代表を目指すなら日本国民と同じ土俵に立てというだけのことです。

世界的には二重国籍を容認する潮流であるともいわれます。国籍の異なる両親から生まれた子が2つの国籍を持つことは、2つの言語、歴史、文化、生活習慣の中で成長する彼らにとって当然の帰結なのだから、二重国籍を容認すべきという意見は根強いです。

しかし、だからといって我が国の根幹法規というべき国籍法が形骸化し、偽装日本人による日本パスポートの不正取得、不法入国、不正投票などが蔓延している状況や、今回の蓮舫氏の二重国籍疑惑を放置して良いわけがありません。

国籍のあり方についての国民的議論、そしてそれを踏まえた国会での検討が早急にすべきです。蓮舫氏以外の議員にもこの問題がないかどうか至急調査すべきですし、問題のある議員が出てきた場合、そうして蓮舫議員にも問題があればこれも含めて厳正な措置をとるべきです。

特定秘密保護法で公務員の身辺調査をするのですから、政治家の身辺調査も当然のことながら実施すべきです。配偶者、親族に外国人がいる、いないの調査を実施すべきです。政治家本人の帰化の有無。政治家の親族に外国人、または帰化者がいないかの公表もすべきです。政治家等の帰化基準が反日勢力に甘すぎるから、蓮舫氏の二重国籍問題が起こるのです。

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