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2018年3月18日日曜日

中国で“爆買い”企業が続々凋落 バブル崩壊の兆し? 経済評論家・渡辺哲也―【私の論評】一帯一路も凋落することを予見させる出来事(゚д゚)!

中国で“爆買い”企業が続々凋落 バブル崩壊の兆し? 経済評論家・渡辺哲也

安邦保険集団(アンバン・グループ)

 中国の多くの複合企業体で異変が起きている。中国金融当局は2月23日、国内大手保険会社の安邦保険集団(アンバン・グループ)を公的管理下に置くと発表した。

 安邦は、2015年に米ニューヨークの名門ホテルとして知られるウォルドルフ・アストリアや米不動産投資信託(REIT)のストラテジック・ホテルズ・アンド・リゾーツを55億ドル(現在の為替レートで5775億円)で手中に収めるなど、積極的に海外資産の買収を繰り返してきた企業である。

 今回の公的管理の背景には、不良債権の増加と破綻リスクの拡大を恐れる金融当局の判断があったといわれている。

 ここ数年、中国企業による海外での大型買収が相次いでいたが、市場ではその買収価格に対して、「高すぎる」との評価が強く、結果的にこの高額買収案件が不良債権化し始めたわけである。安邦同様に積極的な買収を繰り返してきた復星集団(フォースン・グループ)、大連万達集団(ワンダ・グループ)、海航集団(HNAグループ)も流動性危機に陥っており、現在、それらの企業体も危機的な状況にあるとみられている。

2012年5月21日、大連万達集団は世界2位の映画館チェーン・AMCエンターテイメント
・ホールディングスの買収。世界最大の映画館チェーンとなった。

中国では、バブルで金余りが生じる一方、国内投資物件の高騰により投資先が不足し、海外企業や海外資産の買収がブームになっていた。そして、中国企業が競り合う形で海外の投資物件の価格を釣り上げてしまっていたわけである。

 しかし、高値で買えば、利回りが悪化するのは当然の話であり、多くの投資案件で調達金利に対して運用利回りが低いという逆ザヤが生じた。

 このような投資案件だが、たとえ運用利回りが逆ザヤであっても、それ以上に高い価格で買う投資家がいれば問題ないが、そうでなければ金利に押しつぶされる形で破綻する。そして、これが今、各所で起きているのである。

 中国の金融監督当局は昨年6~7月、外貨不足への対応と金融リスクの拡大懸念から、海外投資の規制を一気に強化し、投資拡大をしてきた企業に対しての締め付けを強化した。

 その結果、さらに高値で買う企業がなくなってしまい、高額投資案件の多くが不良債権として認識され始めたのである。これが企業財務に対する懸念を生み、金利の高騰により企業の資金調達を困難にしてしまったのである。

 現在、このような企業の多くは企業財務の健全化と手元資金の確保のため、買収した資産の売却を急いでいるが、買収価格以上の売却は困難とみられており、売却による損失がさらに企業を苦しめてゆくものと考えられる。

 これは、その資金の貸し手である大手銀行を巻き込む形で社会問題化してゆく可能性が高い。このような光景は、バブル崩壊後に見られる特徴的なものであり、1990年代後半から2000年ごろにかけて日本でも数多く起きた現象と同じだ。

 「新時代の中国の特色ある社会主義」を掲げ、再び社会主義色を強めるとする習近平体制は、資本主義の与えたこの大きな試練にどのように対応するのだろうか。

 渡辺哲也(わたなべ・てつや) 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。48歳。愛知県出身。

【私の論評】一帯一路も凋落することを予見させる出来事(゚д゚)!

中国政府は、先月安邦保険集団の呉小暉会長を起訴していました。同集団の違法性のある経営手法で、保険金の支払い能力が損なわれる可能性があるためだとしていました。安邦は近年、ニューヨーク市の最高級老舗ホテル、ウォルドルフ・アストリアを含む海外の企業や不動産を積極的に買収していました。同社の爆買いの背景には、共産党内の敵対勢力があると睨んだ習近平政権は「人民元流出規制」を名目に、同社を失墜させた模様です。

ニューヨーク市の最高級老舗ホテル、ウォルドルフ・アストリア

中国保険監督管理委員会2月23日の発表によると、同社顧客の資産保護のため、2019年2月22日までの一年間、政府が同社を管理するとしています。保監会主導で、中国人民銀行(中央銀行)や銀行、証券、為替の監督機関から成るチームが同社の管理に当たります。巨大企業体の安邦保険の総資産規模は32兆円以上と言われていました。

ブルームバーグ2月13日付の記事によれば、米不動産大手ブラックストーン・グループが現在、ウォルドルフ・アストリアを買い戻すことを検討しているといいます。

当局によると、政府作業部会は安邦保険の通常業務を継続するといいます。安邦保険の呉小暉会長について、「経済犯罪の疑いで起訴されている」と明記しましーた。

この政府発表は、安邦保険が2014年10月、ヒルトン・ワールドワイドから、外資による買収では当時、米国史上最高金額である19億5000万ドル(約2164億5000万円)で購入した米ニューヨークの老舗ホテル、ウォルドルフ・アストリアが、中国政府の手中に入ることを意味します。

ストラテジックホテル&リゾート、JWマリオット・エセックス・ハウス、ワシントンのフォーシーズンズホテルなども、中国政府の管理下に置かれることになります。

習近平政権の監督当局は数年前から、グローバル規模で不動産を積極的に買収する安邦保険の背後に注目していました。呉小暉会長は、元国家主席である故・鄧小平の孫娘と結婚しており、共産党内の江沢民派とも近い人物とされます。米政府系VOAは政治評論家の陳破空氏らの分析として、同社の株主は、こうした習近平政権と敵対する勢力が多く、呉氏が「金庫番」を担っていたとの見方を伝えました。



香港紙「蘋果日報」2017年4月22日付によると、中国当局は、2016年から米国保険会社や高級ホテルグループの買収計画を進めていた安邦保険に、ストップをかけました。保険監督管理委員会は、総資産に占める海外での投資額比率が高すぎるとして、同社の海外買収案を却下しました。

2017年6月、呉氏が中国当局に突然拘束されました。習近平政権は、金融機関の腐敗にメスを入れ、海外人民元の流出についても厳しく取り締まりを進めている最中でした。

安邦保険集団(アンバン・グループ)を中国政府の管理下に置かれたのは、以上のように中国国内の権力闘争の結果であることがわかります。そうして、この権力闘争は今のところ習近平派が勝利を収めています。

ブログ冒頭の渡辺氏の記事にもあるように中国では、バブルで金余りが生じる一方、国内投資物件の高騰により投資先が不足し、海外企業や海外資産の買収がブームになっていました。そして、中国企業が競り合う形で海外の投資物件の価格を釣り上げてしまっていました。

しかし、高値で買えば、利回りが悪化するのは当然の話であり、多くの投資案件で調達金利に対して運用利回りが低いという逆ザヤが生じたのです。

これは、安邦保険集団(アンバン・グループ)以外の、復星集団(フォースン・グループ)、大連万達集団(ワンダ・グループ)、海航集団(HNAグループ)も似たような状況でしょう。

しかし、習近平も似たようなことを国家レベルで行っています。それは、いわずと知れた「一帯一路」です。これを実現するため、中国は世界各地で様々な大きな投資を繰り返しています。

この「一帯一路」は妄想に過ぎないことを、以前このブログでとりあげたことがあります。その記事のリンクを掲載します。
中国の「一帯一路」がピンチ?大型プロジェクト取り消す国が相次ぐ―米華字メディア―【私の論評】"一帯一路"は過去の経済発展モデル継続のための幻想に過ぎない(゚д゚)!


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一帯一路が最初から無理筋のブロジェクトであることを示した部分を以下に引用します。

"
これ(ブログ管理人注:一帯一路のこと)は、あたかも海運を一種の“新発見”と捉えているかのようです。しかし、実際のところは、大航海時代以来、あらゆる沿海先進国が海運の発展を試みてきました。

“上海自由貿易区”によって今や世界最高のサービスを提供するシンガポール港から積替港の地位を奪う、その理由は、上海から日本・韓国への距離がシンガポールに近いからである等など、こうした考え方自体が噴飯ものです。

貨物を最終目的地に直接運ぶことができるのに、なぜ改めて積替を行う必要があるのでしょうか。欧州などを原産地とする貨物が、マラッカ海峡通った後に、なぜ遠回りして上海に行く必要があるのでしょうか。もしそのような必要があるなら、香港や珠海デルタがとうの昔にシンガポールを市場から駆逐していたはずです。

シンガポールと香港の持つ優位性で、自由貿易よりも更に重要なのは、法律制度と資本の保護です。欧米諸国が中国と貿易を行う際、シンガポールや香港で貨物の受け渡しをするのは、中国の制度を信用していないからです。

中国は依然として独裁政治で、態度が横暴な“大国”であり、この状況は変わりません。こうした中で、いわゆる“自由貿易区”を実施しても、中国の関税に穴が開くだけのことです。最終的には関税の全面的な取消しとなるか、植民地時代の租界になるだけであり、根本的に実施不可能です。

いわゆる“一帯”—“シルクロード経済帯”など、これはより荒唐無稽の極みにある妄想と言って良いです。大航海時代以来、古代のシルクロードはすでに完全に競争力を失っており、とうの昔に荒廃しているのです。


アフガニスタン、パキスタン、旧ソビエト連邦の中央アジア5か国等は、インフラや経済的収益をもたらす商機が欠乏しているのみならず、先天的要因である商業ルートの地理的制約が大きく、これをお金で解決することは根本的に不可能です。

タジキスタンと中国の間の唯一の国境検査所である“カラスウ検査所”を例にとると、この検査所はパミール高原に位置する。当地は海抜4368メートルで、基本的に人や動物が住まない所です。

当地にはウラン鉱の放射能や食料・水不足の問題があるほか、検査所の通過に6回の予約が必要となり、毎年冬には、5か月もの長きに亘って閉鎖されます。このようないわゆる“商業ルート”が、海運に対してどうやって競争力を確保できるというのでしょうか。

ロシアは、国を横断するシベリア鉄道を保有していますが、この鉄道の緩慢な貨物輸送に競争力はありません。また、ロシアは、制度が閉鎖的でインフラが不足しています。例えば、高速道路を見かけることは極めて稀です。

しかも、ロシアは中国を泥棒のように警戒し、中国がウラジオストック等の極東地域を“回収”することをおそれています。鉄道線路の軌道を統一しないほか、中国が制度や開発に口出しすることを容認しません。

極東パイプラインの問題を見ればすでに明らかなことですが、ロシアは日本を引き入れて中国と競争させたがっているだけで、しかも日本側に偏向しています。

中央アジア及び西アジアの国々の一部は、依然として全体主義国家であり、その開発の難度は北朝鮮にひけをとりません。

中国吉林省が長年をかけて勝ち取った豆満江の海上アクセスを例にとると、これは経済的に一攫千金の案件であったのですが、北朝鮮とロシアの反応は長期間消極的でした。わずか70キロの河道を開通させるのに、中国は10年以上の年月をかけたのです。

豆満江の流路
ちなみに、豆満江とは、中朝国境の白頭山(中国名:長白山)に源を発し、中華人民共和国(中国)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、ロシアの国境地帯を東へ流れ日本海に注ぐ、全長約500kmの国際河川のことです。

これは、いわゆる“一帯一路”がたとえ“実施不可能”ではないにしても、その本質は、中国が長年取り組んできた課題を再包装したものにすぎないことを物語っています。
"
以上のような妄想を実現するために、中国は世界各地で多大な投資を行っているわけです。これは、中国企業による海外企業や海外資産の買収よりもさらに危険な賭けです。

これが成功するとはとても思えません。この妄想に多大な投資をすれば、中国企業による海外投資のように、いずれ利回りが悪化するのは当然の話であり、多くの投資案件で調達金利に対して運用利回りが低いという逆ザヤが生じることになります。

そうして、中国は多大な資金を失い、一帯一路から結局撤退することになります。習近平は、その責任を取らなければなりません。

その責任をとるには、何よりも再び中国の経済を活性化すれば良いのですが、それを危うくするほど一帯一路の失敗はかなり甚大なものになると思います。国内の投資であれば、それがたとえ大失敗したとしても、投資した多大な資金は国内の雇用に寄与するし、それは巡り巡って中国政府が税金として回収することになります。しかし、海外の投資ではそういうことにはなりません。

習近平は、一帯一路なる妄想に賭けるべきではありませんでした。中国のGDPに占める個人消費の割合は、未だ30%台です。現状では、40%台に近づいているようではありますが、それにしても、日本をはじめとする多く先進国の60%台、米国の70%台よりはかなり低いです。恒常的に40%にすることができれば、それだけで中国はかなり経済発展できるはずです。

しかし、習近平はそうはしませんでした。結局海外投資に打って出ました。中国国内でのインフラ投資が一巡して、現状では大きな案件がないので、海外に活路を求めたのでしょうが、これが吉と出る可能性は低いです。

個人消費を伸ばす政策をとらなかったのは、そのためには、国内である程度構造改革をしすすめて、民主化、政治と経済の分離、法治国家化をしなければならないからです。そうしなければ、国内での産業は活発にはなりません。そうなると、中国の共産党による一党独裁性をある程度は改めなければならなくなります。

しかし、それを習近平は忌避したものと考えられます。もし、これを実行することにすれば、たとえ権力闘争などの多少の荒療治は追認されたかもしれません。そうして、中国の改革者として、中国史に名前を残せたかもしれません。

しかし、習近平は破滅の道を選んでしまいました。今のままだと、10年以内に失脚することになるでしょう。

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2014年8月19日火曜日

絶望の中国不動産 バブル崩壊か 北京、上海含め主要都市の9割下落―【私の論評】天皇陛下の御心に思いをはせるなら、日本の安寧を願うなら、「とつくに」を構うな、捨て置け(゚д゚)!

絶望の中国不動産 バブル崩壊か 北京、上海含め主要都市の9割下落

中国最大の都市上海市の黄昏、ここでも住宅価格が下落している

中国不動産市況の悪化が底なしだ。国家統計局が発表した7月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち約9割に当たる64都市で前月より下落した。首都北京や上海など巨大都市を含めて全国的に値下がり傾向が続いており、下落した都市は6月の55都市から一段と増えた。中国経済への打撃も大きい。

不動産バブルの崩壊の波は全国に波及している。64都市の下落は、集計方法を変更した2011年以降、最多となった。浙江省杭州や海南省三亜といった地方都市が前月比2・4%下落と大きく下げたほか、住宅需要が比較的強かった北京も1%下落、広東省広州も1・3%下落、上海も下がるなど、巨大都市の変調も明らかだ。

前年同月との比較では65都市が上昇したものの、伸び率は6月より65都市すべてで鈍化した。

「最終的には中国政府が公的資金を大量に投入してバブル崩壊させないのではないか」(国内系シンクタンク)との観測があることが、余計にバブルを膨らませているのが厄介だ。

【私の論評】天皇陛下の御心に思いをはせるなら、日本の安寧を願うなら、「とつくに」を構うな、捨て置け(゚д゚)!

中国不動産パブルに関する中国の動画を以下に掲載します。



以下にこの動画の説明を掲載します。
【新唐人2014年4月22日ニュース】昨年高騰した中国不動産市場とは打って変わり­、今年の第1四半期は例年に比べ、上昇率が縮小しています。開発企業が様々な手段で販­売促進活動しても市場の成長はスローダウンしたままです。今年、このまま価格が下落し­続けると、中国の不動産市場は暴落するのか?中国国内の不動産価格の増減は裕福層にど­んな影響を及ぼすのか?誰が不動産価格下落の最大の被害者なのか?専門家の分析を聞い­てみましょう。
本当は、中国のインフレ率に関する動画を探したのですが、YouTubeで見ている限り、これに関する情報は統制されているようで、中国のインフレ率に関する動画タイトルのものをみると、すべて日本国内の物価上昇の内容になっていました。

たとえば、以下のようなタイトルのようなものがありました。

中国インフレ率低下 疑問の声

この内容、すっかり日本の物価のニュースに変わっています。タイトルとは全く別のものになっています。これは、一体どういうことでしょうか。やはり、何らかの形で情報統制がなされていると考えるべきかと思います。

なお、2011年にも同じ話題で、インフレ率低下に疑問の声が上がっていることが報道されています。

その動画が以下のものです。



これは、2011年のものです。以下に、この動画の説明を付加しておきます。

【新唐人2011年12月11日付ニュース】中国では11月の消費者物価指数が、前年­同月比と比べて4.2%の上昇と、10月の5.5%よりも下がり、14ヶ月ぶりの低さ­となりました。中国のインフレにブレーキがかかったとの評価がある一方で、当局の発表­する数字そのものに対し、疑問を呈する声も尽きません。
中国国家統計局は12月9日、11月の消費者物価指数は前年同月比と比べて4.2%の­上昇にとどまったと発表。14ヶ月ぶりの低さでしたが、食品価格は8.8%の上昇と依­然、高い伸びを見せています。
ウォールストリート・ジャーナルが行ったネット調査でも、87%が中国の物価は下がっ­ていないと答えました。
ネットにこんな書き込みがあります。「野菜の値段は11月、大きく上がった。下がった­のはほんのごく一部に過ぎない。消費者物価指数の食品価格は上がっており、庶民はそれ­を痛感している」
また、当局の公表するデータそのものを疑う声もあります。
経済評論家 草庵居士さん
「中国共産党は平気で嘘をつきます、実際のインフレは公表データよりも深刻です。
10月~12月までで名義上の成長率は22%、しかし、実際の成長率は約6%、だから­真のインフレ率は16%くらいでしょう 」  
11月の購買担当者指数は50を切り、製造業の縮小が見られました。工業や投資の最新­データも、中国経済が今、徐々に停滞していることを示しています。 
しかしロイター通信は専門家の分析として、この中国経済の停滞は、政府の経済政策の結­果であり、想定内だと報道。しかも11月の消費も回復していることから、中国経済は穏­やかな成長を保てると評価しています。
イギリスのBBCも、経済成長の保持こそ中国政府の最優先課題だと多くの専門家は見て­いると報道。中国中央銀行はさらに、金融緩和策をとるだろうと予測しました。
しかし香港第二の金融グループで主席経済アナリストを務める曹遠征氏は、物価レベルが­大きく下がらないため、来年の通貨政策も、安定重視でいくだろうと予測します。
中国人民大学・財政税収研究所の呂氷洋副所長は、消費税を中心とした中国の税制度を批­判。庶民の消費意欲をくだき、お金が政府や国有企業に流れるようにしていると述べます­。 
別の専門家も、放漫財政は国が富み庶民が貧しくなる一因だと批判。経済モデルの転換を­妨げていると言います。
北京天則経済研究所 馮興元副処長
「通貨政策が穏健に向かい、金融がやや緩和されるのは正常です。肝心なのはいまだに 放漫財政が続いていることです。
必要なのは規制緩和と減税による環境整備です。産業政策ばかりでなく競争する環境を整­えるのです」 
来年の経済指針が検討される「中央経済工作会議」が12日から14日まで開かれます。­安定した経済成長とインフレ抑制などが経済政策の重点になると見られています。
以下に中国のインフレ率と、消費者物価指数の変化についてグラフをあげておきます。

インフレ率(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳


消費者物価指数(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

2011年は、このグラフを見る限りにおいては、インフレ率も上昇していますし、物価も上昇しています。年度内でみれば、下がることもありますが、こうして後付でみてみれば、間違いなく両者ともあがっています。

特に、インフレ率ということになれば、政府のごまかしもできるかもしれませんが、物価に関しては、実際に多くの人々が消費をして、肌で感じていることですから、最終的には嘘は発表できないと思います。

中国にいる外国人も、物価に関しはいろいろ調査していると思いますので、これはあまり極端なデタラメ統計値を発表するわけには逝かないのだと思います。

そうした目でみると、確かに物価はあがりっぱなしです。

以下に上の中国と同じグラフの日本のものも掲載しておきます。

インフレ率(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

消費者物価指数(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

日本の場合は、物価が、2014年あたりでは、随分と上がって、ピーク時に近くなっています。最近の状況を反映しています。また、完璧にデフレになった1998年から右肩下がりで物価が盛、2006年くらいには、インフレ率も物価指数もあがっています。

これは、小泉政権下での、日銀による金融緩和による成果です。このまま、日銀が金融感を続けていれば、日本はデフレから脱却できたかもしれません。

その後、日銀は金融緩和に転じたため、インフレ率も、物価も下がっています。

特にインフレ率が急激に落ちているのは、リーマン・ショックの時だと思います。

このリーマン・ショックのときには、中国を含めた日本以外の他国は、すべて金融緩和に走ったにもかかわらず、日銀は総体として、金融引締めを続けたので、インフレ率の落ち込みが激しかったのだと思います。

その結果、デフレはさらに深刻化し、超円高傾向になりました。そのため、リーマン・ショックなど、本来日本への影響など微々たるものですんだものを、その回復は震源地のアメリカや、かなり影響を受けたEUよりもさらに遅く、一人まけの状態でした。

ビキニ小姐 スキー場でバブルチックな催し物(笑)。
今年の冬です。場所は遼寧省瀋陽のスキー場

私は、日本のこの低迷をリーマン・ショックではなく、日銀によるものと考えていますので、リーマン・ショックとは呼ばず、日銀ショックと呼んでいます。

それにしても、2004年あたりから、一方的に右肩上がりに上がり続ける、中国の物価指数をみると、今の中国では、上の記事の末尾にあるように、最終的には中国政府が公的資金を大量に投入してバブル崩壊させないようにしてしまったとしたら、とんでもない超物価高になることが予想できます。

そうなったときに、一番苦しむのは、中産階級ではなく、多くの一般庶民です。

5月の中国CPI2.5%上昇 物価の安定続くと中国国家統計局はしているが・・・・

多くの人々が塗炭の苦しみを味わう、超物価高すなわち、超ハイパーインフレに見舞われたとすると、昨今暴動件数がとみに増えた中国で、さらに増えるということになると思います。

そうなると、政府もとても制御できなくなります。その果てには、中国現体制の崩壊ということもあり得ます。

そんなことは、とてもできるものではありません。だからこそ、中国はバブルを崩壊させるしかないでしょう。できること、というよりやらなければならないことは、急激に崩壊させるのではなく、ソフト・ランディングさせることでしょう。

いままで、中国の経済対策は、ある意味非常に簡単でした。経済が一度悪化すれば、大規模に資金を注入して、金融緩和策を実行し、積極財政を行う。それで、経済が加速気味になれば、今度は金融引締め、緊縮財政を行うということで、対処してきました。

中国は、過去の日本の日銀などとはずいぶん異なる、柔軟な姿勢をとってきました。そうして、日本との大きな違いは、この過程において、人民が反抗すれば、公安警察、人民解放軍、城管などを駆使して、人民を弾圧して、事を収めてきました。

これは、日本などの先進国ではなかなかできないことであり、私はこのブログて、2008年あたりから、中国のバブル崩壊を何度も語っており、まるで狼少年のようになってしまいしたが、はっきりいえば、中国と日本などの先進国などとの違いを意識していなかったがため、こうしたことになってしまったのだと思います。

さらに、昨年4月前までの日銀は、基本的に長きわたり、デフレ政策をとってきたため、日本国内は深刻なデフレに見舞われ、対外的にはかなりの超円高でした。

これにより、日本でモノをつくるよりも、中国でモノを作ったほうが、はるかに安上がりという異常事態が続きました。これも、中国にとって、経済対策がやりやすい状況をもたらしていました。しかし、それも、昨年の4月より、日本が異次元の包括的金融緩和に転じたため、そのようなことはなくなりました。

中国某所で暴動(新疆ウイグル自治区じゃなくて漢民族の地域)とされる写真 8月9日

そうして、これだけ物価が上昇した今日、さらに、2010年以降、中国内の毎年平均の暴動数が、10万を超えるという状況になってしまっては、過去のようなやりかたは、なかなか通じません。過去のやり方を繰り返せば、ハイパーインフレになり、人民の憤怒のマグマは今度こそ、頂点に達し暴動どころか内乱にまでなってしまう可能性が高いです。

だから、今後の経済運営は、かなり難しいです。ここからが本当の中国政府の経済運営の能力がみられる時期でもあります。

それにしても、最近の中国の日本への擦り寄り姿勢は、このような国内経済状況を踏まえたものであると考えます。

中国の擦り寄り姿勢を示す記事を以下に掲載します。
中国の李国家副主席、日中関係改善へ意欲表明 朝日新聞2014年8月18日(月)21:16
 中国の李源潮(リーユワンチャオ)国家副主席は18日、超党派の若手中堅議員からなる「日中次世代交流委員会」の訪中団と北京で会談し、「小異を捨てて大同につくことが日中双方に求められている」と繰り返し述べ、日中関係改善への意欲を表明した。 
 団長の遠山清彦衆院議員(公明)と細野豪志衆院議員(民主)が会談後、記者会見して明らかにした。 
 日本側は今回の訪中で要人との面会を要請していなかったが、1週間ほど前に中国側から「要人会見があるので日程を延ばして欲しい」と連絡があったという。李氏が2013年3月に副主席に就任して以降、日本の現職国会議員と会見するのは初めて。 
これは、明らかに中国経済の失速を念頭においたものだと思います。

それにしても、日本としては公明・民主の議員が中国に行って、関係を深めたくらいでは、中国の本気度を疑うべきです。

さんざん、愚弄した挙句日中関係改善への意欲を示されたとしても、現状では国民感情が許さないと思います。

困るなら困るで捨て置けといいたいです。どうせ、助けてやっても、また元に戻れば、そんなことはきれいさっぱり忘れる連中なのですから!





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中国訪問に際し記者会経をされる天皇皇后両陛下

特に平成4年に、今生天皇、皇后両陛下が中国を訪問され、それがきっかけで、それまで世界中の国々から制裁を受けていた中国が、世界中の国々から受け入れてもらえたということをすっかり忘れる恥知らずな連中ですから、困ったら捨て置き、国家レベルのつきあいは冠婚葬祭程度にとどめておくべぎです。

平成4年の中国訪問に関する陛下のインタビューについて、以下にその記事のURLを掲載します。


以下は、天皇陛下が中国から日本に戻られたとき詠まれた歌です。
外国(とつくに)の旅より帰る日の本の空赤くして富士の峯立つ
この歌は平成4年に懸案であった中国訪問を終えられて帰国の際に詠まれたものです。中国残留の日本人孤児たちが、あるいは北朝鮮から解放された拉致被害者たちが、機上から見る富士山に帰国を実感したといいますが、その思いは境遇を超えて日本人共通のものに違いありません。

いずれにしても、国土の象徴を国の象徴が見下ろすという取り合わせが壮大であり、響きが雄々しいです。現代の「国見歌」のようにも思えます。なお、天皇は即位20年を振り返って、次のように述べておられる。「象徴とはどうあるべきかということは、いつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています」(平成21年4月記者会見)

皆さん、この歌の真意を、陛下の真意をお汲み取り下さい。

なぜ、わざわざ、陛下が「とつくに」からご帰還なさり、富士山をご覧になって安堵され、中国残留の日本人孤児たちや、北朝鮮から開放された拉致被害者たちが見たであろう富士の美しさと、それを見た安堵の気持ちに思いをはせられ、機上からご覧になられた富士山を歌に詠まれたのか。

それは、もう明らかだと思います。立場上おっしゃることができないので、このような歌に気持ちをしたためられたのです。おいたわしいことです。これがわからない人は、よほど鈍感な人だと思います。
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日本のマスコミ等は、あたかも中国がないと日本が困るかのような報道ばかりしますが、中国との貿易は輸出入のどちらも日本のGDPの数パーセント、しかも、どれも中国でないと駄目ということはなく、すべて他国で代替がきくものがほとんどです。最近では、あのレアアースも中国から輸入しなくてもなんとかなるようになりました。

対外直接投資も、数年前から対中国向けより、対インド向けのほうが増えています。それに、これも日本GDPの数パーセントで、とるに足らないものであり、さらにもう中国には良い投資先はありません。

いずれにせよ、日本はデフレなのですから、これを解消するだけで国内の経済は良くなります。であれば、無理をして中国とつき合う必要もありません。

いまわの際の、とつくにの空騒ぎも、1,000年に一度の震災や津波、原発事故や戦後体制でさえ、悠久の歴史を持つ我が国からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年2月25日土曜日

【朝まで生テレビ】討論番組なのに井戸実社長がほとんどしゃべらずTwitterに没頭! 井戸ファン「沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ」−【私の論評】何もしないことが、正しい選択肢であることもある!!

【朝まで生テレビ】討論番組なのに井戸実社長がほとんどしゃべらずTwitterに没頭! 井戸ファン「沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ」:


レストランの『ふらんす亭』や『ステーキハンバーグ&サラダバー けん』を運営する株式会社エムグラントフードサービス。その代表取締役社長・井戸実氏が、テレビ朝日の人気生番組『朝まで生テレビ』に出演している。

しかし、放送開始からまったくしゃべらず、沈黙モードに突入しているというのだ。しかも放送中にスマートフォンをいじってTwitterに書き込みをしているのである! 全国に放送されているのに、なんという度胸!

井戸社長は他のコメンテーターが激論しているなか、スマートフォンをいじってTwitterに書き込みをしているだけで、ほとんどしゃべらないのである。討論番組なのに、沈黙しているのである。

他のTwitterユーザーや視聴者たちが「はやくしゃべってください!」と書き込みしても、「無理(笑)」「むり」と書き込みして沈黙モード。

この件に対して、インターネット上で24時間ずっと井戸社長をウォッチングしている井戸ファンのN氏はこう語る。「なぜわからないんですか? 井戸社長は沈黙で視聴者に訴えかけているんですよ。しゃべらないことがメッセージなんです。素人には難しいと思いますが、これが井戸流なんですよ」(N氏 談)

確かに、そういわれてみればそんな気がしなくもない。沈黙することで、何かしらのメッセージを視聴者や若者たちに伝えているのかもしれない。沈黙で雄弁に語る。さすが、井戸社長である。

 

<続報>

【朝まで生テレビ】井戸実社長が生放送中に番組に飽きる / Twitterで本音をポロリ「ね。眠い」

 
私の論評何もしないことが正しい選択肢あることもある!!


私は、残念ながら、この朝まで生テレビはみていなかったので、実際にテレビの中で井戸社長のやっていることが、「沈黙」によって本当に訴えかけになっているのかどうかは、判定できません。しかし、世の中には、確かに何もしないことが、正しい選択肢であることもあります。(下は朝まで生テレビの過去の番組)

 

 

ドラッカーは、意思決定について、以下のように述べています。

 

何も決定しないという代替案がつねに存在する。

意思決定は外科手術である。システムに対する干渉であり、

ショックのリスクを伴う。

よい外科医が不要な手術を行わないように、不要な決定を行ってはならない。 

 

何も決定しないというのは、何もしないことではないのです。今は何も決めないという意思決定をしているのです。そう考えれば確かに、上の井戸社長の沈黙は、何もしないことを選択したのかもしれません。これに感しては、私はテレビを見ていないので、どなたかこれを判定できた方がいらっしゃれば、コメントをお寄せいただきたいものです。

 

かつて、ドラッカー氏は、「ネクスト・ソサエティー」という書籍で、日本の官僚に対する異説ということで以下のように記載しています。このことについては、以前のブログにも掲載したことがあります。詳細は、当該ブログをご覧いただくものとして、その中に、いわゆる官僚による先送り(当面何もしない)戦術に関して掲載しています。その部分のみ、以下にコピペしておきます。

日本では、先送りが有効であるというものである。日本はこの40年間(現時点では50年間)、解決不能さされていた社会問題を、問題の解決ではなくむしろ先送りによって二度までも解決してきた。もちろん、今日の金融システムにおける構造上の脆弱さと資金的な余力を考えれば、今度ばかりは先送り戦略もうまくいかない。しかし経験的には、日本の先送り戦略には一概に不合理とはいえないものがある。

 

日本の政治家、官僚、経済界などの政策形成者にとっては、大事なのは経済よりも社会であって、先送りこそ合理的な戦略というものである。

 

成功した二つの先送り戦略とは、「農村部の非生産的な人口を何もしないことにより解決したこと」すなわち、都市部への農村部からの大移動です。

 

次に「非生産的な小売業の革新。小売業の革新に関しては、結局検討はしたが何もせずに、解決している。50年前と比較すると今日、流通業の問題は社会的にも経済的にもほぼ解消している」。非生産的だった家族経営の商店は、今でも残っていますが、特に都市部では、そのほとんどが小売チェーンのフランチャイズ店になっています。今や、日本の小売業は、世界で最も効率的な流通システムになっています。そうして、かなり利益もあげるようになっています。

 

逆に失敗は、しなくても良いことをして失敗していることがほんどです。

 

たとえば、1980年代において、他国なら不況とはみなされないような程度の景気と雇用の減速を経験したとき、そこに変動相場制移行によるドルの下落が重なり、輸出依存度の高い産業がパニックに陥りました。官僚は圧力に抗しきれず、欧米流の行動をとりました。景気回復のために予算を投入しました。しかし、結果は、惨憺たるものでした。先進国では最大規模の財政赤字を出しました。株式市場は高騰しました。都市部の地価はさらに上昇しました。借り手不足の銀行は憑かれたように投機家に融資をしました。そうして、ご存知のように、バブルははじけ、こうして金融危機がはじまりました。

 

ドラッカーは、日本の官僚は、先送り戦略で成功し、逆にしなくても良いことをして失敗したことを、指摘しています。

 

とくに、1980年代には、余計なことをして、インフレを助長して、その結果として1990年代に入ってバブルが崩壊して大変なことになっています。

 

最近の状況は、上記とは異なりますが、何やら1980年代と似ていなくもないような気がします。財政規律ばかり重んじて、とにかく政府の借金さえなくなれば良い、またなくならなければ、何もできなくなるという危機感から、増税を目論んでいます。しかし、このブログでは何回も掲載してきたように、デフレの最中の増税は、さらにデフレを深刻化させるだけです。そうなれば、税収も増えません。このことは、橋本内閣のときの増税の結果もそうであったし、さらに古くは、1930年代のアメリカの金融恐慌の原因もそうでしたし、それに引き続く日本の昭和恐慌の原因もそうでした。まったく、人間というものは、本当に喉元すぎれは熱さを忘れであり、歴史に学ぶことができないのだと思います。

 

増税論議は、財務官僚が主導していることは間違いないですが、まさに、彼らは1980年代と似たようなことを全く反対のやり方で、実行しようとしています。愚かなことです。

 

このままだと、1990年代にバブル崩壊という大きな経済反動があったように、2020年代には、昭和恐慌か、それをしのぐ規模の、大恐慌がおこる可能性が大です。

 

ここは、本来は、井戸社長のように、何もしないことのほうが、はるかに良い結果をもたらすと思います。日本国内では、昨年3月11日に大震災が発生し、さらには、深刻な原発事故がありました。昨年の夏あたりで、すでに、阪神淡路大震災のために投じた資金を上回ったと言われています。さらに、震災の復興は、何が何でもやらなければなりません。そのための財源がないというのなら、何も増税などせず、過去にも何回も行われてきた、建設国債を発行すれば良いことです。

 

何も特殊なことをせず、黙って当たり前の真ん中を実施していれば、市場に復興資金がでまわり、これが、デフレ克服に良い影響を及ぼします。もうすでに、マネタリーベースは、かなり増えています。マネタリーベースが増えれば、過去の経験則からいえば、1年後くらいから景気は良くなり出します。さらに、継続的に震災復興や、原発事故対応の大規模な除染活動などをすれば、さらに、資金が投下されます。そうなれば、デフレは黙っていても、克服されるわけです。

 

そんな最中に、増税などしてしまえば、元の木阿弥になり、デフレからさらに、脱却できなくなります。公務員の給料が下がり、さらに増税ともなれば、デフレをさらに加速させるだけです。国家公務員の賃金が下がれば、それにあわせて、いずれ地方公務員の賃金も下がります。こんなことをやっていれば、火に油を注ぐようなものです。増税するのに、公務員の賃金が高いままであれば、国民の合意を得られないというのなら、まずは増税をやめることです。そうして、積極財政と、金融緩和を同時に行うべきです。しかし、これをやりたくないというのなら、いっそのこと、増税もやめ、公務員の賃金カットもやめ、何も余計なことはすべきではありません。

 

ここは、上記の井戸社長の沈黙戦術のように、増税などのようなことはせず、やったにしても、過去に何回も実施してきたような、建設国債の発行とか、当たり前の真ん中のみをすべきです。余計なことをすれば、過去の過ちを繰り返すだけになります。

 

 

 

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