ラベル スペンド・シフト の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル スペンド・シフト の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年10月6日日曜日

イマドキカップルは「ウチ族」「ウチ充」? 定番化しているウチデートの実態―【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、本来の「ウチ充」の最大の敵であることを!(◎_◎;)

イマドキカップルは「ウチ族」「ウチ充」? 定番化しているウチデートの実態


近頃急増しているという「ウチ族」「ウチ充」。聞き慣れない言葉ですが、あの「草食男子」の名づけで有名な深澤真紀さんによるネーミングです。

「ウチ族」とは家のなかで恋愛や消費を楽しんでいる人たちで、自宅の生活環境を充実させて、豊かにポジティブに過ごしているのが「ウチ充」なんだそう。

そして20~50代の男女の60%以上が「ウチ族」だというアンケート結果まであります! さらに「ウチ族」の20代は、およそ3人にひとりは「ウチデート派」なんだとか。

ではみんな、ウチデートで何をしているの? アンケートによると、ウチデート派のマストアイテムは、以下の結果の通り。

1位 テレビ(54.8%)
2位 インターネット(45.2%)
3位 スマートフォン(45.2%)
4位 パソコン(38.7%)
5位 ゲーム (32.3%)

YouTubeなどで映像を観たり、情報を共有して楽しめるインターネット関連はイマドキのウチデートの必需品と言えそうですね!



さらに、同じく3人にひとりが、ウチのなかで恋人と会話をするときに「Eメールやショートメール、無料通信アプリを使う」と回答。こちらの結果にはちょっとビックリです。それほど広い家に住んでいるのか、それとも…?

なんにせよ、経済的で肉体的な疲労感もないウチデート。ゆっくり語らって相互の理解を深めるには最適です。

また、将来いい妻になることを彼にアピールできる絶好のチャンスでもあります。音楽やインテリアにこだわったり彼の好物でおもてなしをしたり、賢くオシャレなウチデートを楽しんでみては?

【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、本来の「ウチ充」の最大の敵であることを!(◎_◎;)


うち属とか、うち充は、現状のものと考えても良さそうです。これについては、他にも別の調査があります。それに関する記事のURLを以下に掲載します。

家デートの「ウチ充」増加で「デートスポット」は死語に

これに関しては、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に調査結果に関わる部分のみをコピペしておきます。
 マーケティング会社「ネオマーケティング」社の調査(20~50代の男女3831人)によれば、「自分はウチ族だ」と答えた人は全体の63.1%、一方「自分はソト族だ」と答えた人は16.8%と、圧倒的に「ウチ族」が多い結果となっています。 
 ※ウチ族=「ウチ充(家の中の環境の充実)」を優先したい人 
  ソト族=「ソト充(外出先など家以外の環境の充実)」を優先したい人 
 そして、「自分はウチ族だ」と答えた20代男女100人のうち、3人に1人が「恋人とのデートはウチ」(31%)と答えています。 
 ウチ族を自称する割にデートで家にこもる率は低いような気がしなくもないですが、実家暮らしでウチでのデートはしづらい等の事情を勘案すると妥当な数字なのかもしれません。
 さて、この動きカップルだけにとどまりません。主婦にも「うち充」がみられます。その記事のURLを以下に掲載します。
「ウチ充主婦」、ネットスーパーなどの「ウチ消費」に使う金額は年間12万円以上
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に概要だけ掲載しておきます。
マーケティングリサーチを行う株式会社ネオマーケティングは、今注目の「ウチ族」および「ウチ充(家の中の生活環境の充実)」をテーマにしたインターネットリサーチを実施。30代~50代の「ウチ充」主婦300人の調査結果を中心に結果をまとめた。 
同調査において、30代~50代のウチ充主婦を対象に、プライベートな時間を外出せず、ウチの中で過ごす理由を聞いた。その結果、圧倒的に多かったのは、「ウチが一番くつろげるから」(85.6%)という回答。ほかには、「ウチが好きだから」(40.1%)、「ウチの中でやりたいことがあるから」(38.0%)や、猛暑が続いた今年の夏らしく、「暑いから」(45.5%)といった回答に意見が集中した。一方、かつての巣ごもりをイメージさせるような「お金を使いたくないから」(19.9%)、「人に会うのが嫌だから」(15.4%)と回答した人は、意外にも少ない結果となった。 
休日のウチでの過ごし方について、1日を100%として、それぞれの割合を聞いたところ、割合が大きかったのは順に、「睡眠」(32.0%)、「インターネット」(17.6%)、「テレビ」(13.4%)、「食事」(13.4%)という結果になった。テレビを抜き去り、睡眠の次に大きかったインターネットの割合を時間に換算すると、実に4時間13分26秒となる。
ウチ充主婦
 ウチ充主婦が、ウチの中からインターネットで買い物をする年間消費額の平均は12万3684円 (1か月の消費金額×12か月分?で算出)と、ソト充(外出先など家以外の環境の充実)主婦の年間消費額の平均9万2970円より高く、ウチ充主婦の「ウチ消費」が活発であることがうかがえる。
ウチ充は、カップルのデートだけではなく、主婦にも広がりつつある一つの大きなムーブメントのようでもあります。

ただし、消費に関しては「ウチ充」の主婦が、「ソト充」の主婦より少し多いという程度で、あまり活発ではないようです。

私は、「ウチ充」という言葉を最初に見た時には、どちらかというと豊なイメージを想像しました。たとえば、家で本格的な料理をするとか、家のつくりが立派で、200年も持つような住宅とか、家の菜園で出来た野菜を食べるとか、そんなイメージを抱きました。そうして、日本も豊になりつつあるのかもしれないなどと想像しました。

その想像の根拠となったのは、ヨーロッパなどの住宅のイメージや、国内でもたとえばいわゆる昔の喫茶店ブームの終焉に結びついた、日本家屋の充実などです。いわゆる、普通の喫茶店は、昔本当に数が増えて、それこそ、今のコンビニよりもはるかに件数が多かった時期もあります。現在だと考えられないことだと思います。

なぜ、そんなに喫茶店が増えたかというと、その頃は、日本の住居も、オフィスなども狭くて、住居の場合だと、お客様が来ても応接室がないとか、オフイスの場合も狭くて、作業スペースがほとんどで、応接スペースがほとんどわなかったという事情があります。

2~3人のお客でさえも、それをもてなすため専用のスペースがなかったのです。だから、喫茶店は、その役割を果たしていたのです。2~3人以下のお客でも、じっくり話をする場合など、自宅に招くとなかなかゆっくりと話しができないので、喫茶店がその役割を果たしました。

事務所も同じで、たとえば、小さな会社の社長さんや、重役だと、会社ではそのようなスペースがないので、喫茶店で話をするというようなことが行なわれていました。

しかし、高度成長を終えた日本では、さすがに、2~3人くらいまでなら、何とか、応接スペースが、住居でも、オフィスでも持てるようになったということで、喫茶店ブームは去りました。

だから、「ウチ充」といった場合、住居などがさらにスペースが大きくなるとか、応接のための設備が整ったとか、あるいは、日本の住宅のほとんどが30年くらいの寿命だったのが、100年とか、200年とか持つようなものに変わりつつあるというようなイメージを抱いたわけです。

しかし、上のいくつかの記事を見ている限り、「ウチ充」は、まだまだその域にまで達していなかったようです。

特に、「ウチデート」はせっかく家でのデートなのですから、本来なら何か家での充実した時間ということになりそうですが、そうではなくて、一人でもできる、テレビ、ネット関連で占められています。主婦についても、似たような傾向です。多少消費は上向いてはいるようですが、それだけで、たとえば、家で実際に何かの活動を積極的に行うというようでもありません。家にいて、その家ならではというものを活用するというのではなく、どこでもできるスマホなどをしているというのであれば、これは、「充」という言葉を遣う事は本来はできないのではないかと思います。

これは、結局のところ、このブログにも以前紹介した「巣篭もり」消費の延長線上のライフスタイルでしかないように思えます。
危機「最も早く脱するのは日本」 麻生首相、年頭の決意-ピザ宅配業界から見た今年の経済動向は?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、2009年の元旦に書いたものです。この記事では、家篭り、巣篭もりについて記事の一番最後に以下のように結んでいます。
家篭り、巣籠りが時代のキーワードに
最近、家籠り、巣籠りがキーワードになっており、昨年もクリスマスケーキの予約が例年よりもはるねかに多かったことがテレビなどでも報道されました。おそらく、金融危機などで、家籠り、巣籠りなど余儀なくされた人もいるのでしょうが、現状の昔と比較すれば、非常によくなった住環境での、家籠り、巣籠りなどは、見直されると思います。そうして、金融危機が去った後でも、変わらず、ライフスタイルの一つとして、生き残ると考えられます。それは、ピザ宅廃業に限らず、日本の産業構造にも大きな変化をもたらすものと思います。すべての、産業はこれに対応していく必要が出てくると思います。こうした、対応により内需も拡大され良い方向に向かっていくと思います。 
こうした、家籠り、巣籠りは時代のトレンドではなく、キーワードになってくる可能性が大です。このブログでは、このキーワードについても、これからも追いかけていき、掲載していきます。
この頃から年月はたち、麻生政権は、結局崩壊し、民主党政権になり、これも崩壊し、安部自民党政権が成立し、今年の4月には、日銀による異次元の包括的金融緩和が実施されました。しかしながら、この頃から、そうして現在でも、日本はデフレのまっただ中です。多くの人が、デフレ=不景気と考えておられるようですが、デフレと不景気は全く次元が異なります。

デフレは、明らかに不景気よりも悪い状況です。好景気、不景気は、あくまで正常な経済循環の中の事象であり、デフレは、正常な経済循環からは外れた、不景気よりもさらに悪い状態です。こうした、不景気よりも悪い状態が続いているからこそ、現在言われている「ウチ充」も、「ウチデート」も、「家篭り」、「巣篭もり」の延長線上でしかないのです。

これから、比較すると、アメリカの場合確かに、リーマン・ショック時の不景気ぶりは酷いものでしたが、日本のように長期デフレなどになったことは一度もありません。だから、新しい消費の動きも出てきやすかったのだと思います。実際、アメリカでは従来と全く異なる、スペンド・シフトという全く新たな消費潮流が台頭しています。それは、どのようなものかというのは、以前のこのブログでも掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話−【私の論評】本当の意味でのソーシャルが注目される時代
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカの9.11同時多発テロの頃から現れ、リーマン・ショック後に明らかにみられるような、消費の新たな潮流である、スペンド・シフトについて、掲載しました。以下に、その部分だけコピペさせていただきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
アメリカは、リーマン・ショックの震源地でもあり、この頃の経済の落ち込みは確かに酷く、人々に大きな絶望感が会ったのは事実です。しかし、そうした絶望感の中にありながら、人々は上記のような全く新たな消費潮流をつくりだす契機となりました。それにしても、こうした潮流ができあがったのも、いくら一時の落ち込みが激しくても、少なくともデフレなどが長期化するということはなかったので、消費潮流の変化も見られたのだと思います。

これに比較すると、日本は、その前からデフレだったのに、、リーマン・ショック後も日銀が金融緩和をしなかったため、さらにデフレ・スパイラルの底に沈み、震源地のアメリカや、直接影響を受けむたEUなど、金融緩和で回復したにもかかわらず、本来あまり影響をうけるはずのなかった日本が一人負けの状態になりました。

こんなことでは、新たな消費潮流が根付く余裕すらなかったということなのだと思います。

しかし、今年に入ってから、市場の好感によるものだけではなく、実際に日銀が、異次元の包括的金融緩和を敢行したため、景気は2年もすれば、浮揚しはじめ、デフレからの脱却の目処もたったかのように見られました。

しかしながら、残念ながら、来年4月からの増税が決まり、デフレの回復時期は間違いなく遅れます。これに関しては、以下の上念司氏の動画をご覧いただければ、ご理解いただけると思います。


この動画では、新宿から渋谷に行くつもりなのに、うっかり山手線外回りに乗ってしまったようなアベノ­ミクス。安倍政権への期待を未だに捨てていない上念司だからこそ、迷走を始めた経済政­策にモノを申すという内容です。

いずれにしても、アベノミクスによる経済の回復、そうしてデフレの回復は遅れることになりました。そうなると、いわゆる「ウチ充」「ウチデート」なども、「家篭り」「巣篭もり」消費の延長線上にすぎないものになり、消費の新たな潮流など生まれないのだと思います。

過去20年間もデフレだったことを考えれば、いわゆる「ウチ充」「ウチデート」などが、新たな消費トレンドとはならず、「巣ごもり消費」の延長線上にすぎないことも無理はないと思います。

本来の「ウチ充」である消費トレンドまで変えてしまうような「ウチ充」やはり、デフレが解消されるか、少なくとも数年で解消される目処がたったときに、生まれてくるのだと思います。

それにしても、少し前まで、日本は、デフレというのに、政府は緊縮財政、日銀は、金融引締めをしていました。しかし、今の日本は、増税により緊縮財政の道を選んだものの、日銀の金融緩和はそのまま継続されています。

であれは、デフレ回復時期は遅れますが、少し前までの日本とは異なります。ここに、ひよっとすると、いわゆる「ウチ充」がいろいろ変化していく可能性があります。というより、企業が積極的に比較的低価格で、コストパフォーマンスがかなり高い「ウチ充」の仕方など提案していけば、それを取り入れる消費者も増えてくることは十分考えられます。

そのようにして、消費を拡大する方向につなげることができれば、ひよっとすると、デフレからの脱却に民間企業も寄与できるかもしれません。

その意味で、まだまだ本格的な消費の潮流とはなっていない「ウチ充」ですが、今後もこの動きに注目し、様々な手を打っていくことが、新たなビジネスのチャンスになるかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

危機「最も早く脱するのは日本」 麻生首相、年頭の決意-ピザ宅配業界から見た今年の経済動向は?

「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話−【私の論評】本当の意味でのソーシャルが注目される時代

マクドナルドが24時間宅配 「巣ごもり消費」掘り起こし 来夏以降に全国展開へ―【私の論評】日本でも伸びる可能性はあるか?

不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

高音質で“復権”のレコードが生産数7割増 ビートルズなど続々―【私の論評】音楽配信にはいずれ新フォーマットがでてくる、しかし背後には紛れもなくデフレの影が!!

【関連図書】


草食男子世代―平成男子図鑑 (光文社知恵の森文庫)
深澤 真紀
光文社
売り上げランキング: 212,000


つながり進化論―ネット世代はなぜリア充を求めるのか (中公新書)
小川 克彦
中央公論新社
売り上げランキング: 42,029


「そこそこ ほどほど」の生き方 (中経の文庫)
深澤 真紀
中経出版
売り上げランキング: 42,382


ダメをみがく: “女子”の呪いを解く方法
津村 記久子 深澤 真紀
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 11,161



2012年11月11日日曜日

高音質で“復権”のレコードが生産数7割増 ビートルズなど続々―【私の論評】音楽配信にはいずれ新フォーマットがでてくる、しかし背後には紛れもなくデフレの影が!!

高音質で“復権”のレコードが生産数7割増 ビートルズなど続々





音楽鑑賞の主役をCDとネットの音楽配信に譲ったアナログレコードの市場が、ここにきて俄然(がぜん)熱を帯びている。今年の生産枚数は、CDより大幅に少ないとはいえ前年同期比で7割増加。拡大するシニアマーケットに注目が集まる中、デビュー50周年のザ・ビートルズの全集や、結成50年のザ・ローリング・ストーンズの高音質LPの発売も予定され、アナログに郷愁を感じる中高年に加え、新たなファンを獲得しそうな勢いだ。

[音楽不況に特効薬なし]CD市場14年ぶり前年上回る勢い…ただし一過性?

・・・・・・・・・< 中略 >・・・・・・・・・・・・

アナログレコード市場が再拡大している理由について、ディスクユニオンJAZZ店舗統括責任者の塙耕記さんは「CDなどより音が良いことを評価する人が増えている。大きな紙のジャケットを手にする喜びも捨てがたい魅力となっているのでは」と話している。(櫛田寿宏)

このニュースの詳細は、こちらから!!

【私の論評】音楽配信にはいずれ新フォーマットがでてくる、しかし背後には紛れもなくデフレの影が!!



CDの売上が年々減っているそうです。今年は、14年ぶりに前年を上回るそうですが、これも一過性にすぎないそうです。かくいう私も、ここ5年くらいはCDを全く購入していないです。また、購入するとすれば、iTunes Storeからです。特に最近は、一度購入したものは、間違って消去するようなことがあっても、クラウドに蓄えられており、再度ダウンロードできるので、安心して購入できます。過去に購入したものの、パソコンがクラッシュしてしまい、運悪くそのときにパソコンに入れていて、バックアップをとっていなかったものも、今だとクラウドから再ダウンロードできますし、それに、登録しておけば、複数のデバイスにダウンロードできます。

音楽といえば、普段は、インターネット・ラジオ(主にAccuradio.com)を聴いています。最近は、特に50年代のアメリカの音楽です。この時代のアメリカのPOP系の音楽は、特異な感じがします。単純明快で、時代背景もあるのでしょうか、屈託がなく聴きやすく、バック・グラウンドミュージックとして最適です。そうして、不思議と古臭い感じがしません。そうして、大抵は何かをやりながら聴いています。


考えてみると、音楽そのものを鑑賞するということで、音楽を聴くということは最近あまりなくなりました。でも考えてみると、今から10年以上前は、月に1枚以上は、必ずCDを購入していました。廉価版などがあると、結構購入していました。一時は相当買っていて、お気に入りのアーティストに関しては、日本で販売されたものは、ほぽ全部揃っているなんてものもあり、その特定2アーティストに限っては、普通のレコード屋さんよりも、品揃えが多いくらいです。

それが、ここ5年ほど購入しなくなったのは、やはり、iTunesのような音楽のオンラインでの配信が興隆してきたということが最大の原因だと思います。今だと、CDを購入したとしもて、結局パソコンに取り込み、iTunesに登録して聴いています。CDで直接聴くなどということは、滅多になくなりました。最近では、パソコンですら聴かなくなりました。AppleTVにより、AirPlayを使用し、テレビにつながっているスピーカーから聴いています。とにかく、音楽を聴くライフスタイルは、ここ10年で様変わりしました。


そうして、はたと気づいたのですが、最近の音楽を聴くライフスタイルは、あまり変化がないような気がします。私が子どもの頃は、LPが主体でしたが、家にはSPレコードもあり、SPとLPの両方を聴けるようなレコードプレヤーがありましたが、それもすぐに姿を消し、世の中はLPが主流でした。その後CDとLPが並存時代が少し続き、あっという間にCDが主流となりました。そうし、現在ではオンライン配信と並存しているという状態から、さしたる変化はありません。

CDが主流になってから随分時がたっていますが、この地位はなかなか崩れないようには、見えます。しかし、未来永劫に今の形式での、CDや、iTunesのような音楽配信サイトがいつまでも主流とは考えられません。いずれ、新たな方式などがでてくると思います。


上の記事は、そうしたことを予感させるものなのかもしれません。こんなことを掲載すると、LPなど単なる、ノスタルジーではないかと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとばかりはいえません。SPは、LPより確実に劣っていましたが、LPはいまでの優れた点があります。CDの場合は、音域が限られていたり、あるいは、デジタルであるため、情報処理のため、一連の音が細切れにされて、それがつなぎ合わさっているというのが実情です。ところが、LPの場合は、アナログですので、音域はCDよりもかなり広いですし、音も分断されることなくつながっています。

そのため、針の擦れる音も聞こえる反面、いわゆる、音だけでなく、雰囲気というものがかなり伝わりやすいです。何度か、LPでいわゆるダイレクト・カット盤というものを聴いたことがありますが、これは、すごいです。音の良さは、無論のこと演奏時の雰囲気がかなりつたわってきて、場合によっては気味が悪いくらいのときもあります。何度か、そこに生身の演奏者がいるような気分におそわれました。これは、CDでは味わえないです。LPがまだ併存していた時代には、LPは時々に聴くものとして、カセットにダビングして、普段は、カセットで聴いていました。カセットデッキもそこそこのを買いましたので、音もそこそこ良かったと思います。それから、当時は、FM放送を録音することをエア・チェックなどと読んでいて、エアチェックしたカセットテープも100本ほどあります。これなども、本当に今聴くとなつかしく、その当時のことが思い出されて胸がキューンとします。



それにしても、LPは、当時から2千円くらいもしたので、なかなか購入するのも大変でした、一枚買うにも、いろいろ雑誌など調べてレコード屋さんにいって、聴き比べをしてから購入しました。そうして、一枚買うと、すぐに一回LPで聴いてその後は、何回もカセットで聴きました。今思うと、そのような手間がまた楽しかったと思います。当時のオーディオ実家に帰るとまだあります。今でも、CDや、iTunesなど接続して、十分良い音で聴くことができます。LPも全部あわすと、数百枚はあると思います。何と、SPもあります。これは、無論私の親や祖父が購入したものです。



今は、音楽を巡る市場も随分変わってきています。一昔前までは、50歳台以上の人は、ほとんど聴かなくなったようですが、今はそんなことはなくなりました。50歳をすぎても継続的に音楽を聴く人、コンサートなどに行く人も随分増えています。

それにしても、現在デフレの真っ最中ですから、モノが売れなくなるのは当たり前です。特にCDなどは、売れなくなるのが当たり前です。7、8年前でしょうか、何人かの主婦の方々から、「なかなかCDを買うことができない」ということを伺ったことがあります。察するに、日々節約しているのに、音楽CDは特に生活に直接寄与するものではないので、2000円前後もするCDを購入するのは、かなりためらわれるということだと思います。これも、デフレのなせる業だと思います。


とはいいながら、LPが売れるようになっているということは、社会に何らかの変化が起こっているものと思います。その変化とは、やはりただ気楽に音楽を聴くというのではなく、もっと真剣に聴いてみたい、あるいは拘って聴いてみたいという需要が間違いなくあるし、大きくなりつつあるということだと思います。

この傾向は、以前からこのブログにも掲載している、スペンドシフトという消費の潮流と関係があるかもしれません。以下にスペンドシフトの概要を掲載しておきます。
1.自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
2.ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
3.モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
4.有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
5.消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる
LPレコードが売れる背景には、上の潮流のうち、1.3.が特に関係しているかもしれません。1.の自分を賢しこくというのは、やはり、音楽はアートでありながらも、直接情感に訴えてくるものですから、特に難しい理論も、言葉もいらず、それでいてアートに直接聴触れられるということで、他のアートとは別格です。3.に関しては、そもそも、購入することが、アーティストと絆を深めるということにつながります。ひよっとしたら4.にもつながりがあるかもしれません。有名レーベルや、アーティストでなくても、素晴らしい作品はいくらでもあります。このようなことも密接に絡んでいるのだと思います。


そうして、LPの音域の広さや、音の良さというところから、従来期待されながら、ほとんどお蔵入りになっているものを思い出します。それは、いわゆるDVDミュージックというものです。DVDミュージックは、CDが主流になってしばくしてから新たにできた企画です。コンピューターの補助記憶装置として、CDからDVDに変わり、DVDが主流になったころにでてきたと思います。

ちなみに、ご存知ない方のために、以下に簡単にDVDミュージックについて簡単に説明しておきます。
DVDフォーマットを用いた音楽専用ディスク商品であり、CDと同等以上の高品質音楽と美しい静止画がその特徴です。DVD musicは新たなディスクフォーマット(規格)ではなく、ひとつのDVD商品ジャンルを表すものです。これには、以下のような特徴があります。 
■高音質
DVDフォーマットの採用により、量子化ビット数は24bitまで収録可能です。これにより、量子化雑音の非常に少ない良質な音楽を提供することができます。要するに、CDや、MP3・4ファイルよりはるかに音域幅も広く、音質も良いということです。 
■静止画
DVDフォーマットを利用して各種静止画(ジャケット写真、アーティスト写真、風景写真など)を収録することができ、TVモニターを利用することで美しい画面を楽しむことができる。
最近は、滅多にレコード店にはいかないのでわかりませんが、以前は、この種のDVDも置いてあったこともあったことを記憶していますが、最近では、ほとんどうわさにも聴きません。Amazonなどでもみたことはありません。

このDVDミュージックは、そのままでは再度復活し市場を席巻するなどといことはないと思いますが、姿を変えて、復活するかもしれません。なぜなら、LPが売れているという事実をいろいろい、分析すると、良い音質、広い音域などで、拘って音楽を聴きたいという層が間違いなく、このデフレの時代にも存在して、増えつつあるという事実があるからです。


私は、おそらく、DVDミュージックではなく、やはり、オンラインによる音楽配信によって、このようなことが実現されるのではないかと思います。DVDフォーマットのものをオンラインで提供するということによって、今風に実現されるのではないかと思います。

DVDミュージックが出されたばかりの頃とは、今は、環境が随分変わっています。先にあげたように、50歳以上になっても音楽を聴きつづける人が増えています。そういわれてみれば、ミュージック・シートに影響を与えたウッドストック世代いも若くても50歳台です。それに、通信環境も随分変わってきました。昔は、従量制だったものが、定額制で使い放題になり、最近では、4G LTEという通信規格により、さらに速くなっています。3Gでも十分映画など配信できました。このようなことを考えると、CDや、MP3・4の時代がいつまでも続くとは考えられません。

いずれ、インターネットで、MP3・4のファイル配信とともに、いわゆるDVDフォーマットもしくは、他の同等もしくはそれ以上のフォーマットで画像や動画とともに配信されるようになると思います。そうして、現在LPを聴いている人たちも、そちらにシフトするのではないかと思います。そうして、しばらく並存の時代が続きやがて、主流になってくものと思います。


しかし、そうした新しいものが出てきて普及するには、現状のデフレの時代では緩慢にしか進まないと思います。やはり、デフレが解消したときに、一気に普及すると思いますが、それまでの間は、やはり、LPが売れ続けるのだと思います。逆の側面からみれば、音楽配信の新フォーマットがでてきて、配信されるようになれば、デフレを解消したか、まもなく解消するとみて良いかもしれません。

ただし、デフレが解消されたとしても、先にあげたスペンド・シフトという消費動向は変わらないと思います。であれば、上で、掲げたすべての潮流にあわせた展開が必要かもしれません。1,3の潮流以外の潮流に対応することも重要です。
2.ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
これに関しては、各地域にミュージック・スタジオをつくって、そこから生まれる音楽が地域を潤す仕組みをつくることなど考えられます。今の時代音楽をつくったり、remixしたりするのには、場所は全く関係ないです。地域にありながら、地場は、もとより世界中のミュージシャンに参加してもらうこができます。そんなことより、企画力が重要です。
4.有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
電子書籍の世界では、アマゾンがKindle版を配信するとともに、誰もが自らkindle本を作成して、販売する場を提供しています。既存の出版社など通さなくても、個人でも、書籍を発行できるようになりました。音楽の世界でも同じようなことができるはずです。
5.消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる
最近では、iPadのガレージ・バンドなどで手軽に音楽を作成できます。であれば、今までとは異なり多くの人が音楽を作成できる機運が高まっているわけです。今まで、消費一方だった、人が、自ら創造する人になる環境が整いつつあります。今まで、地方でくすぶっているだけの人がとんでもない音楽を創造する可能性もあります。このような機運をためて、才能のある人には、どんどん創造する人になってもらいうことなど、従来からみれば、かなり容易にできるようになっています。

以上のようにして、絶えず新たな音楽が生まれてくるような好循環を作り出せれば、新たな市場を世界中に創設できると思います。

皆さんは、どう思われます?こうした、ミュージックシーンの話を掲載していたら、何か音楽を聴きたくなりました、たまには、"ながら聞き"ではなく、音楽をしっかりと、コーヒーかワインでも飲みながらゆったりと聴いてみたくなりました。本日は、さっそく、モーツァルト、ハービーハンコック、ウェザー・リポートなどの音楽をゆったりと聴いてみます。

【関連記事】

テレビは他人のふんどしで相撲をとりすぎてはいないか?―【私の論評】旧態依然としたテレビはもういらない?!!

  「脱記者クラブ」を宣言し、巨大広告主を激怒させて「一流紙の名声」を得たWSJ―【私の論評】日本の新聞が一流になれないのは、記者クラブがあるから?

 米Amazonがオンラインストレージ - 5GB無料、音楽ストリーミング対応―【私の論評】Napsterのサービスはやらないのですか?

NHKで「初音ミク」緊急番組 オリジナル制作曲がネット好評で異例の編成−【私の論評】テレビ局も対応せざるをえない程声なき人の声は、ますます大きくなった?!!

  「K-POPが日本市場で縮小の兆し」 韓国メディアの報道が話題に―【私の論評】それだけではないでしょう、大規模デモも確実に効果があったとみるべき!!

2012年11月5日月曜日

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!−【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!:


icon

[ ふっしーのトキドキ投資旬報 ]上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!



[藤野 英人]

最近、いくつか若手向け勉強会でお話をする機会を得ました。懇親会もそれぞれ参加して思ったことがあります。それぞれ素晴らしい若者たちですが、先の見通しが非常に暗いんです。日本の将来にとても悲観的で、未来を信じられなくなっている。

…続きを読む

【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

詳細は、上記の記事そのものをご覧いただくものとして、上の記事の結論は以下のようなものです。
もし今の日本が暗いと思っているならば、ひょっとしたらあなたは今、間違っている場所にいるか、みているポイントが狂っているの「かも」しれません。 
今必要なのは日本が悪くなることを冷静に分析する評論家でないことは明らかです。立ち位置を変えるか、少しだけ視点を変えるかすると、見え方が変わってきます。少なくとも自分の夢がないのは日本の将来がないからだと思うのはあまりにも残念すぎます。
この結論に関しては、私自身も大賛成です。そうして、上の記事では、現在の日本は、アメリカの1990年代に似ているということで、以下のようなグラフも示していました。

わたしも、このようなグラフ随分前にみたことがあります。それは、アメリカがITバブルに沸いたころです。ある経営誌で、1980年代末から、ITバブル絶頂期である、1990年代末にかけての、アメリカ企業の労働力人口に関する上のグラフと同じような内容のグラフでした。1990年代の前半には、まさに、起業間もないIT企業に労働力が移動していました。

1980年代末期から1900年代始めまでは、アメリカは不況にあえいでいました。しかし、不況の最中にあっても、次の時代の産業が芽吹いていて、それが、労働人口を吸収しつつあったということです。これは、現在の日本でも同じことがあてはまることだと思います。

そうして、1999年にはアメリカはITバブルの絶頂期でした。eトイズ、フリーマーケットなど、資産も顧客も収益もほとんどない会社が、インターネットと名がつくだけでもてはやされ、株価は狂ったように値上がりしました。そうして、このころアメリカのマスコミや、学者などが、このアメリカの好景気を「ニュー・エコノミー」と称して、「ITの力により、企業は在庫を持たなくてもよくなり、従来経済学でいわれていた、いわゆる在庫循環という概念はなくなり、アメリカの経済は、いわゆるニュー・エコノミーという呼ぶべき新たな段階に突入したので、この好景気は永遠に続く」というような論評を発表して、IT業界をもてはやしました。

アメリカの景気循環
しかし、このITバブルはものの見事に、2000年春頃にはじけました。ここを境に、多くのIT企業が破綻しました。残ったのは、たとえばアップルや、マイクロソフトなどのように、本当に優秀なところだけでした。ニューエコノミーということば、1930年代にアメリカで世界恐慌が起こる前にも、同じようなことがいわれました。これに関して、ドラッカー氏が、その著書『ニューソサエティー』という書籍の、巻頭言に掲載されています。


何でも当時ドラッカー氏は、投資会社に雇われて、最初の仕事は、雇われた会社の社長の書籍「株で絶対間違いなく儲ける方法」の校正をする仕事だったそうです。しかし、その会社ドラッカー氏が雇われてから、わずか1週間で、株価大暴落のため倒産してしまったそうです。

結局何が言いたいかとというと、このようなことは、大昔からある普通のことであるということです。景気が悪いと、多くの人たちは、悲観的になり、この不況は永遠に続くと思いがちですし、景気が良いと、この景気の良さは、永遠に続くと思いがちだということです。人類の歴史はある程度経済が大きくなってからは、まさにこの繰り返しです。しかし、過去の歴史が示すように、そのようなことはありません。過去には、オランダで、特殊なチューリップの株いくつかで、広壮な大邸宅が購入できたなんていうとんでもない時代もありました。多くの人が、チューリップの株の価値は永遠に続くと考えていました。しかし、この狂乱にもすぐにおさまりました。



そもそも、景気は循環するものです。景気が比較的良い時期が続けば、悪い時期が続き、悪い時期が続けば、今度は、良い時期が続きます。これは、昔からそうですし、これかも、続きます。無論、多少長いとか、短いくらいの差はありますが、根本はこの繰り返しです。政府や中央銀行ができることといえば、景気を永遠に支えることなど不可能で、せいぜい景気の変化を緩やかにすることくらいです。

このブログでは、過去に政府の財政政策の間違いや、日銀の金融政策の間違いを何度となく掲載してきました。そうして、実際日本は、失われた20年とも呼ばれるように、デフレ基調になってから、すでに20年代近く経過しています。そうして、これを批判するのは、何も私だけではありません。本日も以下のような記事をサイトで見つけました。

家電業界は売り上げ増減の8割が為替で決まる。1ドル=80円を放置して、経営者ばかりを責めるのは「木を見て森を見ず」だ。:

この記事は、高橋洋一氏によるものですが、高橋氏の記事は、このブログにも何回か掲載させていただき、そうして、この方の主張は、概ね正しいものと思います。そうして、この記事も正しいものと思います。

日銀は、日本の国民をいたぶり続けている
しかし、そうはいいながら、現在上記のグラフのように、起業間もない企業に多くの労働人口が吸収されているのも事実です。確かに、政府の財政政策や、日銀の金融政策は、酷いですし、他の先進国から比較すると幼稚であると言わざるをえません。これでは、なかなか、デフレ・円高が解消されないことも事実です。

しかしながら、現在こういう状況ですから、日銀の金融政策、政府の財政政策を非難することは当たり前ですし、これは、絶対に変えるべきです。

しかし、ここしばらく、デフレが続いたからといって、全く将来を悲観することはありません。いくら日銀が我を通そうと思っても永遠に通せるわけはありません。政府のあまりに酷い財政政策だって同じことです。実体経済をどこまでも、人為的に変え続けることなどできません。実際、デフレでこれだけ、日本経済をいたぶって、駄目にしても、日本は財政破綻しそうもありません。少なくとも、世界の金融市場は、日本は財政破綻しないものとして動いています。

そうであれば、いつかは、日本経済も、早い遅いは別にして、回復するとみて良いはずで、永遠に景気の悪さが続くわけではありません。であれば、先の短い、年配の経営者などは別にして、若い人たちが、将来に悲観する必要など全くありません。必ず良い時代がくるはずと信じて、今から準備を怠るべきではないです。

再び1930年代に、話を戻します。日本でも、1930年代に、世界恐慌の影響を受けて、昭和恐慌に陥り、景気が低迷しました。しかし、日本は、高橋是清によるリフレ政策により、世界で一番先に恐慌から立ち直りました。しかし、アメリカは、立ち直るが遅れて、最終的に立ち直ったのは第二次世界大戦がはじまって、少ししてからでした。そうして、恐慌中のアメリカというと、今では、悪いことばかりが考えられていますが、数々の文献を読んでいると、当時のアメリカは、意外と健全で活力に満ちあふていたことがわかります。だからこそ、戦争中には、経済も復活して、戦中から、戦後にかけて、超大国の道を歩むことができたのだと思います。



そうして、リーマンショック直後からしばらくのアメリカもかなり景気が落ち込んでいましたが、この期間もアメリカ人は意外と健全で、希望を失うことなく、過去の自分たちの無駄遣い、贅沢三昧を反省して、多くの人びとがそれまでの消費とは全く異なる消費活動を行うようになりました。これは、すでに、9・11同時多発テロの時代から見られた傾向でしたが、リーマン・ショック後かなり顕著になりました。それが、このブログにも何回か掲載したスペンド・シフトです。それは、以下のようなものです。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
日本でも、こうした傾向が特に震災以降みられるようになり、上記で労働力が移動している優秀な企業は、まだ無名ですが、このような消費傾向に良く対応しているのだと思います。そうして、おそらくこうした企業が従来の優秀だった企業に置き換わって行くのだと思います。私は、今の若い人たちも、こうした良い面での、アメリカの国民性を見習うべきと思います。少しばかり景気が悪いからといって、将来の希望まで捨て去る必要などさらさらありません。なぜなら、今の日本、恐慌時のアメリカと比較しても、良いことばかりだからです。今の日本は、過去20年以上わたって、対外金融資産(要するに外国に貸しつけているお金のこと)が260兆円で世界一です。個人資産も、アメリカについで未だに世界第二位です。

アメリカ人の楽観性は、日本の震災においてですら、発揮されました。震災が起こった次の週からアメリカでは、株価が跳ね上がりました。これは、日本の震災の規模が予想をはるかに上回るものであったため、復興のためには、相当の投資をしなければならないことが予想され、日本の景気がかなり良くなであろうことを、予期してのことです。震災自体は大変なことで、日本では、直後にはいわゆる自粛という現象がみられました。本来ならば、今頃日本は普通に復興などしていれば、古今東西の事例が示すように、かなり景気が良くなっているはずですが、政府が緊縮財政を続け、日銀が金融引き締めを続けるという、他国では考えられないような、常識はずれの、財政政策、金融政策をしているため、現状はそうはなっていません。これだけ、政府や日銀やマスコミが日本国を弱体化させるために、滅茶苦茶なことをしていても、これだけ経済力や国力を保っていられるのは、日本国民が優れているからにほかなりません。まさに、奇跡の国日本です。


こうした日本の特異性は、様々なところに散見されます。たとえば、人口に関しては、いわゆる、多民族複国家などをのぞけば、日本は世界第一位です。ほぼ単一民族で占められている国では、日本が一番人口が多いです。イギリス、フランス、イタリア、ドイツだって、人口は日本よりはるかに少ないです。韓国、北朝鮮をあわせても、日本よりは、はるかに人口が少ないです。よくひきあいに出される、人口の多い中国、インドなどは例外中の例外中にすぎません。日本のように、狭い国土に多く人がまとまって住んでいたり、そもそも言語も文化もほぼ同じ人々が住んでいるという国も他にはありません。本当に、素晴らしい市場です。こんなに恵まれた市場は、他にはありません。世界でこれだけ、密集して巨大なマーケットが存在する国はないでしょう。これだけの人数のマーケットに対して言葉が一つ、生活習慣もほほ同じというような国は他にありません。

日本で大国と思われているロシアですら、多民族複合国家であり、しかも、人口は、1億4千万で、日本よりわずか多いだけです。その他でも、調べるといくらでも、日本が独壇場である環境や、技術や、文化などいくらでもあります。料理の世界では、フレンチのシェフが、とうとう日本のように出汁を料理をつかいはじめたとか、そもそも、江戸時代に和食の文化がフレンチに大影響を及ぼしているとか、探してみると、まだまだたくさんあります。アップルのスティーブ・ジョブズは、明らかに日本文化の影響を受けて、自らのライフスタイルに取り入れていました。


また、世界には、神話が多くの残されていますが、たとえば、ギリシャ神話と、現代のギリシャ人との間には、何の関連性もありません。現代ギリシャは、皆さんもご存知のように、発展途上国にすぎません。イギリスには、ストーンヘンジがありますが、これも、現代のイギリス人とは何の関係もありません。古代エジプトと、現在のエジプトとは直接の関係はありません。しかし、日本の神話や、古墳、その他の古い文化財など、すべて現在日本に住んでいる日本人と直接関わりがあるものばかりです。以上あげれば、きりがないので、それに本日の本題とは、直接関係はないので、このあたりでやめておきます。


こんな国に見込みがないなどと思い込むのは、マスコミの刷り込みによるものがほとんどです。日本が駄目なら、世界を見回せば、地獄に落ち込んでいるような国々が数多くあります。歴史のある程度長い国であれば、現在いわゆる先進国であっても、過去には、戦争に負けて、他国の支配下にあったり、経済的にとてつもなく落ち込んだり、内乱にあけくれたなどということはいくらでもあることです。そのような国と比較しても、日本は、様々な資源に恵まれていますし、古い文化が息づいているいるにもかかわらず、革新的でもあります。

連合艦隊
上の日銀批判記事の高橋洋一氏も、何も日本が駄目とか日本の国民が駄目と言っているわけではありません。そうではなくて、日銀が駄目、政府が駄目と言っているのです。高橋洋一氏は、日本は今後80年間財政破綻することは全くあり得ないと自信たっぷりに語っていました。私も、そう思います。それどころか、日本のデフレが解消したときには、日本企業も、国民もとてつもない力を発揮して世界をリードするものと確信しています。


こんな国に将来が全くないなどということは、考えられません。それに、最近では、アメリカも中国も、EUでも景気に陰りがでています。それも、不況なのに、緊縮財政をするなどまるで、過去に日本がたどってきたような道を歩みかけています。

私自身は、日本のデフレ・円高は、そろそろ収束すると思います。いずれ近いうちに、政府の緊縮財政、日銀の金融引き締め政策は、何にもならないどころか、デフレ・円高の原因であることが、多くの人に理解され、世論の大勢を占めるようになれは、政府・日銀も世論を無視するわけにはいかなくなるからです。その日は、皆さんが思っているよりはるかに近いと思います。



現在の政権やその政権からあたかも独立しているように思い込んで我が世の春を謳歌しているようにみえる日銀や、日本を貶めて異国の為政者たちに力を貸すものどもも、所詮歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。このような国日本の未来は明るいです!!




 【関連記事】

【ニッポンの防衛産業】日本の固体ロケット技術は垂涎の的!:―【私の論評】持てるものも活かさない日本!!国防・安全保障は、広い視野から!!








2012年7月19日木曜日

誰でも無料で一流大学の講義が受けられる!?オンライン授業「コーセラ」は教育で社会変革を起こせるか - ビジネスモデルの破壊者たち―【私の論評】社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てよ!!

誰でも無料で一流大学の講義が受けられる!?オンライン授業「コーセラ」は教育で社会変革を起こせるか - ビジネスモデルの破壊者たち:

Coursera
スタンフォード大学から生まれた無料のオンライン授業「コーセラ」が話題を呼んでいる。今までも大学の授業を公開するオンライン授業はいくつかあった。だが、コーセラは他とは全然違う。なんと、宿題もあり、しかも質問を投げかけることも可能なのだ。 (画像はブログ管理人掲載)

提供されているカリキュラム

この記事のつづきはこちらから!!


【私の論評】社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てよ!!

「コーセラ」なかなか、良さそうです。これに類したものは、過去にもいくつかあったと思います。たとえば、iTunes Universityなども含めて結構いまでもあるのですが、結局どれも中途半端で、実際に受講したことはありません。


特に提供している内容が良いと思います。これらの内容など、社会人にも興味が持て、やってみようという気になるものが多いです。それに、英語の勉強にはかなりなりそうです。変に、英会話の勉強するよりははるかに実践的な英語が身につきそうです。

これらなら、どれかのコースを選んで私も受講してみたいと思ったので、実際に登録してみました。そうして、あるコースも登録しました。そうして、気づいたのですが、これは一般に良くeラーニングにみられるように、いつでも受講開始ができるというものではなく、普通の大学のように、講義がスタートし、そこに一斉に受講者が受講を開始し、中間には中間試験もあるし、期末には、期末試験もあります。個々の講義の後には、質問や、課題もあります。最終的に教授からの評価もあります。もし登録して、実際に受講をはじめたら、このブログでもその内容など、掲載させていただきます。そうして、本日は、セクシーな先生の画像とともに掲載させていだきます。それにしても、こんなセクシーな先生ばかりだと、あまり勉強が身につかないかもしれません。やはり、eラーニングのほうが、良いかも(笑)!!


それにしても、このような教育システムいまこそ必要だし、重要だと思います。

ドラッカー氏は、かつて、成人の教育に関して以下のようなことを語っています。

学習が、大人になれば止めるものでなく、生涯継続すべきものとなったからには、学校もまた継続学習に向けて組織されなければならない。(『断絶の時代』)

まもなく、あらゆる人が、数年ごとに学校に戻ることが当然となることも語っていました。成人が学校に戻ることが常識になるとも言っていました。ただしこの書籍を読んだ時には、「そうなれば確かに良いのだか、本当にできるのだろうか?」という半信半疑な気持ちがありました。しかし、今日のeラーニングの興隆や、この「コーセラ」を見ていると、今日では、可能であると確信するに至りました。

現在なら、SNSもあり、SNSでは、動画は見られるものの、ビデオチャツトもできるわけですから、可能性は無限です。ただし、やはり、何らかの形でスクーリングも実施すべきと思います。ただし、ビデオチャツトなどで、普段から話をできるようにしておけば、スクーリングの時間もかなり密度の濃い実りのあるものにできる可能性が高いです。

それから、ドラッカーは、18歳で学校に行くのをやめたからといって、知識労働に必要な知的資質を欠いていると見なすべき理由はないと語っています。むしろ逆だと言っています。

10年もすると、誰もが学校に戻りたくなる。そのとき彼らは、その強い動機づけのゆえにきわめて意欲的な学生となる。

確かにそうです。今では大学はおろか、中学、高校でさえ、勉強することの意味を見いだせない人間で溢れています。そんな人が大学に行っても、あまり学問など身につかないと思います。ただし、このブログにも以前紹介したように、いわゆる、中学・高校時代にある程度以上の詰め込みをしておかないと、その後リーダー的な資質を持つことは困難になるようです。ただし、すべての人が、リーダーになるわけではないので、リーダー教育は別として、多くの人が、学びたい時に学べる環境を整えることは良いことだと思います。


知識社会における現在では、人生のいかなる段階にあろうと、さらに高度な知識労働への道を開くことができなければなならないと思います。そして社会は、年齢にかかわりなく、いかなる人をも受け入れなければならないのです。そのようにして、組織の多様性も確保されます。

知識が仕事に不可欠になったからには、継続学習、すなわち成人を何度も学校に帰らせることが必要です。日本でも、社会人学生が増え、専門職大学院が次々に設立されています。

今日すでにあらゆる分野の人たちが、自らの再教育のために学校に戻り始めています。


知識社会では学校と生活は切り離されたものではありえない。学校と生活は相互にフィードバックしあうという有機的なプロセスとして結合される。これこそが、継続学習が目指すものである」(『断絶の時代』)
さて、上ではドラッカーの『断絶の時代』のなかから、いくつか言葉を選んで掲載させていただきました。この著作が出版された時代には、無論、eラーニングなど存在していませんでした。しかし、その後の著作の中には、無論でてきて、ドラッカーもこれ成人教育に大きな役割を果たし大きな社会変革になるであろうことを語っていました。そうして、eラーニングが、今世紀の大きな産業になるであろうことも語っていました。

 
上の記事にも、「無料でオンライン授業を提供するとは言っても、コーセラは営利目的の企業である。一体、収入を上げるためのビジネスモデルは何か」と掲載されていました。この「コーセラ」今のところ、ユーザーを増やすことに集中しているのだと思います。そのため、まだ、何によって利益を得ていくのか明らかではありません。しかし、何らかの方法で利益をあげることも考えているのだと思います。それに、大きなムーブメントとなれば、政府からの補助金や、企業や、個人からの献金も期待できます。NPOにするということも考えられます。

欧米では、営利企業だろうが、非営利企業だろうが、いわゆる事業はビジネスと呼び、そのモデルは、ビジネス・モデルと呼びます。ぜひとも、この社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てていただきたいものです。そうして、私たちも、このようなモデルをみならって、ビジネス・モデルの破壊者をめざしたいものです。

そうして、この「コーセラ」のやりかたは、このブログでも、しばしば述べている現在アメリカで、大潮流となっている「スペンド・シフト」という消費動向に適合した動きであります。



スペンド・シフトは、以前このブログにも掲載したことがありますので、ここでは詳細は述べませんが、簡単に触れておくと、以下の様なものです。

自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。

ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。

有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。

消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。

コーセラは、自分を賢くするために時間を使うことになりますし、受講者どうしで絆を深めることもできるし、自ら創造する人になるための手助けをしてくれるものともなるということで、この潮流にも十分のっているものと思います。いずれゴーセラも、何らかの形で利益などをあげて、このような事業を継続できるようにするビジネス・モデルの全貌が見えてくると思います。素晴らしいチャレンジだと思います。実際に評価するのは、それからになるとは思います。しかし、私たちも、このようなチャレンジを見習いたいものてす。




【関連記事】

「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話−【私の論評】本当の意味でのソーシャルが注目される時代(スペンド・シフトについて記載)

 

「絆」の次にくる消費は「想い・ストーリーがある商品」−【私の論評】日本のスペンドシフト発進!!

 

不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

 

「iPad教育」は普通の教科書より有効:調査結果―【私の論評】この社会では、誰もが、低価格でたやすく情報にアクセスできなければならない!!

 

【田原総一朗】緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす―eラーニングは、教育を改革する?!

 

内閣府調査 生涯学習「してみたい」7割「取り組んだ」は47%止まり-eラーニングと、NPOが鍵か?

 

2012年7月10日火曜日

福島県のFacebookページ、開設から3週間で1万以上の「いいね!」を獲得―【私の論評】日本でもスペンドシフトが加速か!!

福島県のFacebookページ、開設から3週間で1万以上の「いいね!」を獲得:


福島県広報課は7月9日、福島県の公式Facebookページ「ふくしまから はじめよう。」が、1万以上の「いいね!」を獲得したことを発表した。同ページの開設は6月18日で、公開後約3週間の7月6日に「いいね!」獲得数が1万を突破した。

この記事の詳細はこちらから!!


【私の論評】日本でもスペンドシフトが加速か!!
上の記事を御覧になって皆さんは、同考えられましたか?当然、あの震災があったことによる、同情ということもあるでしょうが、私はそれだけではないと思います。最近、多くの企業がFacebookページを活用して、様々なキャンペーンなど繰り返しているようですが、資金を注ぎ込んでもこのようにユーザーのエンゲージメントがこれだけ短期間にこれだけの高まりを見せることはなかなかないと思います。

私は、早速このページ「いいね!」ボタンを押しました。まだ御覧になったことのない方は、以下のURLから御覧になれます。是非御覧になってください。

http://www.facebook.com/FutureFromFukushima

さて、福島県のページ、震災地であるからということで、同情によるエンゲージメントだけだと、こんなに凄いことにはならないと思います。やはり、それ以外の要素があるはずです。それは、一体何なのでしょうか?

さて、福島県のページ、震災地であるからということで、同情によるエンゲージメントだけだと、こんなに凄いことにはならないと思います。やはり、それ以外の要素があるはずです。それは、一体何なのでしょうか?

そういった意味では、このページは、福島県という自治体によるものですが、民間企業でも参考にできる点が多々あると思います。このエンゲージメント(エンゲージメント率 = 反応数 / ファンの数)の高さ、やはり、最近の消費動向の変化などと大きな関わり合いがあると思います。



最近の消費動向の変化とは、このブログにも以前掲載した、スペンドシフトというものです。

以下にもう一度、スペンドシフトについて、掲載します。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
さて、上記の潮流がなぜ、この「ふくしまからはじめよう」のページと関係してくるのか、それを説明するため、まずは「ふくしまからはじめよう」のページから一つのコメントを以下に掲載します。
ふくしまから はじめよう。
7月2日
こんにちは。広報課の小島です。
「福島を盛り上げるために、まずは福島のおいしい“食”を全国に発信していこう!」…チームで話し合った結果、そんな企画が持ち上がりました。題して「ふくしまから“んめぇもん”はじめよう。」
というわけで、本日よりこの「ふくしまから はじめよう。」のページで、みなさんが考える「全国に伝えたい、ふくしまの自慢の食材」の投稿を募集します。桃やトマトなど、これから旬を迎える夏のフルーツ・野菜や、福島ならではの食材をぜひ投稿してみてください。写真や、おすすめポイントを一緒に投稿していただけると嬉しいです。このページのタイムラインを福島のおいしいものでいっぱいにして、全国の皆さんに見てもらいたいです!
そして、みなさんからいただいた投稿を参考にしながら、チーム「ふくしまから はじめよう。」でオリジナルメニューを考案します!スペシャルサポーターとして、野菜スイーツなどで知られる人気パティシエの柿沢安耶さんにご協力いただき、今までにないメニューを作りたいと思います!さらに、今回はナビゲーターとして、早くから「食」をテーマとした被災地支援を企画されていた“食を伝えるプロ”である雑誌「dancyu」の編集長町田成一さんからもアドバイスをいただく予定です。
どんなメニューができあがるのか、私たちも今から楽しみです。出来上がったメニューをたくさんの人に知ってもらえるよう、引き続きチームで作戦を練りたいと思います。

このページまだ、運営されてから、そんなに日にちがたっていないので、そんなにコメントがあるわけではないのですが、県庁のいくつかの課の方が、課の立場から様々な福島を活性化させる方法など述べています。

facebookのページには、当然のことながら、タイムラインがあります。そうして、過去のにさかのぼって記事を作成できます。しかし、このページ昨年の3.11やその直後の地震や、津波による被害など全く掲載されていません。一番古いタイムラインではも、今年の6月からです。もし、これが掲載されていたら、こんなにエンゲージメントは増えていなかったかもしれません。

福島の悲劇
このような情報であれば、何もわざわざ「ふくしまからはじめよう」のページを見なくても、他の過去のサイトにこ、れでもか、これでもかと、執拗なくらい掲載されています。それに、多くの人々は、震災直後からこの手の被災状況は、いやになるほど見せつけられています。辟易としている人も多いのではないでしょうか。中には、被災地でもないのに、毎日のように震災の画像をテレビでみせられて、PSD(心身症)になったり、なりかけた人も大勢います。


だから、被災の画面を全く掲載しないということは良い決断だったと思います。それよりも、このページに登場する人たちが、明るく前向きなのが良いです。先のスペンドシフトは、アメリカで出版された書籍で、アメリカで、9.11頃から明らかになりつつあり、リーマンショック以後から、顕著になった消費の潮流であり、その書籍を読んでいると、登場人物は、長年務めていた会社を解雇されたりして、新たに自営業や、他の事業に取り組んでいる人が多いのですが、とにかく楽天的で、それを通り越してタフでさえあるという人々が多いです。そうして、多くの人たちがが自信に満ち溢れています。そうして、書籍でも、こういう人々がアメリカの良き伝統を呼び起こしたり、新たな潮流を生み出していることを強調しています。これらの、人々は、明らかに地域のコミュニティーを通じて社会参画をしたり、社会変革に挑戦をしています。


考えてみると、このページも、そうです。登場する人たちは、すべて固有名詞で登場し、明るいだけではなく、前向きで、自分たちちに与えられた課題を自分たちの立場から解消しようとか、解決しようと努力しています。そうして、自信に満ち溢れています。そうして、明らかに社会参画をして、社会を変革しようとしています。そうした気持ちを県内外の人たちに知ってもらいたいとの趣旨から、このページを開設しているということです。

そうでなければ、このようなエンゲージメントは、生まれないはずです。このページに「いいね!」を押したり、コメントを寄せた人々は、こうした趣旨に賛同しているというです。いくら、企業がページを作成しても、企業をとりまく社会を無視していては、ファンもあまりできないですし、ファンのエンゲージメントも増えることはありません。なぜなら、民間営利企業だって、社会の機関だからです。

福島民放の女子アナ小野美希さん
県庁だって、民間営利企業だって、社会の機関です。いわゆる組織というものは、すべて社会の機関です。社会のが認めてくれるからこそ、存続できます。特に、民間企業など、社会に存続が許されているからこそ、存立できます。そうでなければ、あっという間に淘汰されます。県庁だって、本来は、そうです。しかし、そうではないような官僚もいるようです。だから、役所が非難されたりします。

福島県では、最近の震災によって、今まであまりにも当たり前で、意識すらされなかった、県庁が社会の機関であることが、クローズアップされ、そうして、震災直後から県庁の職員が、普段ではあり得ないことに遭遇して、自分たちの役割を認識し、社会のために努力しています。だからこそ、評価が高まり、今日のこのページのエンゲージメントの高さにつながっているのだと思います。


今後、せっかくこのような潮流が勃興してきたことから、この流れを止めるないように、福島県庁の方々にも努力していただきたいと思います。今のところは、うまくいっているようですが、将来的には、役所だけで完結するのだけでなく、地域のコミュニティーの中に含まれる組織である、民間営利企業、非営利企業などとも連携していくべきと思います。無論、今でも、そのようになっていますが、その流れをさらに強め、大きな力となっていくようにして欲しいものです。そのためには、福島から国に向かって、様々な法規制の撤廃や、新たな法律の制定なども働きかけていくべきものと思います。

福島県の保健所で保護されたバロン君。今は栃木で福島に帰る時を待っている
それにしても、このページをみていてわかることは、民間営利企業で、facebookページなど作成し、エンゲージメントを増したい場合には、ただ、目先のことを考えるだけではなく、強く社会を意識して、社会に貢献(ここでいう、社会貢献とは、CSR (corporate social responsibility)だけなどを意味するものではありません。そもそも、民間営利企業が、社会で活動し、存続しているということ自体が社会貢献です)する趣旨のもとに、ベージを公開しなくてはならないということです。さらに、上のスペンドシフトの潮流にうまくのらなければいけないということです。そうして、ユーザーにそれを認識していただき、ファンになっていただき、エンゲージメントを増やしていただければ、一見遠回りのように見えても、いずれ必ず利益にもつながっていくのだと思います。最初から、売らんかなの構えで、ステマなどしても、うまくはいかないと思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

Facebookページも「タイムライン」に! ブランドのプロモーション方法が変わる!−【私の論評】個人のタイムラインよりも意義深いものになる可能性がある!!社史編さんが、リアルタイムでできる?

【速報】2012年3月30日以降、すべてのFacebookページがタイムライン表示に切り替わります−【私の論評】こいつはかなり効果のあるプロモーションか!!

Facebookタイムラインを活用したコミュニケーション活性化事例まとめ−【私の論評】社史はFBでこうつくれ!?

【調査結果】facebookタイムライン化によりファンからのエンゲージメントが平均46%増加!―【私の論評】もしドラッカーが生きていたら「タイムラインでライフログを残せ!!」と薦めたに違いない?

〔WIRED 日本語版 Business〕Google+「ページ」がFacebookやTwitterに勝つ理由―【私の論評】ソーシャルメディアは、社会変革のインキュベーターともなり得る!!


財政審「コスト重視」の噴飯 高橋洋一氏が能登復興遅れ激白 補正予算編成せず 過疎地の財政支出「ムダと認識」で邪推も―【私の論評】災害対策の予算措置は補正予算が最適!予備費では遅れる

高橋洋一「日本の解き方」 財政審「コスト重視」の噴飯 高橋洋一氏が能登復興遅れ激白 補正予算編成せず 過疎地の財政支出「ムダと認識」で邪推も 高橋洋一 能登半島地震の復興が、従来の復興に比較して遅れている。 野口健氏が「東京と現地の温度差」を指摘し、被災者に「見捨てられた」感があ...