2017年11月14日火曜日

フェイクニュースにいかに対処するか―【私の論評】マスコミや野党は、全体主義的手法を用いることはもうやめるべき(゚д゚)!

フェイクニュースにいかに対処するか

朝日などのリベラル系マスコミの「報道しない自由」は偏向報道だ


米ハワイで、日本に向かうため大統領専用機に乗り込む際に手を振る
ドナルド・トランプ米大統領(2017年11月4日撮影)
 今年の新聞週間の標語は「新聞で 見分けるフェイク 知るファクト」であった。この標語からも今年の流行語に「フェイク」は「忖度」と共に選ばれる資格があるであろう。

 フェイクは米国の大統領予備選時に、ドナルド・トランプ氏の言動をCNNやニュヨーク・タイムズなどのリベラル系マスコミが悪意的に報道したことに対して、トランプ氏が「フェイク・ニュース(偽記事)」だと反撃したことで表舞台に華々しく登場してきた感がある。

 日本では通常国会の終盤で加計問題が浮上し、「行政が歪められた」という前川喜平氏の発言や野党の追及だけが大々的に報道され、誘致当事者の「歪められた行政が正された」という証言はほとんど報道されなかった。

 こうしたことから「報道しない自由」が「編集権を盾に都合の悪い情報は報道しないメディアを嘲笑するネットスラング(用語)」(宮脇睦「ネットバスターズ」『正論』2017年9月号所収)として話題になった。

 マスコミが恣意的に印象操作して「火のないところに煙を立てる」フェイク・ニュースを作り出すのであれば、「正確と公正」などを掲げる新聞倫理綱領や公正中立を旨とする放送法に違反する。

第1次大戦で出現した宣伝戦

戦争プロパガンダでは敵の残虐性を強調し、自国の軍隊は国民のためはもちろん、他国の民衆をも救うためにも活動し、残虐行為など行うはずもないという好印象を植えつける。

 第1次世界大戦では宣伝戦が大々的に活用された。その1つに、敵が捕虜の指を切り落とす残虐行為を行っているとの報道もあり、帰還兵たちは出迎えた人たちに指を出して「自分の指はあるよ」とVサインして見せた。ヴィクトリーのVに通じていることは言うまでもない。

第一次世界大戦中のドイツの徴兵用のポスター
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 フランクリン・ルーズベルト大統領は米国を第2次世界大戦に参戦させないことを公約して3選された。しかし、英国の苦戦を見かねた大統領は米国世論を参戦に誘導する。ドイツ挑発に失敗した大統領は日本を参戦させるように動く。

 日華事変では蒋介石を支援して宣教師を中心に反日宣伝戦に協力。国民党軍の戦いぶりを見た米国人ジャーナリストが「蒋介石はプリンターで戦っている」と書いたように、国民党軍はフェイク・ニュースを垂れ流して戦局を有利にする戦いを展開した。

 中国から帰米後、日華事変に関わる中国発の対日情報がフェイクであることを米国人に訴える努力をした上記ジャーナリストや元駐中国外交官らは、日米戦争が始まると「妨害者」として収監される。

 中国発のフェイク・ニュースがルーズベルト政権にいた200人を超す共産主義スパイによって拡大・拡散され、米国民を参戦に導き、また戦意を向上させるために使われたのである。

 戦闘行為の一環としての南京事件が「南京大虐殺」として今日世界に拡散するのも、東京裁判などにおける米国人宣教師たちのフェイク情報に負うところが大きい。

米国宣教師マギーにより撮影されたとされる、南京虐殺当時の南京市民の写真
多く女性が平静であるようにみえる、特に最前列の女性は満面の笑み。
 米国内では日本の南進に抗議して鉄屑など必需品の日本への輸出を禁止し、最後には血の一滴と称された原油の全面禁輸に踏み切る。「窮鼠猫を噛む」状況に追い詰められた日本はパール・ハーバー攻撃を行う。

 資源小国であった日本は原材料の輸入が制限されては付加価値を生む製品が作れないし、石油がストップされては国家機能が麻痺してしまう。

 ダグラス・マッカーサー元帥が解任され帰国後に議会で証言したように、「(日本は)安全保障上の必要」からABCD(米英中蘭)包囲網を打開する必要性に迫られ、やむを得ず開戦に踏み切ったのだ。

 しかし、戦争挑発人の大統領は日本が宣戦布告もしないで奇襲攻撃を仕かけたとするフェイク・ニュースを流し、「リメンバー・パールハーバー」を合言葉に米国民を戦争へ駆り立てた。

 「リメンバー・パールハーバー」はスペイン領フィリッピンを手に入れるために米兵が乗ったメーン号をスペインが爆破したように見せかけ、「リメンバー・メーン」を呼号して米国民を米西戦争に導いた43年前の再現であった。

 こうした宣伝戦は開戦や戦勝を勝ち取る手段で、年月を経て歴史家などがフェイクであったことを明らかにしてきた。

 しかし、中国の宣伝戦は日本を「悪徳国家」に落して、自国を倫理的に優位な立場に置き、共産主義の素晴らしさを人民に見せる建前上、一過性で終わらない。

戦争をプレイアップしたマスコミ

『朝日新聞の戦争責任』(安田将三・石橋孝太郎共著、太田出版、1995年8月刊)を読むと、「当時から日本を代表する(朝日)新聞」が「いかに虚報と偏向報道に明け暮れ、国民を戦争に導いたか」が分かる。

 本書は『読んでびっくり 朝日新聞の太平洋戦争記事』としてリヨン社から前年7月発刊され、版を重ねるが4か月後に朝日新聞社から著作権を理由に抗議され、絶版となる。

『読んでびっくり 朝日新聞の太平洋戦争記事』の表紙
 そこで著者は編集方法に工夫を凝らして改訂・再編集して上梓する。著者は「(朝日新聞が)戦争を美化、正当化し、国民の戦争熱を煽っている」状況を、記事そのものを通じて読者に伝えたかったと語り、あえて初版本の復刻版と呼んでいる。

 当時は戦争に悪影響を受ける部分は削除や書き換えるなどの検閲があり、統制を受けていた。

 しかし「統制を受ける前に、自発的に先回りして、統制側が望んだものよりも進んだ、より激しい戦争遂行、戦意高揚を説く記事を載せたらしいことが、記事を読めば伝わってくる」とも書いている。

 これは今日言うところのフェイク・ニュースであり、朝日が戦前・戦中、権力機構にいかに寄り添い、多くの日本人を死地に送り込んだかの証しでもある。だから、著作権を理由に、絶版に追い込んだとみられる。

 その朝日新聞は今や人権擁護、反戦反安保で護憲のエース格とみられている。慰安婦問題では意に反する強制連行をしたとして32年間も日本を難詰し続けてきた。

 しかし、「強制連行」がフェイクであることが分かると、「強制性」があったとする主張に替え、慰安婦像や慰安婦碑が世界に拡散する大本を作った。

 朝日は元記者の長谷川煕氏が言うように、共産党員でなければ朝日の記者に非ずといった雰囲気の中で読者を伸ばしてきた新聞であるから、当然の報道姿勢かもしれない。

 日本新聞協会は創立(昭和21年)に当って新聞倫理綱領を定めたが、環境が激変した中で21世紀にふさわしい規範として平成12(2000)年に新しい倫理綱領を制定した。

 新綱領の前文では「国民の『知る権利』は民主主義社会をささえる普遍の原理である。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」(概要)と述べ、本文においては、「自由と責任」「正確と公正」「独立と寛容」「人権の尊重」「品格と節度」の5項目を掲げている。

 新聞の責務の大なることを綱領で謳いながら、正確でも公正でもなく、人権を蹂躙し、また日本の品格と日本人の名誉を貶めるフェイク・ニュースを流し続けることは、国家の崩壊につながりかねない重大事である。

都議選や倒閣に多用されたフェイク報道

都議選時(今年7月)の小池百合子東京都知事は国政にも大きな影響をもたらす存在であった。そこで、安倍一強を好ましく思っていなかった多くのマスコミが小池氏の影響力の極大化に尽力したことは言うまでもない。

 小池氏が知事就任直後のあいさつ回りで、自民党の都議会議長に握手を拒否されたとする映像が流された。

悪手拒否があったとされた、フェイク報道のキャプチャー画面
 都議選で自民党が惨敗した翌日のTBS「ひるおび!」がこの映像を流し、キャスターがこうした態度が(自民党)惨敗の理由の1つだとして、「握手ぐらいすればよいのに」と嘲笑する。

 しかし、前出『正論』によると、ネット民の検証で、実際は握手をしていることが判明しており、「同番組は握手をする直前と直後の映像をつないで放映」したのだ。


 宮脇氏は「TBSの報道ぶりは酷すぎる」と批判しているが、これは「報道しない自由」ではなく「捏造」である。

 野党は安保法案を「戦争法案」と喧伝し、テロ準備罪の法案審議では「喫茶店で話し合っただけで(犯罪者に仕立てられる)」かのように恐怖心を煽った。視聴者受けを狙った言い掛かり質問もいいところで、フェイク報道と言っていいだろう。

 野党が目指すのは安倍一強政治の打破であり、そのために「女の壁」をつくり、それを「強行採決」で突破する「暴走内閣!」に仕立てた。それでも、国民の間には安保法制やテロ準備罪も必要不可欠な法律との認識が強く、成立した。

女の壁=馬鹿の壁?
 しかし、加計学園の獣医学部新設問題が政府・自民党に与えた影響は大きかった。

 ほとんどのメディアが前川氏の発言を写真入り、スポーツ紙並みの大活字で取り上げた。朝日や毎日系の新聞テレビは「報道しない自由」を偏向報道に置き換えてフェイク報道をし続け、国民に誤った印象を与えて恣意的に安倍一強に打撃を加え続けた。

フェイク報道をした朝日新聞
 当事者であり、安倍第1次政権以前から誘致してきた元愛媛県知事の加戸守行氏は「取材は沢山きたが、都合の良いところだけ使われた」と語った通りで、こと加計問題では印象操作によるフェイク報道が横行した。

 その流れで、都議選では「報道しない自由」が効果的に活用され、自民党に大打撃与える結果となり、安倍一強打倒への声は非常な高まりを見せた。

夢と消えた共産主義社会

こうした状況下で、北朝鮮の核と弾道ミサイルの脅威が一段と現実味を帯びてきた。しかし、中長期的には中国の野望への対処が重要である。

 中国では汚職が蔓延して貧富の差が拡大し、年間の暴動が20万件以上という報道もあった。習近平総書記が進めた汚職追放が歓迎された。

 さらに運動を進めるためには強大な力が必要である。また貧富の差がなく、皆がひとしく生活を享受できるとするマルクス・レーニンの共産主義が提示する社会は、夢のような世界として期待されよう。

 そのためには歯ブラシ1本、靴下1足という細部に至るまでの国家による計画経済が不可欠である。

 数人の友人や家族においてさえ意見の衝突が起きる人間社会において、数万、数十万の地方自治体や、数百万、数千万の国家において矛盾を生じない方がおかしい。まししてや中国は13億人超の人口を有する国である。

 ちなみに、中国には現在400万人超の死刑囚がいると言われ、日本に換算するとほぼ40万である。戦後日本の実際の死刑は年間2~41人(1952年)であるところからも、社会主義は犯罪者を大量に生み出すシステムにほかならない。

 理論では夢の世界を抱かせた共産主義国家ソ連であったが、現実の過程では地獄の悪夢しか与えることができず、70年余で消滅した。その教訓から中国が学ぶところは大きかったに違いない。

 習総書記が掲げる「中華民族の偉大な復興」という中国夢を実現するためには、「戦争」で破壊をもたらしてはならない。当然ながら世界一の軍事力を背景にしながらも三戦をはじめとした超限戦を駆使して、孫子のいう「戦わずに勝つ」方策を追求することになる。

 「新時代の中国の特色ある社会主義思想」と名づけられた習思想の主な柱は、経済、政治、文化、社会、エコロジー文明の建設を総合的に進める「五位一体」と、小康社会の建設、改革の深化、法による政治、党の綱紀粛正を全面的に進める「四つの全面」とされる。

 反腐敗運動をさらに進め、政治・思想・組織に限ったこれまでの指導から、党政軍民学と東西南北中の一切を指導するとしているから、党による統制強化が一段と図られるということである。

 2012年ハリウッドでリメイクされた映画「1984年」より
 このためには徹底した監視と強力な統制が必要になる。そうした社会が何をもたらすか。すでにスターリン治下のソ連と毛沢東治下の中国で経験されたことではないだろうか。いや、習思想は、さらに統制を強めるという意味ではジョージ・オーウェルの『1984年』そのものの世界に近いかもしれない。

日本の対処

国家の名誉ある存続のためには、時には自衛戦争を含む強硬な態度をとることもやむを得ない場合がある。自衛力の保有は自然権であるが、条文上からは交戦権を認めないので、有効に活用できない。

 これでは脅威が存在する現実の国際社会で主権を行使して生き延びることはできない。

 日本の領土が不法に占拠され、国民が連れ去られる事案はこうした状況下で起きた。日本は9条ゆえに、自分自身で自国の首を絞める主権放棄にも等しい国家に成り下がっていたのだ。

 憲法前文は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と述べる。そもそも「平和を愛する諸国民」という認識がフェイクである。

 現実は国益を競う権謀術策の諸国家が存在する。そうした国家を信頼して「安全と生存を保持」するにはただ一つの地球共同体(国家)となる以外にないであろう。現在のところ、地球共同体は仮想世界でしかない。

 憲法の前文を受けて、第9条がある。そこで、現実に生き延びるために解釈改憲を重ねてきた。それでも、矛の部分は米国に依存し、日本は盾の部分だけしか保有していない。

 同盟国相互が信じ合うことは素晴らしいが、国益が衝突すれば同盟が一瞬にして崩壊することは歴史が教えている。

 習総書記の共産党大会における発言を見る限り、一党独裁体制をますます強め、言論の自由は制限され、国内の不満は圧殺されて聞こえ難くなる。

今年の共産党大会で挙手をする習近平
亡命中国人などは、習思想が「世界秩序を破壊し、民主国家を脅かす」とみている。先の党大会では中国に批判的なマスコミが排除された。この一事は今後の予兆であろう。

 特異な社会主義大国を目指す中国に対し、日本は盾と矛をバランスよく備えた「自分の国は自分で守る」意志と能力を備えた自己完結型国家を目指すべきではなかろうか。

 また、日本国民は一向に気にかけていないが、中国は北朝鮮以上の核兵器を保有し、現実に日本を目標にした弾道ミサイルを配備している。中国の大国志向から、日本への(核)ミサイルの脅威が登場しないとも限らない。

 今こそ、掘り下げた「核論議」(核装備ではない)をしておくことが必要ではないだろうか。

 覇権大国を目指す中国は、超限戦を駆使して南京事件以上のフェイク・ニュースで日本に汚名を着せ、また世論を分断して混乱と弱体化を企図するであろう。韓国もフェイク・ニュースで嫌がらせを続けている。

 法の支配は言うまでもないが、自由で民主主義、人権を重んじ、貴賤を区別しない日本であるファクトを世界に発信することが大切である。

 同時に、万葉集の「言霊の幸はふ国」であり、「言葉」に霊力が宿るとして、ファクトを重視する日本であることも再確認する必要がある。

【私の論評】マスコミや野党は、全体主義的手法を用いることはもうやめるべき(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事、結局現在のマスコミのフェイクニュースに関して、全体主義の脅威・危機にについて警鐘を鳴らしているのだと思います。それは、2つの側面があります。一つは、日本の近隣の北朝鮮や中国のような全体主義国家による危機です。もう一つは、マスコミが煽る日本国内の全体主義化の危機です。

特に国内危機としては、マスコミや野党が、自分たちの使命は「政権や権力と戦うこと」であり、「アベ政治を許さない」と言う揺るがない信念をもって報道したり、国会で論戦をしたていることです。しかし、これが多くの日本国民の民意でないなら、自分たちにの価値観の押し付けであり、これが成就すれば、全体主義へ大きく舵をきることになります。

確かに、今回の選挙では結局、与党側が大勝し、マスコミの目指す方向にはならなかったのですが、これは多くの人々がマスコミの価値観を拒否したということです。そうはいいながら、確かに大きな危機でもあったことは間違いありません。そうしてこれには、ネットの力が大きく作用したことはいうまでもないと思います。

もし、ネットが存在せず、多くの人々がマスコミの垂れ流すフェイク・ニュースを鵜呑みにしたとしたら、とんでもないことになっていたかもしれません。

現在では、若い層を中心に、テレビはあまり視聴せず、新聞はほとんど読まず、情報はもっぱらネットからという人が増えています。もし、この状況がなければ、とんでもないことになっていたでしょう。



2000年以前、インターネットを使うためには、まず「電話を掛ける」事が必要でした。常にインターネットを利用できる「常時接続」は大学や企業の研究所だけでした。

家庭では、3分10円の電話代を気にしながらの「ダイヤルアップ接続」が主流でした。事前にメールを書き溜めておき、電話を掛けるとまとめてメールの送受信を実行、その間にせかせかとホームページを見て回り、用事が済むとすぐにネットから切断するような使い方でした。

深夜23時以降に電話料金が定額になる割引サービスの利用者も多かったのですが、その影響で夜はネットが大混雑。電話を掛けてもプロバイダのアクセスポイントの回線が全部埋まっていてネットが利用できません。「話し中」の通知音を聞きながら、リダイヤルを繰り返すのが日課でした。

一方、携帯電話も普及しておらず、家庭の電話は家族共用。ネットの最中に家族がうっかり受話器を上げてしまい、通信エラーで強制切断、など事もよくありました。

私は、パソコン通信の時代からネットを利用していましたが、この時代はもっと悲惨で、ネット上で少し複雑なことや、時間のかかることをしてしまうと、電話代が4万円以上にもなっしまいました。これでは、とてもじゃないですが、ネットが情報源になるというようなことは期待できませんでした。

実際、パソコン通信やインターネットが普及し始めた頃は、私自身テレビや新聞の報道にあまり違和感を抱くことはありませんでした。ネットが普及したばかりの頃までは、私を含めて多くの人が新聞やテレビに相当印象操作をされていたのだと思います。



しかし、それもだんだんと変わってきました。その変化は、最初に携帯電話からおこりました。「通話」のためのものだった携帯電話に、「メール機能」がついたのは20世紀から21世紀に変わる間際でした。

「ケータイのメール」は瞬く間に日本中に広がり、ゼロ年代のコミュニケーションの主役に躍り出ました。とはいえ、携帯電話のエリア整備はまだ不十分で、「電波のいい」場所を探してうろうろする事もありました。

小さな画面、少ない文字数で多くの情報を伝えるために考案された「絵文字」が、大切な気持ちを伝えるための小道具として多用されるようになったのもこの頃でした。

各社が競うように種類を増やした「絵文字」は、その後海外でも注目を集め、いまや「emoji」として世界中で使われるようになりました。振り返ってみると、現在使われているネット上のサービスの多くが、この時代に生まれた考え方を下敷きにしている事に驚かされます。このあたりから、インターネットも常時接続が普及していきました。この頃から、ネットからの情報も豊富になっていきました。今や高齢層しか利用しないとされている「2チャンネル」もこの頃でできました。

iPhone3GS

2010年代に入ったころから急速に普及を始めたスマートフォン。私自身は、iPhone3GSが最初のスマートフォンでした。これは、2009年に発売されています。これは、基本的には今のスマホとほとんど変わりません。私の記憶では、このあたりではまだまだスマートフォンを普及せず、iPhone4でかなり売れだし、iPhone4Sでかなり売れだしたという記憶があります。

これにより、従来の携帯電話にはなかったバラエティ豊かなアプリ・サービスが生まれますが、その背景にはインターネットの技術がありました。この頃に現在のスマホから、様々な情報が入ってくるようになりました。現在の主だったSNSもこの前後にでてきたものです。

従来の携帯電話と比べ高い処理能力を持つスマートフォンでは、スマートフォン自身で高度なプログラムを動かす事ができ、また、直接インターネット上のサーバと通信が行えるようになったのです。

また、スマートフォンは、プラットフォームが世界共通になったという事も大きな出来事の1つです。海外で始まったSNSが日本でも定着し、インターネットの新しい使い方が広がりました。

メールのような1対1のコミュニケーションと、ホームページのような意識的な情報発信の中間のような形で、特に宛先なく気持ちをつぶやき、そしてそれを見たどこかの誰かが「いいね」を返す、そんな緩やかなつながりがインターネットを通して世界を覆うようになりました。

現在のインターネットは格段に使いやすくなった
このような時代では、マスコミや野党が、自分たちの使命は「政権や権力と戦うこと」であり、「アベ政治を許さない」と言う揺るがない信念をもって報道したり、国会で論戦したとしても、自分たちの望む方向に世論を誘導することは難しくなりました。

特に若い世代は、安倍政権を支援するということで、保守化したなどと誤った認識を持つ識者などもいますが、それは間違いであり、若者は単純に雇用が良くなったことを評価しているだけであることをこのブログに以前紹介しました。

多数の若者は、マスコミがいくらフェイク・ニュースを流したとしても、ネット上で、安倍政権が雇用に関して、かつてないほどに改善したことを知ったのです。そうして、その継続を臨んだのです。だからこそ、若者を中心に安倍政権を支持したため、今回の選挙で大勝したのです。

野党、マスコミはそろそろ気づくべきです。どんな組織も、外に永遠に敵を作り続けることはできないのです。外に敵をつくり続けるということでは、韓国も、中国も同じです。

韓国と中国は、歴史の修正を行い、日本を意図して意識して、悪者にしたてあげ、国内での秩序を保っています。というより、そうしなければ、国民の巨大な憤怒のマグマが自分たちに直接向くと、自分たちは崩壊するしかなくなるので、それを日本に向けるようにして、一時しのぎをしているだけです。しかし、それはどう考えても長続きはしません。

野党、マスコミも同じことです。事実の修正(フェイク)で、安倍総理個人、与党を意図して意識して、悪者にしたてあげ、自分たちの存続を図っているのです。

考えてみると、これは全体主義に共通するやりかたです。

ナチスやスターリンなどの全体主義のシステムには最初から大きな欠陥があります。それは以下の三点に集約されます。
・永遠に敵を作り続けなければいけない(外にケンカ売る)
・外部からの資源の調達コストが上がり続ける(外から嫌われる)
・経済が破綻し、戦争に負ける(負けたら終わり)
 ナチスは連合軍を始め世界の大半を敵に回したため、資源の調達のためにポーランドやウクライナなど東欧の侵略をせざるを得ず、戦争の収拾がつかなくなりました。


経済システムの限界、そして独裁者という「絶対的個」はいつか死ぬという避けられないシステム不備があります。しかもそこに、国民個人の自由や幸福の追求はなく、生活水準もどんどん下がっていくことになります。
ナチス党大会
にもかかわらず、ドイツ国民はなぜ全体主義を支持したのでしょうか。
それはその当時代替案がなかったからです。全体主義は、格差と失業に苦しむ民にとっての短期的なソリューションだが、長期的に考えると破滅が待っています。しかし、絶望に苦しむ民にとって「無いよりまし」なのです。
「全体主義は間違っている」と反対しても、状況を変えるのは難しいのです。なぜなら全体主義は民にとって災厄ではなく「ソリューション」であったからです。
まずそのことを認めたうえで、必要なのは「あ、なるほど。そっちの方がより良い」と思える長期的な成功モデルの構築なのです
安倍政権は、長期的な成功モデルとして、金融政策を示して実際に成功しました。さらに、安全保障に関しても、新機軸を打ち出しつつあります。さらに、決して十分とはいえないものの、ここ20年で経済的は最もパフォーマンスが良く、安全保障の面でも高い能力を発揮しています。
しかし、野党やマスコミはそれを示せていません。ただただ「安倍政権を潰す」ことだけを表明するだけです。その後に何があるのか彼らは示しません。これも全体主義的です。全体主義では、具体的なビジョンはなく、既存の体制の批判をドグマ(教義)とします。

ヒトラーもそうでしたし、スターリンもそうでした。習近平もそうです。習近平が今年共産党大会で語ったことには、長期的な成功モデルの片鱗もありませんでした。あの悪名高い、毛沢東(大躍進、文革)や鄧小平(天安門事件)のほうがはるかにましです。

これからも、日本ではインターネットという「長期的な成功モデル」の一つであるインフラがある限り、政治的にも極端に全体主義的な方向に走ることはないでしょう。マスコミや立憲民主党や希望の党などの野党は、全体主義的手法を用いることはもうやめるべきです。そうでなければ、いくら既存の方向で努力したとしても、今回の選挙結果にみられるように衰退するばかりです。

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