2014年3月25日火曜日

日本は破産しない!(上念司オフィシャルページ)秋田県の建築会社がとんでもないことになっている!!―【私の論評】公共工事にも市場原理をとりいれるべき、このままでは日本の建築業界は2度破壊されてしまう!

日本は破産しない!(上念司FBオフィシャルページ)秋田県の建築会社がとんでもないことになっている!!

経済評論家 上念司氏
秋田県の建設会社勤務の方より切実な訴えです。供給制約を無視することでなんと公共事業潰しが行われています。皆さん、耳を傾けてください!

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建設業勤務です。

はっきり言って、公共事業を景気対策の一環としてやられると迷惑です。

そっちの都合で供給力なんて増やせませんって。

最悪の状況を経験して、人も設備も減らしまくってなんとか耐えてきたのに、いきなり仕事持ってきて「さあやれ、不落にすんな」だと?

建設業だって馬鹿じゃないんですから、その後の崖を見越して保守的に経営しますよ。

景気なんてしりませんよ。こちとら遅くとも2020年には終わるバブルですし。地方なのでその前に終わりますし。

実際現状は完成工事高が上がっても経費がかさんでかえって赤字になってるところ多いんじゃないですか?

そもそも外国人を建設労働者にって、馬鹿の発想じゃないですか?

公共工事が地元企業への発注なのに、誰がその外国人とるんですか?秋田のおっさんがベトナム語使えるとでも?

下請けが起こした事故は元請けの責任になるんですよ?そんな訳のわからないもの使えませんよ?



建設業を20年ぐらいケチョンケチョンにこき下ろした結果がこの「人材不足」です。
いまから泥縄やったって間に合いませんって。政治の結果です。

建設業に必要なのは長期的な将来の見通しです。
景気対策としての公共事業は、その真逆の愚策であると断言します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・

物価についてはある程度救済措置はありますが、労務単価は基本的に年1回の改定時以外は変わりません。

ですので人件費がいくら嵩んでも公共事業の契約額は増えないのです。

さらに工事が多すぎて建設資材が不足し、それによって工期を圧迫されて休日や夜間の突貫工事になってしまうと益々労務費が嵩みます。はっきり言って建設業の供給能力を把握しないで無尽蔵に公共事業を発注したとしか思えません。

この記事の詳細はこちらから!

【私の論評】国土強靭化基本法には、建築・土木業界の育成を含む包括的プログラムを含むべき、このままでは日本の建築業界は2度破壊されてしまう!

公共工事の供給制約、かなり深刻なことが上の記事からもわかります。過去20年間にもわたり、公共工事を減らしに減らしてきた結果がこの有様です。このことについては、以前のこのブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

【日本の解き方】高く評価できる黒田日銀の1年目 懸念は増税による成長率下振れ―【私の論評】財政政策にも限りが、追加財政政策をしたとしても、公共工事の供給制約がある(゚д゚)!
 これは、かなり重大な問題です。やはり、今年の増税は何が何でも絶対見送るべきだったということです。 
そうはいっても、国土強靭化などの公共工事は絶対に必要です。であれば、5年くらいかけて、徐々に増やしていくということは絶対にすべきものと思います。ただし、当面の即効的な景気対策にはならないということです。 
そうなると、当面公共工事は、経済の安定化政策の手段としては非効率ということです。賃金高騰、資材高騰している現状では、公共工事に無理やり公共投資をするよりは、同じ額を減税や給付に回した方が景気の安定化に資するということになると考えます。

平成15年度は、増税は絶対に駄目です。それどころか、減税をすべきです。また、給付をするにしても、即効性のある給付の仕方をしなければならないと思います。それとも、アメリカが第二次世界大戦で実施したように、建築・土木関係の人材を急速に育てるようなブログラムを開発するなどということも考えられます。あの戦略爆撃B29の爆撃機と、乗員を急ピッチで育てる戦略ブログラムを実施するなんていかがですか?それにしても、来年1年間は、そのようなこともすぐには効果があがりません。やっぱり、本当は増税すべきではなかったということです。
上の記事にあるとおり、公共工事の労務単価は基本的に年1回の改定時以外は変わらないというところが非常に問題です。ここにも、市場原理を適用していくべきです。官僚が決めるのではなく、市場の動きに任せるべきです。方法はいくらでもあると思います。これなしに、日本の公共工事の供給制約を緩和する方法はありません。

また、財政的にみても、労務単価に上下に応じて、財政出動ができれば、素早い経済対策を行うことができます。これを前提として財政政策を実施すべきです。

景気対策としての、積極財政政策は金融緩和より即効性があります。金融緩和が末端にまで影響が及んでくるのは2年~3年かかります。ところが、財政政策はうまくいけば、半年くらいで影響がでてきます。

しかし、現状のように公共工事の供給制限がある最中では、むやみやたらと公共工事そのものを増やしても、効果は期待できません

であればやはり、公共工事は増やしつつも、減税、給付も同時に実施していくという道筋が正しいです。公共工事は、景気回復の柱とすることなく、あくまでサブとして、将来の国土強靭化のための備えとして、包括的プログラムを実行していくべきと思います。

そうして、給付の中には、建築・土木・電気工事などの経験がない人を、促成栽培できるような教育プログラムを導入しそれを運用しつつ、それも教育を受けている間も、給付が受けられるようにして、短期間で技術を習得させつつ、習得した人材をスムーズに公共工事にまわせるような包括的プログラムをつくり、うまくまわしていくような仕組みを構築すべきです。

そうして、ただのべつまくなく増やすというのではなく、長期的な公共工事のプログラムに基づき、毎年増やしたり、減らしたりするような包括的プログラムにすべきと思います。このように書いてしまうと、まるで社会主義政策のようですが、この包括プログラムには、もちろん市場主義も導入し、設計主義などには陥らない仕組みづくりが必要になります。当然期間は10年などと限って実行すべきものです。現実を知らない、知ろうともしない役人の作文ではこのようなプログラムはできません。英知を結集すべきです。そうしてその目的は、いうまでもなく、デフレからの完全脱却です。

国土強靭化基本法案の概要をみてみると、工事の概要については掲載されてありますが、この工事を可能にする、建築・土木業界の育成など掲載されていません。それは、まるで最初から存在するもののような扱いです。これでは、折角の素晴らしい計画でも絵に描いた餅に終わってしまいます。建築・土木業界の人材、インフラなどの促進計画ならびに、どの程度の期間で実施するのか、掲載すべきです。

人類を月に送り込んだアポロ計画

この概要を書いた人の頭の中には、現状の公共工事の制約のことが頭にないようです。これは、プログラム思考のアメリカと、日本との大きな違いであると思います。世界恐慌(日本では昭和恐慌)から一番先に立ち直りました。これは、戦前のことです。これには、高橋是清か推進した、日本独自の財政・金融政策によるものです。アメリカの経済が立ち直ったのは、戦争中のことです。

この点では、日本はアメリカより優れていますが、プログラム思考ということではあアメリカに多いに学ぶ点があります。たとえば、戦略爆撃機B29の製造と、出来上がったB29のクルーの養成は、一つの包括的プログラムを実行することにより行われました。いくら爆撃機をたくさん作っても、その要員がいなければ、爆撃には役に立ちません。

さらに、どこかの地点を爆撃するにおいて、アメリカの場合は、そこに爆撃機が到達するまでに、撃墜される爆撃機の数を確率統計的に計算して、その分も含めて、爆撃隊を編成しました。しかし、日本は、撃墜されるであろう爆撃機の数を含めてまで、爆撃隊を編成しなかったため、いつも不十分な爆撃しかできませんでした。

このプログラム思考は、その後人類を月に起こりこむ計画である、アポロ計画にも引き継がれ、成功しています。

アメリカでは国家プロジェクトとしてニューディール政策が行われたが、アメリカの
経済が回復したのは、戦中だった。これに比して、日本は戦前に経済が回復した。
国土強靭化を実行するには、アメリカのニューディール政策に匹敵するような、歴史に残るようなプログラムを創設し、実行していくべきものと思います。過去に世界恐慌から世界で一番最初に脱却できた、日本なら、英知を結集すればそのようなことは十分実現可能であると考えます。また、このような包括的プログラムの運用実績をつければ、日本がこれから様々な災厄にあったにしても、強靭にしなやかに立ち直ることができます。

このようなことを実施せず、あるがままに放置しておけば、日本の建築・土木業界は、過去20年は公共工事の大幅減により、弱体化され、今度は景気対策による公共工事の大幅増により、破壊されてしまいます。とにかく、小手先では駄目です。本格的に、体系的、組織的に取り組む必要があります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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