2013年7月29日月曜日

増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう―【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!

増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう 


連載:「日本」の解き方

高橋洋一氏

 23日午前の閣議に経済財政白書が提出された。「長引くデフレから反転する兆し」と評価する一方、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示した。「負の側面への提言が乏しい」「アベノミクスを正当化している」との報道や論評もあるが、白書をどう読めばよいのか。

 政府の資料全般にいえることだが、まず大事なのは、全文を読むことだ。政府の資料はインターネットで容易に入手することができる。筆者も早速入手して読んでみた。残念だったのは、インターネットへのアップが遅れたことだ。午前中の閣議に提出されたが、内閣府のサイトへのアップは午後3時頃だった。同様に23日の閣議に提出された7月の月例経済報告がすぐにアップされたのと対照的だった。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

 ただ、欧州の例を挙げ、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示しているのはおかしい。これも経済財政白書を読むと、どこに分析があるのかと首をかしげてしまう。

 本来であれば、(1)消費税増税前(2)増税時(3)増税後、それぞれの実質GDP成長率について、3つの資料がないとダメだ。もし、経済財政白書の主張を言いたいなら、(1)の成長率が、駆け込みの反動で(2)の成長率に落ち込むが、その後は(3)で成長率が戻るといわなければいけない。

 ところが白書には、(1)と(2)の図が載っているが、(3)がない。これでは、結論に至る分析がないので、結論ありきだ。経済財政白書は内閣府がまとめているが、財政のところは財務省の意向なのだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!

さて、上の高橋洋一氏の記事を読んでどう思われるでしょうか。経済財政白書の瑕疵(かし)については、以前のこのブログにも掲載したので、そのURLを掲載しておきます。
メディアの嘘を見抜け】酷すぎ、今年の経済白書はバカか工作員の未来日記なのか―【私の論評】マスコミがその巣窟になつている現在、せめて役所それも内閣府だけは馬鹿とスパイはお断りにしていただきたい!
この記事では、上の高橋洋一氏が語っておられる、経済財政白書の明らかな瑕疵である部分に関して、詳細に説明しました。増税からしばらくしてからの、資料添付しなければ、増税に対する正しい比較などできません。だから、これは、立派な瑕疵です。報告書の瑕疵です。

一方高橋洋一氏が、語っている「 実質金利の低下こそが金融政策の実体経済に与えるキモ」という部分は掲載しませんでした。この部分はこの報告書の良いとこでもあります。

今回の経済財政白書は、住宅でいえば瑕疵あるのと同じ。修理が必要だ!

しかし、私自身は、この瑕疵を発見した途端にゲンナリして、それ以降ほとんど白書を読んでいません。そりゃそうでしよう、書籍でも報告書でも、どう考えても、瑕疵であることを一端発見してしまえば、その後は読まないというのが当たり前だと思います。報告書なら、自分の部下が書いたものであれば、即刻書き直しさせるのが当たり前ですし、自分の直接の部下ではなくとも、他部署、関連部署にすぐに知らせると思います。そうして、それらが組織全体に広がることになると思います。

瑕疵については、上の高橋洋一氏も十分説明されていますし、このブログの過去の記事でも、十分説明してありますので、これらを参照していただくものとして、本稿では詳細を説明しません。

本来、このような瑕疵など起こり得ようがありません。なぜなら、内閣府(従来の経済企画庁)には、名前があらわすように、昔から現在でいうところの、ビッグデータを活用して、様々な解析ができるシミレーターがあります。

これに、与件として、現在の経済状況のデータを入力し、今後の金融緩和政策などをインプットし、さらに増税のデータを入力すれば、どのような結果になるのか、数年間の解析結果がたちどころにでてきます。このシミレーターかなり正確だったのを覚えています。

日本が驚異的な経済成長をしたころは、最初は手計算で、それでは日本の経済が大きくなりすぎ、非効率になったためしばらくしてからは、コンピュータによるシミレーターで計算して、その結果に基づき経済企画庁が経済経済運営の方向性など出していました。だから、経済企画庁の出す解析結果には、定評があり、それに基づいてだす白書も、面白い、面白くないは別にして、だいたいまともなものでした。

本来、財務省の横槍などが、入ったにしても、このシミレーション結果を基にして、正しい報告をすれば、瑕疵は生じないですんだはずてす。

私など、シミレーターがなくても、過去の日本の状況や、海外の直近の情報などを当たっていたので、この瑕疵にはすぐに気づきました。高橋洋一氏もそうです。そうし、シミレーターに正しい数値を入力すれば、絶対に増税問題なしなどという計算結果などでてくるはずがありません。しかし、内閣府の官僚は、こうしたシミレーターがあるにもかかわらず、増税後しばらくしてからの解析結果をわざと白書に掲載せず、誤魔化しをしているということです。

とはいいながら、最近の内閣府のシミレートは非常に変です。以下に5兆円の公共投資を継続的に増加させたときの、シミレート結果を掲載します。

今内閣府のしミレートは無茶苦茶。5兆円公共投資を継続的にやっても、乗数効果はマイナス?あり得ない
完璧におかしいです。他のどのシミレートの結果をみても、乗数効果がマイナスになっていませんが、総務省の場合は、マイナスになっています。

それにしても、これだけ素晴らしかった経済企画庁のシミュレーターが、総務省に引き継がれると、ぶっ壊れてしまうというのは、どういうことなのでしよう。素晴らしい資産である、シミレーターがあったというのに、総務省は何て馬鹿な真似をするのでしょうか。理解に苦しみます。この瑕疵の原因なった官僚など、財務省や、内閣府に及ばず、関連したものには例外なく鉄槌を下して欲しいものです。そうでなければ、これから、財務省の都合などで、瑕疵だらけになっていくと思います。そんなことがあって良いはずがありません。いずれにせよ、内閣府には、 せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々が存在するということです。

これと同じようなことが、日経新聞にもいえます。日経には、日経ニーズという優れた経済シミレーターがあります。これは、使用料を支払えば、法人でも個人でも自由に使えます。

ご存知のように、日経新聞はアベノミクスには反対の立場であり、増税何が何でも、賛成派です。そうて、新聞でもそのような報道を繰り返しています。

チャンネルAJER(日本経済復活の会)の小野勢司氏が、日経ニーズの経済シミレーターで、金融緩和のシミレーションをしてみました。そうすると、金融緩和すれば、経済が上向くという結果がはっきりとでました。しかし、それと同じ時期に、日経新聞は「金融緩和大反対キャンペーン」を繰り返していました。また、小野氏は、さらに日経ニーズで、直近で増税するとどうなるか、いくつかシミレーションをしてみました。その結果ドの場合でも、増税すると税収減るという結論で、しばらく、増税せずに、金融緩和のみをしているほうが、良いという解析結果でたということです。



自分の会社で有料で提供している経済シミレーターで、金融緩和すべきとか、増税するべきでないと結果が出るのに、新聞では、その逆のキャンペーンをするというのは、どうみても、チグハグで、どうしょうもないです。

おそらく、シミレーターが出鱈目であれば、ユーザーからそっぽを向かれてしまうので、シミレーターはなるべく正確にしているのだと思います。このシミレーターを利用するのは、主に民間金融機関の連中だと思います。日本の多くの人は、金融引き締めを続けられたり、増税されたりずれば、悪い影響を受ける人々ですが、金融関係者特に証券会社などは、日本の景気が良いということだけでは大もうけはてきません。それよりも、大きな変化など前もって知ることができれば、他者に先んじて知ることができれば、大もうけできます。

たとえば、全くありえないのですが、日本が本当に財政破綻することを前もって知ることができた場合、それで確実に大金儲けができます。それは、たとえば、クレジット・デフォルト・スワップなどの取引によって、信じられないほどの金儲けができます。そうでなくても、日本が財政破綻するとして、多くの人々が何らかの形で行動を変えることが予めわかれば、それを活用して大金儲けができます。景気が悪いなら、悪いなりに、良ければ、良いなりに、そのまま安定して継続するのでなく、その中でもとにかく大きな変化があったときが勝負どきです。多くの人々が嫌がる、大変化があれば、それが彼らの儲け時なのです。

だから、日本の経済が良くなるということ自体は、金融関係者にとって大きな金儲けのチャンスではないのです。だからこそ、日経ニーズという経済シミレーターが成り立っているのだと思います。金融市場の関係者にとっては、日経新聞による報道が、正しかろうと、間違いであろうとほとんど関係ないのだと思います。日本が財政破綻しようが、逆にデフレから脱却して、上向こうがそれ自体よりも、大方の日本人にとって、良くても悪くても、とくにかく何らかの大きな変化を前もって知ることができればそれで良いのです。

金融アナリストとは、結局賭博師の一味である。

先日の日曜日朝の報道2001という番組をみていたら、この番組でアンケートをとったいわゆる金融アナリストという人々の意見では、全員が増税に賛成しており、反対の人は一人もいませんでした。彼らにとっては、日本人が増税で苦しむことなど、どうでも良いのです。増税による変化を前もっと知り儲けができる体制を組み、自分たちが儲かりさえすれば、他の人間のことなどどうでも良いのです。彼らの本質は、良い背広を着たりして体裁は整えているものの、単なる賭博師にすぎいないということです。賭博師達の、意見を聴く報道番組など、最初からスタンスが間違っています。一昔前は、経済アナリストはまだしも、金融アナリストなどテレビなどの番組で滅多にお目にかかったことがありません。

ただし、彼らの名誉のため付け加えおきますが、彼らについて悪逆非道な面ばかり出していますが、そもそも、これが彼らの仕事であって、企業という組織に入っているわけですから、自分の意思、意図などとは関係なくそうしなければならないということです。だから、そもそも、テレビ番組などで、あたかも代表的意見のように、アンケートをとるなどということが間違いなのです。彼らの意見が、日本を代表するような意見になることなど在り得ないのです。だから、一昔前までは、金融アナリストなどテレビに出演するとか、解説するなどということはなかったのです。それよりも、国民のためを思うべき、マスコミ、政治家、官僚の中でも、そうではない人がいるということのほうが、余程悪逆非道です。

とにかく、せっかくの素晴らしい経済シミレーターという資産を世の中の役に立てられない愚かな人々多く存在しているということです。私たちは、このようなものたちに惑わされてはならないと思います。まして、このようなものどもに操られてはならないのです。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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