2011年7月30日土曜日

中国鉄道事故、プログラムソフトに欠陥―【私の論評】中国高速鉄道事故は、ドイツ第三帝国のヒンデンブルク号事故、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故のように国家崩壊の端緒となるか?

中国鉄道事故、プログラムソフトに欠陥

中国浙江省で起きた高速鉄道の事故で、鉄道省の責任者が、運行管理センターのデータを収集する装置のプログラムソフトに欠陥があったことを明らかにしました。

これは、中国鉄道省の責任者が新華社通信の取材に対し明らかにしたものです。責任者は、列車運行管理センターにあるデータ収集装置のプログラムソフトに設計上の欠陥があったため、信号が誤って青になり、追突した側の列車の自動停止装置が働かなかったとしています。

事故原因については、28日、上海鉄道局が温州南駅の信号設備に欠陥があったとしていましたが、鉄道省の当局者が言及したのはこれが初めてです。

一方、事故車両が保管されている温州西駅では、車両にかけられていたシートが外され、遺留品の捜索が行われました。

「事故発生から1週間が経過しました。事故車両は既に撤去されてありませんが、現場には多くの花が手向けられています」(記者)

事故現場には30日も地元の住民などが訪れ、犠牲者を追悼していました。また、いったん事故車両を埋めた穴の周りには柵が設置され、住民たちが中をのぞく姿も見られました。(30日16:43)

【私の論評】中国高速鉄道事故は、ドイツ第三帝国のヒンデンブルク号事故、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故のように国家崩壊の端緒となるか?


さて、中国の高速鉄道については、上の動画をみていただければ、一番よく分かると思います。この動画、中国事情にお詳しい宮崎正弘氏をお迎えし、中国共産党90周年式典から1ヶ月を待つことなく大事故に至ってしまった中国高速鉄道に実際に乗車なさった際の様子や概要につい­て、車両内部や、乗車手続きを待つ乗客で溢れる駅などの写真をご紹介いただきながら お伺いするとともに、開業間もない高速鉄道を敢えて体験なさった理由や、中国の交通インフラの中でも独自の位置を占める「鉄道」を通して見えてくる社会の様相、さらには、­今回の事故が中国共産党内部の権力闘争に及ぼす影響など、宮崎氏ならではの視点に満ちた中国情勢分析を存分に知ることができます。是非ごらんになってください。

この動画でもいっていましたが、日本の整備新幹線など25年かかっても、まだ終わっていないというのに、中国では、なんと、数年でやってしまったということです。やはり、かなり無理があったと思います。特に、上の動画で衝撃的だったのは、中国の高速鉄道をの建設は、測量、設計、工事が同時に行われていたという事実です。

測量、設計くらいは、工期を早めるために、いっしょに行っても良いとは、思いますが、工事まで一緒にやるのは、不味いと思います。

上の記事では、運行管理センターのデータを収集する装置のプログラムソフトに欠陥があったことを明らかにしていますが、これ以外にも、明らかな欠陥があることが明らかになっています。

28日には、米華字ニュースサイト・多維ニュースが、中国の高速鉄道には避雷針がほとんど設置されていないと伝えていました。

浙江省温州市で23日に発生した中国高速鉄道追突・脱線事故について、中国鉄道部は先行していた列車D3115が落雷により停止していたことが原因の一つになったと発表していました。ある鉄道専門家は中国高速鉄道の送電線設備はほとんど避雷針を持っていないと明かしています。

D3115は川崎重工業の技術に基づいて作られたCRH2型だが、同社の大橋忠晴会長は車両には避雷針が設置されていたことを明かしています。車両は対策済みだったが、給電設備などが末対策であるということです。

英紙フィナンシャル・タイムズはこの事故について社説「高速鉄道事故は中国の管理の弊害を反映」を掲載しました。
中国はすでに経済大国への第一歩を踏み出しているかもしれない。しかし、それに見合った管理体制はまだ整っていない。中国には欧米諸国のような「不正を糾弾する機関」がなく、安全面での欠陥や不正が発生しても、メディアが疑問を投げかけるだけで、その軌道を修正する仕組みはない。 
多数の乳幼児が健康被害に遭ったメラミン入り粉ミルク事件や、手抜き工事が原因で建物が倒壊し多くの犠牲を出した四川大地震を考えてみても、政府や生産者の意思決定に市民の声が反映されているとは考えにくい。 
管理体制が未熟で、まだ多くの貧しい地域を抱える今の中国に、果たして高速鉄道が必要だっただろうか?中国が他のどの国よりも短期間で経済成長を遂げることができるというのは、単なる空想にほかならないのではないか?といった疑問を投げかけずにはいられない。
まったく、このとおりだと思います。鉄道は、本来安全に乗客を目的地に届けるためのものです。しかし、中国の高速鉄道は、この本来の目的を忘れています。それどころか、政治的な道具であり、腐敗の温床にしかすぎないものであったことが明らかになっています。
http://diamond.jp/articles/-/13372

数日前に、事故をおこした高速鉄道の車両を穴を掘ってそれに埋めたかと思ったら、またすぐ掘り起こしました。これらに用いられたのは、すべて日本製のショベルカーでした。

クリックすると拡大画像で御覧になれます
上の写真で写っているのは、KomatsuとKobelcoだけですが、確か、数日前に見た動画では、4種類ほど写っていて、すべて日本製でした。この事実をもってしても、中国はかなり無理をしていると思います。いざ、穴をほろうと思えば、中国製のショベルカーなどないのです。

ショベルカーなど、私たちは、日本国内でも、工事現場などでは必ず見かけるものですから、あまりたいしたものとは思わないのですが、実はこれは、かなりのハイテクなのです。特に、ショベルのものに使われる油圧の制御技術は日本が世界一です。その他、制御系なども含めて、中国では、つくることができません。


しかし、こうした制御技術や、油圧の技術など、鉄道にも不可欠なものです。しかし、こうしたショベルカーですら、中国の高速鉄道に使われたのは、すべて日本製でした。こんな、アンバランスなことはないと思います。

これは、本当に象徴的なことだと思います。高速鉄道という華々しいものに関しては、自らの技術でつくったとしながら、それをつくるだめの道具の多くのは日本からの借り物といことです。無理に無理を重ねって高速鉄道をつくった結果がこれです。

これは、ほんの一例にすぎず、中国の鉄道は、日本、フランス、ドイツなど技術の寄せ集めの、寄木細工です。これでは、最初から事故が起こるのは、わかりきっていましたし、これから、何年か後には、かならず、今回にもまして大きな大事故が発生します。

私は、このブロクで従来から、こうした中国の異質ぶりを何度も、掲載してきました。例をあげれば、きりがありませんので、今回は、詳細を掲載することはしません。ただし、下の【関連記事】のところで、その一端を掲載しておきますので、こちらも是非ごらんになってください。

このような国、いずれ体制が変わるのは、当然だと思います。しかし、今の体制のままでは、変わり様がないと思います。体制が変わるときは、中国共産党が崩壊するときだと思います。

私は、以前このブログで、以前ナチスドイツや、旧ソ連のように、全体主義国家がオリンピックを開催すると、その10年後には、国が崩壊している事例をあげて、中国もその例外ではないだろうということを掲載しました。

ナチス・ドイツが、オリンピックを開催したのは、1936年です。その1年後には、ドイツは大事故に見まわれいます。それは、ご存知ヒンデンブルク号の大爆発事故です。


ヒンデンブルク号はドイツの威信を象徴する乗り物であり、さらに外遊先の敵国アメリカで、大事故を起こし全世界に醜態をさらすことなど、国家の体面を非常に気にしていたヒトラーやナチスにとって、国家の威信を傷つける大事件だったと思います。

ソ連邦も、ご存じのようにチェルノブイリの原発事故です。チェルノブイリの原発事故は、1986年に発生しています。モスクワオリンピックは、1980年でした。ソ連崩壊は、1991年です。

私は、中国の高速鉄道の事故が、このヒンデンブルク号の事故やチエルノブイリ原発事故と重なってみえてきます。この事故の8,年後に、ナチスドイツの第三帝国は瓦解しています。ソ連は、原発事故から、5年後に崩壊しています。

ヒンデンブルク後の事故は、あまりはっきりしていないところがありますが、ヒンデンブルク号の飛行中に蓄積された静電気が、着陸の際に着陸用ロープが下ろされた瞬間に、外皮と鉄骨の間の繋ぎ方に問題があったために十分に電気が逃げず、電位差が生じて右舷側尾翼の前方付け根付近で放電が起こったことから外皮が発火・炎上した、というもので、現在ではこの説が有力です。

チェルノブイリに関しては、皆さんご存じのように、福島原発のように大津波に襲われたということもなく、原因は、「事故発生時、4号炉では動作試験が行われていた。試験の内容は、有事に電源が遮断された場合を想定し、非常用ディーゼル発電機が作動するまでの約40秒間、所内の蒸気タービンが慣性で回転することで発電できる電力でシステムが動作不能にならないか確認するというものであった。しかし、責任者の不適切な対応や、炉の特性による予期せぬ事態の発生により、不安定状態から暴走に至り、最終的に爆発した」というものです。

ヒンデンブルク号に関しては、その後有力な物証などでておらず、結局どちらも、人為的なものによるのが、事故の原因と考えられます。今回の中国の高速鉄道の事故は、これらの事故に比較すれば、犠牲者の数は少ないですが、四川地震などの自然災害とは異なる、人間のシステムによる事故ということで共通点があります。これら、全体主義的国家では、これらの事故を防ぐことができなかったと思います。

もし、民主的な国家体制にあれば、そもそも、事故がないか、あったとしても、人為的ミスは最低限にできた可能性が高いです。ここでは、あまり細かいことを述べるつもりはありませんが、全体主義というシステムに根本的欠陥があり、これが、事故ならびに、国家崩壊を招いたという見方もて゛きます。ソ連崩壊については、私にとっても歴史ではなく、リアルタイムで経験したことです。

私は、チェルノブイリ原発事故から数年後、ソ連が崩壊する数年前のときに、大学のある知人に「ソ連は今後10年以内」に必ず崩壊する旨を伝えたところ、その知人は、そのようなことはあり得ないと断定していました。しかし、それは現実のものとなりました。なぜ、このような話をするかといえば、この知人は、その後JAICAに入って、国際的に活躍したからです。このような人でさえ、当時のソ連は鉄壁で強大に見えていて、崩壊することなど絶対にあり得ないと信じ込んでいたということです。

さて、中国はどうなるのでしょうか?私自身は、このブログでも、過去にさんざん、中国の異質性を掲載してきました。ナチスも、ソ連も、全体主義国家であり、異質な国であったことには、変わりありません。ちなみに当時の大日本帝国は、これらの国のような完璧な全体主義国家であったことはありません。

事実、あのゼロ戦が、工場から飛行場に運ぶときに、道路が狭いので牛車で運んでいたので、効率が悪く、軍が道路拡張をしようとしたら、裁判になって、結局軍が負けて、終戦まで、牛車で運んだなどということがあります。大日本帝国憲法は、今からみると古くも見えますが、それは、現在の尺度でみるからであって、当時としては、他の民主的な国家と比較しても、遜色のないものでした。現中国などの法体系および運用は、大日本帝国憲法時の日本のもの以下といって良いと思います。

以上のような背景から、私自身は、中国が、これらの国々と同じ運命をたどっても、少しもおかしいとは思いませんし、そのほうが、自然だと思います。皆さんは、どう思われますか?



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