2017年10月23日月曜日

大勝をおさめた安倍政権が「まずやるべき」経済政策はコレだ―【私の論評】戦後最低議席数の野党第一党立憲民主党誕生(゚д゚)!

大勝をおさめた安倍政権が「まずやるべき」経済政策はコレだ
選挙後の課題は積みだから 

高橋洋一

    リベラルは弱体化したのか

 22日投開票の衆院選。台風の直撃を受けて投票率は散々であったが、結果は予想通り、与党の勝利であった。前回筆者が示した予想と比べると、希望の党がさらに失速して、その代わりに立憲民主党が躍進したが、与党勝利には変わりがなかった。

(投開票前に新聞各社が大量の人員と多額の予算をつぎ込んで選挙予測をしているが、筆者は公開資料を加工するだけでほとんど人員もコストをかけていないにもかかわらず、新聞各紙の予測精度と遜色がなかった。)

 さて、選挙を振り返ろう。希望の党の失速の原因は、先週の本コラムで書いたように、9月末に小池代表の口からでた「排除」発言である。

 希望の党としては、風を起こすことができない残念な結果であったが、憲法の改正に曖昧な態度であった民進党が分裂して、改憲に前向きと後ろ向きな党にしっかり分かれたのは、国民にとって今後の議論を分かりやすくするだろう。もちろん、改憲は今後の国会で行われる議論次第であるし、最終的に改正するかどうかは国民投票によるのだが。

 今回の選挙では、「リベラル」という言葉がマスコミを中心によく使われたのも象徴的だ。小池氏も結党時の会見で「リベラルを排除する」と言っていた。

 『広辞苑』によると、「リベラル」とは、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」とのことであるが、この定義なら、日本のほとんどの政党はまず否定しないだろう。

 ただ、政治で使うときには、右の「保守主義」と左の「社会・共産主義」の中間、中道を指す言葉である。英国では自由党がこれにあたり、市場経済重視、身分差別反対、非宗教的などを基調としている。アメリカなら民主党が代表例で、社会福祉、人権、宗教平等などの推進・充実を特徴としている。

 左派系政党の掲げる重要な政策として、雇用重視がある。これまで何度も述べてきたが、雇用を改善するための標準的な政策は、金融政策である。が、これを主張する左派政党はすくない。一方、リベラルは左と右の中道なので、「金融政策で雇用を作る」という政策も主張する。

 アメリカでは右系の共和党から、FRBの廃止、または金本位制の復活など、現在の金融政策を否定するドラスティックな政策が出てくることもある。もちろん、今の時代では金本位制が採用されることはないが、大統領予備選では共和党候補の誰かから必ず提案される定番のアイデアだ。

  オズの魔法使いと金融政策と

 ちょっと脱線するが、現実の大統領選挙で、金融政策を巡って、金融緊縮気味になる「金本位制」で行うか、金融緩和気味になる「金銀複本位制」で行うかが争われた歴史もある。

 時は1896年、当時の米国はデフレの真っ最中で、東部の産業資本からの借金で未開の地を開拓していた西部の農民は、デフレによる債務の実質的増加に苦しんでいた。そのため大統領選の大きな争点としてデフレ対策が浮上し、民主党候補のブライアンは金本位制から金銀複本位制への移行による通貨の増大を主張していた。

 「人々を金の十字架にはりつけてはならない」というブライアンの演説は、アメリカ政治史上でも有名である。一方、共和党候補マッキンリーは、あくまでも金本位制にとどまることを主張した。保守の共和党より、リベラルの民主党の方が金融緩和政策を好んだのだ。

 実は、この政治論争がベースになって、かの有名な『オズの魔法使い』が書かれたことをご存じだろうか。オズ=OZは金オンスの略号、主人公ドロシーは伝統的なアメリカ人の価値観を表しており、脳のない案山子は農民、心のないブリキ人形は産業資本、そして勇気のないライオンはブライアン候補のメタファーだとされる。黄色い煉瓦道は金本位制だ。共和党候補のマッキンリーは西の悪い魔女として登場している。

 帰り道を探すドロシーは、黄色い煉瓦道を単純に辿るのではダメだと知る。そして、魔法使いオズが役に立たず、その代わり自分の「銀の靴」に魔力があることに気づく。要するに作者のボームは、共和党が主張する金本位制よりも、民主党の金銀本位制を支持していたという解釈だ。

 ちなみに、実際の大統領選では共和党候補が勝利。金本位制は維持されたものの、1898年にアラスカで金鉱が発見され、さらに南アフリカからも金が流入した結果、デフレは解消された。

  自民党は一番リベラル…?

 「リベラル」に話を戻すと、日本のマスコミでは、「左派・リベラル」と一緒に書くことがしばしばだ。はっきりいえば世界を見渡してみると、左の社会・共産主義は、お隣の中国・北朝鮮以外は、ソ連崩壊以降はあまり見られない絶滅種である。

 ここで、左は「絶滅危惧種化」を避けるために、「リベラル」にならざるを得なかったのだ。もっとも、日本のマスコミの中にも、もともと左系志向で、表向きは転向を余儀なくされたが、実質的には左を捨てきれずに偽装している者も少なくない。そのような気持ちが、「左派・リベラル」という標記に現れているのだろう。世界ではほぼ、左派は消え去っているにもかかわらずだ。

 そこで、本稿では、「リベラルか保守か」という対立軸と、「既得権か非既得権か」というもう一つの対立軸によって、自民、立憲民主、希望の政治的スタンスを見てみよう。


 この図を見て、「自民はリベラルではないだろう」という人もいるかもしれない。そうした人は、日本的な「リベラル」の特殊性が頭の中に張り付いているのだろう。

 日本的「リベラル」とは、つまるところリベラル=護憲、というイメージのことだ。本来であれば、憲法改正は左か右かに無関係である。

 たとえば中国は、共産党の下に憲法もあるが、5年ごとに開催される中国共産党全国代表大会に対応して、ほぼ5~6年ごとに改正されている。つまり、左派=護憲は中国でも成立していない。日本に特有のものだ。

 憲法改正自体、ほとんどの国で改正されており、筆者の知る限り、戦後一回も改正されていない日本だけが特殊であるのだ。これは、日本国憲法が世界で一番改正しにくいように作られているからだ(2015年5月4日「憲法改正へ、自民党が国民の支持を得るためのベスト戦略とは何か?」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43221)。

では、自民党がリベラルかどうか。

  立憲民主党、これから大変だよ

 「リベラル」という言葉を、護憲ではなく、欧米のリベラル系政党が標準的に掲げる、「金融政策による雇用重視」「社会福祉」「市場経済重視」「身分差別反対」「非宗教的」等の政策基準でみてみると、いまの安倍政権は(欧米基準でみれば)かなり「リベラル」な政策を採っている。ひょっとして、今日本で一番「リベラル」なのは、安倍首相かもしれない。

 立憲民主の枝野代表は、かつて筆者とテレ朝の「朝生」で議論したことがあるが、金利引き上げによって経済成長を目指すんだという「トンでも政策」を主張して、頑として譲らなかったのを覚えている。

 金利引き上げは、雇用を最も作れない政策であることは明らかで、それを主張することは、(雇用重視」という点では)とても欧米基準では「リベラル」といえない。

 立憲民主は、希望の党の失速もあって躍進したが、やはり雇用=金融政策であることを理解しないと、雇用の実績を作れないので、安倍政権にはかなわないだろう。なにより、リベラルを名乗れないだろう。

 金融政策は雇用を作るとともに、株価を押し上げる。雇用と株価の二つをとっても安倍政権の実績はいいので、立憲民主がこれを凌駕するには、よほどの努力が必要だろう。



さて衆院選の結果を受けて、安倍政権は外交、内政、経済でどのような課題に直面するだろうか。

  北朝鮮との対話の可能性も…?

   今回の総選挙は、北朝鮮対応をどうするか、といういわば「有事解散」であった。これは安全保障を問う解散だったと言い換えてもいい。先日ある情報番組に出演して、外国人コメンテーターから、日本では「戦争」について語ることがタブー化されている、という発言を聞いた。まさにそのとおりだ。

   筆者は昔からそのことを痛感していたので、米プリンストン大に留学する機会をもらった時、平和論・国際関係論を勉強した。これは、過去に本コラムでも紹介したが、戦争の発生条件を冷静に、数量的に分析して、どのようにしたら戦争になる確率を減少させるかを研究するものだ。

    日本の左派論者は、「集団的自衛権をもつと、日本は戦争をする国になる」という主張をするが、実は過去の戦争データを分析すれば、集団的自衛権を認めることは、戦争になる確率を減少させる方策であるのだ。
    こうした視点に立てば、同盟関係で圧力をかけるのは、戦争確率を減少させる効果的な手段だ(圧力は対話を引き出すためのものであることを忘れてはいけない)。

    小泉政権の時に、小泉首相が北朝鮮訪問し、拉致問題を北朝鮮が認めて謝罪した。これがうまく行えたのは、ブッシュ政権が北朝鮮に圧力をかけていたなかで、北朝鮮がその圧力を軽減するために、日本の拉致問題を持ち出したからだ。

   今の北朝鮮問題にあてはめれば、11月に日米首脳会談、米中首脳会談がある。また、APECでの各国首脳会談には、ロシアも出てくるだろう。それらの国際会議では、北朝鮮問題が話し合われる。これらは、北朝鮮版「ヤルタ会談」ともいうべきものだが、そうした国際的な圧力が高まる裏で、日本と北朝鮮との和解交渉が行われる可能性がないわけではない。

    ところで最近、北朝鮮がおとなしい。先日まで中国で共産党全国代表大会があったため、北朝鮮も自重していたのだろうが。ここに来て、ようやく北朝鮮が自国のおかれた立場を理解してきたのかもしれない。

    これまでの中国に対する度重なる非礼を許してもらい、挑発行動をとらずに、制裁に耐える道を選んだのかしれない。そうであれば、年内ともいわれていた国連軍あるいは多国籍軍による対北朝鮮の軍事オプションも遠のく可能性はある。

    いずれにしても、トランプ米大統領、習中国国家主席、プーチン露大統領など互角に渡り合えるために、どのような準備を日本のリーダーがすべきか。まさに日本の国家としての命運がかかっている。

  こうした外交・安全保障に気を払いながら、内政を同時並行的にやることが求められる。


     経済としては、デフレを完全に脱却する必要がある。そして、早く完全雇用の状態を作らなければならない。本コラムで書いたように、インフレ目標2%、失業率2%台半ばを達成するためには、有効需要であと25兆円ほど必要である。そのために、来年の通常国会の冒頭での大型補正が必要である。

    そのときには、ひょっとして朝鮮半島が有事になっている可能性もある。そうなれば経済に大きなショックを与えることが予想されるので、そうした事態を見越して、年初の大型補正の準備は直ちに取りかかるべきだろう。

    ところで、安倍首相が「リーマンショック級のことが起これば、消費増税はしない」と発言し、各方面で話題になっているが、安全保障の環境や経済状況を考えないで経済政策があるはずなく、常識的な意見であるということを、最後に付け加えておきたい。

【私の論評】戦後最低議席数の野党第一党立憲民主党誕生(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事て、高橋洋一氏は、日本の“リベラル”は、世界標準の“リベラリズム”とは別モノであるとしています。

4年ほど前、特定秘密保護法が話題だった頃に「香山リカ」が「私たちリベラル派は嫌われている」と発言して話題になったことがありました。

香山リカは、リベラル派の人物が反対を唱えるだけで「あいつらが反対してるならいい法律なんだろう」と判断されるレベルでリベラルが嫌われている、という告発をしていたのです。その後「香山リカ」を名乗る人物はどうやらそのことを「リベラルじゃダメですか?」本にしていました。

香山リカ
これだけ嫌われてるリベラルとは一体何なのでしょうか。

自由と平等を掲げるのは近代国家としては普通のことであり、我が国も自由主義国家の一つです。厳密には議論があるでしょうが、日本の憲法は自由と平等、そして自由主義の根幹でもある個人の国家や宗教からの自由、つまりは基本的人権を掲げている点で自由主義国家です。

社会自由主義とも言われるいわゆる中道左派は、近代国家の目指すところとしては実にありきたりなものです。

もちろんこの中道左派には反対する人たちも多いのですが、自由主義国家が現代においてある程度利害調整をしてまともな経済政策をとっていくと、結局は中道左派路線になってしまうものではないでしょうか。どう考えてもリベラルではない日本の自民党も、結局のところブログ冒頭の高橋洋一氏の記事でも指摘されているように、中道左派的経済政策を実行しています。

では日本における「リベラル」とは一体何なのでしょうか。

おそらく現代日本において「リベラル派」とされてる人たちのことは本当は、「新左翼」「ニューレフト」と呼ぶべきなのです。従来の意味での新左翼は学生運動や成田闘争といったものに代表されるように、暴力的革命運動をする人々でした。

「言葉の暴力」という概念を持ち込むと、現代日本において「リベラル派」と呼ばれる人たちを新左翼と呼ぶのに値することに気づきます。

彼らのネットの活動を見ていると「あべしね」というワードがちらほら出てきます。今の総理大臣安倍晋三氏に対して「死ね」という言葉を投げつけているのです。それに衆院選では、「安倍政治を許さない」「お前が国難」というプカードを掲げていました。これは、言葉の暴言です。


この他、デモ活動における暴力的な言語表現などなどを見るに、「火炎瓶やゲバ棒を言葉の暴力に持ち替えた新左翼」と呼んで差し支えないのではないでしょうか。

この新左翼らは、従来は単なる暴力を、現在では言葉の暴力で何ら生産的な活動をしていないようにみえます。

しかし、左翼の源流をたどれば、それが事実がどうかは別にして、本来の「左翼」は搾取され虐げられた民衆のためにある勢力であることを標榜していました。

緊縮政策に苦しめられてきた民衆が望んでいるのは、政府が民衆のために潤沢におカネを使い、まともに雇用をつくりだすことです。その資金は、おカネのあるところから取ればいいし、それでも足りなければ無からつくれば良いのです。それが今、左翼の世界標準として熱狂的に支持されている政策です。

そう考えれば、立憲民主党などの、野党側が掲げるべき政策は明らかです。日銀がお金をどんどん出して、それを政府が民衆のために使うことです。

それをまさに、安倍政権が実行しています。いわゆる「アベノミクス」の「第一の矢」と「第二の矢」です。しかし、これらは「そんなことしたらハイパーインフレになる」「財政破綻する」「庶民の生活はよくならない」などと言われた、日本の左派・リベラル派の間では印象が悪い政策です。

しかし、世界の大物左派・リベラル派論客らが、「アベノミクス」を高く評価する発言をしていました。アメリカのリベラル派ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏やジョセフ・スティグリッツ氏、インド出身のノーベル賞経済学者アマルティア・セン氏、フランスの人口学者エマニュエル・トッド氏。『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)がベストセラーになったトマ・ピケティ氏も、「安倍政権と日銀が物価上昇を起こそうという姿勢は正しい」と言っています。

ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏(左)とジョセフ・スティグリッツ氏(右)
ただし、これらの論客の誰も、「第三の矢」の規制緩和路線や、消費税増税を評価しているわけではありません。「第二の矢」の財政政策も評価していません。これらの論客が支持しているのは、金融緩和政策と、金融政策と政府支出の組み合わせという枠組みについて評価しています。

アベノミクスは、それなりの評価を受けていますが、まだまだ改善の余地があります。そこに、リベラル派が付け入る隙は十分にあります。

しかし、そもそも金融政策などを評価しない、現状の日本の「リベラル」はリベラルなどとはとても呼べる代物ではないのです。

経済に関する考え方を変え、安全保障や憲法についても、ただ反対するだけではなく、代案を出すべきです。そうでなければ、日本のリベラル≒新左翼は、これからどんどん衰退するばかりです。

今回の衆院選で、立憲民主党は躍進して野党第一党とマスコミは報道していますが、これは戦後最低議席数の野党第一党誕生という事実が見逃されているようです。

当選確実を示す印がない候補者ボードの前で頭を下げる野田佳彦首相=2012年12月
16日午後11時20分 この衆院選挙では民主党獲得議席は57、自公は325議席だった
議席数54は、2012年の民主党大惨敗時総選挙の議席数57を下回りました。今後、希望の党や、無所属で立候補して当選した人たちの立憲民主党への合流も考えられますが、それにしても、この規模では大きな勢力にはなり得ません。

以下に過去の衆院選での議席数と今回の結果を掲載します。







今回の衆院選の結果
これは、本当に象徴的な出来事でした。「かけもり問題」のフェイクニュースの嵐の中という、あれだけの逆風の中で、自公が圧勝です。日本のいわゆるリベラルそのものも、衰退一途をたどっているのでしょう。この傾向はますます、加速されることでしょう。民進党崩壊の次は、立憲民主党崩壊です。

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2017年10月22日日曜日

【北朝鮮情勢】「韓国から個人資産の移動勧める」 非公式警告したトランプ政権高官は「申し分のない立場の人物」―【私の論評】北朝鮮情勢はますます緊迫!速やかに対処せよ(゚д゚)!


ソウル空港上空を飛ぶ米軍のB-1爆撃機と護衛のF-15戦闘機
 東アジアを専門とする有力ニュースレター「ネルソン・レポート」は21日、複数のトランプ政権高官が非公式の見解として、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する米軍の先制攻撃などの軍事作戦が実行される可能性を真剣に受け止めるべきだと警告したと伝えた。高官らはその上で、「韓国から個人資産を移動させることを勧める」と指摘したという。

 米政府系放送VOAのワシントン支局長がツイッターでレポートの内容を転載したところでは、同様の勧告は北朝鮮国内で活動する複数の非政府組織(NGO)に対しても非公式に伝えられた。高官らは、朝鮮半島有事の際は北朝鮮で外国人が人質として拘束される恐れがあるとしている。

 レポートは、これらの高官が「申し分のない立場」にある人物だと指摘しつつ、一連の勧告は「あくまで非公式だ」と強調。高官らはトランプ大統領が北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)の獲得を阻止するため軍事行動に踏み切る覚悟を決めたわけではないと語ったとしている。

 ただ、高官らは、日中韓政府に対し、米政権が単に仮定の有事に備えているのではなく、軍事作戦に向けた一連の準備行動を真剣にとらえるべきだと訴えたという。

【私の論評】状況はますます緊迫!速やかに対処せよ(゚д゚)!

上の記事でもわかるように、北朝鮮情勢はますます緊迫化しています。70年あまりの間、一部拉致問題などがありながらも、基本的には平和を享受してきた日本人に、未曽有の危機が迫っています。今回の衆院選での政府与党の大勝利は、有権者がこの危機を理解し、与党にこの危機への対処を付託したものと言って良いでしょう。

複数の政府筋はすでに、「年明け早々にも米軍が北朝鮮に軍事行動を起こす可能性がある」と明かしています。

安倍晋三首相が衆院解散を決断したのは、北朝鮮有事を想定したからでした。機密情報に触れる立場だけに、あいまいな表現に終始したあげく、消費税問題などを持ち出したために一部混乱を招きましたが、「国難突破解散」と名付けたことからもその真意は読み取れます。
もともと首相は来年12月の衆院任期満了前に、衆院選と憲法改正の国民投票のダブル選挙を行う腹づもりだったようです。野党の執拗な「もりかけ」での追求やマスコミのフェイクニュースにより、支持率は一時さがり、当初は今回解散すれば自民、公明両党で3分の2超の議席を失う公算が大きいと予想されていました。

しかし、悲願である憲法改正を半ば諦めてまで解散に踏み切ったのは、北朝鮮情勢が「小康状態」にある今秋しか政治空白を作るチャンスはないと考えたからです。

米軍の軍事行動は予断を許さない状況にあります。米側は北朝鮮に反撃の隙を与えず、核・ミサイルを無力化できるという自信を示してはいますが、撃ち損じたミサイルが日本に飛んでくる可能性はゼロではありません。

総攻撃が短期間で終わっても、そこで事態が収拾するわけではありません。日本海側に大量の難民が小舟で押し寄せる可能性もあります。日本国内にも多数存在するとされる、北朝鮮の工作員によるテロの危険もあります。一方、北朝鮮体制の崩壊がおきれば、それに乗じて拉致被害者は救出できる可能性もあります。

北朝鮮が崩壊すれば、占領統治や復興支援はどうなのか。これら様々な問題に、日本政府は長期にわたり、あらゆる対応を迫られることになります。

野党やメディアは「首相は北朝鮮危機を煽(あお)っている」と批判していましたが、これは全くの世迷い言としか言いようがありません。国際情勢を冷静に分析すれば、憂うべき現状は分かるはずだ。彼らは、それを分かった上で国民の目を背けました。

そんな中、希望の党を率いる小池百合子東京都知事が民進党の合流に際し、安全保障関連法の「踏み絵」を迫ったのは今から考えると大英断でした。

小池知事としては、「反安倍」「反安保法」で野党共闘を呼びかけた方が選挙戦を有利に運べたに違いないです。あえてそうしなかったのは、今から振り返ると、北朝鮮有事を前に日米同盟が揺るげば、民主党の鳩山由紀夫政権や菅直人政権以上の混乱を招くと考えたからでしょう。

22日、パリのホテルで記者会見する小池東京都知事
今回の衆院選の本当の争点は、消費増税でも「もり・かけ」問題でもありませんでした。北朝鮮有事に備えて何ができるか。何をすべきか。与野党問わず候補者たちは、国民とひざ詰めで真剣に語り合うべきだったのです。

しかし、野党もマスコミもそうではありませんでした。それは、野党一党が立憲民主党になったことでもわかります。

今衆院選後の国会論戦はいまのままでは、従来と同じく、そもそも何が問題であるかもわからないような「もりかけ」のようなスキャンダル追求や国難を防ぐための真摯な議論をいたずらさけ、時間を浪費する場ともなりかねません。特に、立憲民主党はこのような立場を崩すことはないでしょう。

民進党の幼稚な国会運営で、北朝鮮対応の議論が十分になされていない。これが国会?馬鹿か?
しかし、昨日も掲載したように、自民と希望の党の保守派・良識派、維新の党議員を加えると、自公よりも多くなることが予想されます。これらが協調すれば、北朝鮮対応に関して現実的・具体的議論ができる可能性があります。

今後の国会では、ぜひともそのような関係を構築して、年末から来年にかけて日本を襲う戦後最大の国難に備えていただきたいものです。

企業や個人単位でも、できることは今からやっておくべきです。不要不急の訪韓はしないこと、社員・家族を引きあげさせること、資産を日本などにひきあげること、その他諸々できることはしておくべきです。

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2017年10月21日土曜日

立憲民主党が信念を貫いたら何が起きるか 日本経済はガタガタ、日米間の信頼喪失…もう忘れたか―【私の論評】明日は流行に流されず、印象操作に惑わされず地頭で考えて投票しよう(゚д゚)!

立憲民主党が信念を貫いたら何が起きるか 日本経済はガタガタ、日米間の信頼喪失…もう忘れたか

選挙遊説中にインタビューに応える枝野市
 今回の衆院選(22日投開票)に関する各社の世論調査によると、小池百合子代表(都知事)が立ち上げた希望の党の勢いは完全に失速し、過半数の233議席を狙うどころか、公示前の57議席を割り込むかもしれないという。

   民進党との合流の際、政策が一致しない候補者を「排除」すると小池氏が発言したことが失速原因の1つである。だが、「改革保守」で「改憲政党」を目指すうえで、極端な左派や護憲派を排除することは、代表の当然の義務だ。

  「排除」という強い言葉が、太古の昔から「和をもって尊しとなす」という日本人の感性に反したのだろう。

   カタカナ言葉をちりばめた小池氏の演説は、英語には自信がある私にも意味がよく分からない。具体的な政策論をわざと語らず、けむに巻こうとする不誠実な印象だけが残る。助言できる優秀な側近はいないのか。

   小池氏から「排除」された人々は、枝野幸男元官房長官を代表として立憲民主党を設立した。50議席以上を獲得して野党第一党になる可能性があるという。

    いつも反体制に肩入れする左派メディアは、枝野氏と立憲民主党を「筋を通したリベラル」などと持ち上げている。都知事選や都議選では、小池氏と都民ファーストの会を持ち上げたが、今回は見事に手のひらを返した。

大阪で街頭演説する立憲民主党の枝野幸男代表=7日午後3時19分、大阪市都島区
 手元にある立憲民主党の某候補のビラには「信念を貫く。」と書かれているが、民進党の希望の党への合流は満場一致で決定した。その場で反対しなかったのだから、喜んで合流するつもりが排除されたということだ。この事実を逆手に取り、日本人の「判官びいき」の情緒に訴える作戦へと利用したのか。

   政治は情緒ではなく、事実で判断すべきだ。

   立憲民主党の主要メンバーを見ると、菅直人元首相や枝野氏、辻元清美元首相補佐官、福山哲郎元官房副長官、長妻昭元厚労相など、あの民主党政権、菅政権の中枢だった面々である。

    彼らは「信念を貫いて」民主党政権の政策を作成した。それを3年3カ月にわたって実行した結果、日本経済はガタガタになり、日米間の信頼も地に落ちた。5年前の日本は、彼らが「信念」を貫くほどに国益が毀損(きそん)した。立憲民主党の支持者はもう忘れたのか。それとも彼らが望む「信念」は、日本の国益を害することなのか。

   政治家、言論人、一般人を問わず、二言目には「安倍退陣」を主張する人々は見苦しい自分の姿を鏡で見るべきだ。

   命がけで自分を守る存在に感謝や尊敬せず、文句ばかりいいながら代わりを務める能力も覚悟もない。中二病は中学時代に、左翼への憧憬は30代に完治させないと恥ずかしい。

■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

【私の論評】明日は流行に流されず、印象操作に惑わされず地頭で考えて投票しよう(゚д゚)!

最新の状況については、以下に山村明義氏の動画を掲載します。


詳細はこの動画をご覧いただくものとして、立憲民主党が野党第一党になる可能性がでてきました。50〜60議席をとりそうな勢いです。さらに、改憲勢力は2/3を切る可能性もでてきました。山村市は、東京都民、埼玉県民は流行に流されて、立憲民主党に票を入れる人も多い可能性があるとしています。東京のメディアの偏りについても語っています。

ただし、自民と希望の党の保守派・良識派、維新の党議員を加えると、自公よりも多い337議席くらいになります。これらが協調すれば、憲法や経済などに関して現実的・具体的議論ができる可能性があることも語っています。

上念氏も立憲民主党の脅威について語っています。以下に、それを語る上念氏の動画を掲載します。



上念氏は、立憲民主党は民主党菅内閣とほぼ同じです。また、あの時代にまいもどるようなことがあってはあってはならないです。特に、憲法論議や安全保障に関しては、反対するばかりで何の代案も示すことはないです。北朝鮮の危機が現実のもの隣りつつ現在、これは、許されるものではありません。

自民党は数字で見る安倍政権の成果というチラシを作成し、この五年間の成果をこうまとめています。

「名目GDPが493兆円から、543兆円へ、約50兆円増」「株価が8,664円から、2万397円へ、二倍以上に」「有効求人倍率が0.83倍から、1.52倍へ」。

要するに、経済規模が確実に拡大してきたため、会社の業績が上向き、株価が上がり、会社の資産が増えたため、新規雇用を含む設備投資に踏み切る会社が増えました。設備投資を拡大すれば仕事も増え、有効求人倍率も改善し、仕事をしたい人が働くことができるようになっています。

その恩恵は、全国にも及ぶようになってきており、有効求人倍率は全ての都道府県で初めて一倍を超えました。高卒・大卒就職内定率も過去最高水準となっています。これは、このブログで過去に何度か指摘しました。これこそが、自民党を支持する若者が急増しているのも理由でもあります。

いくら頑張っても就職の内定をとれないと、「ああ、社会は自分を必要としてくれないのだ」と、自分を全否定されたような気分に追い込まれます。その辛さは、高度経済成長時代に就職した50歳以上の人にはなかなか理解できないでしょう。しかし、当の若者や、学校で就職関係の役職についていた教員の方々、企業の人事関係の方々なら、これについては良く知っていると思います。

最近の雇用情勢の大幅な改善について、実感できない方々は、これらの人の話を直接聴くことをおすすめします。様々な生々しい体験・経験を聴くことができるはずです。私自身は、過去には採用にも関わっていたので、その時の経験から良くわかります。

特に、採用した新人から聴いた話はあまりに衝撃的だったので、今でも生々しく記憶に残っています。彼らの学生時代は50歳以上の人たちには、信じられないほど過酷なものでした。それについては、このブログにも掲載したことがあります。採用側としては、良い学生を雇いやすくはあっのですが、会社の業績も良くはありませんでした。

どっちを選ぶかといえば、採用は難しくなっても、景気の良い時代が良いと思います。あの時代にまた、戻ってもらいたくはありません。

第3次安倍改造内閣
若者の雇用環境を劇的に改善することができたのは、第二次安倍政権が掲げた新しい経済政策、アベノミクスによるものです。

2014年に増税という手痛いミスをしてしまったため、GDPはあまり伸びていませんが、それにしても、過去20年間では間違いなく、経済的に最も良い成果をあげたのは、現在の政権です。民主党政権時代の日本経済は、円高・デフレスパイラルのどん底に沈み酷い有様でした。

特に、あのリーマンショックに対する、当時の民主党政権の対応は酷いものでした。結局何もできませんでした。本来、リーマンショックの震源地は、米国であり米国以外で最も大きく影響を受けたのはEUでした。

当時の日本は、株価も低く証券会社の業績も悪く、サブプライムローンなどに大量に投資できるような状況ではありませんでした。そのため、本来はリーマンショックの影響は、日本にとっては軽微なはずでした。

ところが、その後米国やEUが不況から立ち直るため、大規模な金融緩和を始めたにもかかわらず、日銀だけがしなかったので、さらなる円高とデフレの深化を招いてしまいました。(ここでは、詳細は説明しませんが、他国が金融緩和をしているにもかかわらず、ある国だけがそれをしなければ、その国はデフレになり通貨高になります)その結果、日本の経済の立ち直りは米国やEUよりも5年も遅れてしまいました。

一方、立憲民進党の製剤政策はといえば、金融引き締め・緊縮・脱成長戦略、と自民党とはまったく異なるいわば財政タカ派政策です。

要は、経済成長をあてにせず金融引き締めと緊縮政策により、国の出費を減らしプライマリーバランス黒字化を目指し、少子高齢化で増大する社会保障費の財源を、経済成長による税収増加では無く増税(消費税・法人税・金融資産税)で賄おうというものです。

社会保障の将来不安が消費を控える原因で、それらが解消されれば個人消費は伸びるという目論見です。しかし、この目論見は全く外れたことが、他でもなく、民主党政権下で見事に実証されました。立憲民主党の経済政策は、リーマンショック時の旧民主党の経済政策と何も変わりありません。にもかかわらず、立憲民進党はこのような経済政策をとろうというのですから、全く反省も何もありません。

一方、消費税については、2019年10月に10%に増税する事は三党合意による消費税増税法案で既に決まっています。これを廃案にしない限り、消費税増税は実施されます。

安倍総理は、リーマンショック級の景気変動が無い限り予定どうりの増税を言明しました。そして増税分の税収5兆円の内、2兆円分を教育子育て支援に充てると発表しました。
そのため、2020年までのプライマリーバランス黒字化断念も同時に表明しました。

立憲民主党枝野代表は、今の経済状況では予定どうりに消費税増税は困難として消費税増税は凍結すると公約に明記しましたが、具体的な数字やタイミングに関しては明言していません。

しかし、2年も先の消費税増税に付いて、このタイミングでの増税の有無や公約になんら信憑性はないでしょう。

この2年の間には、自民党総裁選、参議院選挙、そしておそらくもう一度衆議院が解散され総選挙が行われる可能性も高いと思います。

これまで2度の増税先送りの際にも選挙(参議院選、衆議院選)で国民の信を問い先送りされた経緯があり消費税増税はまだ流動的です。元々私は、消費税増税に関しては、今回の衆院選の争点にはならないとみていましたが、実際そのような動きになっています。

そもそも、現在消費税をあげるあげないと公約で示しても、全く意味がないです。それが意味を持つのは、国会で消費税増税法案をどうするかで決まる筋合いのものであり、現状での公約は単なる口約束、空手形にすぎません。

明日は、投票日です。多くの皆さんが、流行などに流されず、マスコミなどの印象操作などにまどわされず、自らの地頭で考え抜いた上で、投票していただきたいと思います。

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2017年10月20日金曜日

河野太郎外相、韓国の「独島防衛部隊」に激怒 「関係性を強めていかなければいけないときに」―【私の論評】北に対処するため韓国は当面過去のしがらみを捨てよ(゚д゚)!


閣議後、記者会見する河野太郎外相=20日午前、首相官邸
河野太郎外相は20日午前の記者会見で、韓国軍が竹島(島根県隠岐の島町)を「防衛」するための海兵隊部隊創設を進めていることに怒りを爆発させた。

 河野氏は外務省が韓国政府に強く抗議したことを明らかにした上で、緊迫度を増す北朝鮮情勢を念頭に「こういう安全保障状況の中、日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないときに、それに逆行することだ」と韓国政府を批判。

 その上で、「先般の日米韓外務次官会議でも連携強化の重要性を協議し、合意している。この事態にあって、日米韓の連携を強めていきたい」と述べた。

【私の論評】北に対処するため韓国は当面過去のしがらみを捨てよ(゚д゚)!

今の時期に、竹島を「防衛」するための海兵隊部隊創設を進めるのは確かに、韓国政府が何を考えているのか、全く理解に苦しみます。河野太郎外務大臣が激怒するのも当然です。

そもそも、韓国政府というか、韓国社会においては、自国の安全保障にとっての日本の重要性についての理解が欠如しているようです。

2014年7月15日の参院予算委員会でのやりとりで、安倍総理「米海兵隊は日本との事前協議なしに韓国に駆けつけることはできない」と国会で答弁したことが当時韓国で懸念を招いました。半島有事の際の米国の対韓支援を安倍氏が事実上コントロール出来ることを恐れたようです。

参院予算委員会の集団的自衛権の行使容認に関する集中審議で
答弁する安倍晋三首相=2014年7月15日、東京・国会内
日米間の交換公文によれば、在日米軍が日本から行う戦闘作戦行動は事前協議の対象となっています。ここに、韓国の安全保障における日本の重要性があり、韓国が懸念を持つ理由があります。

しかし、これについて韓国が心配する必要はありません。日本の指導者達は自国の安全保障にとっての朝鮮半島の重要性を日清戦争の時代から良く認識しています。日本は、過去の6者協議の枠組みの中で、北朝鮮の非核化に向けて近隣諸国と協力しています。日本は一貫して自国の安全が朝鮮半島と連動していると見て来たのです。

しかし、韓国がこのような感覚を共有しているかは疑問です。アサン政策研究所の2014年の世論調査によれば、66.8%の韓国人が日本の安全保障面の役割増大に否定的であり、60.6%の韓国人が日本の役割拡大への米国の支持に否定的でした。

2013年の調査では、日本を韓国への脅威と見做す韓国人が55.9%に達し、中国を脅威と見做すものより4%低いだけという結果ととなりました。2014年の調査では、79.3%の韓国人が、日米間の安全保障協力が強化される場合には、韓国は中国と安全保障協力を強化する必要があると考えていました。韓国の安全保障にとって日本及び日米同盟が果たしている重要な役割を認めるのでなく、日本の潜在的脅威や歴史問題・竹島を巡る紛争にのみ焦点が当てられているのです。

これは全く時代遅れの考え方です。日本の安全が韓国の安全に懸っているように、韓国の安全も日本の安全に懸かっているのです。本来韓国は、日本を重要な戦略的パートナーと見做すべきです。

韓国は、対日認識の異常性を根本的に改め、日本との安全保障面での関係強化をすべきなのです。北朝鮮の脅威が日増しに増すなか、日米韓3カ国間の安全保障面での協力の必要性が高まって来ている中で、韓国が異様な対日姿勢を続けることは全く馬鹿げています。

しかし、今日さらに、韓国軍が竹島防衛の海兵隊部隊創設するという暴挙に出たのは、全く理解に苦しむ行為です。

米軍が日米の事前協議なしで在日米軍基地から出撃することはない、というのは、日米安保条約の交換公文で定められている一般的事項であり、韓国を狙い撃ちにしたものでも何でもありません。その趣旨は、日本が米国に白紙委任はせず、自国の安全保障の観点から決定を下すということです。安倍総理は、そのことを指摘したに過ぎません。

韓国側が過剰反応したのは、安倍発言を、日本の集団的自衛権行使容認に反対したことへの意趣返しと邪推したためでしょう。韓国政府は、特に、日本が韓国領内で集団的自衛権を行使することに強く反対しています。

国際司法裁の判決によれば、集団的自衛権行使の要件の一つに、被攻撃国による明示的あるいは黙示的な援護要請があります。逆に言えば、援護されたくないのも自由であり、そういう意思は尊重されることになります。

ただ、韓国側は、集団的自衛権について、韓国の領域外であっても、韓国近海で自衛隊が米軍を援護することにも反対しているようです。これは筋が通らない話ですから、日本としては、明確に異議を唱えるべきです。

11月初旬に予定されるトランプ米大統領の来日と訪韓、その後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議などが予定されています。これらは、韓国としても関係諸国との関係の可能性と限界に関する認識を深める機会となるはずです。

韓国社会に日本との関係改善の重要性についての意識が生まれることが北東アジアの安定のために有益であることは言うまでもありません。韓国国民の意識を考えると、日韓関係の改善が急速に進展するとは思えませんが、少なくとも、特に軍当局間の関係は良好であり、日米韓の安全保障面での実務者間での協力を強化することは可能かつ不可欠でしょう。

今年の2月にハワイで日米韓3カ国戦略対話が実施されました。この報告書は、以下のリンクからご覧いただけます。
基本に立ち戻る日米韓3カ国戦略対話報告書
詳細は、この報告書をご覧いただくものとして、以下のこの報告書の結論部分だけ引用します。
北朝鮮が軍隊や核兵器を引き続き展開配備しているため、日米韓に対する脅威は増して いる。3カ国がこうした脅威に効果的に対抗・対処するためには、抑止力を高めるよう 効果的な連携が不可欠なことを理解していることは評価すべきだ。残念なことに、米韓 の政治的状況により、3カ国の連携はより難しいものとなっている。韓国の朴槿恵大統 領を巻き込んだスキャンダルは、韓国の政治的空白を作り出しただけでなく、2015 年12月の従軍慰安婦問題に関する日韓合意や、2016年の GSOMIA 及びに THAAD 配備を国内政治の攻撃に晒すことになる。米国の大統領選挙戦においてドナルド・トラ ンプ共和党候補が同盟のあり方に疑問を呈したことは、日韓に対して核武装を促したの みならず、米国に対する期待を覆すものとなった。 言い換えれば、米国の抑止と同盟国に対する保証は新たな試練に直面している。3カ国 は同盟国あるいは敵対国の疑念を晴らすべく努力を倍増しなければならない。ありがた いことに、3カ国はこうした作業を喫緊に行わなければならないことをこれまでにも増 して理解している。
しかし、この対話は、韓国が竹島を防衛する部隊を創設するということから、あまり実りのあるものではなかったようです。

日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないときに、韓国はそれに逆行するようなことを日本に対して行ったわけですが、韓国は米国に対してもそれを行ってきました。

以下に、米中が対立する案件の多くで、韓国が同盟国の米国ではなく中国の言いなりになった案件を以下の米中星取表で示します。
11件の案件のうち、韓国は7件も中国の要求を飲んでいます。これでは、一体韓国はどこの同盟国なのかと疑いたくなります。

朝鮮半島の人々は「中華帝国の一部」であることを誇りとしてきました。韓国語のSNS(交流サイト)では「日本人は劣った民族である」といった会話が盛り上がります。日本人が中華帝国の外の「化外の民」――野蛮人だったとの認識からです。

一方で、韓国人は中国に根深い恐怖心を抱いています。地続きの超大国、中国との戦争で負け続け、支配されてきたためです。

韓国メディアが「天皇」を「日王」と表記するのは、「皇」という漢字を使えるのは中国だけなのに、日本ごときに使っては中国から叱られると考えるからです。

朝鮮は昔、中国に朝貢していたにしろ「今はもう、属国ではない」と主張すればいいのではないかと思うのですが、しかし韓国人はそう考えません。理由は2つあります。

韓国が豊かになるほどに「我が国はずうっと独立国だった」と思いたくなったのです。いわゆる「系図買い」の心境です。

だから日本の植民地支配も「なかったこと」にしようと「あれは日本の不法占拠だった」と強調し始めたのです。

もう1つは中国が再び強くなるに連れ、その言うことに逆らえなくなったことです。「属国に戻りつつある」と内心忸怩たるものがあるからこそトランプ大統領に「韓国は歴史的に中国の一部だった」と指摘されると、逆切れするのです。

米中が対立する案件の多くで、同盟国の米国ではなく中国の言いなりになる(「米中星取表」参照)。そんな韓国を見て、米国人が首を傾げます。「世界最強の同盟国をないがしろにして、何であんな非民主主義国にゴマをするのか」というわけです。

米国人に「冊封体制」下の人々の旧・宗主国への恐怖心を説明すると、ようやく疑問が解けたという顔をします。トランプ大統領がWSJにわざわざ「韓国は中国の一部だった」と語ったのも、そんな納得感からかもしれません。

なお、ベトナム人には韓国人のような鬱屈はありません。ベトナムの王朝も中国の王朝に朝貢したことがありましたが、戦争でしばしば勝ったからです。最近では中越戦争(1979年)で、中国の侵略軍を散々に打ち負かしました。

1979年に中国・ベトナム間で勃発した戦争。ポル・ポト政権を崩壊させたベトナムへの懲罰として
中国は解放軍10万人を派遣。しかし、装備・練度共に優越するベトナム軍に解放軍は大損害を
被り、1ヶ月足らずで撤退を余儀無くされた。
中国人も「ベトナムは属国だった」などと下には見ません。そんなことを言えば「属国に負けたのか」と笑われてしまうからです。しかし、韓国にはそのような歴史はありません。

このような状況にある韓国ですが、北朝鮮の脅威がある限りにおいては、日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないです。韓国は、北朝鮮にまともに対応するためにも、当面は過去のしがらみを捨てて、実を取る行動にでるべきです。

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2017年10月19日木曜日

「もっと経済制裁が強化されたら嬉しい」北朝鮮庶民から意外な声―【私の論評】北朝鮮制裁は富裕層を狙い撃ちせよ(゚д゚)!


金正恩
北朝鮮に対する国際社会の制裁圧力は、じわじわとその効果を表している。北朝鮮国内からはガソリンや食料価格の上昇が伝えられており、庶民の生活が心配される段階に入りつつある。

現在の北朝鮮の食糧事情は、かつてに比べ大幅に改善されている。ただ、国民経済のなし崩し的な資本主義化が進行し、貧富の格差が広がっている今、貧困層は食べ物などの価格がわずかに上昇しただけでも大きな影響を受ける。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

地方では餓死者発生の噂も出ており、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の再発を懸念する声も出始めた。

(参考記事:「街は生気を失い、人々はゾンビのように徘徊した」…北朝鮮「大量餓死」の記憶

しかしその一方、北朝鮮国内の一部から、これとはまったく異なる反応が出ているもようだ。

中国は今年8月、安保理制裁決議2371号に基づき、北朝鮮産の石炭などの輸入を完全に禁止するとの通告を出した。これが北朝鮮庶民を大喜びさせている。その理由を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の情報筋によると、制裁で契約が解除され中国に輸出できなくなった石炭が炭鉱地帯に山積みになっている。無煙炭は、政府、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)、国家保衛省(秘密警察)系の外貨稼ぎ機関などが独占していたが、輸出ができなくなったため、採掘権を一般の貿易会社にも与えるようになった。

石炭の価格は今年の初めごろまで1トンあたり90ドル(約1万円)だったが、今では17ドル(約1900円)にまで暴落。それでも中国の業者からは声がかからないため、外貨稼ぎ機関はほとんど中国から撤収したという。

こんな状況に「制裁さまさま」だと大喜びしているのが、北朝鮮の一般庶民だ。例年なら越冬準備に入る今頃は石炭価格が上がるが、今年は行き場を失った石炭が国内で大量に流通しているため、価格が暴落している。

ヌクヌクと冬を越せそうだと喜ぶ庶民は「制裁がもっと強化されたらいいのに」と喜んでいるという。北朝鮮当局がいかに人民の暮らしを犠牲にして飢餓輸出を行っていたかのあらわれだろう。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の庶民も、石炭価格の暴落で温かく冬を越せそうだと喜んでいると現地の情報筋が伝えた。こちらでは1トン250元(約4250円)から150元(約2550円)に暴落した。また、それに合わせて薪の価格も下落した。

昨年12月に中国当局が北朝鮮からの海産物の輸入を一時的に停止させた時には、北朝鮮の国内市場に大量のサケ、マス、カレイなど普段なら手が届かない高級魚が安値で入荷し、庶民の胃袋を大いに満足させた。同様の現象は、中国当局が北朝鮮産海産物の輸入を完全禁止した今年8月にも起きたと情報筋は伝えた。

このような状況に対して、庶民は「朝鮮労働党より、国際社会の制裁が人民の暮らしを助けてくれている」と喜ぶという皮肉な状況に陥っている。

(参考記事:「米軍が金正恩を爆撃してくれれば」北朝鮮庶民の毒舌が止まらない

【私の論評】北朝鮮制裁は富裕層を狙い撃ちせよ(゚д゚)!

北朝鮮に対する経済制裁はそれなりに成果をあげているようです。そうして、上の記事にあるように、中国が北朝鮮産の石炭を輸入しなくなってから、北朝鮮国内で石炭が安くなり、庶民にとっては良い結果も招いているようです。

このような経済制裁はかえって北朝鮮の一般庶民には幸いしているようです。北朝鮮は中国に石炭などの地下資源を売り、その代金で石油や食料、それに核やミサイルの開発に必要な物資を調達しています。この制裁は、ボディーブローのように北朝鮮に対して徐々に効いてくることでしょう。

次に、中国が食料の輸出を止めると北朝鮮は本当に困窮するのでしょうか。ブログ冒頭の記事では、「現在の北朝鮮の食糧事情は、かつてに比べ大幅に改善されている」としています。全くその通りです。

これについては、以下の記事を参照していただくと良くわかります。
統計データから見えてくる北朝鮮の意外な食料事情
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、FAO(国連食糧農業機関)などのデーターからこの記事では、以下のような結論を出しています。
FAOデータを基に考えると、北朝鮮の食料事情は次のようになる。 
(1)1人当たりの穀物供給量は220キログラム程度であり、それほど豊かではないが飢餓に苦しむレベルでもない。穀物を腹いっぱい食べることはできるが、飼料がないから肉はほとんど食べられない。牛乳もたまにしか飲めない。 
(2)ソ連が崩壊するまでは、農産物の輸出が可能な状況にあった。食料に困るようになったのはソ連が崩壊してからである。現在の状況は1990年代よりも良いが、食料をほとんど輸出していないことから、ソ連崩壊以前の状態には戻っていない。 
(3)北朝鮮は食料をほぼ自給している。人々は貧しい食事に慣れていると思われるから、禁輸による兵糧攻めを行っても、政権に大きな打撃を与えることはできないだろう。
北朝鮮では、穀物などは何とか自給自足できているようです。だから、兵糧攻めはできないということです。

しかし、確かに一般庶民に対しては兵糧攻めができないものの、様々な食料の輸出を止めれば、金一族をはじめ、北朝鮮のいわゆる幹部や富裕層に対しては兵糧攻め等ができるかもしれません。

食料でも、贅沢なものたとえば、肉、牛乳など、あるいは他の高級食材・飲料などを禁輸すれば、北朝鮮の富裕層には打撃でしょう。酒や、清涼飲料数その他必需品と思われるようもの以外を禁輸すれば富裕層にとっては打撃です。

吉林省長春市の北朝鮮レストラン
石油をある程度禁輸すれば、一般庶民は、石炭で暖を取れるのであまり不便や不自由を感じないですが、富裕層は暖房などの設備を石油から石炭に変えなくてはならなくなります。これはとても不便なことなので、石炭を燃料とするためには、人を雇わなければならなくなります。そうなると、北朝鮮の一般人民の雇用が増えることになります。

そうして、石油が値上がりすれば、富裕層は自家用車を動かすことができなくなりますが、自家用車を持たない庶民にとってはあまり影響はありません。ただし、バスなど庶民の使う交通機関にまで影響が及ぶまでにはしないようにすべきです。

このようにして、庶民にとっては、あまり影響のないように、北朝鮮の生活水準を落としていけば、庶民にとってさほど影響がないものの、富裕層には影響がでるような禁輸をどんどん実行していくべきです。

北朝鮮の一般住民は、慢性的な食糧難に苦しんでいますが、一方、平壌の富裕層は、一般住民とは別世界の住民のように、各種娯楽施設を楽しみ豪華な生活をしています。なかには、わずか一時間に一般労働者の平均賃金の25倍もの大金を払って、スポーツを楽しむ女性も少なくないです。

北朝鮮のプールでくつろぐ女性
金正恩体制になって新しくオープンした文殊(ムンス)ウォーターランドやクムヌン体育館を、北朝鮮当局は『人民のための体育文化施設が素晴らしく出来上がった』と大々的に宣伝しましたが、内実は富裕層のためのものに過ぎないです。文殊ウォーターパークも入場料が高く、とても一般住民が気軽に行ける遊び場ではありません。

これはいわば富裕層御用達のスポーツクラブのようなものです。スポーツクラブで1時間に7ユーロを支払い、高級レストランやカフェで、その数倍の金額を支払って優雅な時間を過ごします。その財力は、今の北朝鮮の経済事情から見ると想像以上です。
富裕層の女性たちが、スカッシュ1時間で支払う7ユーロは、北朝鮮の一般労動者の平均賃金(3000ウォン)の25倍。コメ価格に換算すると15キロ(1キロ=5000ウォン)だ。
北朝鮮の屋内プール
彼女たちの多くは、朝鮮労働党高級幹部や外貨獲得の貿易会社社長など、羽振りのいい会社の妻たちです。また、大規模な貿易や商売で一発当てたトンジュ(金主)と呼ばれる新興富裕層も多いです。平壌の中区域や牡丹峰区域の高層アパートなどで豪華な生活をしてます。

夕焼け空に映える平壌市中区域万寿台地区・倉田通りの近代的な高層マンション群
このような生活をしている、富裕層が中国などの禁輸措置により、北朝鮮の一般庶民と同じような生活をしいられたら、どうなるでしょうか。とても耐えられないと思います。

北朝鮮の富裕層は、国際社会による経済制裁下においても、不自由のない生活を維持していると伝えられています。とくに、金正恩党委員長との距離が近ければ近いほど、その傾向は顕著のようです。

2013年に開設された北朝鮮のゲームセンター
とはいえ、いくら金持ちであると言っても、そうした人々が海外で目立つようなことはほとんどありませんでした。サイトで検索してみても、北朝鮮の富裕層の生活ぶりはほとんどでてきません。たまに彼らが海外に出ることはあっても、その動きが北朝鮮ウォッチャーに伝わるのは、彼らが帰国したずっと後のことであるケースがほとんどでした。

ところが最近、北朝鮮富裕層の子供たちと思われる若者のグループが、中国の地方都市で優雅な暮らしを送る姿がリアルタイムで補足されるようになりました。それも数人とか十数人ではなく、200人もの若者たちが中国へ出てきているもようなのです。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は北朝鮮と国境を接する中国・丹東市在住の朝鮮族の情報筋の話として、次のように伝えています。
今年の3月初め頃から、瀋陽にある北朝鮮領事館の近辺と丹東の高級住宅街で北朝鮮の若者をよく見かけるようになった。中国が北朝鮮への経済制裁を強化しているにも関わらず、彼らは現金を湯水のように使い、地元で自然と注目を集めるようになった。
情報筋によれば、丹東にいる若者たちが暮らすのは、最近開発された商業施設と一体型の高級マンションで、建物1階にある彼らのオフィスは70坪もあります。中国のちょっとした金持ちでもなかなか手の出ない物件だというのですが、別の見方もあります。中国の複数の不動産サイトによると、このマンションの3LDKの1ヶ月の家賃は1600元(約2万7000円)前後で、市内中心部に比べるとかなりお手頃です。

また瀋陽市在住の情報筋によれば、
北朝鮮領事館の周辺には10代後半から30代半ばに見える北朝鮮の男女が百人ほども固まって暮らしている。今年の初めまでは10人ほどだったのが、6月初めから急に人数が増えた。皆が洗練されたスーツ姿で、普通の北朝鮮の人々とはかなり違って見える」と言います。
一方、中国に派遣されている北朝鮮のある駐在員はRFAに対し、「今年の6月から瀋陽と丹東に出てきた若者たちは、中央の最高位クラスの幹部の子供たちだ。瀋陽と丹東に合わせて200人ほどがいるようだ」と説明したといいます。

これに関しては、「米国の攻撃に備えた避難か」という見方もありますが、私自身はそれだけではないと、思います。

これは、そろそろ富裕層に制裁の影響がでてきたという兆候でもあると考えられます。特に貿易などで富を手に入れた、富裕層が今後北朝鮮では今までの生活水準は維持していけないと考えて、子どもたちを避難させ、その後に自分たちも避難しようと考えているのではないかとも推測されます。

そもそも、北朝鮮ではまもなく、まともな教育を受けさせることも困難になります。特に、貿易関係などで富裕層になった人々にとっては、北朝鮮にとどまり続ける理由がなくなります。

北朝鮮への制裁は、あまり効き目がないともいわれていますが、そろそろ影響がでてきたようです。そうして、石炭の禁輸にみられるように、庶民にあまり影響の出ない制裁方法をとれば、庶民をあまり苦しめることなく、富裕層に対して相当苦しい制裁が可能だと思います。

ここは、世界中で知恵を絞って、そのような制裁をどんどん進めていけば、かなり富裕層にとって効き目のある制裁ができるはずです。

次の段階では、金融制裁も実施すべきでしょう。一般庶民にはほとんど影響はなく、富裕層にだけ大打撃のある制裁もあるはずです。

このような制裁を強化していけば、北朝鮮からは富裕層は消え失せるかもしれません。そのときには、金正恩は自らも生活水準を維持することができずに、北朝鮮を脱出しなければならなくなるかもしれません。その時が北朝鮮の体制を崩壊に導くチャンスです。

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2017年10月18日水曜日

【激闘10・22衆院選】自民危ない与野党大接戦の59選挙区 立憲民主追い風、失速から挽回試みる希望 選挙プランナー分析―【私の論評】実体は民主党菅政権の立憲民主党に引導を渡せ(゚д゚)!

【激闘10・22衆院選】自民危ない与野党大接戦の59選挙区 立憲民主追い風、失速から挽回試みる希望 選挙プランナー分析

希望の党の失速で、枝野代表率いる立憲民主党は
躍進の勢いだ=17日午前、東京都葛飾区
10・22衆院選の投開票日まで1週間を切った。報道各社は中盤情勢について、「自公3分の2超へ」(産経新聞17日付朝刊)、「自民 最大300超も」(毎日新聞16日付朝刊)などと、安倍晋三首相(総裁)率いる自民党の優勢を伝えているが、選挙は投票箱のフタが閉まるまで分からない。夕刊フジで、選挙プランナーの松田馨氏に情勢分析を依頼したところ、何と59選挙区で与野党候補が大接戦を繰り広げていた。失速からの挽回を試みる小池百合子代表(都知事)の希望の党や、野党第1党をうかがう枝野幸男代表の立憲民主党…。自民党は16日夜、50超の選挙区を「重点区」に指定し、党幹部や閣僚らの投入を決めた。激戦区の勝敗次第では、選挙結果は大きく変わる。

 「前回衆院選(2014年12月)で、小選挙区でも敗れながらも、比例復活した候補がいる選挙区が激しく競り合っている。報道各社が『与党優勢』と中盤情勢を伝えており、アナウンス効果で有権者の投票行動に影響を及ぼす可能性が高い。今後、与党幹部のちょっとした失言が命取りになることもある」

 松田氏は16日、こう語った。最新の情勢分析では、289ある小選挙区のうち、59選挙区で与野党候補が拮抗(きっこう)していた。自民党の「優勢予測」など、一気に吹き飛びかねない僅差といえる。

 注目の59選挙区は別表の通り。


 松田氏は激戦都府県として「東京」「神奈川」「山梨」「新潟」「愛知」「大阪」-を挙げた。大まかな傾向として、(1)激戦区では、立憲民主党がやや優勢(2)希望の党は他党の差別化で苦戦(3)民進党出身の無所属が底力を見せる-などだ。

 東京では、小池氏率いる希望の党の失速が大きい。小池氏の衆院議員時代の地盤・東京10区を引き継いだ若狭勝氏までが「やや劣勢」で、小池氏と二人三脚で追い上げを図っている。小池氏は豊洲移転問題で、石原慎太郎元都知事を激しく攻撃した。石原氏の3男、宏高元内閣府副大臣も当初、東京3区で劣勢が伝えられたが、「やや優勢」に盛り返してきた。

 希望の党の劣勢は、全国に及んでいる。大島敦・元民進党幹事長(埼玉6区)や、山井和則・元民進党国対委員長(京都6区)、馬淵澄夫・元民進党選対委員長(奈良1区)も「やや劣勢」だ。

 大阪では、前職3人が激突する大阪11区が注目される。

 自民党の佐藤ゆかり元経産政務官と、無所属で出馬した平野博文元官房長官、「Dr・イトー」としてメディアの露出度も多い日本維新の会の伊東信久氏が三つどもえの戦いを演じている。佐藤氏が「やや優勢」だが、維新のおひざ元だけに、最後まで分からない。

 このほか、与党大物としては、鈴木俊一五輪相(岩手2区)や、金田勝年前法相(秋田2区)もギリギリの戦いだ。

 過去にも、中盤情勢で「与党圧勝」が伝えられながら、最後に大負けした選挙がある。2000年6月の「神の国解散」だ。報道各社は、自民党が単独で安定多数(260議席、当時)を確保し、自民、公明、保守党の与党3党で300議席に迫ると伝えていた。

 ところが、森喜朗首相が投開票日の5日前、「無党派層は寝ていてくれれば」と、日本選挙史に残る大失言を炸裂(さくれつ)させ、有権者の強い反感を買った。投票率も上昇し、自民党は小選挙区と比例合わせて233議席となった。事前予測よりも二十数議席減となり、森氏の求心力は低下し、翌年2月の退陣へとつながった。

 有権者の投票行動を左右するアナウンス効果も気になるところだ。

 劣勢と伝えられた候補や政党に支持が傾く「アンダードッグ効果」が働けば、野党側に有利となる。反対に「勝ち馬に乗ろう」として、優勢と報道された政党や候補者に投票しがちになる「バンドワゴン効果」が出れば、与党が有利なまま選挙戦を終える。

 松田氏は「アナウンス効果がどう出るか、正確に分析するのは難しい。ただ、有権者の間には『自民党の勝ち過ぎ』に警戒感が広がっているのは間違いない。野党では、立憲民主党に行った民進党出身者が支持を集め、各選挙区で善戦している。一方、希望の党に行った候補は苦戦している。野党でも明暗が大きく分かれているようだ」と語った。

 夕刊フジは前回予測(10日発行)で、いち早く、「自民、公明両党で300議席を超える」可能性を報じた。希望の党の失速で「政権交代」の可能性が後退し、有権者の衆院選への関心が低下し、投票率が下がり、自民党に消極的支持が集まり、議席数を伸ばす-という分析だ。

 現状では予測に近いが、「火事は最初の5分、選挙は最後の5分」といわれる。少しの油断が有力視されていた勝利を逃し、最後まで諦めない姿勢が大逆転を現実にする。

 官邸に近い関係者は「あまりにも無風過ぎて怖い。これまでも、ちょっとしたことが大きな反動になったことがある。気を引き締めなければならない」と語った。

【私の論評】実体は民主党菅政権の立憲民主党に引導を渡せ(゚д゚)!

都内では、立憲民主党の動きが活発です。以下に都内の、選挙戦の状況をまとめておきます。

25選挙区中、与党が20の選挙区で優位に立つ。野党は、立民が5選挙区でリードする健闘をみせ、都知事の小池百合子が代表を務める希望は苦戦しています。

※「接戦」「競り合う」「互角」等の表現は、名前が前の方が僅かにリードしている状況を指します。

1区は、前回は民主党代表ながら落選した立民海江田が優勢に立ち、自民山田が追っています。

「安倍さんの歩いてきた4年10ヶ月はことごとく憲法を踏みにじった足跡だ!!」と訴えた海江田氏
2区も、立民松尾が自民辻をわずかに先行、希望鳩山は支持の広がりに欠けています。
自民辻氏に先行する松尾あきひろ氏
3区は自民石原が過去5回競り合ってきた希望結党メンバーの松原をリード。

4区は自民平が圧倒しています。

5区は、立民手塚と自民若宮が競り合う。自民から希望に移り国替えした福田は劣勢を強いられています。

自民若宮氏と競り合う立憲民主党手塚よしお氏 民主党時代のポスター
6区は、立民落合が左派系の票も取り込んでいるが、自民越智が優勢です。

7区は、知名度の高い立民長妻が優位に立ち、自民松本が追いかけている。希望荒木は失速気味です。

立憲民主党代表代行の長妻氏
8区は自民石原が立民吉田、希望木内を寄せ付けず圧倒しています。

9区も自民菅原が大きくリードしています。

10区は、自民鈴木が三つどもえの激戦から一歩先行、立民鈴木、希望若狭が追いかけています。

11区は自民下村が8選に向け他候補を圧倒。

12区は、公明太田が自民票も取り込み優位に立ち、共産池内は政権批判票の上乗せで激しく追っています。

13区は自民鴨下、14区は自民松島がともに優勢。15区も自民秋元が希望柿沢を引き離しています。

16区は、立民初鹿と自民大西が互角の戦い。希望田村は伸び悩んでいます。

自民大西氏と互角の戦いをする立憲民主党初鹿氏
17区は自民平沢が圧倒。18区は、自民土屋が優位に立つ中、立民菅が激しく追っています。

19区は自民松本が頭一つ抜け出し、立民末松が追う。20区は自民木原が大きくリードしています。

21区は自民小田原が希望長島をわずかに上回っています。

22区は自民伊藤が立民山花を抑えています。

23区は自民小倉を希望伊藤が追う。24区は自民萩生田、25区は自民井上がそれぞれ優勢です。

※希望の党の東京比例復活枠は現在の情勢だと3議席しかないので、長島・松原・柿沢・伊藤の惜敗率次第では若狭は比例復活すらできない可能性もあります。

最新のJX通信社 衆院選第4回情勢によれば、立憲民主党に無党派・政権不支持層から最多の支持を得ているそうです。

報道ベンチャーのJX通信社では、9月下旬以来毎週、東京都内で衆院選情勢調査を実施しています。10月14日(土)・10月15日(日)の両日に実施した最新の調査(第4回)では、比例東京ブロックでの投票意向首位は自民党で30%(1ポイント増)となる一方、第2党として立憲民主党が23%(5ポイント増)で続きました。2週間前の前々回調査で首位だった希望の党は2週続けて投票意向を減らし、16%(前回比2ポイント減)にとどまりました。

支持政党別では、支持する政党はないとしたいわゆる無党派層が30%(前回比4ポイント減)、自民党が28%(2ポイント増)となった他、立憲民主党が19%(4ポイント増)、希望の党が11%(2ポイント減)、共産党が6%(1ポイント増)と続きました。
東京都内では投票意向先、政党支持率ともに立憲民主党が希望の党を大きく上回り、第2党の位置を占める傾向が明確になったと言えます。
加えて注目すべきなのは、無党派層の投票先です。無党派の有権者に比例代表東京ブロックでの投票意向先を聞いたところ、最多となったのは立憲民主党の17%でした。前回まで無党派層で最多の支持を集めていた希望の党は16%となり、立憲民主党を1ポイント下回りました。
立憲民主党は安倍政権を支持しないとする「政権不支持層」からも最多の支持を得ており、東京都内では非自民・反政権票最大の受け皿となりつつあります。

希望の党を率いる小池百合子知事の東京都内での支持率は前週比3ポイント減の34%でした。不支持率は59%となり、今年1月の都内での調査開始以来最も高くなっています。対する安倍政権の支持率は41%で、不支持率は54%でした。

今回の調査に加え、過去の選挙結果や調査データをもとに衆院選比例代表東京ブロックでの各党の獲得議席(定数17)を予測したところ、自民党が6議席を固め、最大で8議席までの伸びしろがある状態で第1党となる可能性が高いです。続く第2党は立憲民主党で現状4議席を固めており、最大で6議席まで獲得できる可能性があります。希望の党は3議席を固めたが上限は届いても4議席と見られ、共産党と公明党はそれぞれ1~2議席にとどまりそうです。日本維新の会は1議席を獲得できるかどうか微妙な情勢です。


また、東京都内に25ある小選挙区では、支持を伸ばしている立憲民主党の候補が自民党候補と接戦になっている選挙区が複数あり、情勢が注目されます。東京の25小選挙区のうち、各党で獲得が見込まれる選挙区の数は上図の通りです。昨年の参院選では、事前の情勢分析の相場観よりも1人区で自民党候補が敗北するケースがやや多くなり「取りこぼし」を指摘されました。立憲民主党の候補擁立に関しては、公示間際に「野党共闘」の枠組みで共産党が候補を下ろした選挙区もあります。立憲民主党への支持が短期間で伸びたことで、東京都内の小選挙区でも同様の自民「取りこぼし」の現象が生じないか注目されます。

上では、立憲民主党の都内での状況をお伝えしましたが、この傾向全国に波及する可能性もでてきました。

それにしても、都内の無党派層の方々は、立憲民主党とは何者なのか理解されているのでしょうか。

そもそも、代表の枝野幸男は極左暴力集団革マル派からの資金提供について答えてないですし、立憲民主党は菅・枝野・辻元・長妻など菅内閣のメンバーそのままです。しかも菅は菅政権は良かったと未だに言っています。過激派との関係も深刻です。いわゆる彼ら支持する市民とは過激派かもしれないです。違うと言うなら枝野は革マルとの関係等を選挙前に説明すべきです。

有権者その中でも無党派層のみなさん 騙されてはいけません。 民進党は 「希望の党」と 「立憲民主党」の二つに分裂し 2種類の党名を名乗っていますが いずれにしても 元は”あの民進党”です そのことをお忘れなきように。


それは、立憲民主党の手作りの選挙カーをみてもよくわかります。以下に手作り前と、手作り後の写真を掲載します。

改造前
 
改造後
立憲民主党の生い立ちは、衆院選で民進党ではほとんどの議員が、当選できないことが予想されたため、 民進党の両院総会において、満場一致で希望の党へ の合流を決めました。 このときには、辻本議員も「小池さんは日本のメルケル、シンパシ-を感じる」と発言しました。 ところが、小池さんにゴミはいらんと廃除されました。その途端に 「 小池はクズだ!無所属出馬だ!  でも多くの議員が、無所属しんどい大変だということになり、 そうして、そのようなゴミの受け皿として、立憲民主党旗揚げされました。立憲民主党は、 まったく筋の通らない、ゴミのような人たちの集まりなのです。

そうして、このゴミと過去を比較すると、過去最悪の民主党菅内閣の主要閣僚が立憲民主党のメンバーであることがわかります。


このような立憲民主党は衆議院で日本を機能不全にできる拒否権(1/3)を狙っているとしか思えません。国会で、拒否権を発動されたら、日本は何もできなくなるかもしれません。しかも、共産党と希望の造反組と合算でそれを狙っているのでしょう。何が何でも、改憲を阻止したいのです。彼らは、かつての民進党と同じように考え方がバラバラなのですが、ここだけは一致しています。

立憲民主+希望+共産党の勢力が衆院で、本当に1/3以上になり、国会で拒否権を発動できるようになれば、いわゆるねじれ国会どころではありません。北朝鮮対応も満足にできなくなり、韓国、北朝鮮の思うがままにあしらわれるようになるかもしれません。そうなれば、米国などからも見放されます。そうなれば、日本は韓国・北朝鮮の属国になってしまうかもしれません。そうなれば、最終的には中国の餌食になるしかなくなります。これが、彼らの狙いでしょう。

この立憲民主党の動きは、いつか通った道を思い出させます。そうです。 8年前マスコミにだまされて出来た民主党政権の暗黒時代です。立憲民主党あの民進党の菅内閣と同じ顔ぶれです。 経済も日米同盟も他国のとの外交もぼろぼろになり、 中国と朝鮮半島は大喜びしました。現在は、やっと安倍政権が民主党政権でボロボロになった日本を立ち直らせている途中です。 立憲君主党を支持する人々は、また地獄に自ら落ちに行くつもりなのでしょうか。そこまで、考えていないというのなら、考え直すべきです。

だからこそ、自公圧勝報道に騙されるべきではありません。自公は最後まで手を抜かないで、取りこぼしのないようにしていたただきたいです。

そうして、有権者は過去の民主党の亡霊のような立憲民進党に今回の選挙で、引導を渡すべきです。
民主党菅政権

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2017年10月17日火曜日

若者は保守化しているのか 雇用改善で政権支持の実態、左翼色強い報道にも縁遠く―【私の論評】まもなく実質賃金も上昇しはじめ、吠え面をかく反安倍派?

若者は保守化しているのか 雇用改善で政権支持の実態、左翼色強い報道にも縁遠く
 毎日新聞の記事で、20代以下と30代の若者に内閣や自民党の支持者が多かったという調査結果が紹介されている。「政治的な知識不足」「現状維持を望む」といった解釈のほか、「雇用の売り手市場」なども要因とされているが、若者は保守的なのだろうか。

 この種の調査では現時点での傾向はつかめるが、変化については経年的な調査の方が分かりやすい。

 そこで、内閣府で継続的に行われている「外交に関する世論調査」を参考にしてみよう。

 日本で「保守化」や「右傾化」とされる代表的な特徴は、中国への態度である。この調査では「中国に親しみを感じる」割合について、年代別の経年変化が分かる。全世代でみると、中国に親しみを感じる割合は、1978年の調査開始以降、85年6月には75・4%だったが、それ以降低下し始め、95年10月に5割を切り、直近の2016年11月では16・6%(20歳以上)まで下がっている。

内閣府が2016年12月26日に発表した外交に関する世論調査より グラフはブログ管理人挿入以下同じ
 世代別の数字をみると、1999年10月では全世代で49・6%、20代で48・9%、60代で47・4%と、ほとんど差はなかった。しかし、直近の2016年11月では、全世代で16・6%、20代(18、19歳を含む)で31・1%、60代で12・8%と世代間の差が大きい。このデータでは若い世代ほど「保守化」「右傾化」していないことが分かる。

 一方、自民党支持についてみてみると、若い世代ほど支持する割合が高くなっている。より正確にいえば、若い世代は、それほど「保守化」していないが、自民党支持が強いと説明することができる。

 もっとも、これは自民党というより、第2次安倍晋三政権の特徴だといえる。実際、民主党への政権交代を許したときや、第1次安倍政権の際にも、若い世代は自民党支持は多くなかった。

 なぜ、それほど「保守化」していない若い世代に自民党支持が多く、「保守化」している老齢世代で自民党支持が少ないのか。筆者が思うに、若い世代は雇用を重視し、情報はネットなどテレビ以外から入手する。一方、老齢世代は雇用の心配がなく時間はあるが、情報を主にテレビに頼っているからではないだろうか。

昨年の結果より作成、「もりかけ問題」で一時、内閣支持率は
下したが最近はこのグラフに近いかたちになっている
 大学教員をしている筆者には切実な問題だが、大学生にとっての最大の関心事は就職である。初めての就職がうまくいくかどうかが、その後の人生を決めるともいえる。

 民主党政権時、残念ながら就職率は低く、就職できない学生が多かった。ところが、安倍政権になってから就職率は高まり、今では就職に苦労していない。正直なところ学生のレベルが以前と変わっているわけではなく、政策によってこれほどの差があるとは驚きだ。

 しかも、今の学生の情報入手はネットが中心で、左翼色が強く政権批判が多いテレビをあまり見ない傾向がある。そうした意味で老齢世代と若い世代は正反対だ。

 安倍政権の金融緩和と表裏一体の雇用重視は本来、左派政策なので、「保守化」していない若者にも受けるのだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】まもなく実質賃金も上昇しはじめ、吠え面をかく反安倍派?

若者が、内閣を支持する理由として、高橋洋一氏は若者は雇用が良くなったことを評価し、情報入手はネットが中心であることをあげています。そうして、中国への態度から若者は決して保守化しているわけではないことを主張しています。私もそう思います。

ブログ冒頭の、高橋洋一氏の記事にでてくる、毎日新聞の記事を以下にそのまま引用します。
<衆院選>若者層は保守的? 内閣・自民支持多く…世論調査  
 衆院選公示を10日に控え、国政選挙では、昨年夏の参院選から選挙権を得た、18歳以上の10代の若者が今回初めて衆院選に臨む。総務省によると、前回参院選で10代は40歳前後の世代と同程度の46.78%が投票し、投票意欲は決して低くはない。各党とも新たな票田として注目しているが、各種の統計や専門家の分析によると、10代から30代までの比較的若い世代で政治意識が保守化していると言われる。全国各地の10代有権者10人にその背景を聞いてみた。【大隈慎吾、水戸健一、野原寛史】 
 毎日新聞が9月に2度実施した全国電話世論調査(9月2、3日と同26、27日)によると、全体として20代以下(10代を含む)と30代は、40代以上の高齢層に比べて内閣支持率も自民党支持率も高い傾向を示した。 
 最初の調査では20代以下の内閣支持率5割弱に対し、70歳以上や40代は4割台、他の世代は3割台どまりで、20代以下の高さが際立った。2度目の調査でも20代以下と30代は4割台で、40代以上は3割台にとどまった。 
 年代別の自民党支持率も、最初の調査は20代以下が4割弱と最も高く、30~60代の2割台と好対照。2度目も20代以下は3割程度で、30~60代は2割台だった。 
 こうした傾向について、10代有権者の多くは「何も知らないままなら、有名な候補に」などと政治的な知識不足を背景にあげた。福岡市の男子大学生(19)は「知らないし、わからないと現状維持で問題ないと考えるからではないか」と話す。 
 「関心のない人がとりあえず名前を知っているから入れている」「自分の主張がないから、支持者の多い方に流される」などと同世代に厳しい指摘もあるが、「民主党政権はマニフェストも達成できず、インターネットの発達で失敗も隠せない」「安倍(晋三)首相はリオ五輪閉会式のスーパーマリオの演出など見せ方もうまい」といった声も聞かれた。 
 世代間の違いを指摘する声も出た。北海道の男子大学生(19)は「自分たちは子供のころから雇用難。安倍政権で景気や雇用が改善し、わざわざ交代させる必要もないと考えているのでは」と話す。 
 大阪市の予備校生(18)は「私の祖父母は野党側の考えに近いが、若い世代は安保闘争のような大きな政治運動の経験がない。野党の政策はどこか理想主義的で、現実的な対応をしてくれそうな自民がよく見える」と解説した。 
 有権者の政治意識や投票行動を研究する松本正生・埼玉大社会調査研究センター長によると、他の各種世論調査でも10代を含む若い世代で内閣や自民党の支持率が高い傾向にあり、男性が女性よりも高いという。松本さんは「安倍首相のきっぱりとした物言いや態度に若者が好感を抱き、ある程度の固定ファンがいるのではないか。大企業や正社員を中心とする雇用の売り手市場や株高の現状が続いてほしいという願望が、若い世代で強いのだろう」と話す。 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171009-00000010-mai-soci
若者は保守的と指摘する毎日新聞の記事は、若者はモノを知らない馬鹿者と言っているようなものです。モノを知らないのはどちらなのかと言いたくなります。

このような批判をすると、以下のようなグラフを提示して、2010年半ばからエンゲル係数が急上昇しているなどの批判をする人もいます。

これについては、いろいろ調べたところ、田中秀臣氏が最も理解しやすい反論をしていました。それを以下に掲載します。
エンゲル係数の推移を見ると、平成元年から平成16年(2004年)にかけて低下していましたが、平成21年(2009年)以降上昇しています。これは、エンゲル係数が、世帯主が60歳以上の高齢の世帯では高い傾向があるため、高齢化に伴って高齢の世帯の割合が上昇していることなどが全体のエンゲル係数の上昇にも関係しているのです。 
それと所得が上昇して外食が増えるとエンゲル係数が上昇したりもするのです。エンゲル係数は基本的に高齢化の進展でこれからも上昇トレンドにあると思いますが、その他の要因でも影響がおこるといえます。 
 エンゲル係数という一部分を取り出して、現在よりも民主党政権時代の方が暮らし向きがよかったという見方は、 
1)民主党政権時に失業率が高率(見かけ失業が減る傾向が始まったかのようにみえてもそれは求職意欲喪失者が増えたため=景気の悪化が深刻で職をさがすこと自体をあきらめたから)であったことをみていない 
2)民主党政権時に経済的自由での倒産件数の比較にならないほどの多さを無視 
3)現段階での自殺者数の減少を無視(民主党政権時よりも安倍政権の下の方が減少率はるかに拡大) 
4)最低賃金の上昇も無視などさまざまに列挙できるものを無視しています。さらに最近では、雇用回復の中での実質賃金上昇もみられます。民主党政権時では、雇用悪化の中での実質賃金上昇があったのですが、それは採用コスト増加で失業者増加をもたらしました。 
安倍政権を批判するならば、現在のアベノミクスのうちリフレ政策をさらに意欲的に実行せよ、というのがまともな批判の方向でしょうが、そういう話にはならず、批判のための批判しかできない人達が多いようです。
以上、田中秀臣氏の反論にでてくる指標のグラフを以下に掲載します。

就業者数については、どうみても安倍政権になってから増加しています。

倒産件数も、安倍政権になってから持続して減っています。


自殺者数も、安倍政権になってからかなり減っています。


実質賃金については、安倍政権になってから下がっています。直近では多少あがっています。

これは、反安倍派にとっては、格好の突きどころですが、これも先程のエンゲル係数のように、反安倍派は他の重要なことを見落としています。

それまで、金融引締めで雇用が悪化していた状況でご存知のように、2013年から日銀は金融緩和に転じました。そうすると、何がおこるかというと、比較的低賃金のパート・アルバイト、正社員も比較的低賃金の新卒や若年層から雇用が増えます。

そのため、マクロ経済学では、金融緩和をした直後には、雇用は増えるものの、実質賃金が下がるということが知られています。まさに、安倍政権になってからの実質賃金の低下はこれで説明ができます。

これは、大企業が業容を拡大するときにも似たような現象がおこります。たとえば、流通関係の企業で、景気が良いので、さらに利益をあげようと、店数を増やせば、店に配置する相対的に低賃金のパート・アルバイト、新卒を増やすことになります。

そうなると、どうなるかといえば、会社全体での平均賃金は下がります。金融緩和をして、実質賃金が下がるのはこれと同じようなものです。

新卒や非正規(主婦パート・アルバイト、高齢者再雇用)などの人たちが増えればその人たちの名目賃金は低いです。これらの雇用が増えていれば、インフレ率との見合いで実質賃金が下がることは明白です。実質賃金の低下で政府の経済政策は失敗と判断するのは明らかに間違いです。

しかしけ現状どおり金融緩和政策が続けば、次の段階では、人手不足となり、安定して人員を確保しようとすれば、当然のことなが、企業も賃金があげなければならなくなります。その動きが多くの企業にまで広がれば、全体の実質賃金もあがることになります。

一つ付け加えておくと、本来は実質賃金は今頃は確実にあがっていたはずなのですが、残念ながら2014年4月から、消費税増税をしてしまったため、個人消費が冷え込み、それが企業業績にも悪い影響を与えたため、雇用情勢は良くなりましたが、実質賃金上昇にまではいたりませんでした。

しかし、この状況は長くは続きません。最近実質賃金が多少あがっているのはその予兆です。しばらく、雇用者数が増え、実質賃金が減少する状況が続きしまた。いずれ、女性や高齢者などの雇用にも限界がくるでしょう、そうなると企業としては、人材を確保するためには、賃金を上げざるを得なくなります。その時期は近いです。

最後に、安倍総理が10%増税を前提として、増税分の税収の使いみちについて言及したことをもって、安倍総理は10%増税すると早合点している人もいるようですが、安倍総理は税収の使いみちについて言及しただけであって、増税するとはっきり言及したわけではありません。

このブログでは、8%増税分の税収が、社会保障にあまり使われることなく、財務省がありもしない政府の借金返済につかわれている実体をあげて、安倍総理はこれを批判しているのだという見方を紹介しました。実際そうだと思います。

次の10%増税の時期まで、北朝鮮情勢の悪化が続いていれば、政府としては北朝鮮情勢悪化のため、増税は延期ということで、三党合意による増税法案を廃案に追い込むのはたやすいことでしょう。

さらに、もし北朝鮮情勢にかたがついていたとしても、三党合意の一党である民主党が、現状では民進党と名称を変更し、半分消滅したような状況にあり、2年後には完全消滅しているかもしれません。そうなると、増税法案を廃案に追い込むのはたやすくなります。

いずれにせよ、10%増税は今から二年後のことです。安倍総理も朝鮮半島有事が間近に迫っていることから、現在は今でも政治勢力として強大な財務省と事を構えるのは避けたいと考えているのでしょう。財務省も、北朝鮮有事に備えることに協力して欲しいと考えているのでしょう。

そんなことから、現在の選挙では増税は争点と見るべきではないことを最後に付け加えたいと思います。

現在、増税凍結宣言を早々と行った、維新が苦戦しているのをみると、実際そうなりつつあるようです。

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