2018年4月21日土曜日

北朝鮮が核実験場を廃棄、ICBM発射中止 党中央委総会で決定―【私の論評】米朝首脳会談は決裂するか、最初から開催されない可能性が高まった(゚д゚)!


20日、平壌で開かれた朝鮮労働党の中央委員会総会で挙手する金正恩党委員長

 北朝鮮は20日、朝鮮労働党の中央委員会総会を開き、21日から核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止し、北東部、豊渓里の核実験場を廃棄すると決定した。朝鮮中央通信が21日、報じた。南北首脳会談や米朝首脳会談を前に、核開発を優先してきたこれまでの路線を大きく転換させた形だ。

 中央委総会は、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長出席の下、「経済建設と核戦力建設の並進路線の偉大な勝利を宣言することについて」と題した決定書を満場一致で採択した。

 決定書で、核実験中止は「世界的な核軍縮に向けた重要な過程」で、北朝鮮は「核実験の全面中止のための国際的な努力に合流する」と表明。「わが国に対する核の威嚇がない限り、核兵器を絶対に使用せず、核兵器や核技術を移転しない」と強調した。実験場廃棄は核実験中止の「透明性を担保するため」とした。

6月初旬にも開催が見込まれる米朝会談に向けた条件整備といえるが、核保有国としての立場は取り下げておらず、「完全な非核化」には言及しなかった。完全な核廃棄を求めるトランプ米政権との非核化交渉は難航も予想される。

 金委員長は、朝鮮半島の緊張緩和と平和に向け、「劇的な変化」が現れているとした上で、核やミサイル開発の進展で「核戦力の兵器化の完結が検証された」と強調。「もはやいかなる核実験や中長距離・大陸間弾道ロケット(ミサイル)試射も必要なくなり、核実験場も使命を終えた」と述べた。

 総会では、これまで掲げてきた並進路線は貫徹されたとし、党と国家を挙げて経済建設に総力を集中する新たな路線も決定した。

 韓国大統領府は21日、「非核化に向けた意味のある進展だ」と今回の決定を歓迎するコメントを発表した。

【私の論評】米朝首脳会談は決裂するか、最初から開催されない可能性が高まった(゚д゚)!

金委員長は20日の党中央委員会総会では、以下のような“勝利宣言”もしています。
「国家核戦力建設という歴史的大業を5年に満たず達成したのは、並進路線の偉大な勝利だ」
核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」は2013年の中央委総会で打ち出され、金正恩体制の政策の柱をなしてきた。昨年10月の前回会議でも、金委員長は、並進路線の貫徹と国家核戦力建設の完遂を鼓舞していました。

昨年開催された第7回朝鮮労働党大会
金委員長は昨年11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射を受け、「国家核戦力の完成」を宣言。今回、持ち出したのは「核戦力兵器化の完結」が検証され、もはや核実験やミサイル試射は必要なくなったとの論理です。

廃棄を決めた豊渓里の核実験場は6回にわたって核実験が繰り返されてきました。昨年9月の実験以降は、余波とみられる地震が複数回観測され、これ以上の実験には耐えられないとの分析がありました。早晩廃棄は不可避だったとみられます。

5月18日に撮影された、北朝鮮・豊渓里にある核実験場の衛星写真。
新たに建設が始まったとみられる建物が写っている

完全履行されれば、貿易額の9割を失うという制裁の中、経済政策への集中も避けられない選択でした。

核実験場の廃棄まで宣言したことで、27日に迫った韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談の条件は整えられたといえます。

一方で、核保有国として「核軍縮」に臨む姿勢を示しており、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を迫るトランプ政権との溝が埋まったわけではありません。

金委員長は3月、中国の習近平国家主席との会談で、米韓の「段階的で歩調を合わせた措置」が必要だと主張し、今回も既存の核燃料やミサイルの廃棄には踏み込んでいません。

以上のことを総合的に判断すると、朝鮮労働党の中央委員会総会での核に関する決定は簡単にまとめてしまうと、以下のように解釈できます。
① 核の兵器化が完結した現在、検証はすでに終了している。当面は、もう実験の必要はない。 
② 従って発射実験は不要。核実験場も閉鎖する。
①は事実上の核の実戦配置宣言と受け取ることができます。

現状のマスコミ報道等をみていると、①を見て恐怖とショックに陥るということもなく、
②を見て胸を撫で下ろしているように見えます。

今の日本のメディアには、北朝鮮の声明の背景を理解できる能力がないようです。このようなメディアの報道や識者の意見のみを聴いていると、北朝鮮の現実が見えなくなってしまいます。

皆さんも、マスコミ報道などて、②の部分だけを聴いて、少しでも安心してしまうようであれば、かなりマスコミ報道に毒されていると認識すべきと思います。

米国は、北朝鮮の核放棄方式についてリビア方式以外は許容しないでしょう。リビア方式の非核化とは、大量破壊兵器開発計画を推進していたリビアの独裁者カダフィ大佐が当時、自国の開発計画を破棄(非核化)した後、制裁解除、経済支援などの恩恵を得るという米英らの提案を受け入れた内容です。

非核化が先ず先行し、その後に制裁の解除などを得るというやり方です。金正恩氏が主張する同時進行でも「行動対行動」原則でもありません。

問題は、核開発計画を放棄したカダフィ大佐は最終的には政権の存続を失ってしまったという事実です。カダフィは結局新政府軍に殺害されました。

新政府軍の兵士に拘束された瞬間のカダフィ大佐(左)。リビアTVが放送

金正恩氏はカダフィ大佐の二の舞を演じることを絶対避けたいでしょう。だから、北側は「段階的、同時的な措置」に拘ります。換言すれば、核兵器を保有しない北朝鮮の独裁政権は遅かれ早かれカダフィ政権と同じ運命になるという恐れがあるのです。

しかし、それはトランプ大統領のあずかり知らないことです。米国は北朝鮮が、核兵器を放棄するかわりに、制裁解除、経済支援を受けられるようになっても、カダフィのような運命をたどるというのなら、それは金正恩のせいであって、米国や他の同盟国とは全く関係ないという立場です。実際そうです。

北朝鮮国内で、金正恩がどのような運命をたどるかなど、私達にとっては直接関係ありません。それはあくまで、金正恩の都合であって、我々は、北の核の脅威を取り除き、拉致被害者を取り戻したいだけです。

私の感触では、これでさらに米朝首脳会談は決裂するか、そもそも最初から開催されない可能性が高まったと思います。それに続く日朝会談も同じ運命をたどるかもしれません。

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2018年4月20日金曜日

トランプ大統領が金正恩委員長に「クビ!」を宣告する日―【私の論評】北朝鮮問題は、マスコミ報道等とは全く異なる形で収束するかもしれない〈その3〉(゚д゚)!


かつてトランプ大統領は"Your're fired(お前はクビだ)"というリアリティー番組に出演していた
写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 かつてホストをつとめたリアリティ番組で「You’re fired(お前はクビだ)」という決めゼリフが人気を集めたドナルド・トランプ米大統領は、政治もビジネスと同じセンスを曲げずに突き進んでいるように見える。6月上旬までに予定されている史上初の金正恩委員長との米朝首脳会談は、その“トランプ流”外交でどのような展開をみせるのか。経営コンサルタントの大前研一氏が分析する。

* * *

 “トランプ流”の交渉とは何か。それは極めて単純だ。トランプ大統領は“不動産業を営むローカルなファミリー企業の社長”であり、一発勝負のネゴシエーターである。だから北朝鮮との交渉でも過去のノウハウを応用し、自分が行って“小さなロケットマン”に一発かませば、相手は言うことを聞くはずだ--という発想なのである。

 彼は、前任者が成し得なかった北朝鮮の非核化を自分のディール(取引)で実現した、と今年11月の中間選挙でアピールしたいだけなのだ。

 対する金正恩委員長は、韓国特使団との会談で「非核化の用意がある」と言明したとされる。これをトランプ側は、北朝鮮が核・ミサイル開発を停止し、不可逆的に核兵器を放棄するという意味だと考えている。

 だが、北朝鮮側の「非核化」の対価は、在韓米軍の撤退だろう。つまり、自分たちが核・ミサイル開発をやめる代わりに、核保有が想定される在韓米軍も同時に撤退するということだ。あるいは、中国と歩調を合わせて、非核化は米韓合同軍事演習の中止や米軍削減とバーターだと主張する可能性もある。

 実際、金正恩委員長は習近平主席との会談で「米韓が我々の努力に善意で応え、平和の実現に向け段階的な措置をとれば非核化の問題は解決できる」と主張したと報じられている。しかし、そんな条件をトランプ大統領が飲むはずがない。

 ◆“予測不能”ゆえ「瓢箪から駒」?

 そういう状況下でトランプ大統領と金正恩委員長が会えば、交渉は必ず決裂する。それどころか、会談場所がどこになるにしろ、トランプ大統領と会うことで金正恩委員長の居場所は特定できるので、トランプ大統領は交渉が決裂したら即、金正恩委員長や北朝鮮の核関連施設などをピンポイントで先制攻撃する可能性もある。いわゆる「鼻血(ブラッディ・ノーズ)作戦」だ。そのリスクに対して北朝鮮側が警戒を強めれば、米朝首脳会談はお流れになる。

 それでも今回、北朝鮮が南北首脳会談や米朝首脳会談に向けてアクションを起こしている背景には、中国を含めた経済制裁や、韓国で「死の白鳥」と呼ばれているB-1B爆撃機などの軍事的脅威がある。

B-1B爆撃機

 また、北朝鮮国内では、金正恩委員長は父・金正日総書記にも増して孤立無援状態にあるとみられている。だから異常なほど疑心暗鬼になり、事実上のナンバー2だった叔父の張成沢・前国防委員会副委員長を重機関銃で処刑したのをはじめ、側近を次々に粛清して常に居場所を変えて警戒しているとされる。

 北朝鮮側がスウェーデンやフィンランドと接触したことから、板門店、平壌、ウランバートル、北京などに加えて北欧の両国が米朝首脳会談の開催場所として取り沙汰されたが、北朝鮮の飛行機で北欧まで行くのは難しいし、側近のクーデターを恐れている金正恩委員長が何日間も国を空けることは不可能だろう。となれば、北欧との接触は北朝鮮が主張する「体制保障」のため、金正恩ファミリーの「亡命申請」、またはその可能性を探ったとみるべきではないか。

 北朝鮮の「体制」は定義不可能であり、その「保障」とは“金王朝”の存続以外にないからだ。

 もし、南北間で平和条約が結ばれて人々の交流・往来が始まったら、北朝鮮国民は韓国との歴然とした経済格差を目の当たりにして、嘘をつき続けてきた体制への批判が噴き出すだろう。そうなれば、金正恩委員長は人民が蜂起して殺される前に国外逃亡するしかない。

 前述したように、不動産業を営むローカルなファミリー企業の社長にすぎないのに、世界最大のエネルギー企業エクソンモービルのCEOを務めたティラーソン国務長官をツイッターで“クビ”にしたのが、トランプ大統領である。オバマ前大統領なら、国務省による事前協議を通して予測可能な対応をしただろうが、トランプ大統領はそういったことを一切無視したディールを要求するはずだ。

 落としどころとしては、【1】非核化の履行を中国に監視させる【2】国連監視団を送り込む【3】アメリカ自身が監視団を駐在させる--などが考えられる。

 いわば“予測不能”なトランプ大統領だからこそ「瓢箪から駒」で、北朝鮮問題を一気に解決するかもしれない。つまり首脳会談が実現してもしなくても、トランプ大統領は自分が任命したわけでもない金正恩委員長に得意の「You’re fired!(お前はクビだ!)」を宣告し制裁を加える。それが金王朝の“終わりの始まり”になると思うのだ。

 「独裁政治は悲劇に終わり、衆愚政治は喜劇に終わる」と言われる。それは、ごく一部の例外を除いて歴史が証明している。いずれにせよ、金王朝が終幕を迎える日は、そう遠くないだろう。

 ※週刊ポスト2018年4月27日号

【私の論評】北朝鮮問題は、マスコミ報道等とは全く異なる形で収束するかもしれない〈その3〉(゚д゚)!

北朝鮮情勢に関す、大前研一氏の予測がどの程度あたるかは、わかりまんせんがそれにしても大いに参考になることはあります。

まずは、今年11月の中間選挙でアピールに関してですが、これはトランプ大統領はかなり気にしていることは確かです。もし、この時点で北朝鮮問題が解決したか、解決の見込みがたっていれば、中間選挙はかなり有利になるでしょう。

ここで、実際に議席数を増やして、共和党の議席数を伸ばすことができれば、議会運営はやりやすくなりますし、大統領再戦の道も拓かれることになります。

トランプ大統領としては、何としてもここで勝ちたいと考えるのは当然のことです。

2018年 中間選挙、注目の上院選

次に、金正恩が「非核化」の対価として、在韓米軍の撤退を求めることも十分あり得ます。そうして、これは金正恩の落とし穴になるかもしれません。

在韓米軍が撤退した後に行き着く先は、南北朝戦の統一です。これには、無論日米にとっては望ましくないことです。しかし、これはあまり報道されたり、識者が指摘はしませんが、中国・ロシアにとっても望ましいことではありません。

これについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
北京訪問の要人は金正恩氏―【私の論評】南北統一で核武装をした先進国なみの経済力を持った独裁国家が生まれることを習近平は懸念している(゚д゚)!
 

 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、南北統一が日米にとってだけではなく、中露にとっても望ましいことではないことを示した部分をこの記事から引用します。
金正恩が、南北統一朝鮮の独裁者なれば、中国と国境を接する朝鮮半島に、核武装をした先進国なみの工業力と経済力を持った独裁国南北統一朝鮮ができあがることになり、中国にとっては脅威です。 
無論、ロシアのプーチンにとっても脅威です。北朝鮮は貧乏な国ですが、南北統一朝鮮ともなれば、GDPは確実にロシアを上回ることになります。日米中露ともに脅威を感じる南北統一朝鮮は出来上がる前に、潰されて、半島に北朝鮮でも韓国でもないいくつかの中立的な国々をつくられてしまう可能性も多いにあります。
驚くべきことに、一般に大国とみられているロシアは、GDPでみると東京都より若干小さいという水準です。韓国はといえば、東京都とほぼ同水準です。

この南北朝鮮が統一すると、核兵器を有した先進国並の経済力を持った独裁国家が朝鮮半島に生まれることになります。そうして、この南北統一朝鮮は、韓国の工業力を引き継ぐことになります。

韓国の工業力と、北朝鮮の核開発が結びつけば、さらに核兵器の開発が進むことになります。そうして、北の兵力と韓国の通常兵器と兵力があわされば、核兵器と通常兵力があわさり、朝鮮半島に強力な軍事力に裏付けされた、先進国なみの国が生まれることになります。

これは、ロシアにとってはかなり脅威になります。これは、中国にとっても脅威です。特に、北朝鮮と接する中国のと東北地方(旧満州)は、朝鮮族も多く北朝鮮と結びつきが強いほか、この地域は経済的にも遅れていて、人民の不満がたかまっており、中国の火薬庫ともいわれている場所です。

中国からみれば、南北統一で朝鮮半島に強力な国家ができれば、それこそ朝鮮半島と東北地方が強い結びつきを持ち、東北地方が独立するなどということも考えられます。さらには、東北地方と南北朝戦の統一などということもになりかねません。

米朝会談で、金正恩が比較化の対価として、在日米軍の徹底を要求した場合、これはトランプ大統領は拒否することになると考えられます。そうなると、金正恩は撤回するかもしれません。しかし、一度要求したということで、トランプ大統領からは、金正恩は南北統一を目指していると受け取られることになります。

そうなれば、トランプ氏はTwitterに「金正恩はクビ」と書き込み、さらに制裁をきつくすることになるでしょう。それこそ、徹底的な海上封鎖と陸上封鎖をするかもしれません。

この封鎖は従来より苛烈なものになり、海上で臨検するなどは当たり前で、場合によっては武力攻撃を含むものになるでしょう。あるいは、機雷封鎖にまでエスカレートするかもしれません。陸上封鎖も、北朝鮮内の中国やロシアに通じる道路や鉄道を破壊するかもしれません。そうなると、北朝鮮はとんでもない状況になります。それこそ、石器時代に戻るかもしれません。

中国やロシアも、南北統一には脅威を感じているはずですから、この制裁にあからさまに反対することはないかもしれません。そうして、制裁逃れを積極的に支援することはないでしょう。

ただし、現在の北朝鮮では穀物などの食糧の自給はぎりぎりで何とかできているようですから、人民はぎりぎり生きていけるかもしれません。制裁で原油など枯渇するので、運搬手段がなくなり、人民の大部分を農林畜産業などに従事させるのと、輸送手段がなくても生きていけるようにするための大規模な強制移動が行われるかもしれません。しかし、ありとあらゆる不自由を強いられるわけですから、人民の不満は高まる一方になります。

餓死するくらいであれば、抵抗することもできないでしょうが、ぎりぎり生きていける可能性があるということが、かえって金正恩に悲劇をもたらすかもしれません。北朝鮮問題は、以前にも述べたように、マスコミ報道等とは全く異なる形で収束するかもしれないです。

その時には、金正恩は亡命するか、リビアのカダフィ大佐のような運命をたどるかもしれません。いずれにせよ、米軍が武力攻撃をしようがしまいが、終末は近づいています。米中間選挙の直前までには、ある程度その終末を予想できるようになっているかもしれません。

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2018年4月19日木曜日

朝日新聞、セクハラを口封じか 胸わしづかみにされるも先輩から「我慢しろ」…元女性記者が衝撃告白―【私の論評】朝日新聞も、テレ朝もダブルスタンダードを見過ごすな(゚д゚)!



 元朝日新聞の女性記者が、17日放送のフジテレビ系「バイキング」に生出演し、新人時代に取材相手からセクハラ被害に遭い、会社の先輩に相談したものの、「我慢しろ」と言われたと衝撃告白した。財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ疑惑を厳しく追及している朝日新聞だが、自社の女性記者には「セクハラ被害の口封じ」を強いていたのではないのか。

バイキングでは同日、福田次官のセクハラ発言疑惑について、取り上げていた。「女性記者とセクハラ」の実態を知るという、元朝日新聞の女性記者Xさんが登場した。

Xさんは、自身の新人時代の体験として、「取材相手に突然胸をわしづかみにされ、社に戻って男性の先輩に相談したところ、『これくらい我慢しろ』といわれてしまった」「(当時)その場ではショックで何も言えない。とても受け止められなかった」「私の場合は、ほかの会社の先輩記者に相談して解決を図っていった」などと、実名で告白した。

朝日新聞は17日の社説「財務次官問題 混乱は深まるばかりだ」で、福田氏のセクハラ疑惑を取り上げ、財務省について「本当に事態を解明する意欲があるのか。相手方の保護をどう考えているのか。ここでも一般常識との溝が際立つ」と痛烈に批判した。

だが、Xさんの告白が事実ならば、朝日新聞(の先輩)は、実態を解明する意欲もなく、相手方の保護も考えず、Xさんのセクハラ被害について「沈黙を強要=口封じ」した疑いが浮上する。まさに、「一般常識との溝が際立つ」のではないか。

夕刊フジでは同日、(1)Xさんは就業していたのか(2)先輩社員の「これくらい我慢しろ」との発言は、セクハラ行為への口封じではないのか(3)セクハラ被害の見過ごしは御社で常態化しているのか-などの質問状を朝日新聞に送った。

朝日新聞広報部は、Xさんの9年間の在籍を認めたうえで、「お問い合わせいただいた番組中のご発言については詳細を把握しておらず、コメントいたしかねます」「なお、弊社は『セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規定』を定めており、従業員から被害の申し出に対しては、会社として適切に対処しております」と回答した。

【私の論評】朝日新聞とテレ朝はダブルスタンダードを見過ごすな(゚д゚)!

上の記事で、Xさんと表記されている方の名前は、秋山千佳さんです。17日のバイキングのキャプチャー画像と動画を以下に掲載します。




これが事実なら朝日新聞は、見事なダブルスタンダードと言って良いと思います。

さて、この番組でも報道されている福田氏の発言がセクハラかどうかは本人が裁判で争うと言っている現在の段階ではグレーです。きのうテレ朝が明らかにしたのは、次のような事実だ。
少なくとも2016年11月から今年4月まで、女性記者が福田氏とのオフレコの会話を無断で録音した。
記者はこの問題を報道しようとしたが、上司が握りつぶした。
このため女性記者は、音声データを週刊新潮に提供した(金銭の授受はないと主張している)。
福田氏のセクハラ自体は別問題として、冷静に考えればこの女性記者は懲戒処分にあたるのではないでしょうか。無断録音を公開したのは取材先との信頼関係を壊すオフレコ破りであり、録音データの週刊誌への提供はマスコミ関係者としては、前代未聞のルール違反です。

2008年の音声データ漏洩事件では、朝日新聞の辰濃哲郎記者が解雇、専務(編集担当)と編集局長などが減給処分を受けました。これは病院の内紛にからんで、辰濃記者が無断で録音した音声データを関係者に渡した事件です。

セクハラとは、女性に対して雇用関係や契約などの優越的地位を濫用することですから、この場合は彼女が苦情を申し立てているのに1年半も取材させた上司の行為もセクハラにあたります。

上の朝日新聞の例だってそうです。相手から胸を鷲掴みにされたことを報告しているのに、我慢しろと言ったのですから、これは優先的地位の濫用にほかなりません。胸鷲掴み自体に関しては、詳しい情報がないので何ともいえません。

テレ朝の説明には、不審な点が多いです。女性記者が問題を申し立てていたのなら、なぜ1年半も「福田番」のままにしたのでしょうか。さらに、主計局長から事務次官まで同一人物の番記者をやらせるローテーションは異例で、これでは癒着を誘発するようなものです。

福田事務次官

ありそうなのはテレ朝も女性記者も承知の上で、スケベオヤジ福田氏を利用していたのですが、最近人間関係が壊れたという推測です。あるいは単に女性記者が番記者をはずれて、復讐してやろうと思ったのかもしれません。あるいは、セクハラされていることを上司に伝えてもスケベオヤジの番記者にされ続けたことに怒りをぶつけたのかもしれません。

公平にみて、福田氏がスケベオヤジであることは事実でしょうが、それとテレ朝や朝日新聞のダブルスタンダードとは別問題です。セクハラそのものに関しては、これから調査や裁判になるのかもしれませんが、ダブルスタンダードを放置しておくのはさらに問題です。これでは、これからも報道倫理が守られず、さらにセクハラを助長することになります。

この件で行政を混乱させたテレビ朝日は関係者を処分し、全社員に報道倫理を教育すべきです。朝日新聞も今回は直接は表沙汰になりませんでしたが、元記者がデレビで告白したのですから、未だにその体質が残っている可能性がありますから、当然のことながら、関係者を処分して、全社員に報道倫理を徹底すべきです。


2018年4月18日水曜日

【日米首脳会談】安倍首相「ドナルドと2人きりで相当深い話をできた」、トランプ米大統領「米朝首脳会談で拉致問題提起する」―【私の論評】金正恩が誤算すれば、戦争は不可避(゚д゚)!


トランプ米大統領と会談する安倍首相=17日、米フロリダ州パームビーチで

安倍晋三首相は17日午後(日本時間18日未明)に政府専用機で米南部フロリダ州パームビーチ国際空港に到着した。到着後、首相はトランプ米大統領の別荘「マールアラーゴ」で、トランプ氏との会談に臨み、北朝鮮情勢の分析と、5月または6月に予定される米朝首脳会談に向けた政策をすり合わせた。首相は米朝首脳会談で拉致問題を取り上げるよう要請し、トランプ氏も応じたとみられる。通商問題についても協議した。

 両首脳は最初に一対一の会談を約1時間行った。その後、行われた少人数会合の冒頭で安倍首相は記者団に「ドナルドと二人きりで北朝鮮の問題、経済について相当深い話をすることができた。それぞれ非常に重要な点で認識を一致させることができたことをうれしく思う」と述べた。

 首相は、米朝首脳会談や27日に開催予定の南北首脳会談に関し「平昌五輪から起こった大きな変化はまさにドナルドが確固たる信念と決意でこの問題に対峙した結果だ。あらためて敬意を表したい」と述べ、トランプ氏をたたえた。

 その上で「米朝首脳会談を通して核の問題、ミサイルの問題、さらには日本にとって重要な拉致問題が解決に向かって進んでいく歴史的な会談となることを期待する。そのために、真剣な、そして徹底的な話し合いをしたい」と述べた。

 首相の賛辞に対し、トランプ氏は謝意を述べた上で、米朝首脳会談で「われわれは拉致問題を提起するし、そのほかに話すべきことはたくさんある」と強調した。また、米朝首脳会談の成否について「うまくいかなければ違う手段を考えなければならないということだ」と述べ、最大限の圧力をかけ続ける方針を維持する考えを示した。

【私の論評】金正恩が誤算すれば戦争は不可避(゚д゚)!

トランプ大統領は、安倍総理をアジア問題の助言者のようにみていることは、以前このブログにも掲載したことがあります。当然のことながら、北朝鮮問題でも、トランプ氏は安倍総理を助言者のようにみていことでしょう。

そうして、5月か6月頭に見込まれる米朝首脳会談を前に安倍氏の助言はかなり重要になってきています。首脳級では、世界に安倍総理をおい他に長い期間にわたる北朝鮮との交渉の経験を持つ人はいないでしょう。そうして、安倍総理は政治家としての経験も長いです。

安倍総理のアドバイスは、北朝鮮が仕掛ける多くの罠にはまらないようトランプ氏が注意するために役立つことでしょう。

トランプ氏は、スタッフや専門家の意見を無視し、拒否することで有名です。安倍氏は、北朝鮮問題でトランプ氏を導くことができる数少ない一人であることは間違いないです。

ドラナルド・トランプ氏にとって安倍晋三氏は信頼できる助言者

南北首脳会談が予定され、トランプ氏が金正恩朝鮮労働党委員長との会談を受け入れたことで、北朝鮮は、関係国がみな北朝鮮の政策に従うために取り組んでいると思い込んでいるものと思います。

こうした状況下では北朝鮮問題の真の進展に向けた見通しは良くはありません。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は17日、次の米国務長官に指名されたポンペオ米中央情報局(CIA)長官が数週間前にトランプ米大統領の特使として北朝鮮を極秘に訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と面会していたと報じました。トランプ氏と金委員長との首脳会談に向けた調整を進めたとされています。

ポンペオCIA長官(左)と金正恩氏(右)
金正恩からすれば、親子二代にわたって米国等を恫喝してきた結果、最終段階に入り金王朝がそのまま米国から認められる日がやってくることを心待ちにしているかもしれません。

しかし、北朝鮮による拉致問題は、日本だけでなく、米国にとっても北朝鮮に関する人権問題の重大な要素であり、重要な優先事項となっています。

米朝首脳会談については、最高レベルでの会談が失敗に終わった場合、残された選択肢はなくなるリスクが非常に大きいです。トランプ氏は昨日のブログにも示したように、即断即決ではなかったものの、おそらくあまり準備ができていない状況で金氏との会談を受け入れたとみられます、おそらく首脳会談はある種の賭けのようでもあります。

トランプ氏と金氏の会談で想定される最も現実的で最良の筋書きは、交渉の開始で合意することです。しかし、交渉が始まった段階でさらに難しい局面が訪れることになるでしょう。

これまでの対北交渉を振り返ってみると、北朝鮮は要求を高め、国際社会が容認できないと言うと、われわれは被害者だと主張してエスカレーションのサイクルに戻るということを何度も繰り返してきました。

トランプ大統領は、完全で不可逆的な非核化に目標を定めた計画により、北朝鮮にだまされ、北朝鮮側の条件で早まった合意をしないということが重要です。

先日、米軍によるシリア攻撃があったばかりで、このブログにもそれに関しては掲載しました。そうして、この記事では掲載しなかったことがあります。それは、米軍のシリア攻撃が北朝鮮にどのような影響を与えたかということです。

シリアへの軍事攻撃が始まり、首都ダマスカス上空を飛ぶミサイル

対シリア化学兵器施設限定軍事攻撃ではシリアからの報復攻撃はありませんでした。しかし、北朝鮮については核施設に対する限定攻撃の実施自体が極めて難しいでしょう。北朝鮮にはソウルを狙う数千基の長距離自走砲・多連装ロケット砲による報復能力があるほか、その他多数のミサイルもあります。

これこそシリアと北朝鮮の大きな相違点です。シリアは報復しようと思っても、手段が限られますが、北朝鮮はそうではないということです。

米国の対シリア攻撃で、北朝鮮は、軍事攻撃も辞さない米国を抑止するには核兵器開発継続が不可欠との基本戦略の正しさを再認識したに違いないです。そのような状況下では、仮に米朝首脳会談が開かれても、北朝鮮核問題の解決につながる可能性は一層減少するばかりです。

以上を考えると、米国と北朝鮮は首脳会談を経て、本格的な交渉の開始が始まる可能性は高いと考えられます。しかし、この交渉は難航を極めるでしょう。米国はこれを時間稼ぎと受け取るでしょう。実際、その可能性が高いです。

そうして、結局のところ、米国は北朝鮮を攻撃するのではないかと思います。ただし、最初は北の核関連施設に限定した攻撃をすると思います。ここで、北朝鮮が反撃に出れば、地上部隊を派遣して本格的な戦争になるでしょう。

北朝鮮が反撃にでなければ、様子見をすることでしょうが、ここで金正恩が正しい判断ができる否かが分岐点になると思われます。

昨日示したように、米軍がなぜシリアの攻撃を限定的なものにしたかといえば、たとえ米国がシリアに本格的に介入して、アサド政権を崩壊させたとしても、反政府勢力が反米政権を築くか、反政府勢力同士でさらなる内乱に発展するだけで、米国に勝利はないからです。

であれば、米国としては、アサド政権と反政府勢力を拮抗させておくのがベストの戦略であり、だからこそ今回は化学兵器を持ったアサド政権側が力を強めことを阻止して、反政府勢力と拮抗させたのです。

アサド

その後は、アサド政権の力が強まれば、反政府側に武器を提供して、再度拮抗させます。反政府側の勢力が強まれば、反政府側への武器の提供をやめて、再度拮抗させます。米国は、しばらくこのような対処の仕方をするでしょう。

現在は、このような戦略をとるつもりはなかったとしても、いずれはそうなることでしょう。アサド政権も反政府勢力のいずれも生かさず、殺さずの拮抗状態にしておけば、まずは米国をはじめ西側諸国に害が及ぶことはあまりありません。

しかし、北朝鮮の場合は違います。北朝鮮では、金王朝を滅ぼせば、すぐに米国の勝利となります。北朝鮮には、強力な反米の反政府勢力などありません。金正恩を殺害しただけでは、軍部が抵抗を続ける可能性もありますが、軍部の上層部を殺害したり、拘禁して無力化すれば、それが米国の勝利となります。

このあたりを理解せずに、核武装をすれば、金王朝と北朝鮮は安泰と金正恩が考えた時、悲劇に見舞われることになるでしょう。

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2018年4月17日火曜日

【崖っぷちの世界】米朝首脳会談の真実 CIAが裏チャンネルで根回し…トランプ氏の即断即決はマスコミ向け演出に過ぎず―【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡で見るのは全くの間違い(゚д゚)!


トランプ大統領

5月下旬から6月上旬に予定される米朝首脳会談だが、それが本当に開催されるかどうかは、いまだに定かではない。北朝鮮側のドタキャンはいつでもあり得るのだ。

米朝首脳会談が、どんな結果を生むかは予断を許さない。会談が成功して、北朝鮮が現実的に検証可能な形で「核開発を放棄」する可能性は出てきた。だが、交渉が決裂すれば、米国による北朝鮮攻撃ということも十分に想定できる。

筆者は、会談自体は遅れても開かれる可能性が高いと考えている。

米朝首脳会談は、韓国特使団が3月8日、ホワイトハウスで、ジェームズ・マティス国防長官や、マイク・ポンペオCIA(中央情報局)長官らに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談内容を報告していたとき、ドナルド・トランプ大統領が突然現れて、即断で決定したものと伝えられている。

韓国特使団は同月5日、正恩氏と平壌(ピョンヤン)で直接会談し、トランプ氏へのメッセージを託されたと言われている。

だが、実は米朝会談を根回ししたのは、両国間に存在する「外交の裏チャンネル」だった。米国側ではポンペオ氏の指示で、元CIA東アジア作戦部長のジョセフ・デトラニ氏率いる民間外交政策グループ、通称「トラック1・5」が北朝鮮側と極秘会談を繰り返していた。その結果、首脳会談が決まったのである。

韓国特使団の話に、トランプ氏が即断即決で応じたというのは、マスコミ向けに演出されたシナリオに過ぎなかった。即断即決が事実なら、大統領としては軽率に過ぎる。米国側の都合でドタキャンする可能性もあった。現に、一部マスコミは、トランプ氏の判断を攻撃していた。

しかし、これはお門違いの批判に過ぎなかった。

米朝両国は、非常に慎重に裏チャンネルによる会談を繰り返し、首脳会談実現に至ったのである。そうである以上、首脳会談が簡単にドタキャンされることはないと考えるのが合理的だろう。

ポンペオ氏は3月11日、米CBSテレビのインタビュー番組に出演し、CIAが中心となって直接、北朝鮮と連絡をとるチャンネルがあると発言している。

前出のデトラニ氏は、米空軍勤務後、1974年にCIAに入局し、要職を歴任して退官。ジョージ・ブッシュ(子)政権で、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の次席代表も務めたインテリジェンスのプロである。かつて、板門店(パンムンジョム)の軍事境界線を越えて北朝鮮に入国し、当時の金正日(キム・ジョンイル)政権幹部と極秘会談を行った。

「トラック1・5」は、スイスのジュネーブや、ノルウェーのオスロ、モスクワ、それに平壌などで、北朝鮮との非公式協議を半年に1回は続けてきたという。

 ■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、大学などで教鞭をとる。著書に『希望の日米新同盟と絶望の中朝同盟』(徳間書店)、『太平洋戦争の大嘘』(ダイレクト出版)など多数。

【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡で見るのは全くの間違い(゚д゚)!

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、韓国との貿易交渉でより有利な条件を引き出すため、大統領自身を「クレイジー」に見せるよう、 通商代表部(USTR)代表のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)氏に指示したとされています。

オンラインメディアAxios によると、このアドバイスは9月に大統領執務室で行われたミーティングで、大統領からライトハイザー氏に伝えられたそうです。

米韓の自由貿易をめぐっては、トランプ大統領の発案により9月上旬以降、その自由貿易協定(FTA)の撤廃が議論されています。その中で大統領はライトハイザー氏に交渉をどう進めるか、アドバイスし始めたと言います。以下のような具合です。
トランプ大統領:「30日を与えよう。そこで譲歩を引き出せなければ、手を引く」 
ライトハイザー氏:「わかりました。では、韓国政府に30日あると伝えます」 
トランプ大統領:「ノー、ノー、ノー。交渉はそんな風にするものじゃない。彼らに30日あるなんて言う必要はない。『大統領は本当にクレイジーだから、すぐにでも手を引くつもりだ』と言うんだ」「『すぐにでも』と言うんだ。実際、その可能性もある。君たちもそれを理解しておくべきだ。30日とは言うな。30日あると言えば、彼らは期限を引き延ばしてくる」
一部の安全保障の専門家たちは、特に北朝鮮問題を念頭に、トランプ大統領が国際社会で広げようとしている「マッドマン」のようなイメージ戦略に対して、批判的だ。大統領は北朝鮮の指導者、金正恩氏を度々「ロケットマン」と呼び、北朝鮮を 「完全に破壊」せざるを得なくなる可能性があると述べていた。
この記事は、昨年の10月2日のものです。北朝鮮はその後どうなったでしょうか。結局、米朝会談を申し入れてきました。しかも、これはブログ冒頭の記事でもわかるように、トランプ氏が即決即断したのではなく、CIAの裏チャンネルによる根回しの結果です。

さらに、韓国相手の交渉者に対するアドバイス。これは、かなり的確なアドバイスだと思います。これは、最近の韓国の日本に対する交渉をみていた多くの日本人なら、容易に理解できると思います。日本も、韓国に対する交渉の場合は、このくらいの「クレージー」さを見せつけたほうが良いです。

企業間の交渉でも似たようなところがあります。相手によって、交渉方法を変えるのはもちろんのこと、状況によつては朝令暮改のように、一度決めたことでも撤回します。朝令暮改は昔は、悪いことのたとえとされていましたが、最近では柔軟に物事に対応するという点で良い場合にも用いられるようになりました。

このあたりは、長い間企業経営をしてきたトランプ大統領の真骨頂なのでしょう。政治の世界だけを歩いてきた人にとっては、なかなかできないことでしょう。

習近平中国主席とトランプ米大統領

トランプ氏は他にもこのような柔軟さを示しています。たとえば、TPPです。2016年大統領選では、トランプ氏は、TPPからの離脱を公約として掲げていました。もし復帰すれば、180度の方向転換になります。

これについては、このブログでも何度か掲載しているように、トランプ大統領が、TPPは対中国封じ込めとして機能することを理解したということが背景にあると考えられます。

選挙戦中には、TPPからの離脱を表明していても、TPPが結果として、中国封じ込めになり、そのTPPに米国が加盟していたほうが、より強固な中国封じ込めになり、結局そのほうが米国にとっても良いことであると判断すれば、すぐに考えを変えたのでしょう。これは、柔軟です。

しかし、これは過去の大統領にもしばしばあったことです。選挙期間中には自由貿易協定に反対しておきながら、選挙で勝って大統領になると急に考えをかえて、自由貿易協定を進めるなどのことは、何もトランプ大統領が初めてということではありません。

しかしながら、トランプ大統領は、他の大統領と比較して選挙公約をかなり忠実に実行しつつあるのですが、その中でTPP復帰を示唆するというのは、やはりかなり柔軟な考えの持ち主であると考えられます。

これまでトランプ大統領は、自らに忠誠を誓う人々を集めることで政権運営を安定させようとしてきたましたが、マクマスターのように忠誠心が高い人物であっても、政策的に噛み合わなければスタッフとして用いることが難しいです。

そのため、ポンペオCIA長官を国務長官に、CIAの在任期間が長く、イラク戦争後に問題となったブラックサイト(拷問のための秘密施設)の運営にも関わるなど、CIAの表も裏も知り尽くすハスペルをCIA長官としました。

また、FOXニュースチャンネルのコメンテーターとしても知られ、北朝鮮への先制攻撃を合法であると主張し、イラン核合意を破棄するだけでなく、イランの体制転換への青写真も描いている、国務省の元官僚で米国の官僚制度を熟知しているボルトン元国連大使を安保担当補佐官に任命しました。

ポンペオ(左)とボルトン(氏)

こうした「大統領らしさ」を身につけてきたトランプ大統領の当面の問題は、2018年11月の中間選挙で勝利し、上下両院で共和党多数を維持するだけでなく、上院で60票を獲得することで議事進行妨害ができない状況を作ることです。そうして、今年の米の11月に行われる、中間選挙は「大統領らしさ」を身につけたトランプ大統領の信任投票ということになります。

果たして自分の政策を実現することが中間選挙にプラスになるのか、それともマイナスになるのか、米朝首脳会談が不調に終わり、むしろポンペオやボルトンが主導する外交政策がより一層アメリカの安全を脅かすような結果になった場合どうなるのか、といった疑問は尽きないところです。
しかし、米朝会談が良い方向に向かおうと、悪い方向に向かおうと、いずれになっても、それに対する準備をするということでは、やはり柔軟な姿勢には変わりありません。

日本から見れば、米朝首脳会談が成功し、リビア方式で北朝鮮が核を放棄することを確約すれば良いですが、逆に米朝首脳会談が決裂し、米国内での武力行使への圧力が高まって、戦争のリスクが高まることもあり得ます。日本にとって望ましい交渉結果をいかにして引き出すのかを話し合う今回の日米首脳会談は、今後の日本を巡る安全保障の分岐点になる重要性を孕むものとなるでしょう。

米朝会談を告げる韓国のメディア

いずれにしても、トランプ大統領は、ブログ冒頭の記事でもわかるように、米朝会談を即断即決で決める馬鹿ではないことははっきりしています。

そうして、11月に米国で中間選挙があることを念頭に入れて、トランプ大統領はこれに対しての対策を熟考して、対応していることを理解すれば、日本のメディアで喧伝されているトランプ像は正しいものとはいえないようです。

そもそも、このブログでは以前から、米国のマスコミの9割は、リベラル派でしめられており、保守派は1割に過ぎないことを何度か掲載してきました。実際、日本ではウォール・ストリート・ジャーナルを保守派とみる人もいるようですが、米国では大手新聞に限っていえば、すべてがリベラル派です。日本では、リベラルという言葉の定義を知らずに使っている人も多いので、だからこのような錯誤がおこるものと思います。

これは、日本でいえば、朝日、毎日、読売新聞は存在するのに、産経新聞はないような状況です。朝日、毎日、読売だけを読んでいては、日本の保守派の動きなどわかるはずはありません。米国の大手新聞だけ読んでいては、人口的にはおそらく半分はいる米国の保守派の動きなどわかりません。

大手テレビでは、フォックスTVのみが保守派であり、あとはCNNもABCも、CBSもそれ以外も大手はすべてリベラル派です。日本のマスコミは、これらリベラル派の報道を垂れ流すだけです。

このような一方に偏った報道だけで、トランプ大統領を判断してすべてを見切ったように単純にトランプ大統領を判断して色眼鏡で見る見方は間違いであると認識すべきです。

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2018年4月16日月曜日

世界情勢の転換期に、この国はいつまで「加計学園」なのか―【私の論評】衆院解散総選挙は大いにあり得るシナリオである(゚д゚)!

世界情勢の転換期に、この国はいつまで「加計学園」なのか

国会招致も必要だと思うが、しかし

安倍総理

もうウンザリ
10日、朝日新聞が<「本件は、首相案件」と首相秘書官 加計めぐり面会記録>(https://www.asahi.com/articles/ASL497F9QL49UCLV00S.html)と報じたことを機に、再び加計問題が騒がれている。
森友学園問題が佐川氏の証人喚問で一段落したら、その後は自衛隊の日報問題、そして加計学園問題……とまるで昨年のテープレコーダーを再び回したような展開になっている。
まず、自衛隊の日報問題については、文民統制の観点から深刻であることは指摘しておきたい。そのうえで、問題の本質は、時代遅れのPKO議論にあり、やはり参加5原則の見直しが急務であることも述べておきたい(https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180412/soc1804120001-n1.html)。
さて、加計学園問題である。これについては、正直言ってうんざりだ。これについて、昨年からさんざん書いてきた。
2017.05.22「加計学園問題の本質は何か ?このままでは政府の勝ちで終わるだろう」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51813
2017.05.29「前川・前事務次官の記者会見は、官僚目線で見れば「大失敗」だった」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51868
2017.06.5「これでいいのか「報道特集」!加計問題であまりに偏っていたその「中身」」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51920
2017.06.12「加計学園問題は、このまま安倍官邸の「圧勝」で終わる」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51989
2017.06.19「内閣支持率低下より著しい、加計問題「マスコミの質の劣化と低下」」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52049
2017.06.26「加計問題・愕然とするしかなかった「前川新会見」の空疎な中身」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52122
201707.18「加計問題を追及し続けるマスコミの「本当の狙い」を邪推してみた」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52319
2017.11.13「加計学園報道、もうマスコミは「敗北」を認めた方がいい」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53483
ここで書いてきたことはまったく誤りでないと思っている。
冒頭の、朝日新聞が報じた愛媛県の面会記録であるが、これは職員の備忘録メモである。相手方のチェックを経ていない個人的なものなので、その内容は、昨年問題になった文科省内のメモに近いものだ。
昨年も文科省メモが出てきたときに、「やっぱり総理の関与があった」として盛んに報道されたが、国会での参考人質疑においても、文科省メモに関わっていたとされる前川氏の話からも、「総理の関与」という発言はなかった。
というのは、こうした「応接録」の場合、記載されている相手方の確認や了解がない場合、往々にして書き手の都合の良いように書かれることがしばしばである。そのため、その内容を鵜呑みにするのは危険なのだ。
これは、官僚の世界では常識だ。筆者の役人時代にも、同様の経験がある。しばしば交渉相手方の応接録には、相手の都合の良いように書かれたものだ。そうした経験をもつ中央省庁の役人は少なくないだろう。

「首相」と「総理」

冒頭の愛媛県の面会メモについて、2015年4月に、当時総理秘書官だった柳瀬氏が愛媛県や今治市の職員と面会した際の内容を、県職員が記したものとされている。

当事者とされる柳瀬氏は、「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」とし、「私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ない」としている。

筆者も、内閣参事官として官邸勤務がある。役職は「準秘書官」である。正直いって、官邸で本当に多くの人と面会したが、筆者はパソコンと連動している電子手帳を持っていたので、誰と面会したかは自分の記録として残した。これも人によってやり方は違うだろうが、秘書官であれば、何らかのスケジュール管理をしているはずだ。ただし、個人記録として残していても、思い出せない人も多い。

官邸は猛烈に忙しいので、誰かと面会してもせいぜい10分程度のはずだ。それも、事前にアポイントを入れにくいときもある。折角官邸まで来てもらっても、挨拶程度で済ますときも少なくない。

その点から言えば、冒頭の面会メモでは、まず官邸にいた時間帯が書かれていないのは気になった。次に、報道された「首相案件」という言葉も奇妙だ(https://www.j-cast.com/2018/04/12326036.html)。

柳瀬氏が「首相案件」言ったというが、官邸勤務者であれば、「首相」といわずに「総理」という。正式名称は、「内閣総理大臣」であり(憲法第66条)、それを略して「総理」という。

ちなみに、官邸のホームページで「首相」を検索すると、「首相官邸ホームページ」などしか出てこない。「首相官邸」に正式には「総理官邸」であるが、マスコミになじんでいる「首相官邸」というホームページ名にしたようだ。公文書でも、「首相」と使われることはまずないというか、筆者は役人時代に「首相」を使ったことはなかった。

官邸にいたときも、総理には「総理」と呼んでいたので、役人を辞めてから「首相」という言葉を使うようになった。もっとも、当時の「総理」に会ったときには「総理」と呼んでいた。先日、官邸関係者に会ったときにも、やはり「首相」とはいわずに「総理」というと言っていた。

その点からいえば、総理秘書官であった柳瀬氏が「首相案件」といったことは考えにくい。おそらく、違う表現だったのだが、面会メモを書いた人が間違って記載したのだろう。

どちらも間違い

いずれにしても、柳瀬氏を含めた関係者の国会招致は必要になろう。昨年も文科省文書が出た後にはかなり混乱したが、結局国会参考人招致で騒ぎは収まった経緯がある。本件は、財務省の文書改ざんと異なり、法に触れる話でないので、参考人招致で十分だろう。

もっとも、仮に愛媛県の面接メモが正しいとしても、「何が問題なのか」という本質論はある。安倍政権を攻める側が主に主張するのは、安倍首相は2017年2月まで加計学園獣医学部の具体的な話を知らなかったといったが、そんなはずはない、という一点だけだ。

総理は忙しすぎるので、個別問題にはかかわらないことがほとんどだ。その点において、総理がこの案件を知らなかった、というのは官邸勤務経験者であれば理解できる。総理は、大きな国政方針などだけを考え、個別問題に関わらない。特に、安倍総理は、マクロ経済には関心があるが、ミクロ問題や個別問題は各省大臣の話と割り切っているので、案外そんなものだ。

これを擁護する声として、一部では、国家戦略特区に関する案件は総理がトップダウンで判断するのだから、「首相案件」でもかまわないだろう、なにが問題ないんだという意見もある。

一方、安倍総理と加計学園理事長が友人だったから、獣医学部新設で便宜を図ってもらったのはまずいだろう、という不公平論からの批判もある。マスコミの批判的な報道は、基本的にはこの立場である。

しかし、このどちらも、国家戦略特区での規制緩和に総理の影響力があると思い込んでいる点で、間違いだ。それの何が疑惑になるのか、全く理解不能です。

本件を政策的な観点でみると、獣医学部の新設が50年以上も文科省で認められてこなかったという経緯と前提がある。しかも、それは「文科省告示によって認可申請を行わせない」という、およそ一般常識からは考えられないことによるものだ。もし、これが一般の企業であれば、行政訴訟をすれば、確実に文科省が負けるだろう。

本件での規制緩和とは、文科省による学部新設の認可ではなく、認可を「申請」していい、という「規制緩和」だ。筆者は、この点を国会でも証言している(衆議院予算委員会公聴会 平成30年02月21日)。学部新設認可を運転免許にたとえ、生徒の運転免許取得に政治家が介入して捻じ曲げれば問題であるが、生徒を自動車学校に入れる程度の話で大騒ぎするのはバカバカしい。

外交はとんでもない転換期なのに…

加計学園の獣医学部新設については、昨年11月、文科省(大学設置・学校法人審議会 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1398164.htm)がしっかり審査した。このプロセスには、政治家の関与が一切なかったことは、マスコミも知っているはずだ。要するに、加計学園の学部新設認可において、まったく問題がなかったわけだ。
それでも、認可申請とはいえ、加計学園が京産大より優遇されたのは問題だろう、という意見もまだあるが、はっきり言えばこれは不勉強だ。京産大の記者会見を見直せばわかるが、京産大のそれが認められなかったのは、準備不足だっただけだ。ここでも、公平性の問題はない。
以上のように、本件の規制緩和が単に自動車学校に入学させる程度であったとした上で、仮に愛媛県の面接メモが正しいものだったとしても、何が問題なのか。
文科行政が歪められた? いやいや、先ほどもみたように、学部新設の認可には一切政治家の手は付けられていないのだから、歪められるはずない。認可申請を止めていたが、1年だけ緩められたのは、そもそも認可申請をストップしている段階で認可制度運用として不適切なので、これは文科行政が正されたというべきだ。加計学園問題で騒ぐマスコミは一切この事実にふれようとしない。
しかし、政策論としていかにくだらないことでも、政局になりうるのも政治だ。くだらない報道で政権支持率が下がれば、自民党内からも政権打倒という声が出てきて政局になる。そして、実際政権支持率が下がってきたので、自民党内からも厳しい声が上がっている。
政局では、野党の存在よりも、与党内で後ろから鉄砲を撃たれる方がこわい。それを防ぐ意味で、予算も通った国会開催中なので、安倍総理が国会解散という手を打つ事態になっても不思議ではない、と筆者は見ている。
来月にも米朝首脳会談が行われ、さらに北朝鮮情勢の変化など、日本外交は戦後最大級の転換点を迎えようとしている。アメリカはシリアも攻撃した。いま、日本が向き合うべき問題は外交である。外交では、これまでの経験がモノをいう。「初めまして」で各国の首脳とあっても、突っ込んだ話をできるはずがない。
今週は、日本外交最大の山場の日米首脳会談が開かれる。その重大事に、国内のくだらない政策論で政局になっているのは、実は国民にとって最大の不幸なのである。
【私の論評】衆院解散総選挙は大いにあり得るシナリオである(゚д゚)!
高橋氏も指摘するように、「森友」問題はもう一段落ついたので、あまり報道されることもないでしょうが、「加計」も何代に関してはもううんざりです。
最近では「首相案件」なる言葉が一人歩きしていますが、これなど考えてみれば、首相はもともと政府の最高責任者なのですから、政府に関わることは大なり小なり、すべて「首相案件」です。
総理が、いわゆる「加計問題」とやらで、どこからか金をもらっているのでしょうか。あるいは、「加計問題」とやらで、金でなくても何らかの具体的な利益を得たのでしょうか。口利きをしたり、誰かと誰かを結びつけることも政治家の重要な仕事です。それ自体があったとして、その自体が犯罪になるわけもなく、ましてや道義的責任もあるわけがありません。
ただし、口利きや、誰かと誰かを結びつけることにより、金を得たり、明らかな利得を得れば、それは犯罪になりますし、道義的責任もででくることになります。
あるいは、それに絡んで何らかの犯罪を犯したのであれば、総理は辞任しなければならいのはいうまでもありません。しかし、もう一年以上も野党が追求してもそのような事実も全くなく、ましてや忖度なるもので犯罪になるはずもありません。道義的責任すらありません。
このようなことは社会常識に照らし合わせれは、すぐに理解できることです。誰であれ、社会的地位が上であれ、下であれ、このようなことで、辞任などということはあり得ません。
にもかかわらず、野党は「疑惑が深まった」などとしています。そういうことをいうなら、一体何の疑惑があるのか、明確に誰にでもわかるように説明していただきたいです。このようなことが理解できない人は、単なる情弱の愚か者というしかないです。
最近では、テレビなどで「加計問題」の報道をみるのもうんざりです。これに興味のあった「ワイドーショー民」も、一年以上にわたって野党がさわぎ、マスコミが「疑惑、疑惑」と囃し立てても、結局誰も辞任しないし、誰も容疑者にならないわけですから、さすがにウンザリしてきているのではないでしょうか。私がワイドショー民なら、そう感じると思います。
ワイドショー民は、複雑な話は嫌いです。シンプルな話を好む人が多いと思います。そのワイドショー民に一年間以上にわたり、同じような話題を提供し続ければ、飽きるのは当然のことだと思います。
もう私も、今後「加計問題」なるもので、新真実のようなものがでてきたとしても、それに興味を持ったり、調べたりするのはやめます。なぜなら時間が無駄になるからです。
野党や、マスコミは時間を無駄にばかりしています。このようなことばかりしていると、もともとはまともな政策論争などできないことはわかっていますが、政局も見誤るのではないでしょうか。
学校法人「加計学園」の獣医学部新設について、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が学園側に「首相案件」などと発言したと記載された文書が農林水産省内で見つかったことを受け、野党は13日、「『記憶にない』という説明に説得力がなくなった」などと安倍晋三首相や柳瀬氏への批判を強めました。証人喚問による真相究明にとどまらず、内閣総辞職や衆院解散・総選挙も求める構えです。
柳瀬唯夫元首相秘書官
    立憲民主党など野党6党は13日、国会内で合同集会を開催し、約100人が参加しました。加計問題に加え、森友学園や防衛省の日報問題などを巡る政府側の説明や今後の追及方針などを共有しました。自由党の玉城デニー幹事長が「解散・総選挙をして野党が一致すれば政権が代わる」と気勢をあげて締めくくりました。立憲の福山哲郎幹事長は党の会合で「もはや政権を維持できる状況ではない。安倍政権は政権を担う資格がないと国民に訴えたい」と批判しました。
    野党側は、従来は安倍総理辞任、内閣総辞職などとは言ってきましたが、「解散・総選挙」という言葉がはじめてでました。
    ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏は、「政局では、野党の存在よりも、与党内で後ろから鉄砲を撃たれる方がこわい。それを防ぐ意味で、予算も通った国会開催中なので、安倍総理が国会解散という手を打つ事態になっても不思議ではない」と語っています。
    私もそう思います。自民党内では、再び“青木理論”が注目されているといいます。青木理論とは、内閣支持率と自民党支持率を足して50%を切ったら政権は崩壊するというものです。
    現在、内閣支持率は31%、自民党支持率は32%。合計63%あるのですが、50%に近づいたら、一気に“安倍降ろし”がはじまるとみられています。現在のままであれば、支持率は下降し続けることが予想されます。安倍降ろしが始まる前に、安倍総理は解散総選挙をする可能性が濃厚です。
    そうして、永田町では、しきりに解散がささやかれ出しています。
    その中でも強く解散論を主張するのが、小泉内閣で秘書官を経験し、安倍政権では内閣官房参与を務める飯島勲氏です。
    飯島勲氏

    飯島氏は、1966年に当時の佐藤栄作首相が打って出た「黒い霧解散」で求心力を取り戻したことを引き合いに、2018年3月下旬の時点で、解散したとしても与党は「微減」にとどまると予測しまし。その後行われた財務省の佐川宣寿・前理財局長の証人喚問の評価について安倍首相が「国民の皆様のご判断に任せたい」と述べたことから、飯島氏としては解散への確信を深めたようです。

    飯島氏は2018年3月22日発売の「週刊文春」3月29日号の連載「飯島勲の激辛インテリジェンス」で、「安倍首相は解散に打って出よ!」と題して、野党が財務省などを呼んで行っているヒアリングを「あれこそパワハラ以外の何物でもないぜ」と非難。その上で
    「野党が(中略)責任取って内閣総辞職しろってあまりにうるさいなら、首相にも考えがあるんじゃないか」
    として、佐川氏の証人喚問と18年度予算と関連法案の成立を前提に
    「そうしたら即、国民に信を問う解散・総選挙を決断すべき」
    と主張しました。1966年の「黒い霧解散」は、自民党で土地取引をめぐる不祥事が相次ぎ「黒い霧」で批判を浴びた末、国会が召集された初日に衆院を解散。67年1月の衆院選では「過半数割れ」を予測する多くの声に反して微減にとどまり、過半数よりも多い安定多数を確保。佐藤政権は求心力を取り戻しました。これを念頭に、飯島氏は
    「いま解散なら与党は7の微減にとどまる。過半数維持は間違いないぜ」
    と自信を見せました。

    飯島氏の文春の連載掲載後、佐川氏の証人喚問は3月27日に行われ、予算と関連法案は翌28日に成立。この日の国会答弁で安倍氏は
    「どんな印象を持ったかということについては、国民の皆様のご判断に任せたい」
    と述べました。

    加計学園をめぐる朝日新聞の「面会記録に『首相案件』」報道が出たのは、それから10日以上後の4月10日。これが影響したのか、朝日新聞が4月14~15日に行った世論調査では、安倍内閣の支持率は前回3月と並ぶ31%で、引き続き12年12月の第2次安倍内閣発足から最低でした。不支持率は4ポイント増えて最も高かくなりました。NNN(日本テレビ系)や共同通信がほぼ同時期に行った世論調査でも、支持率は下落しています。

    朝日新聞の4月10日の第一面

    そういった状況でも、飯島氏は解散への確信を深めているようです。4月16日朝の情報番組「グッド!モーニング」(テレビ朝日)にVTR出演した飯島氏は、安倍氏の「国民の皆様のご判断に任せたい」発言を根拠に、
    「『国民が判断する』ということは、解散しかないじゃないですか。そうでしょう?」
    と断言しました。
    「今の状況を見ると最悪でも過半数は十分取れる」
    朝日世論調査によると、政党支持率で最も高いのは自民党の33%。立憲民主党(10%)、公明党(4%)、共産党(3%)、民進党(2%)、日本維新の会(1%)と続き、希望、社民、自由、日本のこころはゼロでした。どの党も、前回3月調査からの変動幅は1ポイント以内です。こういったことを念頭に、飯島氏は
    「私だったら、もう、今、解散しますね。100%」「今の状況を見ると最悪でも過半数は十分取れる」「過半数以上議席が取得できれば、安倍内閣の持続が当たり前。何ら問題ない。新たなるスタート」
    と言い切りました。

    飯島氏のほかにも、鈴木宗男前衆院議員が13日のブログで「安倍総理はここは解散に打って出て、国民に信を求める道が賢明」と述べるほか、野党側からも、希望の党・玉木雄一郎代表がテレビ出演などで「解散」に言及するなど、警戒感が強まっています。

    鈴木宗男衆議院議員

    一方で19年4月には統一地方選を控えており、自民党も衆院選にどの程度の労力を割けるか不透明です。解散を打つためには公明党の理解を得る必要があるほか、世論からは「また『大義なき解散』」といった批判が出るのは必至です。

    私自身としては、いますぐということでなくても、年内に間違いなく解散総選挙があるのではないかとみています。

    そもそも、野党は「解散総選挙」と声をあげているものの、昨年の選挙では与党が躍進し、民進党があのように分裂してしまい、とんでもない状況になっています。野党の掛け声とは裏腹に、体制を立て直すだけでも数年はかかるというのが実体です。

    野党はこの有様ですから、実際に解散総選挙ということになれば、また「大義なき解散」と泣き言を言うのは目に見えています。今の状況まま、選挙に突入すれば、飯島参与の予想どおりになるか、あるいはそれ以上になる可能性すらあります。

    しかし、一歩振り替えてってみると、自民党内の動きが気になります。今のままであれば、ポスト安倍の動きが活発になるのは目に見えています。その動きを封じるため、安倍総理が解散総選挙に踏み切る可能性は十分あります。選挙で、飯島参与が予想する以上の成果が出れば、ポスト安倍の動きを封じることが可能になります。

    過去においては、何度となく野党が様々な問題ともいえないような問題を作り出し、それをもとに与党を追求し、マスコミも右に倣えをするたびに、内閣支持率、自民党支持率は下がりましたが、時間の経過とともに上昇しました。

    私自身は、今回もそのような経過をたどると思います。ある程度支持率が上がった段階で、安倍総理が解散総選挙に踏み切る可能性は大きいです。

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    2018年4月15日日曜日

    TPP復帰というトランプ氏の奥の手 対中国での戦略的効果は大きい―【私の論評】貿易赤字それ自体が悪という考えは間違い!それに気づけば復帰は間近(゚д゚)!


    アメリカ・ナンバーワンを目指すトランプ大統領

    これはトランプ政権というより、何かの冒険物語だろうか。12日に飛び込んできたのはあらゆる分野の貿易にとっての朗報だ。ドナルド・トランプ米大統領が農業州の共和党議員らとの会合で、2017年に脱退した環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への復帰を検討するよう政権幹部に指示したというのだ

     これが単に大衆の歓心を買おうとする得意のツイートのようにすぐ消えるものかどうかは分からない。だが出席者たちの話では、トランプ氏はラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長とロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表に対し、以前よりも有利な条件でTPP交渉に戻る可能性について調査を指示したという。

     容易な道のりではないだろう。ただでさえ、ライトハイザー氏や同氏の事務所は、同氏が外に出るや否や、この指示は本気ではないと記者団に告げている。だがリンジー・ウォルターズ大統領副報道官は同日午後、大統領がこの2人に検討を要請したことを認めた。2人がその通りに努力することを期待しよう。

    ロバート・ライハイザー

     関係筋によると、トランプ氏は特に加盟11カ国に含まれない中国に対し、TPPが経済的・戦略的に大きな影響力を持ちうるとの主張に反応したという。これはトランプ氏がTPP脱退を決める前、われわれの一部が主張していたことだ。だが貿易をめぐり中国と決戦の場を迎えた今、トランプ氏は中国以外の太平洋諸国とより良い貿易関係を結ぶ方が得策だと考えてもおかしくない。

     会合に出席したベン・サッシー上院議員(共和、ネブラスカ州)は後からこう述べた。「中国の不正行為に対抗するために米国にできる最善の策は、自由貿易と法の支配を信じる太平洋地域の他の11カ国を率いることだ」

     トランプ氏はまた、自身の進める関税第一主義が、外国からの報復措置によって農業州に経済的被害をもたらすという訴えに耳を傾けたという。米国の農業生産者は輸出市場を失う可能性に身がすくんでいる。中西部では大豆とトウモロコシの輪作を行う農家が多く、今年いずれの作物を植え付けるかを決断する時期が迫っている。

     大豆を植えれば、中国が25%の報復関税を課した場合に大きな損害を被るだろう。トウモロコシを植えれば、多くの農家が同じことをするために価格が暴落するかもしれない。農業が抱えるさまざまなリスクに、トランプ氏の通商政策がさらなる政治的な不透明さを加えている。米農業生産者に中国以外の市場を開放することが一段と必要な理由はそこにある。

    【私の論評】貿易赤字それ自体が悪という考えは間違い!それに気づけば復帰は間近(゚д゚)!

    ドナルド・トランプ米大統領は、今年の1月25日スイス・ダボスで行われた米CNBCテレビのインタビューで、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への復帰を検討する用意があると表明していました。これについては、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
    トランプ大統領がTPP復帰検討「有利な条件なら」 完全否定から大転換した理由―【私の論評】トランプはTPPが中国国内の構造改革を進めるか、中国包囲網のいずれかになることをようやく理解した(゚д゚)!
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分を引用します。
    TPPは成長市場であるアジア地域で遅れていた知的財産保護などのルールを作りました。社会主義国のベトナムでさえ国有企業改革を受け入れました。TPPが棚上げとなれば各国の国内改革の動きも止まってしまうことになります。 
    TPP合意を機に、日本の地方の中小企業や農業関係者の海外市場への関心は高まっていました。電子商取引の信頼性を確保するルールなどは中小企業などの海外展開を後押しするものです。日の目を見ないで放置しておくのは、本当に勿体無いです。 
    さて、米国が離脱したままTPP11が発効して、それに対して中国が入りたいという要望を持つことは十分に考えられます。 
    ただし、中国はすぐにTPPに加入させるわけにはいかないでしょう。中国が加入するには、現状のように国内でのブラックな産業構造を転換させなければ、それこそトランプ氏が主張するようにブラック産業によって虐げられた労働者の労働による不当に安い製品が米国に輸入されているように、TPP加盟国に輸入されることとなり、そもそも自由貿易など成り立たなくなります。

    このあたりのことを理解したため、トランプ大統領は、TPPに入ることを決心するかもしれません。そもそも、政治家としての経験のないトランプ大統領は、これを理解していなかっただけかもしれません。だからこそ、完全否定から大転換したのかもしれません。 
    そうして、これを理解して、それが米国の利益にもなると理解すれば、意外とすんなり加入するかもしれません。 
    中国がどうしても、TPPに参加したいというのなら、社会主義国のベトナムでさえ国有企業改革を受け入れたのと同じように、中国国内の民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めなければならないでしょう。
    それによって、中国自体の構造改革が進むことになります。こうして、TPPにより、中国の体制を変えることにもつなげることも可能です。 
    しかし、改革を実行しない限りTPPは中国抜きで、自由貿易を進めることになり、結果として環太平洋地域において、中国包囲網ができあがることになります。 
    大統領に就任した直後のトランプ大統領は、このような可能性を見ることができなかったのでしょう。しかし、最近はその可能性に目覚め、完全否定から大転換したのでしょう。
    TPPは成長市場であるアジア地域で遅れていた知的財産保護などのルールを作成しています。ベトナムはこのルールを守れるように、国営企業の改革に取り組んでいます。

    中国はといえば、もしTPPに加入するとすれば、国営企業改革どころではすみません。まずは、中国憲法の位置づけを変えなければならなくなるでしょう。中国では中国共産党は、憲法よりも上の位置づけです。

    平たくいえば、共産党は憲法より上の存在であり、共産党の都合により何でもできるということです。中国でも、すべての法律は憲法に基づいて作成されていますから、当然のことながら、すべての法律は中国共産党の恣意により、共産党にとって都合が良ければ、そのまま施行し、都合がわるければ、施行を停止することができます。

    このような状況で自由貿易などできるはずがありません。まずは、憲法の位置づけを変えなければ、中国はTPPに入ることはできません。そうして、憲法を共産党よりも上の位置づけにもってくるということは、現体制の崩壊ということになります。そのようなことは、中国にはできません。

    憲法改正で終身主席となり、事実上の中国皇帝となった習近平

    となれば、中国としては、TPPには入らず、独自の路線で世界と貿易をするしか他にありません。TPPが発効して、環太平洋の国々が自由貿易を頻繁が頻繁になされることになれば、TPPにおける自由貿易が通常の取引ということになり、中国との取引はリスキーであると認識されるようになります。

    実際にかなりリスキーです。中国経済が順調に拡大しているときならそうでもないでしょうが、現在のように低迷していれば、中国と取引していれば、いつどのような目にあうかもわかりません。

    また、中国は金融政策・為替政策も恣意的で、いつどのように変わるかも予測不可能なところがあります。そもそも、政治と経済が不可分に結びついており、他の先進国では考えられないようなやりかたで、経済に直接手をいれるということもしばしばあります。しかし、TPP加盟諸国であれば、そのようなことはありません。

    そうなれば、環太平洋の国々が中国との貿易を避けるようになるでしょう。そうなると、貿易でも栄えてきた中国にとっては窮地に陥ることになります。しかし、現体制を維持しなければ、ならない中国共産党は、これを傍観するしかありません。その結果中国は弱体化することになります。仮に、中国が現体制を構造改革に変えてまで、TPPに参加することがあれば、環太平洋地域の諸国にとっても望ましいことになります。

    トランプ氏はこのようなことを理解し始めたのでしょう。さらに、トランプ氏の関税第一主義が、諸外国からの報復措置によってかえって国内産業を窮地に陥れる可能性が大であること、さらにこのブログで何度か掲載してきたように、経済学上の常識である、貿易赤字そのものが悪という認識は間違いであることをトランプ大統領が気づけば、米国がTPPに復帰するのも間近くなるでしょう。

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