2016年10月12日水曜日

中国国防省前で異例の大規模デモ 元軍人らの不満浮き彫り、「団結」呼びかけ合唱も―【私の論評】スーダンでも武器や弾薬を残して敵前逃亡!武装商社人民解放軍に大異変(゚д゚)!

中国国防省前で異例の大規模デモ 元軍人らの不満浮き彫り、「団結」呼びかけ合唱も

北京の国防省前に集まった座も参加者たち=11日
北京市中心部にある中国国防省前で11日に起きた大規模デモには、さまざまな年齢層の元軍人ら約千人が参加したと伝えられ、軍への不満の根深さが浮き彫りになった。軍中枢部近くでの大規模デモは極めて異例で、習近平指導部が本格化させている約30万人の兵力削減などの軍改革にも微妙な影響を与えそうだ。

 デモは11日朝から習国家主席がトップを務める中央軍事委員会や、国防省が入る建物「八一大楼」前で発生し、12日未明に強制排除されたとみられる。米政府系放送局のラジオ自由アジアなどによると、各地から集結した参加者は年金の増額など待遇改善を訴えた。

 現場周辺では12日早朝、多くの公安関係者や数十台の警察車両による厳戒態勢が敷かれた。迷彩服姿の数人が連行される様子も目撃された。

 デモについて中国メディアは一切報じていないが、インターネット上では迷彩服を着た参加者らが「八一大楼」に向かって隊列を組み「団結」を呼び掛ける内容の歌を合唱したり、座り込んだりしている映像が流れた。

【私の論評】スーダンでも武器や弾薬を残して敵前逃亡!武装商社人民解放軍に大異変(゚д゚)!

北京の中国国防省前で、警察官に排除される迷彩服を着た男性たち=12日
人民解放軍は1993年から2000年の間に、軍備縮小の名のもと、数万から数十万とも言われる大規模な人員削減を行いました。対象となった軍人たちには日本円にして数十万円の一時金が支払われたものの、多くはその後の仕事が見つからず、生活に困っていると訴えているのです。さらに・・・

「中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張せず、兵員30万人を削減すると宣言する」(習近平国家主席 抗日戦勝70周年式典 中国・北京 去年9月)

習近平国家主席は去年、人民解放軍の兵力を230万人からおよそ30万人削減するという大規模な軍改革を打ち出しました。そのため、更なるしわ寄せが自分たちに来るのではないかという不安も背景にあるとみられています。

軍人は今、中国社会においては最も女性から見ると結婚したくない相手になっているので、元軍人はすごく不満もあるし、現実の社会での苦労に直面してます。

元軍人によるこうしたデモは、数年前から中国各地で散発的に起きていました。しかし、軍の中枢である国防省にこれだけの人数が集まるのは異例のことです。

国防省の前になると本当にたくさんの人の目に触れるので、いよいよ退役軍人問題が全国問題として国民に認識されるというインパクトがあるものと考えられます。

首都・北京のど真ん中で起きた今回の騒ぎですが、中国のメディアでは一切報じられませんでした。

中国国防省
中国では、元軍人だけではなく、現役の軍人たちにも不満が高まっています。それに関しては今年の7月に米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が伝えました。

中国人民解放軍の幹部や兵士の大幅な昇給案が検討されていたのですが、軍内部の討議で否決されていたことが分かたというのです。このため、軍内には兵士や下士官を中心に不満の声が高まっており、将校ら高級幹部も不満を抑えるのに懸命だといいます。

軍内の昇給案は、昨年8月から検討され、平均で5.95%増の予定だった。師団長クラスで3万元(約50万円)、最下級の兵士では5750元(9万5000円)になる見通しでした。

昇給分は地方の大軍区(現在の戦区)司令官の場合は約2万元で、年収は5万元程度。師団長も昇給分は1万2000元。以下、連隊長は9000元増、大隊長が7000元、中隊長が6000元、小隊長が5000元となる予定でした。

ちなみに、中国統計局によると、中国の都市部の国有企業従業員1人当たりの平均年収は約6万2000元となっており、軍人の場合は給料が低く抑えられていることは否めません。

習近平指導部は昨年末から今年初めにかけて、大規模な軍事改革による組織改編を行っており、これを機会に、軍内で不満が強かった給与を改革して、国有企業並みの年収を保障する方針を打ち出していました。

ところが、中国経済は昨年来、一層悪化していることから、200万人の軍人に支払う原資が不足しており、今回の給与改革は実施予定の直前になって急きょ延期となってしまいました。

なお、中国国防省は今年6月末、記者会見で、「軍の給与改革の情報があるが、それは事実ではない」と正式に否定していました。

これに対して、収まらないのは、待遇がよくない軍の若手兵士を含む下士官層で、一部の地方の軍では職務放棄などが拡大しているといいます。


最近では、南スーダンに中国が派遣したPKO部隊が、持ち場を捨て逃走というショッキングなニュースも伝えられています。これも、軍人たちの不満に関係している可能性があります。

南スーダンの首都ジュバに駐屯して国連平和維持活動(PKO)に従事している部隊が、政府軍と反政府軍の間で交戦が繰り広げられていた今年7月、民間人から数十回にわたって保護要請を受けたにもかかわらずこれを無視したという主張が持ち上がっていました。中国軍のPKO部隊に至っては、武器や弾薬も残したまま逃亡したと伝えられている。

米国ワシントンDCに本部を置くNGO(非政府組織)の「紛争地域民間人センター」(Center for Civilians in Conflict=CIVIC)は5日(現地時間)、この事件に関する報告書を発表して「国連は民間人保護任務を果たさなかった当該PKO部隊に対して責任を問い、透明性を高めるべき」と主張したといいます。AFP通信などが報じた。南スーダンには61カ国から派遣されたPKO部隊合わせて1万2500人がおり、このうち2500人が首都ジュバにある2つの基地に駐屯しています。

報告書によると今年7月、ジュバでは4日間にわたり政府軍と反政府軍の間で交戦が繰り広げられ、PKO部隊の基地にも攻撃があった。この過程で民間人を含む300人以上が死亡し、この中には中国軍2人と南スーダンの記者1人も含まれていました。また南スーダン政府軍と反政府軍は、現地にやって来た救護活動家を含む民間人の女性数百人に性的暴行を加えました。PKO部隊は当時、基地の内外で民間人が死亡し、性的暴行に遭っているにもかかわらず、出動しませんだした。基地に対する攻撃があった時にのみ撃ち返す程度でした。少なくとも5人の外国人救護活動家が基地の近くのホテルに連れ込まれ、集団で性的暴行に遭った時も、数十回にわたって救助要請を受けたにもかかわらずこれを無視しました。さらに中国から派遣されたPKO部隊の場合、反政府軍から強い攻撃を受け、持ち場を捨てて逃走しました。
ネット上では、「軍は災害があると、一番初めに被災地に行かされて、劣悪な環境で支援活動を強いられたり、戦闘でもそうだ。訓練も過酷であり、このままでは昔から言われるように『好鉄不打釘、好人不当兵(良い鉄は釘にはならず、良い人は兵隊にはならない)』と、だれも軍兵士に志願する者はいなくなってしまい、習近平が命令して戦争を戦う兵士はどこにもいなくなってしまうのではないか」などの書き込みが散見されています。

さて、上の記事にでてきた人民解放軍とは他国の軍隊にあたると考えるのは間違いです。そもそも、人民解放軍は共産党に直属する組織であり、共産党の私兵です。他国の軍のように、国民国家を守るものではありません。災害の時などに出動することもありますが、それがメインの仕事ではありません。

メインの仕事は、共産党の私兵として、共産党を守ることにあります。そうして、さらに不可思議なことがあります。人民解放軍は、独自に様々な事業を展開しています。その実体は、日本でいうところの商社のようなものです。そうして、その商社が武装していて、中国共産党を守るため、治安警察、城管などとともに、人民を弾圧するのです。

このように中国共産党にとって、人民解放軍は体制を維持するための、最後の砦のようなものです。今回、国防省の前でデモを行った元軍人たちの背後には当然、中国軍内あるいはそれよりもさらに上位の何者かの後ろ盾があると思われます。「反腐敗運動」で党幹部のほぼ全員を敵に回した習近平ですが、解放軍までが組織的な反抗を起こしてくると、政権はいよいよ危険水域に入ったといえるでしょう。

 千人以上にも及ぶ元軍人たちが集まって軍の最高指導機関である中央軍事委員会のある国防省ビルに「奇襲」したことは、 どう考えても黒幕のある政治的「反乱」です。その矛先は軍事委員会主席の習近平その人に向けていると考えられます。大政変の幕開けを予感させます。軍を掌握しきれない習近平体制は近々崩れるのではないでしょうか。

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2016年10月11日火曜日

米国防省が恐怖の分析、中国の核攻撃で日本は絶滅?―【私の論評】日本が核武装をすることになるであろう4つの根拠はこれだ(゚д゚)!

米国防省が恐怖の分析、中国の核攻撃で日本は絶滅?
ワシントン・フリー・ビーコンのバナー 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日本は中国に死者3000万人の被害をもたらす核ミサイルを10年以内に開発することができる。一方、中国は日本に対して3400万人の死者を出す核攻撃をかけることが可能だ――。

 まるで恐怖をあおるサイエンスフィクションのような物騒な推定が米国防総省委託の研究報告で明らかにされた。

■ 米国同盟国の間で徐々に高まっている核武装論

 米国・ワシントンのインターネット新聞「ワシントン・フリー・ビーコン」は10月7日、「ペンタゴン(米国防総省)が将来の日本の核兵器と対中戦争について研究」という見出しの記事を掲載した。

 この報道をスクープしたのは、米国の軍事戦略を専門とするビル・ガーツ記者である。ガーツ記者は、国防総省の「相対評価局(ONA)」が今年6月にワシントンで開催した「核作戦とその意味」と題する研究集会の報告書の主な内容を伝えていた。

 ONAは国防長官に直結する研究調査機関で、米国にとって10年以上の単位で長期的な脅威となりうる諸外国の軍事動向や、同盟国を含めた米国側陣営に対する脅威への対応策について研究することを主任務としている。

米国国防総省 通称「ペンタゴン」
同新聞の報道によると、ONAがこの種の研究に取り組んだ背景には以下のような要因がある。

 (1)米国は同盟諸国に対して「拡大核抑止」(核の傘)を誓約してきた。しかし、オバマ大統領が「核なき世界」や「核先制不使用」政策を掲げることで、その制約への信頼が失われている。その結果、同盟国の間で核武装論が徐々に高まりつつある。

 (2)オバマ政権が米国の核戦力を進化・改良させないのに対し、中国やロシアは核戦力の近代化を進めており、米側の抑止力が相対的に弱くなった。

 (3)北朝鮮が核武装を完了させ、イランも10年後には核兵器開発が確実だとみられるようになった。

 こうした諸要因が、米国の核兵器による戦力や抑止力のあり方を根本から再検討するという作業につながったというわけだ。

■ 日本が核兵器開発に着手するきっかけとは

 この研究結果は、ONAが委託した民主党系の民間防衛シンクタンク「長期展望戦略グループ」によって報告書としてまとめられた。同報告書によると、日本の目の前には核武装という選択肢があるという。その主な理由は、「中国や北朝鮮による日本への核攻撃や核威嚇に対する米国の核安全保障が弱くなり、やがて、中国や北朝鮮を抑止するには不十分になると、日本は恐れている」からだ。

 そして、以下のような事態が契機になって日本が核兵器開発に着手する可能性があるという。

 ・韓国の核兵器開発
 ・イランの核武装
 ・中国あるいはロシアによる核兵器の使用

 同報告書は、上記のような事態が起きれば米国の核政策に大きな変化が起きて、緊密な同盟関係にある日本の核武装に対して寛容な姿勢へシフトする可能性がある、と述べる。

 同報告書はその上で、日本の核武装の可能性について以下のように記述していた。

 ・日本政府は一度決定を下せば、現在の原子力技術や宇宙開発技術、巡航ミサイル、潜水艦の技術を基に、10年以内に核兵器を完成させることが可能である。

 ・同研究集会に参加したONAの専門家たちは、日本は自国で開発した核兵器を実際に地上や宇宙ロケット、潜水艦などに配備するだろうと予測していた。

 ・安倍政権も認めているように、日本の現行憲法は核兵器保有を禁じてはいない。米国としてもこの点を重視する必要がある。

■ 中国の核攻撃で日本は国家絶滅の危機に

 さらに同報告書は、日本と中国が尖閣諸島の領有権をめぐって争い、場合によっては日中戦争へと発展する危険性があることを指摘する。その上で、日中両国の将来の核戦力の威力についても次のように触れていた。

 ・日中間で全面戦争が起きた場合、日本は地上配備、あるいは潜水艦発射の核ミサイルにより中国に最大で死者3000万人の被害をもたらす破壊能力を保持するにいたる。

 ・中国側は現状でも日本に核攻撃をかけて死者3400万人の被害を与える能力がある。この死者は日本の総人口の27%であり、日本は国家絶滅の危機に瀕することとなる。

 同報告書は、こうした調査、研究の結果を踏まえて、米国政府が日本への拡大核抑止の保証を従来通りに堅持することが最も賢明で合理的な政策だという結論を示唆していた。

 現在、米国では世界の唯一の超大国、そして日本の同盟国という立場から、この種の仮定に基づく安全保障研究が大胆に行われている。起こしてはならない最悪の想定のシナリオを事前に研究しているのである。たとえ仮定のまた仮定でもこの種の軍事シナリオがタブー視されている日本とは対照的に米国は現実を見据えているというわけだ。

古森 義久

【私の論評】日本が核武装をすることになるであろう4つの根拠はこれだ(゚д゚)!

冒頭の記事で、「安倍政権も認めているように、日本の現行憲法では核兵器保有を禁じてはいない」という記述には驚かれた方々も大勢いると思います。

しかし、政府は今年4月に「憲法は核兵器保有を禁じず」とした政府答弁書を決定しました。日本は憲法9条で「戦力不保持」をうたい、「非核三原則」を掲げています。意外な気もしますが、これは政府の方針変更というわけではなく、従来の政府見解と同様のものです。例えば1978年に当時の福田赳夫首相は、非核三原則があるとしながら、「憲法9条の解釈として絶対に持てないということではない」と答弁しています。

民進党の逢坂誠二議員と無所属の鈴木貴子議員からの質問に対する回答において、に対する回答において、政府は「自衛のための必要最小限度の実力保持は憲法9条でも禁止されているわけではなく、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、保有することは必ずしも憲法の禁止するところではない」という解釈を示しました。

政府は、この答弁は従来と同趣旨の説明だとしています。

核兵器の使用が認められるか否かについては、国際法、日本国憲法など国内法、日本の政策を区別してみていく必要があります。

国際法においては、核兵器が違法で禁止されているか、各国の考えは一致していません。日本政府は、戦後間もないころ違法だとみていたことがありました。1960年、フランスがサハラ砂漠で核実験を行い、アフリカ諸国を中心として、核兵器は国連憲章や国際法に違反しており禁止すべきだという決議案が国連総会に提出されたとき日本は賛成したのです。

しかし、中国が核兵器を開発したことなど、国際政治において核の抑止力に頼らざるを得ない状況になり、それ以後、日本は核兵器を違法であり、禁止されるとすることに賛成していません。

一方、日本国憲法では、核兵器が違法で禁止されている、あるいは、いないなどと直接的に規定されていません。第9条の、国際紛争を解決する手段としては「武力の使用を永久に放棄する」という規定の解釈にゆだねられています。

1954年に日本政府は、「日本に対して武力攻撃が加えられた場合に、国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない」という解釈を示しました。この考えに立って創設されたのが自衛隊です。それ以来、政府は「自衛のための必要最小限度の実力を持つことは憲法で禁止されていない」という解釈を維持しています。ここで言う「実力」が武器のことです。

では、核兵器は憲法が認めている自衛のための武器にあたるでしょうか。

核兵器は一度使用されると市民に甚大な被害をもたらしますので、「自衛のために必要最小限度」の武器か、その範囲を超えるのではないかという疑念を抱かれるのは当然ですが、日本政府は、冒頭で引用した答弁のように「核兵器であっても自衛のために必要最小限度にとどまるものがありうる」という立場です。

「安倍政権も認めているように、日本の現行憲法では核兵器保有を禁じてはいない」とは、まさにこのことです。

しかし、核兵器が禁止されているかいなかについては、さらに次の2つの点を勘案する必要があります。

一つは日本が、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を表明したことです。しかし、これは政府による表明であり、撤回することが全く不可能というわけではありません。

もう一つは、日本は、1976年に批准した核兵器不拡散条約(NPT)で、核兵器の保有、使用など一切のことが国際法上、禁止されていることです。

しかし、このブログの冒頭の記事でも述べられているように、米国は同盟諸国に対して「拡大核抑止」(核の傘)を誓約してきたのですが、オバマ大統領が「核なき世界」や「核先制不使用」政策を掲げることで、その制約への信頼が失われています。その結果、同盟国の間で核武装論が徐々に高まりつつあります。日本だけが例外であるとはいえません。


日本としては、核武装も国内で十分議論すべきです。議論する事自体が、抑止力になる可能性が十分あります。私として、いずれ核武装することになるのではないかと思っています。その根拠をいくつかあげておきます。

まずは、ブログ冒頭の記事にもあるように、中国側は現状でも日本に核攻撃をかけて死者3400万人の被害を与える能力があり、この死者は日本の総人口の27%であり、日本は国家絶滅の危機に瀕することなるという潜在的脅威があるからです。

以下に、中国人民解放軍対日攻撃概念図をあげておきます。当然のことながら、核攻撃も含まれています。


さらには、最近の北朝鮮の頻繁なミサイル等の発射です。中国と北朝鮮の核兵器は日本を標的しているという事実があります。

次に、上院外交委員会全体が2013年に開いた「米国の対北朝鮮政策」と題する公聴会における「日本の核武装」論です。

この公聴会はタイトル通り、長距離弾道ミサイルの発射や核兵器の爆発の実験を断行し続ける北朝鮮に米国はどう対処すべきかが討議の主題でした。その流れの中で「日本の核武装」というテーマが再三再四、論じられたのです。

その論議の趣旨を最初に総括すると、以下のようになります。
米国は北朝鮮の核武装、特に核弾頭の長距離弾道ミサイルへの装備をなんとしてでも防ぐべきだ。だがこれまでの交渉も対話も圧力も制裁も効果がなかった。いまや北朝鮮の核武装を実際に非軍事的な手段で阻止できる力を持つのは中国だけである。
その中国がいま最も恐れるのは日本の核武装だ。だから日本の核武装というシナリオを中国に提示すれば、中国は北朝鮮の核武装を真剣になって止めるだろう。
その一方、北朝鮮が核兵器の保有国として国際的にも認知されるようになると、日本側で核武装への動きが起きかねない。米国政府は核拡散防止条約(NPT)の主唱者でもあり、日本の核兵器保有には反対だが、北の核武装が公然たる現実となった場合には、日本が核を持つ可能性も改めて米側で論議すべきだろう。
この時からすでに2年数ヶ月が過ぎ、北の核武装はまさに公然たる現実となっています。

第三に、以前にもこのブログに掲載した、バイデン副大統領によるヒラリー大統領候補に対する応援演説の中における発言内容です。これに関しては、以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
<米国>バイデン副大統領「日本国憲法、米が書いた」―【私の論評】米国は場合によっては、日本の戦術核を容認する用意がある(゚д゚)!
8月15日にクリントン氏の応援演説をするバイデン副大統領
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
バイデン氏はトランプ氏を「事実から学ぼうとしていない」と批判した上で、日本国憲法の話題に触れた。トランプ氏が今春、日本や韓国の核武装を容認する発言をしたことを念頭に置いたとみられ、「(トランプ氏は)学校で習わなかったのだろうか? 彼に(大統領として)核兵器発射コードを知る資格はない」とも非難し、会場は笑いに包まれた。 
バイデン氏は今年6月、米公共テレビ(PBS)のインタビューで、中国の習近平国家主席に対して北朝鮮の核開発阻止で協力を求める中で、「日本は事実上、一夜で核兵器を製造する能力がある」と伝えたことを明らかにしている。
・・・・・・・・・・・・・ 
中国が北朝鮮を懐柔することができずに、北朝鮮がこのまま核兵器の開発を続け、ICBMやSLBMの開発に成功して、米全土を核兵器の標的に収めることができるようになったとしたら、米国にとっては脅威ですし、そうなれば、米国としてもこれに対する備えをしなければなりません。 
これに対して、無論自らも備えるでしょうが、日本にも備えてもらえれば、より強固なものになります。米国からすれば、日本が米国も標的になるような核兵器ではなく、米国が標的にならないような短距離の核兵器を装備すれば、ベストでしょう。

さて、日本国憲法に関しては、バイデン副大統領が主張するように、事実上米国側が起草したものであることは周知の事実です。そうして、アメリカ議会は、すでに数年前から、日本憲法の改憲派が多数派になっています。
この記事では、おそらく米国は戦略核ではなく戦術核だけを容認することになるであろうことも指摘しました。

 第四に、日本に数万人単位のスパイを送り込んで、日本の情報に精通している中国は日本の核武装を懸念しているのは明らかです。

それについても、このブログで以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国人民解放軍内部文書「日本は2000発の核弾頭製造可能」―【私の論評】日本の核武装の意図は、それだけで外交カードになる(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下に一部を引用します。
 日本では原子力発電所の稼働によって、核兵器を製造するための原料であるウランやプルトニウムといった核物質を豊富に保有している。同時に、核兵器を持たない国のなかでは唯一、ウランの濃縮や使用済み燃料の再処理によるプルトニウムの製造技術といった、核兵器に転用可能な核物質を製造する一連の技術も保有する。それゆえ、日本は「2000発の核弾頭を製造できる」とし、それも「短期間で」と付け加えている。 
 さらに、文書は日本の核兵器製造をめぐる歴史的経緯や政治・経済動向、科学的な裏付け、日本の核武装正当化のための国際関係や領土問題に加え、日本の核武装を阻止するための中国の対応についても詳しく解説している。
この記事では、中国の海軍も、空軍も日本の自衛隊と比較すると実質的にかなり劣勢であり、唯一日本より優れているのは核武装のみであることを掲載しました。その中国からすれば、日本の核武装はかなりの脅威です。

日本の核武装は、中国、北朝鮮にとってかなりの脅威です。彼らからすれば、自分たちは核兵器を保有しているのに、日本は保有しておらず、米国の傘に守ってもらっている日本を見下し、オバマ大統領は、世界の警察官をやめることを宣言したので、最終的には自分たちの勝ちであると考えていたでしょう。

ところが、そこにきて、日本が核武装ということにでもなれば、彼らの核戦略どころか、国家戦略そのものが根底からくつがえされることになります。

これら4つの点から私は日本が核武装する日もそう遠くはないのではないかと思っています。

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2016年10月10日月曜日

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?―【私の論評】移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?

いったい誰が払うのかというと…

豊洲市場の水産仲卸売り場(2015年10月)
 移転費用と捻出、その内訳

築地市場の豊洲移転に関して、当初4000億円とされていたはずが、すでに6000億円もの「巨額」の事業費が投入されていることが発覚し、話題になっている。さらにここにきて、小池都知事が移転延期を表明したため、費用はさらに膨らむという報道もある。

この莫大な額をいったい誰が払うのか。都民が負担を強いられることはないのだろうか。

'13年1月の段階では「4500億円」と試算されていた移転費用。もともとこれは「中央卸売市場会計」のこれまでの蓄えである余剰金から2400億円、国庫交付金から100億円を捻出し、残り2000億円は築地市場跡の売却の一部を充てるという算段だった。

ここで登場する「中央卸売市場会計」とは、築地市場を含めて11の中央卸売市場の決算をとりまとめているもの。「独立採算制」を原則として運営されていて、都の一般会計から独立したおカネとして扱われる。

その中央卸売市場会計の平成26年度決算を見ると、まずは収益のメインは市場利用者から徴収した施設使用料で、この総収益は約187億円に達する。ここから人件費、物件費などのコストを引いて計算すると、経常利益は約1億円の黒字となる。

次に貸借対照表を見てみると、保有する資産の総額は7705億円。対して負債は2676億円、資本金4261億円、剰余金は768億円。損益状況と財務状況に問題がないことがわかるが、一方であまりにも巨額の移転費用を単独で賄い切れるほどの「余裕」はないことも見えてくる。

 実は都民の負担はなし!?

築地市場の一コマ
それではやはり、6000億円に膨らんだ事業費を捻出するために「都民の追加負担」が必要になってくるかというと、実はそうでもない。

というのも、現在の計画では築地市場跡地の売却収入が2000億円しか組み込まれていないからだ。これは公示地価をもとに都が弾いた跡地の価値3500億円の一部にすぎない。

そもそも、一般的に公示地価は実勢価格より低くなる。また、最近の地価の上昇傾向も踏まえると、築地市場跡地の実勢価格は、5000億円以上とも言われている。つまりはこれで財源は賄えてしまう。

ちなみに、中央卸売市場会計には、都の一般会計から補助金19億円が、「営業外収益」のなかに投入されている。ただこれは中央卸売市場の事業拡充のための補填であって、税金を移転費用に回す目的で入れられているわけではない。

もっと言えば、この規模の補助金を貰っている事業は他にもある。例えば都営地下鉄や都バスも、同様に独立採算制を取っている。地下鉄は東京都交通局の高速電車事業会計、都バスは交通事業会計として扱われる。そして平成26年度決算を見ると、地下鉄には25億円、都バスには12億円の補助金が入っている。

豊洲移転では、様々な問題が世間を騒がせているが、経済面で見れば、「即刻移転」の選択肢がベストだ。今のうちに早く移転を完了させれば、都民の追加コストはない。ただし、延期すればするほど、業者の維持費用がかさんでいく。

老朽化した築地市場よりも、新しい豊洲市場のほうが清潔。だからその安全性を証明でき次第、一刻も早く移転させたほうがいい。

『週刊現代』2016年10月15・22日号より

【私の論評】豊洲移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

上の記事、もっともだと思います。以前も豊洲市場については、盛り土が勝手に決められていたという都庁の意思決定の問題と、豊洲移転は全く別個に考えて、豊洲移転ははやめに実行すべきであることを掲載しました。

その記事のリンクを以下に掲載します。
豊洲盛り土問題の真相〜マスコミには高校化学の知識もないのか…―【私の論評】豊洲は安全、早期に移転しないと意味がなくなる(゚д゚)!
豊洲市場
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、今や老朽化した築地市場よりも豊洲市場のほうがよほど安全であり、なるべく早期に移転すべきであると主張しました。

「盛り土」をしないで、ピットにした事自体については、危険でも何でもなく、むしろ良い発想であり、予定どおりに盛り土されていないということと、豊洲移転とを結びつけて、この問題が解決しないければ、豊洲移転もできないという考え方は、非常に奇異ですらあるといえます。

そうして、以前の別のブログ記事ではでは、「盛り土」しないという意思決定に関して他の事例を出して以下のような解説をしました。これは、地方自治体の意思決定のいい加減さの事例として出したものです。
それは、私が学生の時に、シンクタンクのバイトである人口10万程度の地方都市の新しい下水道の設置をするために積算をしているときに発覚しました。

私は概算を積算したのですが、どうしても市で算出した積算とは数値がかけ離れていました。私の概算のほうが何度計算しなおしても、大きい数字が出るのです。概算であっても数値にあまりの差がありました。これは自分が計算間違いをしているのかもしれないと思い、そのことをシンクタンクの主任研究員に報告したところ、概算そのものは間違いがないようなので、現地調査に行くことになりました。
しかし、その原因は現地調査をするまでもなく、その地方都市の市役所で調べたところすぐに判明しました。何と、その積算は、現在の当該市の人口が変わらぬものというか、そもそもそのようなことは全く考慮に入れず計算したものだったのです。

当時は、今と違って、その地方都市は宅地開発などが盛んで、人口が増えていました。下水道も当然のことながら、人口増を念頭に入れて積算しなければなりません。それをしないと、下水道のキャパシティが不足して、すぐに追加工事が必要となるという事態になったことでしょう。

そうして、驚いたことに、その計算をした人は、その年に高校を卒業したばかりの新人であったことが判明しました。その新人に単純に計算の仕方を教えて、でてきた計算結果について特に調べもせずに、土木課長が押印し、その上の上司の部長もこれも何も調べもせす押印していたのです。

土木課長とはいっても、たまたまそこに配置されて、土木の仕事をしているというわけで、専門家でも何でもないので、こういうことになったのかもしれません。地方自治体には、人材が不足しているので、こうなったのかもしれません。それなら、それなりのやり方というものがあると思うのですが、どうもそうはなっていないようです。 
私はこの時初めて市役所などの地方自治体の仕事は、結構いい加減なことを知ったわけです。そうして、私は他のシンクタンクでもバイトをしたのですが、そのときにも似たような話をいくつか聴きました。本当に、その当時は、それらのことに憤りを感じたものです。その憤りは今でも、感じます。積算間違いは一歩間違えば、事故を誘発します。 
このような傾向はおそらく、この地方都市だけに限らず、他の都市でもあったし、今でもあるのかもしれません。ただし、現在なら少子高齢化の傾向ですから、このようなことがあっても問題にはならないだけなのかもしれません。
地方自治体においては、このようなことは良くあることなのでしょう。結局、土木課長とか、さらにその上の部長の肩書を持つ人も、土木の専門家でも何でもないので、良くりかいできず、めくら判をおしていたということです。

そうして、東京都庁でも、同じようなことが行われていたのでしょう。東京都は、図体は大きいのですが、やはり地方自治体の悪い面が豊洲移転問題にも出てしまったのでしょう。

しかし、意思決定の手続きの問題と、豊洲の安全性や、移転などとはやはり分けるべきでしょう。移転はなるべくはやくすすめて、意思決定の手続きの問題はそれとは分けて徹底的に原因を究明し、二度と同じようなことが起こらないように、意思決定のシステムを構築しなおすべきでしょう。

意思決定の問題はなおざりはできないが・・・・・・
さて、この件については、意思決定とか安全性の問題のほかに、さらに根深いものがあるような気がします。

これは、オリンピックの問題に関して考えると、合点がいきます。様々な施設に関して、経費がかかり過ぎであることが問題になっています。

確かに、経費のかかりすぎは問題ですが、何やら最近では、国や都の財政でも、とにかく緊縮するのが絶対善であるかのような風潮です。このような人たちは、頭が緊縮にとりつかれて、脳が緊縮脳とでも形容すべき状態になっているのでないでしょうか。豊洲やオリンピックの問題に関しては、やはりこうした風潮が影響しているのではないかと思います。

とにかく、あまりにも長い間デフレが続いしまったため、家計においては何でも節約するのが善であり、それはデフレ防衛のためには、当然のことなのですが、国や都の財政にまで、それが当然というか絶対善であるかのような考えの人が多いです。特に、マスコミの報道ぶりにそのような考えがありありと透けて見えます。

マスコミや、国民が無自覚にデフレ政策を求めてるような風潮があります。 概算要求の記事などでも「もっと歳出をカットしろ」「借金するなバカ野郎」のような内容が飛び交うのが定番のようになっています。
 
需要不足のデフレ下で需要抑制策の緊縮財政を行ったら逆効果なのに、そんなこともわからない人が多いようです。無論、政府や都が際限なく公共工事を行なうといっても限界があり、その限界を超えてしまえば、公共工事の供給制約が発生してしまうとか、クラウディング・アウトが生じてしまう負の側面はあります。

しかし、バランスをとって実行すれば、それは悪いことではありません。さらに、緊縮の反対の積極財政の方法は他にも、減税や給付金などもあります。 にもかかわらず、未だに緊縮財政=絶対善、果ては金融引き締め=絶対善だと信じて疑わないようなマスコミや多くの国民が存在することに辟易とすることがあります。こういう人たちは、国や都の財政をあたかも個人の懐具合のように考えていて、国や都が大量の資金を投じて何かを行えば、そのお金は世の中からきえしまうと思い込んでいるのではないかとさえ、思ってしまうことがあります。 

国の借金という妄想に取り憑かれた、緊縮脳の人が未だに大勢いることが信じられません。以下に政府の連結バランスシートを掲載します。


このようなバランスシートをみると、したり顔で、確かに国は多くの資産を持っているが、その資産が売れなければ、意味がないなどと語る愚かな人もいます。しかし、日本国の資産の7割は金融資産です。これを真っ向から否定して、増税すべきなどという酷い緊縮脳の人も多いです。

これも、20年前くらいならメディアの偏向報道という言い訳にできたでしょうが、ネットが普及した今では、そうとばかりはいえなくなってきていると思います。日本にも、反緊縮サイトは結構あります。なのに多くの人は学ぼうともしないし知ろうとしもしなようです。既存大手メディアは、財務省や日銀などの発表を吟味することもなく垂れ流しデタラメなニュースを発信し、それを鵜呑みにしてしまう人が何と多いことか。

自分達の無知を棚上げして安倍自民党を批判してる姿に腹立たしさすら感じることがあります。 選挙を通じて緊縮財政派や半金融緩和派を国会に送り込んでるのは誰なのか、公共事業を批判してデフレを固定化させたいのは誰なのか。 世論調査で赤字国債発行に猛反対して政治家から選択肢を奪ってるのは誰なんだといいたいです。

豊洲の問題や、オリンピックの問題にしても、その背後に緊縮脳がかなり影響しているものと思います。

特に、安全性と意思決定の問題を全く分けて考えることができない人は、緊縮脳におかされている可能性が大だと思います。

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2016年10月9日日曜日

本日は余市町と仁木町に行ってきました―「マッサン」の余市蒸留所と、仁木町山田園でフルーツ狩り

余市町、仁木町とはいっても、北海道外の方は知らない方もいらっしゃると思いますので、以下にまずは地図を掲載します。



札幌市中心部から、余市町までは車で、札樽自動車道、国道5号線経由で1 時間 15 分。JR札幌駅から、余市駅までは、1時間半くらいでいけます。私は、今回余市でウィスキーをいただく予定だったので、JRで行きました。

以下に、余市町と仁木町の写真を掲載させていただきます。

まずは余市町の写真です。余市町は、最近では、NHKの朝ドラ「マッサン」で有名になりましたから、ご存知の方も多いと思います。今回は、余市はニッカの余市蒸溜所に行きました。余市蒸留所は余市駅から、歩いて数分のところにあります。駅の正面から、余市蒸溜所の正門が見えます。

まずは、蒸溜所の見取り図を掲載しておきます。

ニッカウイスキー余市蒸溜所の正門
以下蒸溜所内の写真を掲載します。




下の写真は、ニッカ会館の二階です。ここでウイスキーやニッカでだしている、清涼飲料水などの試飲ができます。無論無料です。ここで、若干注意点を説明させていただきます。ここでは、無料ですが、種類はウイスキーの種類は限られています。

ウイスキー博物館にも、バーカウンターがあってここでも試飲をしていますが、ここは有料です。しかし、自分の好みで結構種類のあるウィスキーから自分で選んで試飲することができます。私は、20年物のシングルモルト竹鶴をいただきました。価格は、ハーフショットで350円でした。

特に、ウイスキーにこだわりがないというかた、ニッカ会館の二階でいただくと無料なので、こちらで十分かもしれません。



さて、私はウイスキー博物館で、一杯、ニッカ会館の二階では二杯いただきました。結構ほろよいになりました。

最後に売店ノースランドでウィスキーを購入しました。余市蒸溜所限定販売のシングル・モルト余市「シェリー&スウィート」を購入しました。これは、500mlで6千円以上もしましたが、少し酔った勢いで購入してしまいました。

しかし、帰って飲んでみると、まずは香りの良さと、深い味わいに感動し、購入して良かったと思いました。

さて、ここからは、JRは1時間に一本しかないので、タクシーで仁木町の「フルーツパークにき」に向かいました。仁木町の観光資源はなんといっても観光農園なので、以下に観光農園の地図を掲載します。

クリックすると拡大します

余市から、「フルーツパークにき」までは時間は15分くらいで、タクシー代は2000円未満でした。

フルーツパークにき

この施設は、フルーツの温室があり、仁木町では栽培できない南の地方のフルーツの木がみられます。また、レストランがあります。仁木町産の果物も販売しています。夏場は売店もあって、アイスクリームやドリンク類も売っています。

私は、まずはレストランで食事をしました。私は酢豚定食があったのでそれにしました。お値段は千円ちょっとで、結構美味しかったです。そのほか、ラーメンやそばパスタや他のメニューもあり、結構メニューは豊富でした。特に海産物の美味しいのをというのであれば、余市で食事をしたほうが良いと思いますが、特にそうではなくて、いろいろなメニューの中から選んで食べたいというのなら、ここは選択肢の一つに入れておくべきと思います。

少し逆光気味でわかりにくいですが、枇杷の木です。オレンジ色の実がなっています
階段で2階に登って2階から同じ枇杷の木をみおろしたところです
一番手前の鉢植えは「すだち」です。緑の小さな実がなっています
食事が終わって、館内をひととおり見た後は、「フルーツパークにき」から歩いて数分の「くだもの公園山田園」に行って、フルーツ狩りを楽しみました。確か800円で食べ放題だったと思います。今の時期だと、ブドウとブルーンなどです。この時期だとりんごもありますが、山田園にはありませんでした。

以下にその時の写真を掲載します。

左の緑色の屋根の建物が山田園の果物狩りの受付になっています
プルーンの実です。他にも赤っぽいのがありました。
葡萄の実です。他にも、緑色のもあって、全部で種類は三四種類くらいありました
今回は、行きませんでしたが、余市には美味しいお寿司屋や、安くてかなり質の良い海産物の商店もあります。柿崎商店はおすすめです。1階では、海産物が信じられないくらい良質で低価格の海産物が販売されています。2階が海鮮工房(レストラン)になっています。その他、町内には海鮮の店やレストランも多くあります。グルメ志向の人には意外なと穴だと思います。


何よりも都会の喧騒を離れて、本当に静かなところで、フルーツ狩りをしてたっぷり甘いフルーツを食べることができました。ウィスキーも美味しくいただけました。

北海道内の方でも、まだ行っていない人は行って行ってみてはいかがでしょうか。北海道外の人にとっては、ここはメジャーな観光地ではないので、意外と穴場かもしれません。特に余市は今回は行きませんでしたが、魚介類は安くて美味しいです。

2016年10月8日土曜日

新聞テレビが絶対に報道しない「自分たちのスーパー既得権」―【私の論評】次世代のメディアの主役は新聞・テレビでないことだけは確か(゚д゚)!

新聞テレビが絶対に報道しない「自分たちのスーパー既得権」

だから日本の報道は「左巻き」になる
髙橋 洋一
 

東陶の新聞紙風トイレットペーパー。最近は便所紙にしかならないような新聞が増えてきた?

本サイトで連載中の高橋洋一・嘉悦大学教授が、このたび『これが世界と日本経済の真実だ』を上梓した。アメリカ大統領選挙やアベノミクス、さらには安全保障、格差社会、原発問題といった世界と日本の政治経済のニュースについて、お馴染みの高橋節が炸裂している。

本書の最大のテーマのひとつが、日本の報道はなぜ「左巻き(左派)」になってしまうのか、ということだ。今回、刊行を記念して、日本のメデイアの問題点を指摘したパートを特別公開!

 「日刊新聞紙法」をご存じか?

「左巻き」の人々は、どうしてウソのニュースを報道したり、間違った知識で議論をしてしまうのだろうか。

メディア関係者や、公務員、教員、大学教授などはそれぞれマスコミ、役所、学校、大学という既得権にまみれた環境に安住している。日々厳しいビジネスの世界で緊張感ある働き方をしていれば、どうやって儲けて、いかに生きていこうか必死になるはずだが、そういった切迫した危機感がない状況だから、左巻きの考え方をしていても平気でいられるのだ。

マスコミの中でも、新聞はとくに左巻きがのさばっているメディアだ。そうして的はずれな記事を平然と報道している。

新聞の報道が嘘八百になる原因が4つある。まずは、日刊新聞紙法という法律だ。もう1つは再販規制。そして3番目は最近新たに生まれた軽減税率だ。この3つで新聞はすべて守られている。

それにプラスして、これは実体の話だが、新聞社屋のための国有地の売却という問題が絡んでくる。日本の新聞社の多くが、総務省から国有地を安く払い下げてもらって、社屋をそこに建設している。ある種の優遇措置を受けてきたと言っていい。大手町や築地、竹橋などの一等地に新聞社が立ち並んでいるのには、そのような理由があるのだ。

ここから、新聞を既得権まみれとしている法律について見ていこう。

まず日刊新聞紙法というのはどういう法律か。すごく変わっている法律で、実は世界にこんな法律は日本にしかない。ポイントは、新聞社は全国紙のすべてが株式会社で、地方紙も株式会社が多いのだが、その「株主が誰か」ということだ。

商法の大原則だが、株式というのは譲渡制限がない。これは株式会社の株式会社たるゆえんと言える。譲渡制限がないからどんな時にもオーナーが代わり得る。この「オーナーが代わり得る」ということが重要だ。

要するにオーナーはのうのうと安住できないということだ。そうすることで会社の緊張感が保たれ、きちんとした経営をするということになる。

しかし新聞社の株式は、日刊新聞紙法によってなんと譲渡制限が設けられているのだ。

制限があるとどうなるか。

たとえば朝日新聞を例にとってみよう。朝日新聞は、村山家と上野家が代々ずっとオーナーとして存在する企業だ。株式の譲渡が制限されているのだからオーナーが代わることがない。このように完全に経営者が代わらないと、オーナーがどんな意見を言うか言わないかで、経営方針をはじめとする会社のすべてのことが決まってしまう。

ただし、新聞社のオーナーは現場に意見を言わないケースがほとんどだ。するとどうなるかというと、現場の社長が経営のすべてを握ってしまう。そうして、絶対にクビにならない社長になるというわけだ。

もう1つの例として、読売新聞を見てみよう。渡邉恒雄代表取締役兼主筆がなぜ、あれだけの権力を持ち続けられるか考えてみて欲しい。読売は従業員持ち株会もあるのだが、結局会社はオーナーのものだ。

 そして新聞社が「既得権益集団」になる

株式が譲渡されない安泰な経営のなかで、オーナーが口出しをすることがないので経営陣にはなんのプレッシャーもかからない。そうして経営トップが大きな顔し続けることになる。

日経新聞などは企業の不祥事を追求する記事で「コーポレートガバナンスが重要」とよく書いているが、自分の会社が一番コーポレートガバナンスが利かないのだ。なぜなら、株式の譲渡制限があるからだ。それではガバナンスなど効きようがない。

新聞社の株式が譲渡されないということは、つまり絶対に買収されない仕組みになっているということだ。さらに、その新聞社がテレビ局の株を持つ。朝日新聞ならテレビ朝日、読売新聞は日本テレビといった具合だ。そうすると、テレビも新聞社と同じようにまったくガバナンスが利かなくなる。

そうして新聞社を頂点として構成されたメディアは、既得権の塊になってしまう。

以上のような仕組みになっているため、一度新聞社の経営陣に加わってしまえば絶対安泰だ。クビになることはまずない。これは、他の業界では絶対にあり得ない既得権を守る規制なのだ。

新聞紙風デザインのビキ二

 一番ガバナンスがないのは、新聞社だった

世界基準で見てもこの日本のメディア構造は異常である。普通の国ではメディアも普通に買収される。経営者が代わることもあるので、これが会社としてメディアとしての緊張感につながるのだ。

たとえば2015年の11月に、日経新聞が米フィナンシャル・タイムズを買収したことは記憶に新しい。日経新聞が、米フィナンシャル・タイムズの親会社だった英ピアソンから株式を買収して自らのグループに組み込んだのだが、これはごく普通の企業買収と言える。しかし、日経新聞のほうは株式が譲渡できないから、決して買収されない仕組みになっている。

そんなものは商法違反でないか、と憤る人もいるかもしれない。この状態を商法の適用除外にしているのが「日刊新聞紙法」なのだ。

日刊新聞紙法はすごく短い法律で、正式には「日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律」という。名前に書いてあることがこの法律のすべてで、「株式は譲渡されない」ということしか書いていない。新聞の既得権の最大のものと言っていい。

普通に働いている人たちには馴染みがないが、新聞社に務める人間ならみんな知っている法律だ。

しかし、新聞社の人間でこのことを堂々と記事で書く人間はいない。新聞は企業の不祥事があった時に「コーポレートガバナンスができていない」「社内制度が悪い」などと書き連ねるが、一番ガバナンスができていないはその新聞社なのだ。記者も、それが分かっているから日刊新聞紙法について恥ずかしくて書けないのだろう。

この法律が、新聞社を堕落させていることに、記者も早く気がつくべきだ。自分だけ安泰な身分では、他者に厳しいことがいえるはずない。自分には甘く他者に厳しいのはありえない。言論で勝負する人は、やせ我慢が必要なのだ。

 テレビ局も既得権の塊

ここでテレビ局に話題を移したい。新聞社が子会社のテレビ局を支配しているという構造的な問題は、前段で触れたとおり。さらに、そのテレビ局が既得権化している理由は、地上波放送事業への新規参入が実質的に不可能になっていることにある。

総務省の認可を受けた場合にしかテレビ放送事業はできない。「放送法」によって免許制度になっているわけだが、このことがテレビ局を既得権まみれにしている最大の原因だ。

はっきり言おう。「電波オークション」をやらないことが、テレビの問題なのだ。電波オークションとは、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかけることだ。

日本では電波オークションが行われないために、電波の権利のほとんどを、既存のメディアが取ってしまっている。たとえば、地上波のテレビ局が、CS放送でもBS放送でも3つも4つチャンネルを持ってしまっているのもそのためだ。

電波オークションをしないために利権がそのままになり、テレビ局はその恩典に与っている。テレビ局は「電波利用料を取られている」と主張するのだが、その額は数十億円程度といったところだ。もしオークションにかければ、現在のテレビ局が支払うべき電波利用料は2000億円から3000億円は下らないだろう。現在のテレビ局は、100分の1、数十分の1の費用で特権を手にしているのだ。

つまり、テレビ局からすると、絶対に電波オークションは避けたいわけだ。そのために、放送法・放送政策を管轄する総務省に働きかけることになる。

その総務省も、実際は電波オークションを実施したら、その分収入があるのは分かっているはずだ。それをしないのは、テレビ局は新規参入を防いで既得権を守るため、総務省は「ある目的」のために、互いに協力関係を結んでいるからだ。

 放送法の大問題

そこで出てくるのが「放送法」だ。昨今、政治によるメディアへの介入を問題視するニュースがよく流れているので、ご存じの方も多いだろう。話題の中心になるのが、放送法の4条。放送法4条とは以下の様な条文だ。

放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

これを根拠に、政府側は「放送法を守り、政治的に公平な報道を心がけよ」と言い、さらに電波法76条に基づく「停波」もあり得るというわけだ。

一方で左巻きの人々は、放送法4条は「倫理規範だ」とする。つまり、単なる道徳上の努力義務しかない、と反論をしている。

しかし、筆者から見ればなんともつまらない議論だ。

そもそも、世界ではそんな議論をしている国はない。「放送法を守れ」「これは倫理規範だ」なんてつまらない議論をするのではなく、「市場原理に任せ、自由競争をすればいい」だけの話なのだ。

電波オークションによって放送局が自由に参入して競争が起これば、質の高い報道や番組が生まれるはずなのだ。おかしなことを言っていたら人気がなくなるし、人気があれば視聴者を獲得しスポンサーも付く。そうやって放送局が淘汰されれば、放送法など必要ないはずだ。

繰り返すが、電波オークションをやると一番困るのは既存の放送局だ。だから、必死になって電波オークションが行われないように世論を誘導している。

総務省はその事情を知っているから、「放送法」をチラつかせる。「テレビの利権を守ってやっているのだから、放送法を守れよ」というわけだ。それはテレビ局も重々承知。言ってしまえば、マスコミは役所と持ちつ持たれつの関係になっている。

 マスコミをダメにする「悪魔の一手」

最近では右派の人たちが、左巻きのメディアに対して「放送法を守れ」と息巻いている。筆者からするとそれはつまらないやり方だ。言葉は悪いが、もしマスコミを「潰したい」のなら、電波オークションで新規参入させるよう促せばいい。

「放送法は守らなくてもいいから、電波オークションにして誰でも意見を発信できるようにしろ」と言えばいいのだ。そうなるのが、テレビ局にとっては一番痛い。

この電波オークションの問題は、当然ながらテレビ界ではタブーとされている。電波オークションについて必要性を語る論者は、テレビ局にとっては要注意人物。筆者もそのひとりだ。

もし地上波で「実は電波利用料は数十億しか払ってないけど、本当は3000億円払わなければいけないですよね」などと言おうものなら、テレビ局の人間はみんな真っ青になって、番組はその場で終わってしまうだろう。テレビでコメンテーターをしているジャーナリストも、その利権の恩恵に与っているので大きな声で指摘しない。

電波オークションをすれば、もちろん巨大な資本が参入してくるだろう。ソフトバンクなどの国内企業をはじめ、外国資本にも新規参入したいという企業はたくさんある。

既存のテレビ局は巨大な社屋やスタジオを所有しているが、これだけ映像技術が進歩している現在では、放送のための費用はそこまでかからない。今では、インターネット上で自由に放送しているメディアがたくさんあるのだからそれは明らかだ。

既存の放送局の権利を電波オークションで競り落とすと考えれば費用は膨大に思えるが、電波だけではなくインターネットを含めて考えれば、放送局そのものは何百局あってもかまわないのだから、新規参入するのに費用は数百億円もかかるものではない。

資本力がある企業が有利ではあるかもしれないが、技術が進歩しているために放送をする費用そのものはたいしたものでなないのだから、誰にでも門は開かれている。

多様な放送が可能になれば、どんな局が入ってきても関係がない。今は地上波キー局の数局だけが支配しているから、それぞれのテレビ局が異常なまでに影響力を強めている。影響力が強いから放送法を守れという議論にもなる。しかし放送局が何百もの数になれば影響力も分散され、全体で公平になる。そのほうが、健全な報道が期待できるだろう。

しかし、筆者などが「既得権をぶち壊そう」と提言すると、いつも激しい反発を食らう。マスコミや、教員、公務員の既得権を批判すると、すぐに左派の学者が出てきて共闘を始める。

経済問題への無知さ加減はもちろんだが、それにも増して、こういった既得権にまみれながら厚顔でいるところも、筆者が「左巻きはバカばかり」と言いたくなる理由だ。

【私の論評】次世代のメディアの主役は新聞・テレビでないことだけは確か(゚д゚)!

新聞は購読しない、テレビは視聴しないというのが、メディアにとっては一番こたえるでしょう。実際、私もそのようにしています。ニュースはネット(産経新聞・夕刊フジはiPad)で、テレビはHuluやアマゾンで見るという具合で、ほとんど新聞は購読せず、テレビを視聴しなくてもすみます。

2012年の朝日新聞に記載された記事によると、国民の75%が「最近のテレビ番組はつまらない」と回答しています。当時は、平日でも平均3時間半もテレビを見て、「世界に冠たるテレビ好き」と言われる日本人だったのですが、当時からテレビ番組に対する不満は年々高まっていました。

それにしても、新聞やテレビのようなメディアには、上の記事でも明らかなように、イノベーションなど起ることはないでしょうし、起すつもりもないでしょう。道理で、最近は新聞記事を読んでももテレビを見てもつまらないし、偏向していて馬鹿丸出しだし、まるでやる気というものが感じられません。
イノベーションを行なう組織こそが、これからの時代において主役になると
すれば、新聞・テレビなどのメディアは最早これからの時代の主役ではない
マネジメントの大家ドラッカー氏は、イノベーションについて、『マネジメント・フロンティア』で以下のように語っていました。
イノベーションに優れた企業は、イノベーションのための活動を厳しく管理する。創造性などという言葉を口にすることはない。創造性とは、イノベーションを行なわない企業が使う中身のない言葉である。(『マネジメント・フロンティア』)
ドラッカーは、イノベーションを職能の一つと見ることは間違いだといいます。イノベーションは、企業のあらゆる部門、職能、活動に及ぶものです。製造業だけのものでもないです。流通業におけるイノベーションは、製造業におけるのと同じように重要な役割を果たします。新聞や、テレビなどのメディアの世界でも同じことです。

イノベーションに優れた企業は、仕事と自己規律について語っています。それらの企業は、このプロジェクトを次に見直すべき段階はどこか、そのときまでにいかなる成果を期待すべきか、そしてそれはいつなのかを自ら問いかけています。

また、優れた企業は、ほぼ三年ごとに、すべての製品、工程、技術、サービス、市場を“裁判”にかけます。今あらためて始めるつもりのものばかりか、今後その製品やサービスを手がけるかも問いかけています。

それらの企業は、もはや生産的でないものを組織的に廃棄する仕組みを持っています。品質さえよければ、馬車用の鞭の市場がいつまでもあるなどとは考えません。イノベーションを仕事としてこなしています。
イノベーションに優れた企業は、人のつくったものは遅かれ早かれ、通常は早く陳腐化することを知っている。競争相手によって陳腐化させられるのを待たずに、自ら陳腐化させ、廃棄することを選ぶ。(『マネジメント・フロンティア』)
イノベーションは、ひらめきや思いつきではなく、体系的・組織的に過去を捨て去ることです。そうして、上には掲載されていませんが、ドラッカー氏はイノベーションの究極の目的は、社会を変えることだとしています。社会が何らかの形で変わらなければイノベーションとは呼べないのです。そういうことを考えると、新聞やテレビなどのメディアにはイノベーションは最初から無理だということです。

そもそも、日刊新聞紙法や、電波法などにより電波オークションもなく、手厚く守られているため、体系的・組織的に過去を捨て去る必要性がないのですから。

電波オークションについては、このブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【突破する日本】「偏った」放送を繰り返すテレビ局に電波を独占させる必要はない―【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!
テレビ朝日本社
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分のみ掲載します。
現状のままの電波行政では、政権与党にとっても、国民とって一つも良いことはありません。日本でも、一日はやく「電波オークション」を導入すべきです。

そうして、せっかく導入するのでしたから、国民にとって良いサービスがどんどん生まれるような形で導入すべきと思います。これによって、今までには考えられなかったような、新産業の興隆を促すことも可能だと思います。

そうすれば、旧態依然として、偏向報道を繰り返すような、面白みも何もないようなテレビ曲など競争に負けて自然と淘汰されていくと思います。
新聞・テレビなどのメデイアは過去はいざしらず、イノベーションができない組織なのですから、これからの時代の主役ではないということです。これから、どんどん衰退していくことでしょう。

これからのメディアの主役になるのは、やはりネットであるということです。

いつの時代でも、メディアの持つ力は非常に大きく、技術が社会の中に取り込まれたとき、イノベーションが発生します。例えば、ー昔前まで、電話はプライベート空間に存在するものでした。しかし携帯電話の普及で、個人的な行為を外に持ち出すことになり、プライベートとパブリックの境目が変わったのです。

この変化に付随して、電車の中で化粧をする女性が出現しました。化粧というきわめて個人的な行為が外に持ち出されたのではないかと推測されます。このように、社会のあり方さえも変化させる力を持つのがメディアなのです。

電車で化粧す女性
メディアの変遷を振り返ると、1950年代までは活字や映画の時代でした。1964年の東京オリンピックに向け、一般家庭にもテレビが爆発的に普及し、テレビの時代がスタートしました。そして、1995年にはWindows95が発売され、同時期に高速インターネット回線の整備も国策として進められ、少しずつインターネットが姿を現します。そして現代は、一人に一台以上の携帯電話の普及が進み、FacebookやTwitter、LINEといったソーシャル・ネットワーキング・サービスが利用され、時代はインターネット全盛期を迎えています。


テレビというメディアは随分前から衰退しつつありましたが、それを強烈に意識させられたのは、東日本大震災のときでした。それまでテレビというメディアは、信頼できる存在として圧倒的な力を誇っていたのですが、「テレビは何かを隠しているのではないか」といった疑心暗鬼が人々の間に広がりました。

同時にインターネット上では、本質的な情報がやりとりされ、人々は「真実を知ることのできるツール」として、ネットに向かったのです。この同じ年(2011年)には地上デジタル放送がスタートし、テレビを見ない人を多数生み出しました。3・11と地上デジタル放送開始という2つの要素が、テレビの衰退を決定的にしたのです。


このような状況からすると、やはりネットが次世代のメデイア主役であることは間違いないです。

ネットの世界では、誰がどのようなニュースを発信しようが、誰がどのような動画を掲載しようが自由です。今までは、既存の新聞やテレビがネットでニュースや動画を配信したり、個人が出したりしていましたが、今後は多くの企業が参入してくることでしょう。

そうして、多くの企業が自由に競争し、イノベーションを巻き起こしていくことでしょう。その時に、既存のメディアは衰退していくでしょう。ただし、ある程度残ることは残るでしょう。おそらく、現在のラジオ局のような存在になることでしょう。そうして、メディアの主役の座はネットに譲ることになります。

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2016年10月7日金曜日

【痛快!テキサス親父】日韓合意した慰安婦問題、再び持ち出した韓国に呆れたぜ!―【私の論評】自らの立場を顧みない韓国の将来は、アジアの凡庸な貧乏国になるだけ(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】日韓合意した慰安婦問題、再び持ち出した韓国に呆れたぜ!

トニー・マラーノ氏(手前) 2014年8月 靖国神社にて 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

ハ~イ! みなさん。

 慰安婦問題が作り話であることは、米軍の公文書など、さまざまな1次資料で明確になっている。ただ、その作り話をもとに、いまだに世界各国に慰安婦像を設置しようとしている連中が存在することは信じられないぜ。カルト的な宗教団体みたいだ。「慰安婦真理教」とでも呼ぶか?

 こうしたなか、ドイツのフライブルク市で進められていた慰安婦像の設置が中止に追い込まれた。姉妹都市である韓国・水原(スウォン)市が計画していたものだが、同じく姉妹都市である愛媛県松山市をはじめ、日本側から真実の提示や抗議がフライブルク市に寄せられたという。

 日本側の素早い対応が、韓国側のもくろみを打ち破ったわけだ。反日団体や詐欺師が世界中に慰安婦問題のウソを吹聴する前に、このような対応が取れていたらよかったと思うぜ。

 安倍晋三首相は昨年夏の戦後70年談話で、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と訴えた。

 そして、同年12月、慰安婦問題で日韓合意が行われた。これは、安倍首相が「心からのおわびと反省」を表明し、元慰安婦を支援する財団に日本政府が10億円程度を拠出することを条件に、この問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するものだったはずだ。

 合意直後、ケリー米国務長官らが歓迎声明を発表し、完全履行を求めた。

 日本政府は8月末、約束通りに韓国の財団に10億円を拠出した。ところが、韓国の財団はさらに、安倍首相名義の「おわびの手紙」を要請し、韓国外務省報道官までが先月末、追加措置を求めていたという。

 韓国の呉俊(オ・ジュン)国連大使も先日、「(慰安婦問題は)韓日双方の問題として終わったもので、国際的な問題として終わったわけではない」と語ったらしいぜ。

韓国の呉俊(オ・ジュン)国連大使
 日韓合意は、国連でも今後一切、慰安婦問題を持ち出さない話じゃなかったか? またかよ? まったく信用できない。

 安倍首相は3日、国会で「われわれは(おわびの手紙など)毛頭考えていない」「日韓合意の範囲外だ」と言い切ったという。当然だぜ。

 もし、韓国政府が正式に「おわびの手紙」を要求してくれば、韓国政府は「無能さ」と「約束を守れない国」であることを世界中にアピールしたことになるな。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 韓国が先進国の仲間入りをしたいのであれば、まず最低限、「約束は守るものだ」ということから学ぶべきだな。

 では、また会おう!

【私の論評】自らの立場を顧みない韓国の将来は、アジアの凡庸な貧乏国になるだけ(゚д゚)!

さて、日韓合意については、このブログでも掲載しました。その際に、日韓合意が成立した裏にはアメリカの圧力があったであろうことを憶測で掲載しました。

これに関しては、拓殖大学教授の呉善花氏が、月刊国際情勢誌「サピオ」に以下のような記事を寄稿しています。

拓殖大学教授の呉善花氏
日韓慰安婦合意成立 最大の理由は米国の圧力と経済的な要因 
2016.02.16 16:00
 これまで日本に対して強硬な外交姿勢だった韓国が、年末の日韓合意で急に軟化したように見える。拓殖大学教授の呉善花氏は、この「歩み寄り」の裏には、アメリカの存在と韓国の窮状があると指摘する。 
 * * *
 昨年末の電撃的な日韓慰安婦合意について、日本政府は「最終的かつ不可逆的な解決」と胸を張ったが、韓国サイドの反応は予想どおりだった。 
 元慰安婦や韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)だけでなく、梨花女子大などの学生や一般市民まで次々と合意に反発して立ち上がっている。 
「長年苦しんできた歴史を、ちっぽけな金額で売り飛ばされてたまるか」と、かえって怒りを増長させてしまった。 
 親北朝鮮の最大野党「共に民主党」の文在寅代表は「今回の屈辱的な合意は無効」と断じた。 
 反日で国を束ねる韓国にとって、慰安婦問題は解決されては困る問題であり、何があっても永遠に燃え盛る炎のようなものだ。李明博前大統領は竹島を反日カードにしたが、朴槿恵大統領は慰安婦問題を普遍的な「女性の人権問題」として世界にアピールしてきた。保守派の彼女には、親北朝鮮の野党支持者を取り込むねらいもあった。 
 朴槿恵にとって慰安婦問題は政権を維持する最大の反日カードなのに、なぜ日本との合意を急いだのか。 
◆朴槿恵大統領を叱責した 
 最大の理由は米国の圧力だ。南シナ海の人工島建設やサイバー攻撃など、「力による現状変更」の意志を隠さない中国と政情不安定の北朝鮮は東アジアの安全保障にとって大きな脅威であり、日米韓が緊密に連携する必要があるが、「米中二股外交」を展開する韓国は米国の制止を聞かず中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加し、昨年9月、北京で開催された抗日戦争勝利70年記念行事には朴大統領自ら出席した。 
「慰安婦問題が解決しない限り日韓首脳会談は実現しない」と明言する朴槿恵は米国にとって実に厄介な存在だった。 
 言うことを聞かない彼女に怒り心頭のオバマ大統領は昨年10月、ホワイトハウスの米韓首脳会談で日韓友好を求めて朴槿恵を叱責したとされる。会談後の会見でオバマ大統領は「(日韓の)困難な歴史問題が解決されることを望む」と厳しい表情で語った。
オバマ大統領
 同時に経済的な要因も大きい。ウォン安を背景に輸出で躍進した韓国経済は近年のウォン高と中国経済の減速で大ブレーキ。韓国貿易協会によると日韓関係の悪化で日韓輸出入総額は2011年の約1080億ドル(約13兆円)から2014年は約860億ドルに減少した。 
 今や日本の若者は嫌韓ムード一色だ。私の勤務する大学では韓国語を学ぶ学生が激減し、韓国への短期研修は希望者が少なく、今年度は初めて実施されなかった。 
 韓国観光公社などによると、2000年代後半300万人台だった訪韓日本人は現在200万人を割る勢いだ。代わりに増えた訪韓中国人はお目当ての品がなく、訪日時のような「爆買い」をしないので当地は潤わない。 
 焦った経済界から「やっぱり日本だ」との声が噴出した。昨年5月、ソウルで開かれた日韓経済人会議で韓国代表は「両国が1つの経済圏を形成し、ともに成長、共同繁栄の時代を構築すること」を提案した。会議では「日本を追い抜いた」との奢りから停止していた「日韓通貨スワップ協定」の復活や「韓国のTPP加入」などが議題となった。 
 米国と経済界から突き上げられた朴槿恵は孤立を怖れて渋々、日本との関係改善に動き、昨年11月、ソウルで就任以来初の日韓首脳会談を開催した。昨年末、朴槿恵への名誉毀損で在宅起訴された産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長の無罪判決、韓国憲法裁判所による1965年の日韓請求権協定は違憲との審判請求の棄却も今回の合意を後押しした。 
呉善花/1956年、韓国・済州島生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、拓殖大学国際学部教授。近著に『朴槿恵の真実 哀しき反日プリンセス』(文春新書)など著書多数。
※SAPIO2016年3月号
韓国は、この記事に書いているように、今回の日韓合意はアメリカの圧力によるものであることを良く認識していないようです。もし、この日韓合意がアメリカの圧力なしに行われたものであれば、それこそ韓国の思う壺で、幾度となく合意点など無視して、何度もゴールを移動させて、それこそ、慰安婦問題を韓国の好き放題で外交カードにすることもできたでしょう。

しかし、今回はそういうわけにはいきません。米国は韓国にも軍隊を駐留させて、北朝鮮や中国に睨みを効かせています。さらに、最近では米国によるTHAADの韓国への導入を受け入れたことにより、中国との関係が悪化しています。

THAADミサイルの発射
これが決まるまでは、朴槿恵は米国との関係がありながら、中国に接近して、中国への輸出を増やすなどのことをして、米中を手球にとったつもりいたようです。

オバマ大統領としては、南シナ海の人工島建設やサイバー攻撃など、「力による現状変更」の意志を隠さない中国と政情不安定の北朝鮮は東アジアの安全保障にとって大きな脅威であり、日米韓が緊密に連携する必要があったにもかかわらず、このようなことをする朴槿恵は、裏切り者であると映ったことでしょう。

これだけでも、オバマ大統領としては韓国が裏切りものであると感じているところに、さらに慰安婦問題により、日米韓の間の連携に楔を打ち込むようなことをする韓国の行動には、怒りを覚えるのが当然です。

だからこそ、オバマ大統領は、朴槿恵に叱責をしたのです。そうして、日本にある程度譲歩させることまでして、韓国に日韓合意を迫ったのです。そのため、韓国としてはこの日韓合意を受け入れることになりました。

しかし、韓国側としては、内心では、この合意を結んでも、どうせすぐにまた蒸し返しができるものと踏んでいたものと思わます。それに関しては、ブログ冒頭の記事中の韓国の呉俊(オ・ジュン)国連大使の発言などからもうかがい知ることができます。だから、ある程度軽い感覚で日韓合意に同意したと思われます。

しかし、米国の圧力があるということは、日韓だけの問題ではないわけで、韓国が合意を違えるようなことをすれば、日本だけが、これに反発するというだけではなく、米国もこれに大反発します。そうして、この米国の反発はことのほか韓国にとっては、重大な結果を招くことになりかねません。

そうして、韓国にはさらに、追い打ちがかかっています。米軍の最新鋭迎撃システム「高高度ミサイル防衛システム(THAAD)」の韓国配備で、蜜月関係にひびの入った中国と韓国。その亀裂の一端がついに統計にあらわれました。

8月に韓国を訪れた中国人観光客が、前月より約4万人減ったことが分かったのです。韓国メディアによると、繁忙期の8月の実績が前月割れしたのは1998年の月別統計の開始以来、初めてといいます。9月に朴槿恵大統領と会談した習近平国家主席は「両国は広範な共通利益を有する隣国」と歩み寄る姿勢もみせていたが、中国流の嫌がらせに痛めつけられているのが現実です。

「韓国にとって最大級の主力輸出品」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)と位置付けられるKポップスターの中国でのイベントも8月に相次いで中止。韓流人気に水を差す動きに懸念が広がり、韓国のプロダクション企業の株価が下落するほどでした。

大打撃を受けた韓国KPOP
中国主導のAIIBでも韓国外しの動きは加速しています。出資比率は第5位で、発足当初は副総裁ポストを確保したことで、インフラ投資の案件で、韓国の建設業界も潤うと期待が高まっていました。 

ところが、韓国が送り込んだ洪起沢(ホン・ギテク)副総裁が事実上中国に更迭されました。洪氏が引き受けていたリスク管理担当を局長級に降格させ、後任を公募するという徹底ぶりで、自国の建設会社の受注を支援するという韓国政府の計画は頓挫しました。

最初の投資案件であるパキスタンの高速道路建設プロジェクトについては結局、中国の建設会社が受注。懸念されていた通り、AIIBの運営で中国が独走の度合いを強めています。

THAAD配備を受けて、中国政府が韓国の建設会社の受注を手助けするはずもなく、韓国メディアは「AIIBは韓国より中国や日系資本を誘致しようとしている」という韓国の建設業界関係者の嘆きを伝えています。

このような状況ですから、韓国にとっては、このブログに何度か掲載したように、日韓通貨スワップは必須といっても良い状況になっています。

米国の強い圧力、経済の低迷で韓国は日韓合意を勝手に変更することはできないのは当然のことです。そうして、安倍総理には全くその気はありません。

この日韓合意に関しては、私達一般人も利用できます。韓国人が慰安婦問題など言い出したら、すかさず「その問題に関してはすでに日韓合意が形成されているので、言及しません」と言えば良いのです。

このごに及んでいまだ、自分たちの立ち位置を理解していない韓国には、もう見込みはありません。今後、先進国になることもなく、中進国の罠にどっぷりとはまり、北朝鮮よりはましなくらいの、アジアの凡庸な貧乏国になるだけです。

今のままでは、米国にとっても、日本にとっても韓国は、北朝鮮・中国に対抗するための、バッファーゾーンとしての意味しか持たなくなることでょう。まあ、はっきりいえば、「どうでもいい国」ということです。

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2016年10月6日木曜日

北の幹部2人、日本に亡命希望か 北京で脱北、正恩氏の健康状態知る人物か―【私の論評】正恩激太りの正体は、米国の報復に対する極度の恐れか?

北の幹部2人、日本に亡命希望か 北京で脱北、正恩氏の健康状態知る人物か

北の幹部の日本亡命によって金正恩氏の激太りの原因がつまびらかになる可能性も?
韓国紙、中央日報は5日、消息筋の話として、北京駐在の北朝鮮代表部の幹部2人が9月末に脱北し、家族とともに日本への亡命を求めたと報じた。日中両国が扱いを協議しているが、亡命先は確定していないとしている。一方、聯合ニュースは同日、幹部が韓国への亡命を望んでいるとの消息筋の話を伝えており、情報が錯綜(さくそう)している。

 菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、「報道にあるような日本への亡命を希望する北朝鮮人が日本大使館に接触したという事実はなく、日本への亡命を希望する北朝鮮人がいるとも承知していない」と否定した。

 中央日報によると、亡命を希望している一人は北京の代表部で代表の肩書を持つ保健省出身の幹部。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の健康管理に関連する薬品や医療設備の調達、導入を担当してきたという。もう一人は、北京代表部の幹部とした。

 記事では、保健省出身の幹部が9月28日に妻、娘とともに北朝鮮当局の管理下から逃れたとし、消息筋が「家族は日本大使館側と接触し、日本行きのための手続きを進めたと聞いている」と説明したと紹介した。

 亡命希望先が日本である理由については、幹部の親戚(しんせき)が日本にいるため、希望しているとした。記事では「北の外交の心臓部である北京で脱北・亡命事態が生じたという点で、平壌当局の衝撃は大きいはず」との韓国政府当局者の分析も伝えている。

【私の論評】正恩激太りの正体は、米国の報復に対する極度の恐れか?

北朝鮮のレストランで、金正恩氏(右)
核兵器やミサイル開発で国際社会に妥協を見せようとしない正恩氏ですが、ストレスや太りすぎによる健康不安を抱えていることは、韓国の情報機関も報告しています。朝鮮半島情勢を左右しかねない問題だけに、報道の真偽に注目が集まりそうです。

中央日報によれば、この件の保健省出身の幹部A氏は、烽火診療所、南山病院、赤十字病院を管轄する保健省1局の出身。北京の北朝鮮代表部に駐在していましたが、9月28日に日本大使館側と接触し、妻と娘を連れて日本へ亡命する意思を伝えたといいます。ただ、亡命先を巡っては現在、韓国と日本で「綱引き」を繰り広げている模様です。

韓国ではなく日本行きを望むのは、「日本に親戚がいるため」とされており、1950年代からの「帰国運動」で北朝鮮へ渡った、元在日朝鮮人の家系の出なのかもしれません。

A氏はこれまで、正恩氏の健康とかかわる医薬品や医療機器の調達を担当してきたといいます。ならば、正恩氏の健康状態についてもかなりの分析材料を得ている可能性が高いです。

韓国の国家情報院(国情院)は7月1日、韓国国会で開かれた情報委員会の懸案報告で正恩氏の体重が130キロと見られるとの分析を示しました。

国情院によれば、金正恩氏の体重は「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キロに、そして最近では130キロまで増えたと推定される」といいます。

写真左は、2012年ころはじめてメディアに登場した頃の金正恩氏、右は最近の同氏
独裁者として贅を尽くしていることが肥満の原因とも思われますが、それにしても、あまりの変化です。

気になるのは、正恩氏が公開処刑の嵐を始めた時期と、急激に肥満度が高まる時期が一致する点です。

恐怖政治を激化させる中で、なんらかの猜疑心やストレス、プレッシャーにさい悩まされたことが極度の肥満をもたらした可能性は充分にあります。

国情院も、不眠症や身辺の脅威のために暴飲暴食に走り、成人病にかかっている可能性を指摘しています。トイレひとつとっても、普通の人と同じ生活ができない不便さも影響していると思われます。

ところかまわずタバコを吸う金正恩氏
火気厳禁の化学工場の現地指導でもタバコを吸うなど、一見やりたい放題の金正恩氏ですが、たとえ急に便意を催したとしても出先のトイレを気軽に使えません。その理由は大きく分けて三つあります。

一つ目は、神格化された存在である最高指導者が、用を足している姿を他人に見られてはならないからです。金正恩氏の乗る1号列車には、金正恩氏専用のトイレ専用車が連結されているくらいです。

トイレ専用車は「神聖不可侵」なスペースで「北朝鮮の実質的なナンバー2の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏ですら、このトイレを使ったら銃殺されかねない」と、情報筋は明かしています。

二つ目は、警護上の理由です。

金正恩氏が外部のトイレを使うことは絶対にありえません。普段とは違い、朝のトイレに行かなかったり、移動中にトイレに行くとなると、警護体制に変更が生じるため、護衛員たちは緊張状態に置かれます。

また、金正恩氏は高速道路を使って移動する際にはベンツを使用するのですが、便意を催したとしても勝手に車から降りて、トイレ専用車に移動するわけにはいきません。そこで、車内で小便用の「おまる」を使用するといいます。

三つ目は、金正恩氏の健康上の理由です。

最高指導者の健康をチェックするには「便」の状態をチェックする必要があります。しかし、外部のトイレを使うとそれもできなくなります。

金正恩氏のトイレ問題を全面的に取り仕切っているのは、護衛総局です。国家機密中の機密であるだけに、護衛総局の要員にとって最もきわめて敏感な問題だといいます。さらには核・ミサイル問題とからみ、「米国から狙われている」との思いからくる緊張もあるでしょう。

北朝鮮のプール 北朝鮮のサイトより
米国は、韓国に金正恩斬首のための専門部隊を駐留させているくらいです。これについては、このブログにも掲載したことがあります。また、アメリカの最新鋭のステルス爆撃機をグァムに新たに配備したりしています。それどころか、アメリカはICBMの発射実験なども行い、北朝鮮を牽制しています。これについても、このブログに掲載したことがあります。

いつ、自分めがけて、斬首部隊がパラシュートで大量に降りてきたりするかもしれないとか、不意に爆撃されたりとか、CIAの陰謀により暗殺されるかもしれないという恐怖があるのは間違いありません。

しかしそもそも、それらは元々は、自分のまいた種です。正恩氏は自分の身の安全と健康、北東アジアの平和と安全がつながっていることを、早く理解した方が良いです。このままでは、米国が屈服するはるか以前に本格的に自分の健康を害してしまうことになります。

以上は、多くが憶測です。しかし、保健省出身の幹部A氏が日本に亡命するということが本決まりになり実際に日本に来た場合、このあたりの状況が明らかにされるに違いありません。

また、拉致被害者に関する新たな情報ももたらされるかもしれません。

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井俣憲治町長によるハラスメント事案について―【私の論評】自治労の影響力低下と保守化の潮流:日本の政治に与える影響と自民党の凋落

井俣憲治町長によるハラスメント事案について 井俣憲治町長 町長によるパワハラ・セクハラの被害を受けた、または目撃したとする町職員によるアンケート調査結果を重く受け止め、事案の全容解明のため、町および町長から独立した第三者委員会を設置し、調査を進める。 10月下旬に職員がアンケー...