2014年1月20日月曜日

【アゴラ】日本は、中国や韓国と関われば国家の衰退や危機を招き、欧米と関わると繁栄する…現代史が教える外交の法則―【私の論評】現代史の史実が、中国対応の正しい方法は「ノータッチ」という「タッチ」が最も良い方法であることを教えている(゚д゚)!

【アゴラ】日本は、中国や韓国と関われば国家の衰退や危機を招き、欧米と関わると繁栄する…現代史が教える外交の法則

◆中韓と距離をおけば日本は繁栄するというのは本当か-東猴 史紘

(3)日本が衰退した時の共通点

確かに、米国だけでなく中韓との友好関係を深めることができれば 日本にとってはベストなのだろうがそれは難しい。 日本や韓国や朝鮮半島(韓国・北朝鮮)と関わりを深めたとき 衰退・危機に陥るということを現代史が教えてくれているからだ。

以下、大正、昭和、平成時代を振り返ってみる。

大正時代には、中国大陸の満州に進出した日本は泥沼にはまり、 米国等の西洋諸国と敵対してしまい、国連脱退を余儀なくされ結果、 第二次世界大戦において原爆を2回落とされ焼け野原にされた。

満州国の位置

昭和には、田中角栄内閣が誕生し日中国交正常化した。 中国との友好関係を結んだ田中総理は極めて高い評価を得たが、 日本経済は狂乱物価により不景気になり、その後ロッキード事件で失脚した。

平成では、直近の鳩山内閣が従来の日米関係を断ち切り中国と連携を深めるべく 東アジア共同体構想を掲げた。しかし、その結果は説明するまでもない。政権はそのまま崩壊した。

第1次安倍政権も、小泉政権で悪化した日中関係を改善させようと就任当初に 真っ先に中国を訪問したが、短命政権に終わり、その後日本は毎年首相が コロコロ代わる悪夢の時代に陥った。

朝鮮半島(韓国・北朝鮮)との関わりも同じだ。 戦後の特需景気は朝鮮半島のお陰だが、それは日本が米国との友好関係にあったからその恩恵を得ることができたのだ。

つまり、過去の日本の歴史を振り返ると米国など西洋諸国ではなく、 中国との友好関係を深めたり、関わったときに日本が衰退・滅亡の危機に陥っているのだ。

この点、『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(石 平著)に詳しい。 同書では「日本という国は、中国大陸と距離を置いた時代にもっとも輝いているのである」と
言い切っている。

(4)日本が発展した時の共通点

逆に日本は西洋諸国との友好関係を中心とした外交・経済運営を展開したときは 成長を遂げている。 明治時代の文明開化は中国ではなく、西洋文化を取り入れた結果である。

昭和時代では吉田茂が米国(支配下ではあるが)と共に焼け野原にあった日本の 基礎を作り上げた。 また、所得倍増を掲げ、高度経済成長を成し遂げた池田勇人政権も中国や朝鮮半島ではなく、 欧米との関係を重視したからこそである。

以下、「池田勇人の対外認識とアジア政策 李炯喆著」を一部抜粋する。
池田勇人内閣は経済政策を優先的な政策としつつ、政治問題の争点化を避けた。対外的にも沖縄問題、韓国との国交正常化問題、中国承認問題のような過熱しやすい争点は 後回しにして、IMF8条国への移行、GATT11条国移行、OECD加盟など、 日本経済の国際経済への復帰を主眼として、その目的を果たした。  
確かに、日韓及び日中との国交正常化はアジアへの復帰を果たすには避けられない過程であるが、池田の経済主義的効用論から見れば、日本外交の主軸をアジアへ置くよりは欧米との協調を深めたほうが、 まだ先進国への復帰を果たせなかった日本の実利に適うことであった。
アゴラ 2014年01月19日12:06

この記事の詳細は、以下のURLから!
http://agora-web.jp/archives/1578207.html 


【私の論評】現代史の史実が、中国対応の正しい方法は「ノータッチ」という「タッチ」が最も良い方法であることを教えている(゚д゚)!

上の記事のようなこと、少しでも現代史を勉強した人なら、上の記事のように指摘されることもなく、自然に理解できることです。

中国のハルビン駅に開館した安重根の記念館=19日
中国は尖閣問題や、南京事件など、歴史を最大の武器として利用してきました。それに対して日本は70年間やられっ放しでした。その敗因は、日本人が正しい日中関係史を知らないからです。特に現代史は知らなすぎる人が多すぎです。中国の歴史などというと、4000年などといいますが、とんでもないです。現代の中国の歴史は、70年未満です。現代中国と、過去の中華帝国との間には、全く何の関係もありません。歴史も、伝統も文化も完璧に分断されたものです。日本のような国のなりたちと全く異なります。まずは、このことを理解すべきと思います。

また、個々に分断された、互いに全く関係のない、中国の古代から現代に至るまでの歴史をみれば、中国は簡単にいえば、統一、崩壊、分散また、統一、崩壊、分散というように、何回も同じことを繰り返していることがわかります。

もっと、詳しくみると、以下のようなものです。
1:新王朝の設立⇒2:功臣の粛清⇒3:対外侵略戦争⇒4:漢字の一斉改変と改鼠歴史書の作成⇒5:宦官、閨閥など皇室側近への跳梁⇒6:秘密結社の乱立と農民反乱の全国化⇒7:地方軍閥の中央侵入⇒8:1から繰り返しです。
中国は、夏王朝から明の時代まであらゆる民族が入り乱れて独裁、腐敗、革命を数千年繰り返しているだけの国です。結局、多少の長い、短いくらいの差はあつても、この八つを繰り返し、互いにほとんど縁も縁もない、帝国を築いては、崩壊ということを繰り返してきただけです。

ここが、日本と根本的に異なります。そもそも、本来は、「中国人」なる人種など存在しません。確かに「漢民族」もいますが、これが、一貫して「中国」を5000年間支配したなどという歴史はありません。

そして過去の中国エリートは実はヨーロッパのような近代国家に憧れていましたが、真似できたのは帝国主義だけでした。明や清の時代から、各国に移民を送り込んで力と陰謀で世界を乗っ取ろうとしてきましたが、現代の高級官僚が裸官と呼ばれるように、家族を海外に散らしてリスクヘッジしているのもそれと変わりません。

さて、このような目で、現代中国をみてみると、現在の中国は「皇帝側近の跳梁」を経て「秘密結社の乱立と農民反乱の全国化」あたりということになります。

実際に最近、法輪功のような新興宗教が、数百もあり、さらに邪教と呼ばれる地下宗教が活発化しています。全国各地で暴動も起きています。これに関しては、中国は建国以来毎年平均、2万件の暴動が発生していたものが、2010年あたりから、その頻度は更に増して、現状では、年平均8万件ともいわています。そのためもあってか、2010年から、政府は暴動の発生件数を公にしなくなりました。

法輪功信者に対する迫害を示すエグゼビション

中華人民共和国の歴代トップを明朝の皇帝で例えるなら、毛沢東は建文帝、鄧小平は永楽帝ということになります。習近平は、国政改革に取り組むも、結局先代の悪政による負の遺産を抱えきれずに民衆の反乱に遭い、最後は自害した明朝最後の皇帝、崇禎帝になってしまうかもしれません。だからこそ、彼は、中国国内では、ラスト・エンペラーともささやかれています。中国の歴史は『三国志演義』の脚本のまま、登場人物の名前と武器だけ変えればそのまま語れてしまうというのが実体です。



さて、先ほどの8個のサイクルでいくと、次はいよいよ「地方軍閥の中央侵入」ということになると思いす。これから、大規模な経済危機が起きれば、間違いなくそうなることでしょう。最近は、人民解放軍の統制は乱れていると聞きます。そうなると、地方の人民解放軍が、中央に雪崩れ込むというシナリオも十分考えられます。それに、この人民解放軍というのが、曲者です。

これを、日本の自衛隊や他国の軍隊のような組織と思うのは、全く違います。そもそも、人民解放軍は、中国全土を七つに分けた軍管区に存在する、中国共産党の私兵です。外国のような、国民・国家の軍隊ではありません。そうして、恐るべきことに、この七つの軍管区のうちの、個々が核兵器を持っていたりします。

無論、持っていない軍管区もあります。それに、軍隊であるにもかかわらず、その実体は、日本でいえば、総合商社のような役割もしています。個々の人民解放軍が、さまざまな商売や、事業を展開しているという、全く不可思議な組織です。こう考えると、地方の人民解放軍が、中央に雪崩れ込むなどというシナリオも十分考えることができ、先の8個のサイクルもより現実味を帯びて見えてきます。

人民解放軍は総合商社?

リーマンショック直後は地方にとにかく、巨額の投資をして、不動産開発を行って不動産バブルを作って持ちこたえました。ところがインフレが酷くなり始めたので金融引き締めして、元高を容認しなければならなくなりました。しかしそれでは輸出主導が成り立たなくなります。逆にカネを刷りすぎるとインフレに逆戻り。この微妙な均衡が崩壊すれば、これまでにない衝撃が待っていることでしょう。それに、最近では、日本の包括的な異次元の金融緩和がこの傾向にさらに追い打ちをかけています。

長々と書いてきましたが、これからの中国と日本の関係を考える場合に、中国や韓国と関われば国家の衰退や危機を招き、欧米と関わると繁栄するという歴史上の事実が非常に役にたつと思います。

歴史問題など、いくら日本が力説しても、中国は理解を示すことはないでしよう。歴史問題に関しては日本は「ノータッチというタッチ」の姿勢で臨むべきです。そうしたほうが、日本は、繁栄するというのですから、そうするべきです。これには、既にその例が現代史の中にあります。大正時代の外務大臣、石井菊次郎がとった大陸政策がそれです。

石井は、中国に関しては、日本の国益や日本国民の権利が危なくなったときにだけ最小限度の介入をして、大規模な軍事展開は行わないという方策をとりました。中国の動向に関する情報収集は普段から緻密にしておき、いざというときに動ける態勢は整えておきますが、直接的な対話はしなくてもいいというものです。



このようにして、日本は、迷惑千万な隣人は、意図して無視して、日本経済を復活させ、諸外国から「日本と仲良くすることが国益になる」と思われるようになれば良いのです。中国については適度にあたりさわりのない反応で、直接関わるようなことをしなけば良いです。例えば国際社会で中国の人権問題に言及したり、「南京事件の犠牲者の方々には、心から哀悼の意を表します。ところで、今の中国は人命が尊重されていますか?」というふうに、適度に揶揄すればそれで良いと思いす。

そもそも、南京事件について謝罪したら、謝罪要求という中国最大の対日カードが使えなくなり中国は慌てふためくことになります。’95年の村山談話も、当時の中国共産党上層部にとっては迷惑だったということです。

こうして、上手にやり過ごしていれば、いずれ黙っていても、中国は崩壊します。そうして、その日は20年後や30年後ということではなく、早ければ5年、遅くても10年でそうなると思います。

そうなって、中国が7つくらいに分裂したら、その中で、民主化、政治と経済の分離、法治国家などまともにすすめる国と外交関係を樹立して、後のどうでも良い国とは、「ノータッチ」の「タッチ」でやり過ごせば、それで良いと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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